ユーザーフレンドリーとは
ユーザーフレンドリー(User Friendly)とは、1989年生まれのイギリスの競走馬である。鹿毛の牝馬。
通算16戦8勝
主な勝ち鞍
1992年:オークスステークス(G1)、アイリッシュオークス(G1)、ヨークシャーオークス(G1)、セントレジャーステークス(G1)
1993年:サンクルー大賞(G1)
概要
父Slip Anchor、母Rostova、母父Blakeneyという血統。
父Slip Anchorは1985年ダービーステークスを逃げ切り勝ちした優駿。
母Rostovaは13戦4勝でG3で4着がある程度。
母父Blakeneyは1969年のダービーステークス馬。
東ケンブリッジシャーのステッチワースパークスタッドで生産され、その後クライヴ・ブリテン調教師の元で訓練を受けた。
1992年(3歳時)
ユーザーフレンドリーのデビューは遅れ、3歳時の4月24日の未勝利戦(サンダウン・芝10f)となり、ここでは地味目な血統もあって単勝9番人気・26倍の低評価だったが、その評価を覆して2馬身半差で優勝した。
続く5月9日のオークストライアルS(リンカンシャー・芝11f106y・L)では同じように2馬身半差で連勝しオークスに名乗りを挙げた。
6月6日のオークスステークス(エプソム・芝12f10y・G1)は現在でも2004年と並んで戦後最少タイとなる7頭立てとなった。1番人気はプリティーポリーS、ミュージドラSなど優勝で4戦無敗のAll at Sea、2番人気はセプターS優勝のPerfect Circleで、ユーザーフレンドリーはそれに続く3番人気に支持された。
レースでは逃げるFawaayidのすぐ後ろの2番手でレースを進め、最終コーナーでそれを交わし先頭に立つと、猛追するAll at Seaを最後の1ハロンで3馬身半突き放し優勝を飾った。2着から3着は実に20馬身もの差がついていた。
7月11日のアイリッシュオークス(カラ・芝12f・G1)ではIvyannaが逃げを打ち、単勝1.73倍の圧倒的人気を背負ったユーザーフレンドリーはそこから5馬身離れた3番手でレースを進めた。途中でIvyannaが失速し先頭に立つと、最後の直線で並びかけようとするMarket Boosterを首差で抑えてゴールし英愛オークス連勝を果たした。レース後、このシーズンは秋の凱旋門賞を大目標に据えることとなった。
続いては8月19日の古馬初挑戦となるヨークシャーオークス(ヨーク・芝11f196y・G1)、ここでは前年の同レース優勝馬のMagnificent Starも出走してきたが調子を落としており、他にもとくに目ぼしい相手もおらず前走に引き続き単勝1.73倍の1番人気となった。ユーザーフレンドリーは出遅れやや後方からのレースとなるも、最後の直線で外側に持ち出しBineyah以下を2馬身半差差し切るという競馬を見せG1・3連勝を飾った。
次に選んだのは伝統の長距離G1セントレジャーステークス(ドンカスター・芝14f132y・G1)、牡馬初挑戦となったがここでは危なげなく2着以下に3馬身半差をつけ優勝した。
続いてはヨーロッパチャンピオンを決める一戦の凱旋門賞(ロンシャン・芝2400m・G1)となった。ここでは道中5番手の好位置につけ最後の直線で抜け出し押し切りを図ったが、Suboticaに並ばれ競り合いとなり、最後はSuboticaにクビ差交わされ初敗北を喫した。勝てば史上初となるセントレジャーステークスと凱旋門賞の同年制覇であったが、記録達成は成らなかった[1]。
この年はJRAの誘致が成功したのか日本のジャパンカップ(東京・芝2400m・G1)に参戦。1番人気に支持されたが、ここでは本領を発揮出来ずトウカイテイオーの6着に敗れた。
ユーザーフレンドリーはこの年のカルティエ賞年度代表馬及び最優秀3歳牝馬に選定された。
1993年(4歳時)
この年の初戦はコロネーションカップ(エプソム・芝12f10y・G1)だったが、直線で大きくヨレたことも災いし*オペラハウスの4着に敗れた。
続くレースはフランスのサンクルー大賞(サンクルー・芝2400m・G1)。ここでは先行から押し切りを図り、コロネーションカップで2位入線3着降着となっていたApple Tree以下を1馬身半離してゴールした。
次はキングジョージVI世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(アスコット・芝12f・G1)。ここではエクリプスSを勝ち好調を維持していた*オペラハウスらになすすべもなく、*オペラハウス・*ホワイトマズル・*コマンダーインチーフが1馬身半圏内で競り合う中から10馬身も離された4着に敗退。
連覇を図ったヨークシャーオークス(ヨーク・芝11f195y・G1)ではまたしても直線でヨレてしまい、初めて牝馬に先着される3着に敗れた。
凱旋門賞(ロンシャン・2400m・G1)では著しく折り合いを欠き、23頭中22着と凡走した。
5歳時(1994年)
オーナーはこの年からユーザーフレンドリーをアメリカに移籍させることを決め、ロドニー・ラッシュ調教師が管理を務めた。
しかし、ビヴァリーDステークス(アーリントン・芝9.5f・G1)では3角で早々に失速し、初対戦となった同世代の1000ギニーステークス馬Hatoofが勝利した一方でユーザーフレンドリーは8頭立ての最下位に敗れた。
リヴザドリームS(デルマー・芝11f・L)でも逃げるところを早々にブラジル出身の活躍馬Sandpitに捕まって最後は3着に敗れ、引退・繁殖入りすることになった。
繁殖牝馬として
最初の4年間はアメリカで、残りはアイルランドで繁殖を行い11頭の子を残した。重賞勝ちの子は2004年産のDowntown(ギヴサンクスS・G3)くらいで子孫からも目立った活躍馬は出ていない(2023年現在)。
血統表
Slip Anchor 1982 鹿毛 |
Shirly Heights 1975 鹿毛 |
Mill Reef | Never Bend |
Milan Mill | |||
Hardemma | *ハーディカヌート | ||
Grand Cross | |||
Sayonara 1965 鹿毛 |
Birkhahn | Alchimist | |
Bramouse | |||
Sulrika | Ticino | ||
Schwarzblaorot | |||
Rostova 1981 黒鹿毛 FNo.1-s |
Blakeney 1966 鹿毛 |
Hethersett | Hugh Lupis |
Bride Elect | |||
Windmill Girl | Hornbeam | ||
Chorus Beauty | |||
Poppy Day 1968 鹿毛 |
*ソレイユ | Major Portion | |
Aurore Polaire | |||
Red Poppy | Rockefella | ||
Red Shoes | |||
競走馬の4代血統表 |
関連動画
関連コミュニティ
関連リンク
関連項目
脚注
- *2022年までで見ても達成馬はおらず、セントレジャーステークス優勝馬の同年の凱旋門賞における着順は本馬やNijinskyの2着が最高。21世紀に入ってからでは連対馬がおらず、2021年にHurricane Laneが3着に入るまで3着以内も1頭も出ていなかった。
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