『モンスターハンター3(tri-)』とは、カプコンから2009年8月1日にWiiで発売されたハンティングアクションゲームである。
技と知恵を頼りに挑み続ける者たちがいる。
何が彼らを駆り立てるのか。何を彼らは求めているのか。
知りたくば、ただ武器を取るがいい。
答えはいつも、そこにあるのだから。
概要
モンスターハンター3 (トライ) |
|
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ハンティングアクション |
対応機種 | Wii |
開発元 | カプコン |
発売元 | カプコン |
発売日 | 2009年8月1日 |
価格 | 7,340円(通常版) |
対象年齢 | CERO:C |
通信 | |
その他 | |
|
|
ゲームソフトテンプレート |
『モンスターハンター』シリーズの第三世代にあたる。MH2とは一部の武器や大型モンスターが共通しているが、後述するゲーム仕様や狩猟をする土地が変更されている。そのため一部の共通モンスターを除き、登場する大型モンスターなどが大きく異なっており、今までとは違う斬新な狩りが行える。
標準的な操作方法は「リモコン+ヌンチャク(フリースタイル)」で、リモコンを傾けながらボタンを押すなどの操作が追加された。クラシックコントローラーでも操作可能で、前作を遊んだ人に向いているとされる。操作方法は二種類用意されていて、PSPやPS2と同じような操作に設定できる。また操作方法の変化に伴いモーションが変更・追加されている。
新要素
生態表現
今作での最大の変更点として「綿密さを増す生態表現」が挙げられる。MHP2G以前のモンスターハンターでは、どんなことがあっても「敵の敵は味方」状態であり、ランポスもリオレウスもアプケロスも協力してハンターを総攻撃していたので、雑魚を残すと非常にストレスがたまるといわれていた(特に蟹たち。MH3ではそこらへんも考慮されたのかリストラされた)。
3では、リオレウスなどの大型モンスターが、ジャギィなどの雑魚モンスターを火炎ブレスなどの攻撃で巻き込んで倒しながらハンターを攻撃したり、逆にジャギィたち鳥竜種は群れて大型モンスターに攻撃したりするようになった。
さらには、ドスジャギィなどの小型モンスターのボスは子分を鳴き声で呼んだり、他の大型モンスターやハンターに攻撃指令をだしたりと、群れの中でのチームワークを見せるようになった。ボスのドスジャギィが移動すると、呼び出した子分のジャギィも一緒にエリア移動したりする。
クルペッコにいたっては全く別種のモンスターまで呼び寄せてしまう。
また、今作からはモンスター同士に「危険度」というものが導入された。
危険度の低いモンスターは危険度の高いモンスターとは一緒に長くいようと思わないようになり、いつもより早くエリア移動する。
そのため前作にあったようなモンスターの合流時、2頭にボコボコにされるということはあまりなくなった。
後述するこやし玉にもエリア移動の効果があるため、上位などの複数クエストでは常に携帯するのがセオリーとなっている。
また、モンスターにはスタミナの概念が導入された。
大型モンスターに攻撃を続けたり、打撃属性の攻撃をヒットさせたりするとスタミナが減っていく。スタミナ切れの状態になると、ブレス攻撃が不発になったり、突進の後に転んだりするようになる。ハンター側にとって非常に有利な状態になるので、この間にラッシュ攻撃を仕掛けるのもいい。
肉食モンスターが疲れると、草食モンスターの捕食・ハンターへの拘束攻撃で体力を回復しようとする。草食モンスターの場合、餌場に移動して食事を取ることでスタミナを回復しようとする。このように、見ているだけでモンスターが生きているということを感じさせてくれる要素が追加されている。
ちなみに、細かな変更点として、今まで討伐や捕獲されても目を開けたままのモンスターだったが、今作からは目をつぶるようになった。
モンスターが麻痺や毒、眠りだけではなく、閃光玉やシビレ罠、落とし穴などの罠にも耐性を持つようになった。
そのため、閃光玉で怯ませ続けるなどといったハメができなくなり、以前の作品より計画的に狩りをしなければならなくなった。
他にも、高台などの地形は壊れるなど、ガンナーハメの対策もとられている。
モガの森
モガの村に隣接している地域で、ギルドでは「孤島」と呼ばれている。村にはクエスト受注時とは別の出入り口があり、クエストを受けなくても行くことができる。
このモガの森の大きな特徴は「制限時間が無い」「モンスターを倒すと資源がもらえる」「何度力尽きても平気」「孤島に生息している大型モンスターが出現する」という点。
そのため、ラギアクルスやリオレウス、リオレイアなどの討伐練習などにも使用できる。倒すと資源ももらえるので一石二鳥。村に帰って村長の息子に報告すると、小型大型を問わず倒した分の特産品と資源をもらえる。
また、大型モンスターを討伐すると、「海王の大竜鱗」などの通常とは違うアイテムが手に入ることがある。これは希少交易に使用できる特別な特産品である。捨てたりせずに大切にとっておこう。
「モガの森」の記事も参照のこと。
漁港&農場
何回育てるかを農場長に指定し、モガの森で入手した資源ポイントを使い育成してもらう。自分で増やしたいアイテムは、野生からとってこなくてはならない。
虫や木の実をはじめ、キノコやハチミツなども育成対象となっている。各肥料は、交易船の船長と交易をするか、モガの森で小型モンスターを倒すと手に入れられる。
漁港では、モガの森の資源ポイントを使い、「狩猟船」を使って漁師に魚をとってきてもらう(最大3人)。漁だけでなく宝探しにも行ってくれる。また運がよければ狩猟を承ってくれることもある。
モガの森でルドロスやエピオスを狩ると入手できる「見事な水かき」や「強靭な水かき」を漁師に渡せば航海が早く終わる。狩猟船を改造すれば、さらに質のいい魚を取ってきてくれるようになる。狩猟船の改造は交易で手に入るアイテムが必要。
既存アイテムの強化
今作では、今までのシリーズにあったアイテムも強化されている。MHP2Gまでにあった様々なアイテムの短所が改善され、よりアイテムが使いやすくなった。
一番分かりやすいのは罠。落とし穴は前作までは使用不可能な場所が多く、雪山などではほとんど使用不可能であったが、今作では凍土などでも使用が可能になり、使用できないフィールドはほとんどなくなった。また、ディアブロスやドス系モンスター(ドス狗竜)にも効くようになっている。
爆弾は、雨天時や水中でも使用が可能になり、活躍の場が増えた。
こやし玉は相手に気づかれている時に使うアイテムになり、拘束攻撃を解除するのにも使用できる。
しかも、上位になると凶悪なイビルジョーがフィールド上を徘徊するので、こやし玉の価値が急上昇。多くの人がモンスターのフンを集めるようになった。
なお、2頭のモンスターがいる場合、危険度が低い方に使用すると高確率で移動してくれる。
釣りのダンゴも仕様が変更された。例えば「黄金ダンゴ」を使うと、他の魚が消えて黄金魚だけが集まるようになり、黄金魚クエストの負担が軽減された。
龍殺しの実は農場で大量生産できるようになり、利用者数が増えた。MHP3ではなぜか農場で育成できなくなってしまったので、再び価値は高騰し始めている。
水中戦
今作には水中戦がが追加されている。水中にいるモンスターを直接攻撃したり、剥ぎ取ったりできるようになったが、陸上と違って高さ方向の移動が加わり操作がやや複雑である。ただし、水中のモンスターも陸上に移動することがあるので、その際に仕留めることもできる。
水中では酸素ゲージが表示され、水面下ではゲージが減少し続ける。これがなくなると体力が減り始めるが、水面に顔を出す、酸素ポイントから出る気泡に触れる、酸素玉使用などで回復できる。また、ある程度ゲージが減ると表示が赤くなり、警告音を発してハンターに知らせてくれる。
採取
採取や採掘ポイントに近づくとアイコンが表示され、過去作よりも探しやすくなった。さらに、全て取り終わるとアイコンが消えるため、無駄に探すことも無くなった。
モンスターの死体から剥ぎ取れる素材がある時も、このアイコンが表示されるようになり、取りこぼしが少なくなった。
採掘ポイントが消えて三分くらい経つと再び採掘ポイントが復活する「リポップ」という機能も登場。これでシーブライト鉱石やアイシスメタルなどの希少鉱石も楽に手に入るようになった。
錆びた塊系のアイテムはクエスト終了後にそのまま鑑定されるようになったので、前作のように狙って凄く錆びた系の武器を出すことができない。この仕様変更に多くのハンターたちが悲しんだ。
その代わり、以前の作品より発掘確率が上昇したほか、リポップ機能により見かける機会は増えている。
フィールド
孤島・砂原・水没林・凍土・火山が登場し、フィールドが一新された(前作と共通のフィールドはない)。MH2と同じく、拠点は村と街の2箇所ある(水上に浮かぶ村『モガ』、砂に囲まれた街『ロックラック』)。
上位クエストでは、全てのフィールドをイビルジョーが徘徊するので、こやし玉が必須アイテムとなっている。
装備
新たにスラッシュアックスという、変形機構を搭載した武器が追加された。
属性開放突きなどの強力な攻撃ができる剣モードと、連続攻撃ができる斧モードの二つのモードに変更できる。戦闘ではこの二つのモードを入れ替えながら戦うため、いままでの武器に無い斬新さが評価された。
唯一の欠点は、まだ実装されたばかりなため作成できる数が少ないといったところくらい。
ボウガンはライト/ヘビィの区別がなくなり、フレーム・バレル・ストックを別々に生産して組み合わせる仕様になった。また、新たにライトヘビィの真ん中の辺りにある「ミドルボウガン」も登場した。
そのため、自分の好きなようにパーツを組み替えて、好きな弾を撃てるように設定をすることが可能になった。初めのうちは色々と面倒に思うかもしれないが、やり始めると楽しい。
素材で強化できるようになったのも今作から。レア度は上がらないが、攻撃などの性能はあがるので、下位のレア度でも上位に匹敵する戦闘力になる。
一方で、ガンランス・双剣・弓・狩猟笛が登場せず、多くの愛好家を悲しませた(クルペッコの項など参照)。また、プレイヤーがブーメランを投げることもできなくなったが、オフラインプレイではNPCのチャチャが投げてくれる(他に狩猟笛のような支援もしてくれる)。
防具は新しく「護石」が登場。防御力上昇の効果は無いのだが、有能なスキルがついている場合がある。
スキルポイントがあと少し足りない…といったときにはこの護石の出番。
主な入手方法は火山での採掘やクエストの報酬。なにが出るかは完全にランダムなので、目的の護石が手に入るまで末永く採掘しよう。
下位の防具を上位の防具と同じ防御力に強化できる「上位強化」も登場。
やり方は、鎧玉で最大まで防具を強化した後に、上位のモンスター素材を少し使うだけ。MH2の防具強化システムとMHP2からの鎧玉システムの両方の長所を受け継いだシステムで、上位防具を一発生産するより楽であり、好評を得た。MHP3で削除されて残念に思ったプレイヤーも多い。
剣士とガンナーでポーチが二つに分けられた。その上、ガンナー用ポーチはガンナーの弾の調合素材を入れられるよう、4ページ分のアイテムが収容可能になった。
属性やられ
属性への耐性が低いと、その属性攻撃を受けたときに「属性やられ状態」という状態異常になることがある。
例えば、火属性の攻撃を受けて「火属性やられ状態」になると一定時間体力が減少し続け、「水属性やられ状態」になるとスタミナが回復しにくくなるなどの効果を受ける。
これらは特定のアイテムで回復できるが、火属性やられ状態に限っては回避行動を取り続けるか、水のある場所に入る/転がることでも回復できる。特に序盤の装備は属性耐性が低いものが多いため要注意。
火属性やられは体力の減少、水属性やられはスタミナ回復速度の低下、雷属性やられは気絶頻度の倍加、氷属性やられはスタミナ減少速度の増加、龍属性やられは会心率-50%の効果である。
それぞれ、「火消しの実」「水守の種」「雷静の種」「氷散の粒」「龍殺しの実」を食べることで回復できる。
当たり判定
今作ではMHP2Gまでにあった理不尽な当たり判定が大幅に改善された。
ディアブロスやリオレウスの尻尾攻撃は、以前と比べると回転回避でも避けられるようになっている。
亜空間タックルなどの理不尽な攻撃を持つモンスターの数も大分少なくなった。
カメラワーク
前作まで苦情が相次いでいたストレス要素の一つ、カメラワークの乱れが本作にて大幅に改善された。
モンスターの攻撃で壁際に追い込まれても視界はある程度は確保できる。
袋小路のような、ハンター側にとって不利になっているマップもあまり存在しない。
突進を壁際で繰り返してハンターに隙を与えない、壁ハメと呼ばれる攻撃も前作より少なくなった。
モンスター
獣人種 | 甲虫種 | 草食種 |
---|---|---|
鳥竜種 | 飛竜種 | 獣竜種 |
海竜種 | 古龍種 | |
鳥竜種ジャギィ、ジャギノス、ドスジャギィ、クルペッコ、海竜種ラギアクルスが初期から公開されていた。
それ以外にもボルボロス、ロアルドロス、チャナガブル、ウラガンキン、ベリオロス、ドスバギィが発売前の情報で公開された。
既存モンスターではリオレイア、リオレウス、ディアブロスが登場しているが、グラフィックや挙動は新たに書き起こされている。リアルになっているのでなかなかかっこいい。
動きもよりリアルで本当の生物のようになった。例えば、毎回着地のときに大剣の溜め攻撃を頭に食らっていたリオレウスは、今作では着地する前に自分の下にハンターがいると回り込んでブレスをするなど頭が良くなった。
オンラインでの問題
初期のオンラインはマナーの悪い子どもがたくさんいたことも有名。これは購入時に20日間無料券がついていたことに由来する。
地雷装備の中でも「フルラギアカゲヌイ」は特に有名。この装備を来ているハンターは他の強いハンターに寄生したり、村クエでラギア装備を作ってからオンラインに入るパターンが多い。
ラギア装備は「状態異常-1」のスキルがあり、麻酔玉も三つ投げなければ効果がない。しかし、低年齢の子どもたちは実践で使うときこのマイナススキルを装飾品で消さず、武器を選ぶ必要のない楽な麻痺サポートをやりたがる。カゲヌイは太刀であり、かっこよさもあって使うプレイヤーが多く、鬼人切りで迷惑をかけられる人がかなりいた。
名前が「HUNTER」なユーザーもかなりの数がいた。現在のオンラインでもほとんどはこの名前のユーザーである。ネット上では通称ふんたーさんと呼ばれる場合が多い。上記のフルラギアカゲヌイ装備もこの名前が多い。
これは今作の名前がデフォルトで「HUNTER」になっていることが原因。名前をつけるのが面倒だったり、名前をつけられることを知らない子どもたちの多くがこの名前で設定した。
オンラインに行くと「クエてつだって(只管部屋で言う)」「はちみつください」「しなないでね」「ちょっとごはんたべてます(クエスト中)」などの迷惑行為が散見された。他にも、フレンド要請のためのメールを「あ」だけ書いて送ってきたり、求人区の街門グリード1で「フランちゃんウフフ」とかつぶやいてたりと、文字通り小学生のような行動をしていた。
とはいえ、中にはかなりマナーのいい「HUNTER」もいるため、人は見かけによらないものである。
チャットもひどい物であった。担当は「かしこい日本語ATOK」。ある方向だけ賢すぎて、ゲーム内で使われてる重要な用語が変換できないという致命的な欠点がある。「ヒと(人)」「簿迂愚(防具)」「江南度(高難度)」「簿右岸(ボウガン)」「素着る(スキル)」はかなり有名。他には「属性解放付き(属性開放突き)」「奇人切り(鬼人切り)」などの単語も変換できない。
しかしながら「機動戦士ガンダム」「おジャ魔女」「涼宮ハルヒ」「Hey!Say!JUMP」「関ジャニ∞」「モーニング娘。」「SMAP」などのほぼ使わない言葉は無駄に変換できる。
多くのユーザーがこの変換仕様に不満を感じたのは言うまでもない。
評価
前作のMHP2Gが非常にボリュームがあったため、こちらと比べられてしまうことが多い。
まずモンスターや防具の少なさ、武器削除が大きな欠点にあがった。
まず、今までの作品では新武器がどんどん追加されたのに対し、今回は異例の武器削除によりそれらの武器が長く好きだった人は大きく不満を募らせた。
オミットされた武器種は、ゲームバランスに割く時間の問題や水中戦の都合上止む無く削除されたと思われるが、納得できないユーザーも多い。
モンスターも、MHP2Gでは60種であったが、MH3では18種と大きく激減した。そのため、制作できる防具や武器が少なく、オンラインでは武器や防具がかぶることも。
水増しの亜種でもいいから復活させてほしいという声が多くあがっていた。亜種についてはMH3Gで実装されることとなった。
売り上げ本数は、据え置きのシリーズで初めて100万本を超え、日本ゲーム大賞2010 「優秀賞」を受賞するなど、決して評価は低くない。MH2以前でいうマルチマッチングBBのようなサービスへの別途契約が不要になったことで、オンラインに接続するのも簡単になっている。
今から買う人は、今作のアップグレード版「モンスターハンター3G」を買おう。
余談
スペイン語で1はウノ、2はドスだが、3はトレスである。また、ブルトン語(男性名詞)、ウェールズ語、ギリシャ語の3はtriだが、単独ではトライとは読まない。ロゴには「3(tri-)」と表記されており、末尾のハイフンをめぐって様々な憶測が飛び交っているとかいないとか。
関連動画
PV
発売前プレイ動画
実況プレイ動画(長期シリーズ)
動画総数150超、Part1アップロードから3年以上うpされ続けた、MH3実況プレイ動画長期シリーズ。
実況プレイ動画
ゆっくり実況プレイ動画
関連リンク
関連項目
モンスターハンターシリーズ | |
---|---|
メイン | MH - MHG - MH2 - MH3 - MH3G - MH4 - MH4G - MHW - MHRise |
ポータブル | MHP - MHP2 - MHP2G - MHP3 |
オンライン | MHF - MHF-G - MHF-Z |
スピンオフ | MHX - MHXX - アイルー村 - パズルー - MHST - MHST2 - MHSP - MHXR - MHR |
メディアミックス | ぎりぎりアイルー村(G) - MHST RO - ハリウッド映画 |
一覧 | 関連項目 - モンスター - 楽曲 - お絵カキコ プレイヤー(生主・声優) |
脚注
- 15
- 0pt