唐突にもらった"平手打ち"
予想外の"肘"
ライナー・ブラウンとは、漫画・アニメ作品「進撃の巨人」の登場人物である。
人物
第104期訓練兵団の卒業生で、主人公であるエレン達とは同期(ただし年齢は彼らより上)にあたる。
同じ訓練兵の中では、特に同郷であるベルトルト・フーバーと仲が良い。
恵まれた体格とセンスの持ち主で、104期訓練兵の中での成績はミカサに次ぐ2位。
身長は185cmと、同期の成績上位10名の中では2番目の高さ(1番はベルトルトの192cm)を誇り、
体重も95kgあるが、見かけが特別太っているわけではないのを見るに、その筋肉量が想像できる。
さらに体格だけでなく、精神・人格面においても完成されており、体力で他に劣るアルミンを教官にバレないように手助けしようとしたり、トロスト区の戦いでは危険な作戦を前に「コイツをケツにブチ込む」と冗談を言って場を和ませようとしたりと、どんな時でも周りに目を配り、困難に敢然と立ち向かうタフさを持つ。
以上の理由から104期生たちのリーダー的存在であり、教官からも「屈強な体格と精神力を持ち、仲間からの信頼も厚い」と評される。頭の回転がやや鈍い、積極性に欠ける、技術はあるが性格に難がある…等々、曲者揃いの同期の面々の中では数少ないまともな評価を受けていると言えるだろう。
彼が兵士になった理由は「失われた故郷に帰るため」。これは上述したように同郷であるベルトルトとも共通する目的であり、同じく強い決意と目的意識を持つという点でエレンには共感を覚えている様子。
また、本人は自分の「兵士」という立場に誇りを持っているようで、エレンに「兵士」とは何かを説教臭く説いたり、訓練をサボっているアニに兵士としての使命感から突っかかっていくなど、その言動の節々からは責任感の高さも伺える。
…と、こんなよく出来た人間である彼だが、その反動故なのか、(本人は意図していない)ギャグパートでは吹き出して牛乳をアルミンにかけてしまったり、体格で勝るアニに見事に返り討ちに遭ったり、記事冒頭にあるように恒例の巻末嘘予告で特に理由の無い暴力に襲われたりと、どこかシュールな笑いを提供してくれるため、読者・視聴者から愛されている。
余談だが、上述した「ケツにブチ込む」発言や、ユミルに「女の方に興味があるとは思えない」と言われて「ああ……」と答えたことから一部ではホモ疑惑が浮上しているが、女型の巨人の尻を「いいケツ」と言ったり、クリスタに心の底で求婚したりしているので、彼が異性愛者であることは誰の目にも明白である。
鎧の巨人
その正体は、五年前にウォール・マリアを体当たりで突破・破壊した「鎧の巨人」である。
よく見てみれば確かに鎧の巨人とライナーは骨格、ヘアスタイル共に似通っていたのだが、あまりに唐突に明かされたこの衝撃の事実は多くの読者を驚かせた。
「女型の巨人」であるアニが調査兵団に捕らえられた際、彼とベルトルトの言う”故郷”がアニと同じであることが判明。これにより彼女の仲間ではないかと疑いがかけられることになるのだが、実際のところその通りで、女型の巨人との戦闘でも必死に立ち回るフリをしつつ、裏ではエレンを攫わせるために暗躍していた。
そしてウトガルド城での戦いの後にその秘密をエレンに打ち明け、エレンに自分達と一緒に来るよう促すが、事の一部始終を伺っていたミカサに斬りかかられて重傷を負う。全てが潮時だと悟った彼はベルトルトと共に巨人化し、激戦の末にエレンとユミルを攫って壁外に消えたのだった。
彼が言うには「エレンさえ一緒に来てくれれば、自分たちは壁を壊さない」とのことだが、彼らが何故そうまでしてエレンを攫おうとするのか、そして一体どこに向かおうとしているのか、この時点ではまだまだ謎が多かった。
兵士ライナーと戦士ライナー
原作46話にて、精神が軽くぶっ壊れていることが判明。すでに正体がばれて人類の敵となったのにもかかわらず、逃走の小休止中にウトガルド城での対巨人の功績を誇って調査兵団内での出世を願う言葉にユミルは困惑、エレンは馬鹿にされていると思って激怒する。
「戦士」として壁を破壊し、壁内に潜入していたライナーだったが、エレン達104期生と生活していくうちに、仮面だったはずの「兵士」としての自分が「本当の自分」と呼べる程に根付いてしまう。元々責任感の強い性格だったことも災いし、彼は兵士として活動する一方で、仲間達を欺いていることへの罪の意識に耐え切れなくなり、遂には「戦士」と「兵士」の人格が半ば分裂して頻繁に切り替わるまでになってしまった。自身の裏切りを明らかにするまでエレンたちと気さくに接していたり、ウトガルド城で体を張ってコニーを助けたりしたのはこのためである。同じく「戦士」であるベルトルトからは、「ライナーはもう兵士ではない」と半ば呆れられている。
このあと調査兵団の追撃によりエレンは奪還されてしまう。ライナーは最後の手段として多数の知性を持たない巨人を投げつけてエレンを捕食させようとし、調査兵団ごと追い込んだ。しかし、エレンはライナーたちが真に求めていた「座標」の力を発動させ、巨人を操ることによって窮地を脱出。ライナーとベルトルトはやむなくユミルだけを連れてシガンシナ区まで撤退するのだった。
シガンシナ区決戦
王政編を経て、エレンたち調査兵団は再び壁の外に向けて行動を開始した。最初の目標はエレンが新たに得た硬質化能力を使ってシガンシナ区にライナーたちが開けた穴をふさぐことである。獣の巨人こと、戦士長ジークとも合流したライナーとベルトルトは 再編された調査兵団をシガンシナ区で迎え撃つ。
…のだが、この章でのライナーは完全にかませ犬となってしまっている。囚われの身となっていたアニの救出作戦をかけてのジークとの決闘に負け、奇襲しようと壁の中に潜んでいたらあっさりと発見され、自慢の鎧はエレンが新たに獲得した硬質化能力の前に砕かれ、新兵器「雷槍」でも鎧を貫かれ、散々な目に遭ってしまった。
ジャン「あいつ…どうやったら死ぬんだよ…」
しかし、それでもライナーは巨人の肉体の方に意識をうつすなどしてボロボロになりながらも生存。車力の巨人によって救出され、撤退する。ライナーはベルトルトとアニを残して故郷に帰還する事になった。
また、かつてトロスト区を超大型巨人が襲撃した際のライナーたち視点の回想もなされ、マルコの死の真相なども明らかにされている。回想の中で、ライナー、ベルトルト、アニはライナーたちの戦士としての会話を聞いてしまったマルコから立体機動装置を奪い、移動手段を失ったマルコは巨人に食われることになった。しかし、マルコが捕食されているのを見たライナーは「オイ…なんで…マルコが…喰われてる…」とこぼす。この回想で、ライナーの分裂症は既にこの時点で発症していたことも明らかとなった。
マーレ編のライナー
パラディ島の任務から帰還したライナーに待っていたのは更なる戦争だった。
ライナーの故郷である大国マーレは7体の知性を持つ巨人を抱えた軍事大国だったが、5年以上の時間をかけて行ったパラディ島からの始祖の巨人奪還作戦に失敗し、知性巨人2体を喪失。軍事力に陰りが見えたマーレに対して各国は最新の軍事技術を用いて反旗を翻していた。ライナーら戦士たちは各地の戦線に駆り出され、マーレの敵を撃滅していったが、最後の戦いとなった要塞攻略にてライナーは戦艦による艦砲射撃に被弾。鎧を貫かれ深いダメージを負うこととなり、兵器としての巨人の時代が終わろうとしていることがより明確になってしまった。
しかし、それでもライナーは紛れもない英雄であった。パラディ島の潜入任務失敗から4年、一時は鎧の巨人剥奪寸前まで追い込まれつつ、幾多の戦いを潜り抜けた彼は、歴戦の戦士へと成長し、次世代の戦士たちの育成にも積極的に取り組んでいた。戦争が終わり、故郷であるレベリオ収容区に帰還し、家族からの歓待を受けるライナー。彼はそこで潜入任務時代のことを語りだす。
「そこにいた日々はまさに地獄だった」
だが、その言葉にはどこかしら懐かしさが含まれており、家族は困惑する。
肉体こそ巨人の力でいくらでも回復する一方、ライナーの精神は深く傷ついていたままだった。あるときは一人になるとライフルの銃口を口に咥え、引き金を引きかけるという自殺未遂まで行ってしまう。しかし、次世代の戦士候補生の声を聴いてすんでのところで踏みとどまるライナー。戦士候補生たちを放って自殺する事は、彼には出来なかったのである。
また、ライナーの戦士候補生時代の回想も描かれ、実は落ちこぼれであった事や初手で躓いてしまった潜入任務を無理やり続行させた事など、これまでのライナーにまつわる伏線も次々と解き明かされていった。
エレン、襲来
「時代や環境のせいじゃなくて…俺が悪いんだよ。
お前の母親が巨人に食われたのは俺のせいだ」
パラディ島の脅威に対して世界が協力して当たろうという式典に際して、エレンはライナーを呼び出し二人は4年ぶりの再開を果たす。ライナーの前に現れたエレンはかつての巨人への殺意にあふれていた少年とは全く違った落ち着いた青年となっていた。
「何しにここに来た?」というライナーの問いに対して、エレンは「お前と同じだよ『仕方なかった』ってやつだ」と答え、ライナーはかつてライナー自身が壁内の人類にしたように、エレンもまたこの式典を襲撃し、ここにいる人間を虐殺するつもりだということを悟ってしまう。
エレンはまた、かつてライナーが壁を破壊したことも「仕方ないよな」とまるで慰めるかのようにライナーに語りかけるも、ライナーはそれを否定。自分が悪かったと認め、殺してくれるように伏して懇願する。
エレンはライナーを起こして手を差し伸べるも、そのタイミングでパラディ島への宣戦布告がなされてしまう。ここに至り、エレンの覚悟は決まり、巨人化。式典参加者たちの虐殺を開始する。一方ライナーは同席していた戦士候補生のファルコを守るために巨人の力で硬質化するものの、それ以降ファルコの呼びかけにも反応しなくなってしまった。
ライナー、復活
ガビ「ライナー助けて!」
パラディ島の援軍を得て、戦鎚の巨人さえ撃破し、その力を奪ったエレン。続いて顎の巨人をも捕食しようとするも、戦士候補生のガビとファルコは声の限り叫んでライナーに助けを求めた。
「うる…さい」「静かに…してくれ…」「頼む、静かに…」
硬質化し、ほとんど眠ったような精神状態の中、ライナーは彼女たちの声をうるさく感じてしまう。しかし、ライナーは目覚めた。
ライナーの鎧の巨人ではすでに何度も敗北し、更なるパワーアップまで遂げているエレンの進撃の巨人を倒すことは出来なかったものの、喰われかけていた顎の巨人の救出には成功。巨人の力を使い果たしたエレンはそこで引き揚げた。ライナーは見事にエレン撃退に成功したのである。本当にかっこいいよ…
そして事態が収束した後、ジークが裏切った事、ガビとファルコがパラディ島に連れ去られた事などが判明すると、ライナーは対パラディ島の連合軍が集結するのを待つことなくすぐにパラディ島に攻め込むことを提案するのだった。
関連動画
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関連項目
- 進撃の巨人
- ベルトルト・フーバー(いつも一緒にいる同郷の人)
- アニ・レオンハート
- (結婚しよ)
- 特に理由の無い暴力がライナーを襲う!!
- ライナー助けて!
- エレンポイント
- ダメに決まってるだろ!!
- 異世界ライナー
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