モーンとは、ポケットモンスターサン・ムーンに登場するキャラクターである。
基礎データ | |||
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名前 | モーン | 性別 | 男性 |
英語名 | Mohn | 年齢 | 不明 |
使用タイプ | ― | 特徴 | 金髪碧眼 |
地方 | アローラ | 所属 | ― |
声優 | 斉藤次郎 | 世代 | 第7世代 |
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ようこそ!ここは わたしの 概要欄
- サンムーンで追加された新要素『ポケリゾート』の管理人を務める中年男性。
- 「ボックスに預けられているポケモンたちがノビノビと暮らせるリゾートを作りたい」と思い立ち、アローラ地方のどこかにある無人島に居を構えて暮らしている。
- 主人公を腕利きと見込んでポケリゾートの利用権を与える代わりにリゾート開発に必要なポケマメ(アローラ地方の特産品)の調達を願い出てきて、主人公の働き次第でどんどんポケリゾートは拡大していく。
- ポケモンの管理者としては大変優秀で、ボックスに預けられたまま役割が無かったポケモンのレベル上げはもちろんの事、努力値振りなどの廃人御用達要素もそつなくこなす心強いプレイヤーの味方。
- 金髪碧眼のやや浅黒い肌に特徴的な瓢箪のようなくせっ毛をしており、顎には無精ひげを生やし、いつも麦わら帽を被っている。体形はメタボ恰幅の良い体形。
- 好物はポケマメでポケモン用の餌であるにも関わらずボリボリと自分でも食べてしまう。ちなみにこのポケマメ、カビゴンでも数粒で満腹になるほどの高カロリーである。だから太るんだよ…
- 作中ではポケリゾートから出ることはほぼ無く、本筋のストーリーとは関わりのないキャラであるのだが…?
その正体とは…?
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この項目は、下記に本作のネタバレを含んでいます。 未プレイの方はご注意ください。(要スクロール) |
エーテル レポート
ウルトラホール モーン博士が 発見した ウルトラホールの 先には 別空間が 広がり その質量の 推移から ポケモンらしき 存在・・・・・・ 仮に ウルトラビーストとする が いると 推測される
「オレの父なんだ。ウルトラホールとウルトラビーストの存在を発見したのは。 だが父は、ウルトラホール接続の実験中に消えた……残されたのはウツロイドの資料、そして弱ったコスモッグ……」(グラジオの証言)
サンムーン作中で分かるのは「ウルトラホールを発見したのはエーテル財団のモーン博士」である事と「グラジオの父はウルトラホールとウルトラビーストの存在を発見したが、ホールの接続実験で姿を消した」という事…
すなわち十数年前に行方不明となったエーテル財団代表ルザミーネの夫にしてグラジオとリーリエの父親が「モーン博士」であるという事実が発覚するのである。
…しかし、大変重大な事実ではあるもののサンムーン作中で判明するのはここまでであり、当時は裏話のような扱いであった。これによってプレイヤー内では「なぜいつでも財団に戻れる場所に居るのに戻ろうとせずポケリゾートの管理人をしているのか?」という事について様々な考察が飛び交った。
- ウルトラホールを仲介するポケモンに乗らずに漂流したことで過去の記憶を失っている説
- (裏付け)サンムーン作中でも単身でウルトラホールに吸い込まれ、漂流の後に帰還したリラやハンサムは過去の記憶の大半を喪失していた。
- (反論)それならばモーンに惹き寄せられたウルトラビーストにポケリゾートが襲われているはずである。
- ルザミーネと財団のやり方に疑問を持ち、事故を装って蒸発or事故からアローラに戻れたがそのまま袂を分かった説
- (裏付け)作中でも要らないポケモンに辛辣な態度を取るルザミーネとボックスに居るポケモンの為の施設を運営するモーンのスタンスは対極に位置している
- (反論)妻子が大変な事態に巻き込まれ、ウルトラホールが各地に開く事件まで起きているのに知らぬ存ぜぬであまりに無責任。また、財団に所在がバレるような事業を始めるのはおかしい。
しかしながら公式からの情報供給がこれ以上なく、これらの考察も当時は決着がつかなかった。
ウルトラサンムーンでのモーン
サンムーンのマイナーチェンジとなったウルトラサンムーンではストーリーに大幅な変更が加わり、ルザミーネとグラジオ・リーリエ親子との関係にも多少の変化が生じたが、「モーン博士が十数年前に事故で行方不明となっている」という部分に変更はなく、相変わらず現在のモーンは無人島でポケリゾートの管理人をしている。
そんなモーンだが変更点として作中2回だけポケリゾートの外に出る。
1回目はカキの試練後にリザードンフライトが解禁されると山の麓でポケリゾートの広報活動をしている時。これは前作でも同じタイミングでポケリゾートが解禁されているのだが、ゲーム内でアナウンスが無く、気付かないユーザーがいたための措置と思われる。
2回目はエーテル財団本部(エーテルパラダイス)を見学に訪れ、その内部でルザミーネと遭遇するというイベントの時である。
興味深げにパラダイス内部を視察しているモーンの背後でルザミーネが立ち止まる…気付いて振り返るモーン
「……」
しばし絶句したまま何も言葉を発せないルザミーネにモーンは訊ねる
「いかがなされましたか?」
ここでようやく気を取り直したルザミーネが応対を始める
「いっ いえ…… あなたが 見学にいらした……」
「はい! モーンと もうします」
「ポケリゾートという島で ポケモンの世話をしていますが やはりポケモンのケアなら エーテルパラダイスですからね」
どうやら「ポケリゾートのモーン」なる人物がエーテルパラダイスの見学に来るということでルザミーネ直々に応対に出てきたようである。モーンの方は財団のポケモンのケアの手法を学ぶのが目的のようだ。しばし両者は施設におけるポケモンに対するスタンスについて言葉を交わす。
「なるほどね… いや ポケリゾートでは ポケモンは自由気ままですからね」
「エーテルパラダイスのやり方は 参考になったり ならなかったり」
「フフ……」
「エーテルパラダイスはあくまで ポケモン保護の施設ですから」
「ただ……」
「ただ……?」
「元気になったポケモンも トレーナーによってはボックスの中… そう考えることもあります」
しばしの沈黙ののちにモーンはこう返す
「では わたしはさらに多くのポケモンを 受け入れるよう 新たな無人島を見つけ ポケリゾートを 広げましょう!」
「その時は代表にも ご協力願いたいものです」
ルザミーネの悩みに「そうしたポケモンたちのためにポケリゾートがあるのだ」とばかりにモーンはニカッと笑い、今後の事業への助力もお願いしたのであった。
「いやはや刺激を受けましたよ では失礼します」
見学を終え、帰ろうとするモーンを見送りに出るルザミーネ。そこでルザミーネは最後にモーンに質問をぶつける。
「あの……」
「こちらに…… 財団にいらっしゃるのは はじめて?」
振り返ってモーンはこう即答する
「そうですが なにか?」
「いえ…… 呼び止めて 申し訳ありません」
「では!」
帰っていくモーン…そしていつの間にか事の顛末を遠巻きに見守っていたグラジオがルザミーネに訊ねる
「いいのか……?」
「ええ」
「あのひとの笑顔…… とてもすてきだったもの」
こうしてルザミーネは帰っていくモーンの背中をジッと見続けていたのであった…
このイベントの存在によって、「モーンはウルトラホール事故の後遺症で過去の記憶を失っている」「いつからかアローラに帰還したが、無人島に籠って表立って世に出なかったモーンの所在を財団も掴めていなかった」という事が確定的になった。
また、ルザミーネとモーンの夫婦関係も良好であった様子であり、ちょっとした惚気も見せるなど数十年が経つ今でもルザミーネはモーンに対する思慕の念を持っていたことも伺わせる。
しかしながらこの家族にプレイヤーがしてあげられる事はゲーム内ではこれ以上は何もなく、モーンの記憶を取り戻す手助けになるようなイベントは用意されていなかったので、少々の後味の悪さを残すイベントであった。
また、このイベントを見る条件もかなり面倒であり、USUMをクリアしていてもこのイベントを見た事がないというプレイヤーも多いかと思われる。
アニポケのモーン
アニポケにおけるサンムーン編(以後SM編)ではゲーム版とかなり設定が異なる。
ウルトラホールの事故でモーンが姿を消した所までは共通であるが、まずポケリゾートが存在せず、モーンの所在は視聴者目線でも完全に不明であること。次にルザミーネは事故でモーンが死亡したものと思い、憔悴した彼女はウルトラホール関連の研究を早期に凍結していたという点である。
にも拘わらずアニポケ世界にタイプ:ヌルなどが存在している理由は研究凍結に納得のいかないザオボーがモーンが遺した資料を基に独断で研究を継続していたからである。
長らくアニポケ作中でもモーンの存在にについての言及は無かったが、SM編108話で死者に引き合わせるというカプ・レヒレの霧の中でグラジオが死んだ父に会いたいと強く願ったにも関わらず会えなかった事でアニポケ世界でもモーンが生存している可能性が急浮上。このことはグラジオからルザミーネにも伝えられた。SM編116話で初めて過去回想において登場を果たした。
これ以後アニポケではゲーム版と異なるルザミーネ一家の「モーン捜索編」とのいうべきサブストーリーが展開されていく事になる。
特に丁寧に描かれているのはモーンの失踪する前の家族に対する愛、特に生まれたばかりであったリーリエへの想いであり、そうした事実を知る事で記憶にない父親にリーリエも「会いたい」と強く願うようになっていく。
しかし、財団が過去の行方不明者とアローラの住民名簿を改めて照会・調査をしてもモーンらしき人物は見当たらず、生きてはいるかもしれないがアローラ地方には在住していない可能性が示唆されるなど、調査は難航していた。
ようやく有力な手掛かりを得られたのはSM編145話においてリーリエがモーンの部屋に安置されていたマギアナの機動に成功し、SM編146話(最終話)でマギアナのソウルハートから光が放たれ、その方角にモーンが居ると判明した時である。
これを受けてリーリエ・グラジオ・ルザミーネ(代表不在の間はビッケ・ザオボーらが職務を代行)の三人はマギアナの光が示す方角へとモーンを迎えに旅に出ることを決意し、アローラを離れる所で彼女たちのSM編は終わりを迎える。のちの展開は続く新無印(第7シーズン)以降に持ち越される事になった。
新無印でのモーン
新無印が開始されても長らく続報は無かったが、2年半ほどが経った2022年5月20日の新無印111話においてついにこの伏線を回収する話が放映された。タイトルは
モーンが居たのはアローラから遠く離れたガラル地方のカンムリ雪原(ポケットモンスター ソード・シールドのDLC2弾で行けるMAP)。この雪原の人里離れた場所に一軒だけポツンと建つ山小屋をマギアナの光は指し示していた。
そして山小屋には…確かに家族写真の姿より若干歳を取ったモーンがいたのである。(ちなみにゲーム版ほど太っていない、アゴ髭を蓄えているなど外見に若干の差異がある。)
が…感動の再会だというのにどうも応答が他人行儀で要領を得ない…そう、この世界のモーンも過去の記憶を失っていたのである。脱力し、崩れ落ちそうになるルザミーネだが、どうにか気を取り直して「行方不明の夫を探す旅をしている」という旨を告げると、家の中へあげて貰える事になった。
小屋の中に入ると人の生活空間としては機能していたが、窓が黒塗りされて室内に光が差さないようにされていたりと異様な光景が広がっていた。なんとか今のモーンの置かれている現状を理解しようとする一行であったが、その時ピアノの音が鳴り響いた。そして、モーンは驚くべきセリフを口にする。
よもや新しい家族が…!?ショックを受ける一行(特にルザミーネ)。しかもその「娘」の名前はリーリエであるという。状況を確かめるべくピアノが演奏されている部屋に向かう一行、そこに居たのはなんと…黄色いウツロイドであった。
身構え、ゾロアークに攻撃命令を出そうとするグラジオをルザミーネが止める。ルザミーネはグラジオを諭す。今はあのウツロイドが娘に見えているのだからいきなり攻撃をするのは得策ではない、何か事情があるはず…と。こうしてルザミーネは引き続きモーンと会話を続け、リーリエとグラジオは小屋の中で手掛かりを探す事になった。
捜索の中でグラジオは家じゅうの鏡台から鏡が取り外されている事に気付き、リーリエはタンスの中でエーテル財団のバッヂがついた古い服と鏡を発見する。鏡を手に持ち、のぞき込むリーリエ…しかしその背後には攻撃態勢のウツロイドが浮かんでいた!
間一髪のところで窓からサトシとピカチュウが乱入し、ウツロイドを退ける。サトシ達は「雪原で発見された黄色と白の正体不明のポケモン」の調査のために雪原を訪れたが、それは先ほどの黄色いウツロイドの事だったのである。
一方でルザミーネは過去の写真を見せるなどしてモーンの記憶を呼び覚まそうとしていたが効果はなく、ついにモーンがリーリエだと思い込んでいるものの正体を教えようとする。今度はルザミーネの背後に現れ、攻撃態勢をとるウツロイド…しかし、今度はグラジオとゾロアークが割り込み、間一髪ルザミーネを救う。
ゾロアークに組み伏せられたが、姿を消して逃れようとするウツロイド。しかし、そこでリーリエがウツロイドを呼び止める!
「待って!」
ここでなぜこの小屋でウツロイドとモーンが家族として暮らしていたのかがリーリエとグラジオの推理から過去の回想が入り明かされる。
ウルトラホールの事故後、ウルトラスペースに飛ばされたモーンは高所から落ちるが黄色いウツロイドに受け止められて事なきを得ていた。その時に、ウツロイドはモーンの過去の記憶を読み取った。映し出される幸せな家族の姿…ウツロイドはウルトラホールを探し、そこから気絶しているモーンを引き釣り元の世界へと戻そうとする。
しかし、ウルトラホールの外は猛吹雪の世界だった。とにかく近くの小屋へとモーンを運んだウツロイドだが、このままにはしておけないと思ったのかモーンの額に触手を当て、それが光るとモーンは意識を取り戻した。
「リーリエ…」
目を覚ましたモーンは神経毒によってウツロイドをリーリエに誤認するようになってしまっていた。これは神経毒を用いて宿主に寄生するというウツロイドの習性通りといえば確かにそうなのであるが、それ以後はモーンの肉体・精神に悪影響が出るようなことは一切しておらず、モーンの娘の「リーリエ」として十数年共に暮らしてきていたのである。
家じゅうの鏡を隠し、窓を汚したのもモーンが記憶を取り戻す要素を排するためであり、リーリエやルザミーネを攻撃しようとしたのも全てモーンと一緒に居られなくなるという危機感からの行動であったのである。
グラジオに鏡を見せられ、自分の外見を初めて認識したモーン。そこにはルザミーネの見せた家族写真と同じ男の顔が確かにあった。それを機に一気に過去の記憶が走馬灯のように蘇る…
「思い出したよ…全て」
一人づつ家族の名前を呼ぶモーン。そしてルザミーネは自分の名前を呼ばれた時にこれまで抑えてきたものが堰を切って出たように涙として流れ出し、嗚咽を漏らした。
「おかえりなさい…モーン!」
「ただいま…」
抱き合って喜ぶ一家四人とポケモンたち。ここに十数年の間、欠けたままであった家族は元の姿に戻ったのである。
一方でモーンが完全に記憶を取り戻し、一家団欒を過ごすのを見て静かに消えようとするウツロイド、この世界で他に行く宛てなど無いのに…しかしそれをリーリエが手を掴み、呼び止める。
「行かないで、『リーリエ』」
「私からも頼むよ、『リーリエ』」
「君が居なければ、私はこうして家族と会うことはできなかっただろう」
「君さえ良ければ、私たちとずっと一緒に暮らさないか?」
「いい考えだわ!モーン」
「俺も賛成だ!」
「二人のリーリエ…ですねっ!」
こうして一家四人の重ねられた手から一つのウルトラボールが差し出される。おずおずと自ら触り、捕獲されるリーリエ(ウツロイド)。こうして一家に新たな家族が加わったのであった。この話は最後に一家とポケモン達の記念写真とオーキド博士のナレーションで終わる。
こうしてモーン、 ルザミーネ、 グラジオと リーリエの家族は
再び一つとなり 新たな未来へと 歩み始めたのだった
これまで様々な媒体でサン・ムーン世界のストーリーは描かれてきたが、まずリーリエとモーンの再会が初、次にモーンの記憶が戻りルザミーネ一家が救済された事も初ならばFall(ウルトラホールを通った人間)が記憶障害から回復したのも初と初物尽くしの完全無欠のハッピーエンドであった。
続く112話ではリーリエ一家が4人揃ってアローラに帰還し、住民挙げての祝賀会が開かれた。
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