モータルコンバット(Mortal Kombat)とは、ミッドウェイゲームズが1992年に開発・発売した対戦格闘ゲーム、およびそのシリーズの総称である。
日本ではモーコンと略されて呼ばれる事が多いが、米欧ではMKと略される事が多い。
概要
1992年にミッドウェイゲームズがアーケード向けにリリースした、実写取り込みタイプの対戦格闘ゲームが1作目となる。最新作は2023年9月19日発売予定の「Mortal Kombat 1」。前作「MK11」でリュウ・カンが神となりMKユニバースの再創造が行われた事により、ナンバリングもリセットされている。
対戦格闘ゲームとしての操作性やゲーム性はイマイチだったが、「フェイタリティ(究極神拳)」と呼ばれる残虐な方法で相手に止めを刺す、独自のシステムが人気を集めた。
荒唐無稽ではあるが、「延髄ごと首を引っこ抜く」「力任せに腕を引きちぎる」などが残虐だとして猛抗議を受け、北米のレーティング審査機関・ESRBが設立されることとなった。
その後のシリーズでもこれを逆手にとった「ベイバリティ(相手を赤ちゃんにする)」などの変わり種フィニッシュが登場している。残虐描写が苦手な人は「フレンドシップ」で決める事を意識すると良いだろう。
あまり語られない点として、初代はアーケード版が初出であるが隠し要素としてのフェイタリティ(コマンドは伝統的に"隠し")や、対戦格闘ゲームでは世界初の試みとなる隠し対戦キャラ「リープテイル(レプタイル)」の存在や、多数のバグから派生する様々な噂など、北米・ヨーロッパでのゲームセンターでは話題に事欠かなかったこともヒットの要因とされている。
初期シリーズは日本でも発売されたが、機種(特に任天堂ハード)によっては残虐描写が変更されている。また制作国米国との嗜好の違いや、格闘ゲームとしての完成度の足りなさ、日本で主流だったストリートファイター的な操作スタイルとの違い、等々様々な理由から家庭版もアーケード版(ちなみに家庭版と違い修正なし)も一部で話題にこそなったものの、日本市場での売り上げは低調に終わった。
そのため1998年(北米では1996年)の『モータルコンバット トリロジー』を最後に、以降のシリーズは日本市場では発売されなくなり、日本においてモータルコンバットはますますマイナーな存在になった(ただしフェイタリティだけは有名)。
しかしながら現在は国内ハードでもネット通販などで北米版の購入手段が増えた事、Steamでシリーズ作品の購入が容易になった事もあり、環境さえあればプレーまでのハードルは低い。EVOなど各種大会の種目にもなっているし、近年実写映画も公開されたので、かつてのようなマイナーさは国内でも薄れつつある。
北米・ヨーロッパでの人気は非常に高く、90年代初頭においては『ストリートファイター』シリーズと並び、対戦格闘ゲームの二大巨頭として扱われていた。現在も新作が出るたびにミリオンヒットし、シリーズ累計売り上げは優に1000万本を超える。
近年では、アメコミのDCコミックスとのコラボ作品『Mortal Kombat vs. DC Universe』も発売。バットマンやスーパーマンとの競演を果たした。後のシリーズでもDLCによるコラボキャラクター配信が定期的に行われている。
映画
1995年には実写映画が製作され、北米ではゲームの恩恵もあり大ヒットした。一部の人物関係やキャラ造型がゲームとは異なるが、アクションシーンやSFXは評価が高い。
またOP曲 (Techno Symdrome) を代表とするサウンドトラックの評価は非常に高く、ゲームを知らない層でも一定の知名度がある。あとクリストファー・ランバート演じるライデンがめっちゃかっこいい。
その後2016年にリブートが決定した。
『SAW』シリーズ、『アクアマン』のジェームズ・ワンがプロデュース。ライデンを浅野忠信、スコーピオンを真田広之が演じる。2021年に公開、現在はAmazon Prime VideoなどでVOD配信中。
余談
タイトルの「Mortal Kombat」のKはCじゃないの?とよく言われるが、「KILL」つまりKが正しい。
また「C」が頭文字の英単語は先頭の「C」を「K」に差し替えて表記するのが通例となっている。
実写取り込みのゲームにこのタグがつけられることがよくある(『ストリートファイター リアルバトル オン フィルム』『ストリートファイター ザ・ムービー』『大江戸ファイト』など)。ビデオゲーム機すべてをファミコン、スマートフォンすべてをのことをiPhone(Android)と呼称するようなものか。
なおシリーズとしては、1997年の『Mortal Kombat 4』以後、ポリゴンによる3Dキャラクターに完全移行している。
関連動画
※残虐映像が多いので、苦手な人は注意
関連商品
ここでは現在も新品が流通しており、比較的入手が容易なものを紹介します。
11作目はこちら。PS4、XboxOne、Switch版共に国内ハードでも動作します。Steamでは日本からのアクセスでは購入不可のため、北米版が購入可能なアカウントが必要。これから入手してプレーするならUltimate版がお勧めです。
9作目はこちら。PS3、Xbox360、Playstation Vita版共に、国内ハードでも動作します。
(こちらは旧版です。すでに完全版が発売されているので、こちらを購入する必要はありません。)
DLC(追加キャラ+追加衣装)が収録された Komplete Edition はこちら。今から遊びたい方はこちらを購入することを推奨します。
Komplete Edition をベースに様々な追加要素を加えた Playstation Vita 版はこちら(日本のVitaでも遊べます)。
『Mortal Kombat vs. DC Universe』(8作目)です。PS3、Xbox360版共に、国内ハードでも動作します。DC Universe のキャラクターが登場する手前、フェイタリティは残されているものの、残虐描写はかなり抑えられていることに注意(北米でのレーティングは13歳以上対象の"T")。
6作目にあたる『Mortal Kombat:Deception』のアップデート版にあたる『Mortal Kombat:Unchained』。PSP版が流通していますが、日本のPSPでも遊べます。
3作目にあたる『Ultimate Mortal Kombat 3』のDS移植版。UMK3はガッカリ移植が多い中、DS版の移植レベルは携帯機としては非常に高い。日本のニンテンドーDSでも正常動作します。
ミッドウェイゲームズの過去の名作を集めた『Midway Arcade Treasures Extended Play』。アーケード版の『Mortal Kombat』『Mortal Kombat II』『Mortal Kombat 3(UMK3ではない)』が収録されている。BGMの再現などにバグなどが見られるため、完全移植とは言い切れない点に注意。
『Mortal Kombat』『Mortal Kombat II』『Mortal Kombat 3』を手っ取り早く遊びたいのであれば、PS3/Xbox360のダウンロードタイトルである『Mortal Kombat Arcade Kollection』を購入するのも手である。購入・ダウンロードには、北米アカウント/北米タグが必要。
映画版。発売元が何回か変わっているが、現在入手しやすいのはワーナー版(上記)と思われる。Amazon Prime ビデオをはじめ、いくつかの動画配信サイトでも視聴が可能。
関連項目
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