モーリス・メルロ=ポンティ(1908~1961)とは、20世紀半ばに活躍したフランスの哲学者である。
概要
高等師範学校でジャン=ポール・サルトル、シモーヌ・ド・ボーヴォワール、クロード・レヴィ=ストロースらと知り合い、戦後サルトルとともに『レ・タン・モデルネ』を創刊し、フランス思想界をけん引した。当初はサルトルよりも急進的で、『ヒューマニズムとテロル』ではソ連に味方することを説いていたが、朝鮮戦争後政治からは退き、アカデミズムの世界で活躍。マルクス主義も批判する立場となった。
思想はエドムント・フッサールを受け継いだもので、現象学を推し進めたものである。メルロ=ポンティは我々が身体をもって存在する、といういわば当たり前のことに着目し、世界における意味のあり方の観察を重んじた。
そして未完に終わった大作『見えるものと見えないもの』では、伝統的な哲学の発想である、世界には確固とした主体が存在し、主体同士は境界を持ち、例えば握手は主体同士が触れ合っている、を否定する。対してメルロ=ポンティの発想は、主体同士は区別を乗り越えて相互浸透しあう世界、つまり「世界の肉」のなかにいるとするのである。
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関連項目
- <哲学>
- 学者の一覧
- ジャン=ポール・サルトル
- シモーヌ・ド・ボーヴォワール
- クロード・レヴィ=ストロース
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