モービウス、正式名称「モービウス・ザ・リビング・ヴァンパイア」とは、アメコミ『スパイダーマン』に登場するヴィランの一人である。
また、2020年7月に上記のモービウスを主役とした実写映画『モービウス』が公開予定。新型のコロナウイルスの影響により、2021年3月→2022年1月→2022年4月に公開が延期された。
モービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイア
初出は1971年の『アメイジング・スパイダーマン』の冊子。
吸血鬼をモチーフにしたキャラクターではあるが、当時のコミックコードの問題などもあり、伝説の中に生きる吸血鬼ではなく、新たにコウモリを使った生体実験で生み出された吸血鬼と設定された。モービウスの登場後にコミックコードは改定されドラキュラをはじめとする怪物たちの登場も可能になったが、わざわざキャラクター名に「Living」とつけているのも伝統的な怪物たちを登場させられなかった名残と言えるだろう。
吸血コウモリの要素を受け継いで生まれたヴィランであり、コウモリの飛行能力などを持っているが、同時に血への渇望も受け継いでしまい、日光が苦手となり、顔はコウモリのような豚鼻になってしまっている。犬歯も伸び、まさに吸血鬼と言った風貌と化した。
スパイダーマンのヴィランとして何度か戦ったり、あるいは共闘した他、MARVELの他のキャラクターとも絡んだこともある。90年代には単独誌も発売された。
実写映画『モービウス』
2020年7月31日米公開予定2021年3月19日2022年4月1日に日米同時公開の実写映画。製作は『スパイダーマン:ホームカミング』『ヴェノム(映画)』を制作したソニー・ピクチャーズ。
ソニー・ピクチャーズ制作で、今作に関するマーベルスタジオとの取り決めも発表されていないため、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは関係しない作品であり、『ヴェノム(映画)』に続くソニー系列のソニーズ・スパイダーマン・ユニバース第二弾とされていた。が、新型コロナの影響などにより公開が遅れ、ヴェノム(映画)の続編『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が先に公開されることになったため、第三弾となる。
2020年1月に予告編が公開され、そこに映された予想外の映像が話題を呼んだ。また、公開延期中の2021年11月に公開された新しい予告編でも更なる混乱をファンにもたらした
登場人物
- マイケル・モービウス
- 演:ジャレット・レト
- 血液の病に苦しむ天才医師であり、自分自身と親友マイロその他大勢の患者を救うためにその治療法の開発にすべてをささげている。
- 吸血コウモリのDNAを人体に組み込む血清を開発し病気の治療には成功するが、その副作用により人の血を求める怪物へと変貌してしまう。
- 血清注射後は極めて高い身体能力、敏捷性、そしてバットレーダーと呼ばれる空間感知能力を手に入れた。
- マイロ
- 演:マット・スミス
- 幼いころからモービウスと共に闘病してきた親友。資産家の息子であり、モービウスに資金面で援助を行ってきた。
- モービウスが血清で快癒したのを知り、自らにもその治療法を施すよう求めるが、モービウスは親友まで怪物にしてしまう事を拒否する。
- それでもあきらめきれないマイロはひそかに血清を盗み出し、怪物となってしまう。そしてマイロは怪物としての生き方を選んでしまった。
- マルティーヌ
- 演:アドリア・アルホナ
- 公私に渡ってのモービウスのパートナー。優秀な研究者であるが、プライベートな部分ではまだ恋人と呼べるまでは踏み込めていない。
- 怪物と化したモービウスを救うため、引き続き彼をサポートするが……。
MCUとのつながりでは?と予想されている点
製作会社のソニーは今作で新しいユニバースが始まると発表しているが、予告映像を見た人からは『モービウス』がMCUにも繋がっているのではないかと予想されている。
その理由として、『モービウス』予告映像では路地裏を歩くモービウスの後ろにスパイダーマンのポスターが貼られており、その上に「MURDERER(殺人者)」とスプレーで書かれていることが挙げられる。スパイダーマンが殺人者と呼ばれるとなれば、真っ先に思いつくのが『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でヴィランの罠にはまりスパイダーマンに殺人の容疑がかけられたことである。
ただし、このポスターで描かれているスパイダーマンのデザインはMCUスパイダーマンのそれとは異なっている。
また、『モービウス』予告編では最後にマイケル・キートンが登場している。マイケル・キートンは『スパイダーマン:ホームカミング』でヴィランのヴァルチャーを演じたため、マイケル・キートンの役柄によってはこの映画がMCUにつながっているのではないか、という予想も上がっている。
2021年11月の新しい予告編では前述のスパイダーマンのポスターとマイケル・キートンに加え、背景のビルに「オズコープ」のロゴが掲げられていたり、新聞の名前が「デイリービューグル」になっていたり、その紙面には「ライノ」の文字があったり、モービウスが「俺はヴェノムだ…冗談さ。」と発言していたりと、スパイダーマン関連のキーワードがちりばめられていた。
しかし、MCUにはオズコープの名前は登場したことはないし、MCUのデイリービューグルはネット上でのニュース配信サイトとしてすでに登場していたりと、既存のMCU設定とは異なる点もある。むしろMCUスパイダーマンが始まる前に制作されていたアメイジングスパイダーマンの要素ともとれるし、ヴェノム(映画)と同一ともとれる。これらの謎は映画公開前には解明することはできないだろう。
映画公開後に判明した事
上記の予告編映像の中には予告編のみで使われ、本編で登場しなかったシーンが多く含まれていた。
スパイダーマンのポスターやオズコープ社のビルなどが登場しなかった要素であり、また、ヴァルチャーの登場もミッドクレジットシーンのみであり、本編には関わってこない。
逆にヴァルチャーは明確にMCUのヴァルチャーと同一人物として描かれ、モービウスの世界に現れた原因が『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でのドクター・ストレンジの魔術だと明確に描写されている。
映画に関する余談
- 『モービウス』主演のジャレット・レトはDC映画『スーサイド・スクワッド』『ジャスティスリーグ スナイダーカット』にてアメコミ『バットマン』のヴィラン「ジョーカー」を演じている。コウモリを模したダークヒーローと敵対したヴィランが、コウモリの力を得るとなるのが今作である。
- マイケル・キートンは、上記のMCUスパイダーマン関連以外にも実は89年から始まるティム・バートン版『バットマン』シリーズでバットマンを演じている。さらに2023年公開の『ザ・フラッシュ』でバットマン役に復帰した。つまり、出版社・映画製作会社の枠を超えたバットマンとジョーカーの共演でもある。
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関連項目
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