撃鉄を起こせ!
ヤシマ作戦とは、『新世紀エヴァンゲリオン』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』作中で発令された作戦である。
概要
第六話「決戦、第3新東京市」にて、第5使徒ラミエルを撃破するべく、特務機関NERV葛城ミサト作戦部長が立てた作戦。
作戦名の由来は、源平合戦の「屋島の戦い」において那須与一が海上の馬上から扇を矢で射抜いたエピソードから、新劇場版では日本の古称「八州(ヤシマ)」から名付けられた。
狙撃地点が二子山であることから別名「二子山決戦」とも呼ばれる。
敵は長大な射程圏内に入った外敵を自動で狙撃する高威力の加粒子砲を持ち、従来の使徒と同じ「エヴァによるA.T.フィールド中和による接近戦」を試みようにも、EVAのA.T.フィールドをもってしても接近する前に蒸発してしまうため不可能と判断(実際、初号機が出撃直後に狙撃を受け戦闘不能に一度陥っている)。
このため作戦変更を余儀なくされ、自衛隊から徴発したポジトロン・ライフルでの高エネルギーを一点集中させた長距離射撃で使徒のコアを狙撃する作戦を立てた。
狙撃担当は碇シンジが搭乗する初号機。防御・サポート担当は綾波レイが搭乗する零号機。
テレビ版では初号機側の狙撃を使徒が察知して同時攻撃する形となり、エネルギーの干渉により攻撃が外れてしまった。新劇場版はテレビ版と少し違い、大量の威嚇射撃によって使徒に察知されず狙撃することができる。しかし第一射では急所を捉えることが出来ず報復攻撃を受けることとなった。
使徒の追加攻撃を防御担当である零号機により防ぐことで、第二射によって正確にラミエルのコアを貫通することができた。
本作戦はポジトロン・ライフルが使用する大量のエネルギーが必要なため、日本全国から電力が集められた。そのため、一時的に日本全国を停電状態とさせるほどの大規模な作戦となった。使徒の周辺を除いた街の明かりがすべて消えるシーンが非常に印象的である。
また、それまで終始無表情だった綾波レイが初めてシンジに笑いかける屈指の名シーンが作戦終了後観ることができる。この笑顔で彼女が好きになった人が多いのではなかろうか。→笑えばいいと思うよ
ちなみに、この「第5使徒ラミエルの加粒子砲の射程外からA.T.フィールドを貫通するだけの出力に必要な電力」は1億8000万キロワットとされている。これを達成するために日本全国の電力を徴収して撃った訳だが、現在日本で最も電力を使う日=真夏の昼間に1時間あたりに日本全国で消費する電力量がちょうど1億8000万キロワット前後であり、まさに「日本の発電力の限界」の数字である。
派生・ゲーム作品での扱い
- スパロボシリーズ
エヴァンゲリオンが登場する作品ではだいたい出てくるが、日本全国を停電させて撃つ事は基本的に無い(ネルフ以外にも人類の防衛を担う軍事組織がいっぱいあるからだろうか)。いずれも、それだけで1億8000万キロワットの電力が捻出できるのかと思わざるを得ないほどのメンツでエネルギーを捻りだしている。
また、作品によってできるものとできないものがあるが、ヤシマ作戦待機中に強引にラミエルを殴り倒してしまうことができるものもある。
- スパロボF - ゴラオン(ダンバインシリーズの戦艦)のエネルギーで発射。
- スパロボα - マジンガーZやゲッターロボの動力で発射。
- スパロボMX - GEAR戦士電童のデンチで発射。当の電童は民間人が自転車をこいで発電したエネルギーで起動、出撃。そんだけで足りたのか…?
- 第三次Z - 自軍ユニットのエネルギーを全て集めて発射。
- スパロボV - 宇宙戦艦ヤマトのエネルギーを使用して発射。
エネルギー元のヤマトは波動砲という強力な兵器があったのだが、リメイク前原作の時点でオーストラリア大陸と同程度の大きさを持つ木星の浮遊大陸を一撃で消し飛ばしている程の兵器なので、撃ったら日本が終わってしまう。そんなわけで他所から運ばれてきた兵器にエネルギーだけを転用する事になった。 - スパロボL - 新劇場版設定で「第6の使徒」名義を相手。唯一、誰のエネルギーでライフルを起動しているのかの描写が無いため、本当に日本全国を停電させている可能性が一応ある。
ちなみに『L』の発売前PVでもこのシーンが使われているのだが、普通のアニメーション表示位置に従った結果、第6の使徒のケツの辺りを貫くというとんでもない台無しPVになっていた。さすがに実際に発売されたゲームでは修正されており、イベント戦闘の特別表示でちゃんと第6の使徒の中央を貫いている。他のザコ相手だとケツを狙撃することがたまにある。
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震災後に起きた節電運動
2011年に起きた東北地方太平洋沖地震の影響で一時的に電力供給が困難になり、電力会社から節電が要請された中、これに乗じて自主的に節電を呼び掛ける活動が発生した際に「ヤシマ作戦」が使用された。当時はTwitter上で活発だったようだが、節電を呼びかけるサイトも作成され当記事に貼られていた。
節電自体は悪いことではないが、そもそもネット上での経過報告やアピール・無駄に凝ったサイト造りに電力を使うなど矛盾していたり、すでに東日本への供給限界を超えている西日本(>>24にて説明)で実施・拡散する人もいた事から、運動内容と実態は一致していなかった。こうした事から社会に意味のある影響を与えていないのに、社会にとって良い活動をしたつもりになる自己満足的行為(スラックティビズム)の一例として扱われることもある。(当記事の編集履歴やコメント欄から当時の様子を垣間見れる)
関連項目
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