モーションキャプチャーとは、人や物の動きをデジタル化するシステムのこと。
概要
キャプチャの方法には光学式をはじめ様々あるが、多くの場合、キャプチャしたい物体にマーカーと呼ばれるセンサーを複数取り付け、これを検出するトラッカーを組み合わせてキャプチャする。
人間で例えると、頭や手足の各関節にセンサーを取り付け、これを複数のカメラで撮影することによって、人間の動きを3D上で非常にリアルな動作で再現させることが可能になる。
キャプチャ技術は光学式のほかに、慣性センサ式、機械式、磁気式、ビデオ式などがある。
記録した情報は、スポーツ医療やリハビリテーションなどの医療分野における、身体の動きのデータ収集や、映画やゲームなどのCGキャラクターの制作などに利用される。21世紀に入るとコンピュータやAIの発展によってより正確な演者とキャラクターの同期、あるいはリアルタイムでの演者とキャラクターの同期もできるようになっている。
2025年現在、モーションキャプチャーは様々な分野で応用されており、モーションキャプチャーの演者たちはモーションアクター/モーションアクトレスと呼ばれ、それを専門とする俳優や会社も設立されている。
映画でのモーションキャプチャー
映画でCGが使われるようになって以降、CGを人間の動きに近づけるためにモーションキャプチャーは必須となっていく。映画『スター・ウォーズ』シリーズでは第4作『スター・ウォーズ ファントム・メナス』以降に導入され、CGで作られたキャラクターに演者の動きを同期させている。興行収入世界1位(当時)をたたき出した『アバター(映画)』でもモーションキャプチャーで演者とCGを同期させ、リアルな世界観を作り上げている。
特撮への導入
日本でももちろんモーションキャプチャー技術は映画に導入されたが、日本独自のモーションキャプチャーの利用法として、特撮への利用というのが挙げられる。
モーションキャプチャー導入前の特撮といえば、全身スーツや着ぐるみなどでヒーローや怪獣・怪人を演じてきた。しかし、モーションキャプチャー技術によって生身の人間の動きを取り込み、その上にコンピューターで怪獣や怪人の動きをかぶせることができるようになったのである。
結果、スーツや着ぐるみの時点では不可能だった動きが撮影可能となったり、より迫真の演技を見せることが可能となった。
この技術の代表例が2016年の『シン・ゴジラ』である。この作品でのゴジラはフルCGで作られ、その動きは狂言師の野村萬斎がモーションキャプチャーで担当している。
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ついで、2022年の『シン・ウルトラマン』では、企画・脚本の庵野秀明が主役のウルトラマンのモーションアクターの一部を務めたことでも話題となった。
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アニメでのモーションキャプチャー
古くはディズニー映画がモーションキャプチャーで人間の動きを解析し、アニメに反映させている。当時はコンピューターなどは未発達だったため、俳優の参考写真を使ってのモーションキャプチャーとなる。『ふしぎの国のアリス』『ピーター・パン』ではヒロイン役の声優で当時10代の女優キャサリン・ボーモンドがモーションキャプチャー用の写真を提供した。
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近年になり、3DCGがアニメに導入されるようになると、実写と同じくキャラクターの動きをよりリアルにするためにモーションキャプチャーを使うようになっていく。また、作中での激しい動きを伴うステージライブシーンやMVなどを作ろうとする際にはモーションキャプチャーでモーションアクターの動きをキャラクターに反映させるのが一般的となった。
2022年のアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』では、なんとバスケットボールの1試合を丸々モーションキャプチャーするというこれまでにない試みが行われている。通常モーションキャプチャーはキャプチャーする人数が増えるほどその正確性は低下していくのだが、それを実現させることによりより臨場感あるシーンを作り出すことに成功。映画はロングランで大ヒットを記録した。
ゲームでのモーションキャプチャー
日本で初めてモーションキャプチャーを使ってキャラクターの動きを作ったのは1993年の『バーチャファイター』だといわれている。
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3D表現ができるようになって以降は、やはりリアルを追求すると人間の動きをトレースするのが一番手っ取り早いという結論にすぐに至り、ある程度規模の大きいゲーム制作会社はモーションキャプチャー用のスタジオを持つようになっていく。
Vtuberでのモーションキャプチャー
2010年代後半から登場したバーチャルyoutuber/Vtuberは中の人が2D/3Dのアバターの姿をまとって配信や動画投稿などで活動する配信者である。
彼ら彼女らが3Dアバターを動かそうとする場合、モーションキャプチャーを使って中の人の動きと同期させるのが通常である。
通常、この辺の裏舞台はあかされることはないが、「あおぎり高校」は「Vtuberの撮影リアルな裏側!?」「 Vtuber撮影の裏側!?
」というショート動画でVtuberの中の人たちがモーションキャプチャーの衣装姿を披露することもあった。
関連動画
関連項目
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