ユリ・サカザキとは、SNKの対戦型格闘ゲーム『龍虎の拳』や『THE KING OF FIGHTERS』(KOF)シリーズに登場する「余裕ッチ」なキャラクターッチ。
概要
『龍虎の拳』の主人公リョウ・サカザキの妹で、極限流空手の創始者タクマ・サカザキの娘。日本出身だが幼い頃に渡米したため日本のことはよく覚えていない。日本名は「坂崎百合」。
初代『龍虎の拳』ではサウスタウンの実力者Mr.BIGの組織に誘拐されるヒロインとして登場。エンディングの台詞「やめて、お兄ちゃん!その人は、その人は私達の・・・」は何度かパロディされている。
『龍虎の拳2』では前作の件から自らの不甲斐なさを恥じて極限流を学び始め、僅か一年の修行で覇王翔吼拳まで会得してしまいファイターとして衝撃のデビューを飾った。格闘スタイルは一応極限流だが、彼女なりにアレンジしている。
兄の親友であるロバート・ガルシアに好意を抱かれており、ユリも彼を慕っているが、それよりも兄に自分の力を認めさせることに懸命なため関係は進展しない。
大人しい雰囲気だった初代から一転、プレイアブル化した『龍虎の拳2』で活発な性格に変貌したことがよく取り沙汰されるが、本来のユリは明るい性格であり、初代は命の危機だったため大人しくせざるを得なかったとされている。リョウにも「性格かわってきたんじゃないか?」と言われているが。
初代では男装の麗人が女性と判明するギミックだった脱衣KOまで搭載しており、パーフェクト勝利ではうっかり胴着をはだけてへそや透けスパッツを披露するなど、勝っても負けても脱ぐサービスの多いヒロインだった。
ユリの参戦が『龍虎』の硬派な雰囲気を壊したという声もあるが、登場人物にどこか閉塞感のある初代から、それぞれが希望のあるエンディングを迎える『2』への変化の象徴と言えないことも無い。後年の格闘ゲームでは珍しくなくなった普通の女の子に近いファイターの先駆けでもある。
KOFにおけるユリ
第一作『KOF'94』から登場。当時の最新ヒロインだった彼女をアピールするため、龍虎の開発スタッフが登場を打診したという。ナンバリングタイトルでは『XII』以外の全作に登場しており、女性ファイターでは皆勤の麻宮アテナに次いで登場作が多い。
『'94』『'95』と『XIII』以降は彼女とキングだけ脱衣KOを再現しており、『XIII』家庭用ではカラーエディットでスパッツの部分を肌色にすることで下半身の露出度を細かく編集できる。
『龍虎2』の「余裕ッチ」という勝利ポーズの台詞から一時期「ッチ」という語尾をやたらと使っていたことがあり、キャラの改悪として不評を食らうことも多かった。『'96』辺りから使用技もCAPCOMのパロディが増えて原作以上にコメディ色が強くなり、『KOF2001』では美少女をかなぐり捨てた変顔を披露させられている。
近年はいくらか落ち着きを取り戻しており、生きるために強くならざるを得なかった背景や天賦の才能の再評価も見られるようになった。
担当声優
- 初代『龍虎』:生駒治美
- 『龍虎2』〜『KOFXIII』:ほりえかおり
- アニメ『バトルスピリッツ 龍虎の拳』:濱崎歩(現:浜崎あゆみ)
※TV放送/VHS/LD版。DVD版では差し替え(ほりえかおりではない) - 『KOFXIV』〜:加隈亜衣
キャラ性能
極限流の中では攻撃力や防御力は低めだがスピードがあり、通常技の判定が強く小柄なわりに中距離の牽制も案外強い。空中投げなど兄たちが持たない技も持っており、技のバリエーションが多い。
通常投げ・特殊技
- 美・サイレント投げ / さいれんと投げ
- 両脚で相手に組み付く変形の巴投げ。投げた後でポーズを決めるため硬直が長く、特に『龍虎2』では反撃をもらう危険がある。初出時の技名の由来は『龍虎2』の作中の年代(1979年)にヒットした山口百恵の楽曲。
- いずな落とし / 燕落とし
- 空中投げ。初出の『龍虎2』では受け身が取れず、近年のKOFでは空中判定ならどんな状態の相手でも投げられるなど、ユリの特権となることが多い。元ネタは漫画「カムイ伝」に登場する「飯綱落し」。格闘ゲームでは忍者が使う投げ技として実装されることが多いが、ユリが使うものが最も原典に近い。
- ヒップアタック / 燕翼
- 『龍虎2』では遠距離立ち強キックで『KOF』では特殊技。当然ながら極限流ではユリしか使わない技である意味代名詞。しゃがみガード不可でガード崩しに使えることが多い。
必殺技
- 虎煌拳
- 掌底から前方に気を放つ技。兄や父も同様の技を使う。『KOF'96』以降は射程が短くなったが、画面に少し残るため牽制で強力。一部タイトルでは溜めると覇王翔吼拳に変化する。
- 雷煌拳
- 空中から斜め下に気を放つ技。リョウの空中虎煌拳と似ているが空中で気を練るのは高等技術であり、初出の『龍虎2』では地上で気を練ってから跳んでいる。後年のKOFでは空中から直接撃てるようになった。
- 極限流砕破(砕破)
- 斜め上にバリアのように気を放つ技。技名は空手の型の名前で「さいふぁ」と読む。
- 百烈ビンタ(百裂びんた)
- 相手の胸倉をつかんで往復ビンタを食らわせる技。初出の『龍虎2』では突進技、『KOF』では弱がその場投げ、強が移動投げなど始動の性能は様々。
- 燕舞脚
- 『龍虎2』で多くのキャラが持っていた通常技を連続で繰り出すコンビネーション系の必殺技。
KOF以降
- 空牙(ユリちょうアッパー)
- 『'95』で初登場。ジャンプしながらアッパーカットを放つ技。初出の『'95』と『XIII』以降は兄の虎咆とは異なり膝を曲げない。『'96』以降は追加技として着地後(入力のタイミングは空中にいる間)に逆の手でもう一度繰り出す裏空牙(ダブルユリちょうアッパー)が出せる。『MI』シリーズではさらに闇空牙(トリプルユリちょうアッパー)、夢空牙(ユリちょうアッパーフィニッシュ)に派生可能。
- 飛燕旋風脚(ユリちょう回し蹴り)
- 『'96』〜『2001』の技。ロバートの技と同名だが、似ても似つかない竜巻旋風脚(または春風脚)のパロディ。
- 飛燕疾風拳(ユリちょうナックル)
- 『'96』〜『2001』の技。リョウ達も使う飛燕疾風脚のパンチ版だが、モーションも「ナッコー」という発音もテリー・ボガードのバーンナックルの物真似。同作で共演しているだけ妥当な範囲ではある。
- 超ビール瓶切り
- 『MI2』『MIA』の技。リョウが『XI』で使ったビール瓶切り(元ネタは初代『龍虎』のボーナスゲーム)の真似。これも兄への対抗心として微笑ましい部類。
- 飛燕足刀(ユリちょうスラッシュ)
- 『2002UM』の技。リュウの上段足刀蹴りのパロディ。弱は連続技、強は割り込みに有効で、同作のユリが大幅に強くなった主要因。
- 鳳翼
- 『XIII』以降の技。両足を抱え込んで跳ねる技で、飛燕爪破(打ち下ろし)、ユリ雷神脚(急降下蹴り)、燕落とし、雷煌拳に派生できる。豪鬼の百鬼襲のパロディ。
超必殺技・上位必殺技
- 覇王翔吼拳
- 超必殺技の語源にもなった巨大な飛び道具。短期間で習得したことでユリの天才性を示すものとしてよく紹介されるが、弾の大きさや弾速で兄たちに劣ることも多い。
- 飛燕鳳凰脚
- 低空を突進して(一部『KOF』は地上を走って)接近し、相手の体を駆け上がるように連続で蹴りを浴びせる技。原作では龍虎乱舞を使えないユリが代わりに使用する乱舞技で性質も似ている。『KOF』では鍼!飛燕鳳凰脚や空中飛燕鳳凰脚といった上位版も登場する。
KOF以降
- 飛燕烈孔
- 『'97』〜『2000』で実装。空牙から裏空牙を連発する技。ケンの昇龍裂破のパロディで台詞も「ちょうれっぱー!」と言っている。
- 滅鬼斬空牙(芯!ちょうアッパー)
- 『'98』(裏性能)〜『XI』で実装。リュウの真・昇龍拳のパロディ。初段がヒットしないと威力が激減するのも同様で、タイトルによっては2段目だけスカる現象まで同様。
- ユリちょう燕舞
- 『2001』のみ実装。豪鬼の瞬獄殺のパロディ。一定確率でフィニッシュのポーズも同一になりダメージが増加する。
- 雷神 覇王翔吼拳
- 『2003』のみ実装。リュウの電刃波動拳のパロディ。
- 天翔覇王翔吼拳
- 『MAXIMUM IMPACT』シリーズで実装。相手の体を踏み台に跳び上がり、空中から覇王翔吼拳で追撃する。『MIA』では単発で空中からも撃てる。
- 覇王雷煌拳
- 『XIII』で実装。着弾後に花火のように打ちあがる大きな雷煌拳を放つ。
- ちょう砕破
- 『XIV』で実装。砕破の強化版でバリアがほぼ全身を覆う。
- ちょう!龍虎乱舞
- 『2002UM』『XIV』で実装。原作では会得していないユリの龍虎乱舞。『XIV』ではフィニッシュがダンの疾走無頼拳の逆パロディになっている。
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関連項目
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