ライオネル・モートン(Lionel Morton)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
CV.大木正司(石黒監督版OVA)、坂口候一(Die Neue These)。
概要
自由惑星同盟軍人。少将のち中将。宇宙暦798年当時、40代なかばの男性。
沈着さと忍耐力が評価される優秀な指揮官だが、年齢・功績に比して昇進が遅れているとされる。将官としては珍しく士官学校を経由しておらず、当人もそれを意識してしまっているふしがある。
石黒監督版OVAでの旗艦は標準型戦艦(ナンバー510M)、のちアイアース級旗艦級戦艦<アキレウス>。
経歴
宇宙暦796年、第9艦隊の副司令官として帝国領侵攻作戦に参加。アムリッツァ前哨戦において、帝国軍ミッターマイヤー艦隊の追撃によって司令官アル・サレム中将が負傷すると指揮権を継承する。「疾風ウォルフ」の追撃の中で残存艦隊をまとめあげて全面崩壊を防ぎ、アムリッツァまで撤退させることに成功した。
この時見せた手腕は出色のものであり、大敗北に終わった帝国領侵攻作戦における功績でさえなければ、中将・艦隊司令官への昇進は確実なものだったと言われている。
その後は宇宙艦隊総司令部直属の独立分艦隊2040隻の指揮を務める。
第八次イゼルローン要塞攻防戦(要塞対要塞戦)の際にはサンドル・アラルコン少将の2200隻とともにヤン・ウェンリー大将率いる混成艦隊5500隻の中核を担い、カール・グスタフ・ケンプ、ナイトハルト・ミュラー両大将の率いる帝国軍ガイエスブルク要塞と戦った。
宇宙暦799年、帝国が”神々の黄昏”作戦を発動し、フェザーンを占領。
これを受け、辺境防衛の警備部隊を統合するかたちで新規に二個艦隊が編成されると、そのうち第14艦隊10000隻の司令官に任じられる。ランテマリオ星域会戦で右翼を護ったのち、ハイネセンを発つヤン・ウェンリーに統合作戦本部事後承諾の形で帯同し、以後ヤン艦隊の一員として行動した。
ライガール、トリプラ両星系間の戦い、タッシリ星域方面の戦闘を経て、決戦となったバーミリオン星域会戦にも参加する。戦闘後半、ヤン艦隊は帝国軍主力を包囲し帝国軍総旗艦<ブリュンヒルト>まであと一歩のラインまで肉薄。しかしここで来援した”鉄壁ミュラー”の横撃をうけとめることとなり、わずか一時間の交戦で3690隻を数えた残存兵力のうち2130隻(57.7%)が失われるという凄烈な戦闘の末、戦死した。
アニメでの登場
原作のアムリッツァ前哨戦では本人は登場せず、地の文のみでの登場だった。石黒監督版OVAでは原作初登場タイミングの数話前、帝国領侵攻に先立つ作戦会議(第12話)にも出席しているはず(ヤンの座席後方にフィッシャーがいることから)だが、映像でモートンを識別することは出来ない。その原作初登場タイミングでも、アル・サレム中将の指揮権移譲命令の台詞のみの登場だった。
OVAでの実際の初登場は要塞対要塞戦からだが、この時の作画は遠景でもないのにやけに酷い。タラコ唇気味で書き込みが甘く、適当に書かれたモブのようななんとも言えない微妙な顔をしている。これはDVD化時に大幅に作画を修正した際にも何故か残されてしまっている。
”神々の黄昏”作戦に際しては第45話でパエッタ、ラルフ・カールセンとともに再登場。この時はだいぶ作画が良くなり、 特にアップではかなりしっかりとした顔になっている。その後ビュコックらとともに度々作戦会議に登場しているが、ランテマリオ星域会戦でも右翼にあってワーレン艦隊を迎え撃つ姿が映し出されている。
ランテマリオの後は第49話、ヤン艦隊の出撃シーンで一カットだけ登場した程度だが、第52話バーミリオン会戦後半では艦隊を叱咤激励する姿が右側からのアップで描かれた。そして戦死直前のアップシーンではDVD版作画修正の恩恵を受け、ライオネル・モートン史上もっとも良い作画で描かれているといってよいだろう。
ただし戦死シーンは非主役級軍人にありがちな「近くで爆発→画面が光で一杯に→旗艦撃沈」のコンボであり、戦闘シーンでの出番が少ないことと合わせ、マル・アデッタ会戦でトップクラスの扱いを受けた僚友カールセンに比べると地味なものになってしまっている。
「Die Neue These」ではアムリッツァ前哨戦を描いた第12話で初登場。アル・サレム中将の後ろでその補佐をしている無精髭の将官がモートンである。テロップこそ出なかったものの、エンドクレジットでこの人物がモートンであることが登場が明らかになった。
関連動画
関連項目
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