ヨモギとは、
である。ここでは1について紹介する。
概要
キク科ヨモギ属の多年草。
山野に生え、草丈60~120cmで根茎が横に走り、茎は地表面で分かれ縮毛が生えている。
葉は互生。6~12cmほどで、羽状中~深裂し2~4対になる。
花期は9から10月で、花は円すい型の複総状花序に管状花のみからなるあまり目立たない淡褐色の頭花をたくさん付ける。
漢字で書くと「蓬」。
学名の「Artemisia princeps」は「最上のヨモギ属」という意味。
餅に入れられることから、モチグサ(餅草)とも呼ばれる。
練り込んだ草餅や、かしわ餅を包む葉に使われているのを目にした人は多いだろう。
3月から4月ごろ(寒冷地では4月から6月)に地面から生えた芽が摘み時。その年に出たばかりの新芽は柔らかく、アクも少ないため生の葉も料理に使用できる。
6月以降、初夏を過ぎて気温がどんどん高くなっていくと茎がのび、葉も大きく硬くなっていく。こうなると熱を加えても繊維がしっかり残って非常に食べづらいので摘むのは先端の芽だけに抑えるのが吉。ただ、乾燥させてお茶の葉にしたり、酒に仕込んだり、雑貨の材料にするのには夏の葉でも大丈夫。
クローバーやスギナと同じく、日当たりのよい草地を好む。道路などに生えている物は除草剤や飼い犬の尿がかかっている可能性が高いのでスルー安定。
移植しても育つので根っこごと掘り上げて家庭菜園などの手が届く日当たりのいい場所に植えると、毎年簡単に摘める。
葉の形は他のキク科の草と似ているが、独特な香りがあるのでこれによって探したり見分けることが可能。葉の裏が白くてふわふわした柔らかい織毛に覆われているのがヨモギである。生え始めの時期は裏だけでなくこの白い織毛が葉全体に生えている。
種類
ヨモギは日本を代表する草で全国どこにでも自生している。
日本だけでも30種類以上、世界には300種以上の品種が存在する。
日本で本州から九州、沖縄まで分布するカズザキヨモギが一番ポピュラーであり、一般的に「ヨモギ」というとこれを指す。
蓬餅のイメージが強いが、沖縄では沖縄そばの薬味や、じゅーしーという炊き込みご飯の具材にニシヨモギという、成長しても葉があまり苦くならない種類のヨモギがよく使用される。
アイヌ語で「ノヤ」と呼ばれるオヨモギは、寒い地方でよく見られ、葉が大きく香りがあまりしないため、普通に食べたりするよりも薬や魔除けに使用されたという。
効能
葉の裏の毛は精製してお灸のもぐさとなる。
特徴的な匂いの主成分はシネオール、アルファーツヨン、セスキテルペンであり、とくにシネオールには血行を促進して身体を温める作用がある他、交感神経を抑え、副交感神経を強めて脳の神経を鎮めるため、リラックスでき、深い睡眠をもたらすとされている。
また、濃い緑色の葉にはクロロフィルが大量に含まれている。クロロフィルには体内に溜まったコレステロール排出する働きがあるため血中コレステロール値を下げる効果が期待できる。
鉄分やカルシウムなどの日本人が不足時がちなミネラルも他の野菜と比べ豊富に含まれており、近年健康家から熱い視線を注がれている。
また、日本では古くから邪気を払うと信じられ、人々は端午の節句には菖蒲とともに浴槽に入れそのお湯に浸かるなど、民俗的にも深く定着している。
ツジョンという、大麻の成分テトラヒドロカンナビノール (THC) に似た分子構造を持つ成分も含まれており、大量摂取すると、麻酔作用、嘔吐、幻覚、錯乱、痙攣などに陥いり、習慣性もあるとされる。しかし、生草を数kg以上摂取しなければ上記のような症状は出ない。
韓国では、よもぎを煎じた蒸気を下半身に浴びる「よもぎ蒸し」という民間療法が産後のケアとして愛用されている。日本でも首から下をハーブテントで包み、よもぎ蒸しを温活として提供しているサロンがあり女性を中心に人気を集めている。Artemisia(ギリシャ神話の女神)の名を冠するだけあって、ヨモギは女性に優しい植物といえる。
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関連項目
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