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レイダー(Raider)とは、ヨメガが販売するヨーヨーの名である。
ハイパーヨーヨーでは、「ハイパーレイダー」または「ストームタイガー」の名称で発売された。
概要
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1991年発売。
ヨメガのボールベアリング搭載機種。これにより、当時としては驚異的なスリープ時間を実現。
発売当初から2010年代後半まで、ルーピングモデルの頂点に君臨し続けた。
ハイパーヨーヨーの大会では上位入賞者が軒並みハイパーレイダーを使っており、ハイパーヨーヨー撤退後は下記のように改造した「ナイスペレイダー」が世界大会を席巻した。
そして今なお、ナイスペレイダーのセッティングは、ルーピングヨーヨーのデファクトスタンダードである。
2010年代後半以降は大会の最前線にはあまり登らなくなっているが、それでも、レイダーの仕組みを受け継いだ他社製ヨーヨーが環境の大多数を占めている。
歴史
2000年代を通し、レイダーを超えるシステムを持つルーピングヨーヨーを作る試みは、他社もヨメガ自身も行ってきた。
曰く、コントロールエッジの高い薄型シェイプがよい。
曰く、レスポンスシステムはフリクションステッカー、ゴムリング、はたまた縫い付けたストリング。
曰く、慣性モーメントを稼ぐため金属リムやヘヴィグラヴィティにするのはどうか。
しかし、メーカーが何を作ろうと、ユーザーの支持は一時的なものにとどまり、ナイスペレイダーに舞い戻るという状況が続いた。
結局、各メーカーは「これ以上大きくいじりようがない」という結論を出した。
ユーザーの「ナイスペレイダーみたいなヨーヨーが欲しい!」という要求を超えるヨーヨーは、ついに作れなかったのである。
2010年代のルーピングヨーヨーは「ウチ流のナイスペレイダーを作る」方向性で固まっている。
溝幅を調整できる「ヨーヨーファクトリー・ループ1080」「JPLSolutions・LoopUP」。
開けてすぐ使いやすい「ヨーヨージョーカー・ボルテクス」「C3ヨーヨーデザイン・イニシエーター」。
その結果、わざわざ改造しなくともよいルーピングヨーヨーが増え、レイダーそのもののシェアは下がっていった。そして2018年ジャパンナショナルヨーヨーコンテストにおいて、決勝進出者の中にレイダー使用者はついに2名のみとなり、20年にもわたるレイダーの天下は終焉を迎えた。
しかし、後に続くヨーヨーは、すべて「レイダーシェイプ」「スターバースト」「小径ベアリング」「凹型スペーサー」を持っている。
レイダーは時代遅れになったのではなく、他メーカーにプライドを捨ててまでもフォロワーを作らせ、20年間袋だたきにして、やっと倒せたヨーヨーであるといえる。
ナイスペレイダー
ルーピングヨーヨーは戻りの良さが命であり、そのためにはギャップ幅は狭い方がいい。
しかし、ノーマルのレイダーは幅が広く作られている。
ノーマルのレイダーには金属スペーサーが搭載されているが、初期の頃に付属していたポリアセタール樹脂製のスペーサー(当初ナイロン製だと思われていたので、通称ナイスペ)も別売りされている。
ナイスペは金スペよりも薄いため、これに換装してネジを強く締め込むことで、溝幅を狭くすることができる。このままではスペーサーにストリングが挟まってしまうので、紙やすりで削って調整する(現在は調整済みのものも売っている)。
読めば分かる通り、この改造はヨーヨーを壊す可能性が非常に高く、作れたとしても使い続けるうちに感覚が変わってしまうという非常にデリケートなものである。
試す時は、いくつか壊す覚悟で、自己責任で行うようにしたい。
ナイスペ「レイダー」という名前だが、実際にはファイヤーボールで行われることが多い。
これは、レイダー(2500円)+ナイスペ2個(240円)を買うよりも、ファイヤーボール(1500円)とナイスペを買ってボールベアリング(600円)・レイダー用軸(300円)を使いまわしたほうが安上がりであるため。
また、ファイヤーボールのデザインが好きなプレイヤーが多いことや、カラーバリエーションが豊富なことも理由。
なお、第3期ハイパー版の「ストームタイガー」や「スピンフェニックス」は、軸がボルトになっていおり、はずせないようになっている。ハイパーヨーヨーではヨーヨーの改造が禁止されており、ナイスペ化を防ぐ目的と思われる。しかしながら、軸がついていない方に面と通常レイダーの軸を使うことでナイスペ化は可能である。
昔は、2Aを本格的にやろうとしたらナイスペレイダーを作るのが必須だった。
現在では無改造でも優秀なヨーヨーが多数販売されているが、ナイスペレイダーの感覚にこだわるプレイヤーもまだまだ多い。
改造禁止時のセッティング
ハイパーヨーヨーでは、ヨーヨーの改造が禁止されている。
すなわち、戻りを良くするためにギャップ幅を狭めることができない。
当時のトッププレイヤーは、それ以外の方法で戻りを良くする方法に苦心した。
具体的には、以下の方法を使っていたようである。
第3期ハイパーヨーヨーでは、「スパイラルジャガー」や「エースラッシュ」といった、製品仕様としてギャップ幅を狭められるヨーヨーが発売されたため、ナイスペレイダーが作れないことはさほど問題にならない。
モデル
細かいバージョン違いも含めればもっと多いと思われるが、ここでは、部品や造形が大きく変化した時期で区切る。
バージョン1
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初期型。同時期の「ファイヤーボール」「ブレイン」と同じくXフレームが入っており、スペーサーはポリアセタール樹脂製である。
1990年代後半
日本で「ファルホークレイダー」「ハイパーレイダー(第1期)」として販売されていたものと概ね同等品。
21世紀になってからは生産拠点を米国から中国に移行。金型は同じと発表されてはいるものの、プレイヤーの中には「中国製になってから使いにくくなった」と感じ、USA版にこだわる者も多い。
ハイパーレイダー(第2期)
2003年発売。基本的な構造は第1期と同じだが、スターバーストの山が高くなり、戻りが良くなったと言われている。
ストームタイガー
基本的な構造は海外版と同じだが、軸がボルト・ナットになっており、完全に外すことができない。
2012年版
デザインだけ変更。ドクロと天使の羽根をモチーフにした、ロックなデザインとなった。
しかし、これが米国の暴走族Hell's Angelsのロゴにそっくりなことから、商標権を有する当該団体から告訴された。その後の経過は不明なまま2018年版デザインに移行している。
2018年版
おそらくデザインだけの変更。全体的に細身のロゴとなった。同時にリニューアルされた「ファイヤーボール」「ブレイン」と異なり、オリジナルの「レイダー」に近いデザインである。
2020年版
ボディリム部分の「MADE IN CHINA」の表記がモールドによる刻印となった。スペーサーがリニューアルされ、外れにくくなっている。軸はいわゆる「ブラウンアクセル」から変更されたため、ナイスペ化のやり方が従来と異なる可能性がある。
この版は、ボディ内側の部分に「©2020 Yomega Corp.」のプリントがある。
派生機種
セイバーレイダー / ステルスレイダー
レイダーEX / スパイラルジャガー
厚みの違う金属スペーサーが複数付属したレイダー。
メーカー保証下で、安全にルーピング仕様のレイダーが作れる。
レイダー Lock n' Load
軸にベアリングが圧入されており、ベアリングの精度を高めたレイダー…
…なのだが、すなわちベアリングが外れないということである。
こんなものはナイスペを作る上で邪魔でしかないため、総スカンを食らってそうそうに姿を消した。
しかし、「空中分解してもベアリングをなくさない」というメリットを活用すればよいことに随分あとになって気づかれ、「ヨメガ・マグネター」に応用されている。
RBⅡ / ハイパーアールビーツー
キャップがついていないレイダー。「ヨメガ・パワースピン」のボールベアリング版。
重量が軽く、外側よりになるため、軽さとスリープ力を両立させたというウリ文句だった。
RPM
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コンピューターを内蔵し、スリープ時間・回転速度・ループ回数を測ってくれる。
コロコロコミックでも紹介されていたが、バンダイ撤退によりハイパーヨーヨー化することはなかった。
ハイパーワープ
レイダーより重量が重く、スリープ力の高い機種。キャップはまっ平ら。
当初ハイパーヨーヨーとして発売されており、英語版でも「ハイパー」がつけられている。
関連機種
1990年代
- トムクーン・SB-2
- トムクーン・ローラーウッディ
- スピンタスティクス・トルネード
- プレイマックス・ターボバンブルビー (現 ダンカン・バンブルビー)
- ダンカン・バリスティック
- ダンカン・アヴェンジャー
- スーパーヨー・レネゲイド(ルーピングカスタム)
2000年代
2010年代
- ヨーヨージャム・アンリーシュト
- ヨーヨーファクトリー・ループ900
- ヨーヨーファクトリー・ループ1080
- ヨーヨーファクトリー・ループ720(2017)
- ヨーヨーファクトリー・ループ2020
- ヨーヨージョーカー・ボルテクス
- ダンカン・ホーネット
- C3ヨーヨーデザイン・イニシエーター
- サムシング・LP
- ヨーヨーモンスター・クルーク
- エアロヨー・ATOM
- JPLsolutions・LoopUP
関連動画
関連商品
2020年版。
バンダイ以前、ファルホークが輸入していた頃のレイダー。
中村名人がヨーヨーを始めた頃は、このようなケースに入っていた。
関連項目
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