概要
ラグナクリムゾン | |
漫画 | |
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作者 | 小林大樹 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載 | 月刊ガンガンJOKER |
掲載期間 | 2017年3月 -(連載中) |
巻数 | 既刊13巻(2023年12月時点) |
アニメ | |
監督 | 高橋賢 |
製作 | SILVER LINK. |
放送期間 | 2023年10月 - 2024年3月 |
話数 | 全24話 |
月刊ガンガンJOKERにて2017年3月より連載開始。2023年10月から2024年3月までテレビアニメが放映された。
作品内容は、竜を討伐する職業「狩竜人」(かりゅうど)を生業とする少年「ラグナ」と竜の滅亡を望む人物「クリムゾン」による、竜種族との闘争を描くファンタジー漫画である。
ジャンルとしては、超常的な戦闘能力を手に入れた主人公ラグナによるバトル漫画とも言えるが、もう一人の主人公クリムゾンによる知略(と暗躍)が加わることで話の流れが単純化しない点が特徴的。正邪相反する二人の主人公により味方陣営の方向性が読めないことや、敵陣営において繰り広げられる主人公的立ち回りなど、読者の予想を超えるストーリー展開が魅力的な作品となっている。
ストーリー以外にも、迫力のある戦闘シーンや個性溢れるキャラクターなど、各所に作者のセンスが光る。『イケメンですまない』
あらすじ
銀剣を振るい、竜を狩り、報酬をもらう職業──『狩竜人(かりゅうど)』。
ヘボ狩竜人の少年・ラグナは、ぶっちぎりの竜討伐数を誇る天才少女・レオニカとコンビを組み、日々、竜討伐に挑んでいた。ラグナの願いはひとつ──「強くなれなくてもいい。レオのそばにずっといたい。」
しかしその想いは、これまでと比べ物にならない強さを持った“上位竜”の襲撃により儚くも散りさる。強大な敵を前にしたラグナの脳裏をよぎるのは、ここ数日ラグナを悩ませてきた悪夢──
最強の力を手に入れながらも、何一つ守るべきものを持たない、絶望と孤独の未来を歩む自らの姿だった。未来の自分が伝えるものとは……? 今の自分が選ぶべき道とは……?
そしてラグナは、謎多き新たなる相棒・クリムゾンと共に、絶望の未来を回避するための一歩を踏み出す。
登場人物
主人公
本作の主人公。竜を狩る職業「狩竜人」を生業をする少年。狩竜人としての才能はなく、優秀な狩竜人の少女レオニカに同行する形でレーゼ王国の都市ロナベーラで生計を立てていた。幼少時から身近な人間が竜に殺されてきため、原因は自分だと考えるようになっていたが、「弱いから死ぬ。竜より強ければ死なない」と主張するレオニカに手を引かて狩竜人となり心を救われる。竜を超える強さを求め邁進するレオニカに強い憧憬を抱き、彼女の為に生きたいと考えていたが、ある時レオニカが殺される幻影を見る。その後、上位竜グリュムウェルテに街が襲われた際に、未来の自分から記憶と滅竜の戦闘技法「銀気闘法」を継承する。未来の記憶から自分と共にいる人間は全て竜に殺される運命にあると知り、レオニカと別れて竜を滅ぼす決意をする。
なお、未来から送られてきた戦闘技術(銀気闘法)は体に溶け込んだ技法であるため問題なく使えるが、記憶については関連する切欠により思い出す形で得ている。
本作のもう一人の主人公。竜種族における「翼の血族」の元血主(元「翼の王」)。自身を含めた全ての竜を滅ぼすことを目的としておりラグナとの共闘を図る。元竜王としての力は失っており、知略と部下(ラグナ含む)を用いて物事を進める。目的の為ならば手段は選ばない性格をしており、人間を使い潰すことに一切の躊躇いがない。そのため方針決めにあたりラグナとぶつかることも多い。見た目、性別を自由に変えることができ、場面に応じて使い分けている。
クリムゾンの道具(しもべ)
クリムゾンが造った竜を食べる変な生き物(?)。自由に形状を変えられ一部でも残っていれば再生が可能。ラグナには「スライム先輩」と呼ばせている。自称第一のしもべ。なお自己紹介の際には「悪いスライム」と名乗る。(某有名RPGの『ぼくは悪いスライムじゃないよ』が元ネタ)
クリムゾンが造った機械人形。身体を換装することができ戦闘用、諜報用など目的に応じて使い分ける。3人(?)の中では最も知性が高いがそれにより主を試すような行動も取る。自称第一のしもべ。
クリムゾンが造った合成獣。身体能力に長け直感に優れる。数字に弱く、ゴーレムには度々揶揄われており仲が悪い。しっぽの「ヘビさん」は独立した意識を持つ。自称第一のしもべ。なお獣・獣人・人間に形態変化ができるが人に近づくほどポンコツ化する。
翼の血族
第一位階(血主)にして現在の翼の王。竜王の一人であり竜名は「天翼竜」、時を操る「時操魔法」を扱う。竜の神の意に応じてレーゼ王国を滅ぼす行動を起こす。争い事を嫌う優しい性格をしているがそれ以前に竜王としての性質が来るため「神の意に従い人間を殺すこと」の上に「優しい性格」が乗り、その2つが矛盾せず同居している。「苦痛を与えず死に気づくこともないまま消す」の方針で滅びを実行するつもりだったが、ウォルテカムイの独断専行により都市ドナピエルーが陥落。混乱による国外逃走を防ぐ為、国境付近の各都市に上位竜を派遣し殺害する強硬策を取る一方、王都に人間を集めて安楽死を与える方針も進めた。討たれた部下の拠点へ更に人員を出した隙を突かれ、ラグナとクリムゾンによる王都での強襲を許す。人間への殺意と優しさの同居はラグナに強い嫌悪を与え、クリムゾンには欺瞞と称された。
第二位階で竜名は「雷爪竜」。雷の速さで移動する翼の血族における最高戦力。性格は自由奔放であり、血主である翼の王や竜の神に対する忠誠心はない。個人の意思でアルテマティアに仕えており、スタンドプレーに対して下される仕置きに対しては甘んじて受けている。戦闘に喜びを感じているが同等の強さを持つ者がおらず退屈しており、強敵として現れたラグナとの闘いには期待を抱く。
第三位階で竜名は「風獄竜」。強大な竜巻を作り出せる風を操る能力を持つ。第三位階に相応しい実力を持っているが上位竜に見られる人間に対する驕りも顕著に持っている。それにより生じる隙こそ上位竜の弱点と考えるクリムゾンの策略により、実力を発揮することなく一般狩竜人の手によって討伐された。登場時の発言は殆ど風に語り掛ける言葉であるが、風に意思があるわけではなく唯の独り言である。
第四位階で竜名は「森海竜」。未来の記憶においては第七位階(竜名「腕竜」)であるため、頭角を現してきたネビュリムに席を譲ったと思われる。先代翼の王からの上位竜であり人間に寄生する形で延命しており全盛期の力を失っている。移動する森「蠢く木陰」の真の支配者。翼の血族再興を望んで後進を育ててきており、アルテマティアやネビュリムからは「先生」と慕われている。
第五位階で竜名は「爆塊竜」。翼の血族における戦争屋で戦闘担当。能力の全てを自己強化に使用。上位竜(成者)になるまでの成りかけの期間の短さは血族の才覚として見ることができ、平均10年~15年に対してタラテクトラは20年掛かっている。その事から上位竜としての才覚は無いと自覚しており、強さは武の積み重ねにより獲得。自身と状況を正確に判断し的確な行動をとる。ディザス・トロワにあった上位竜の驕りがないため位階を超えた強さを秘める。オルト・ゾラとは上位竜になる前からの戦友。
第六位階で竜名は「狂操竜」。翼の血族における戦争屋で指揮担当。血族の中においても参謀的な立ち位置である。薬物を生成する魔法を扱い、広範囲に味方強化・敵弱体の状態異常を振りまく。自身へのドーピングも可能で、タラテクトラ同様に上位竜の驕りがないため個体としての戦闘能力も高い。
第七位階で竜名は「結界竜」。翼の血族期待のルーキー。様々な効能をもつ結界魔法を用いる。霧散結界では王都に集めた人間の存在を希薄にして消滅させ、アルテマティアの望んだ人間への安らかな死を実現していた。成者への成りかけ期間が一切なかったことから血族随一の才覚を秘める(参考:ウォルテカムイ:2日、ディザス・トロワ:1か月、オルト・ゾラ:1年)。王都でのラグナ急襲の際、アルテマディアへの攻撃を一切防げなかったことから自責の念により急速な成長を見せ、才能の片鱗を匂わせた。スライム先輩のおやつ。
第八位階で竜名は「肥満竜」。食に関心が高く人間の料理に対する理解はあるが、それ以上に人間自体の味を好む。動く森「蠢く木陰」を使ってロナベーラに進軍したがグリュムウェルテとの戦闘を得て銀気闘法を身に着けたラグナによって討伐された。都市進軍の際の『数百年に一度の宴だ』との発言から、普段人間への過度な攻撃はアルテマディアに止められていた可能性がある。名前は逆から読むとデブ・グルメ。
第九位階で竜名は「剣山竜」。レーゼ王国都市への進軍の際、第二王女スターリア・レーゼ率いる銀装兵団により討伐されている。
第十位階で竜名は「黒魔竜」。ラグナとレオニカのいた都市ロナベーラへ進軍。神童と言われたレオニカでも歯が立たず、未来の記憶においてレオニカ死亡の直接の原因となっている。未来の記憶と銀気闘法を受け継いだラグナによって討伐された。
銀装兵団
レーゼ王国第二王女にして国内最強の部隊「銀装兵団」の団長。生まれつき両腕がなく代わりに万物に宿る「気」を捉え自由に操る異能を持つ。最初に銀の食器を操作したことから「銀器姫」の異名で呼ばれる。その力を元にした戦闘能力、指揮能力の高さに加え、銀器職人としての才も持つ。自信家で気が強い性格である。幼少時は両腕が無いことから王族と認められておらず、周囲から向けられる憐みの目に対して反発していた。竜討伐、御前試合優勝などの経緯から銀器姫の名が広まり、扱いに困った王家は王位継承権を剥奪した上で国内北部の領地(ド田舎)を与える。異能を生かして開拓・安定させた領地と、作成した武具の優秀さが噂となり各地の武人が集まり銀装兵団の元となる。銀装兵団の活躍を無視できず国が特務部隊認定をするが、経緯もあって実質銀器姫の私兵団となっている。
レーゼ国軍少佐。銀装兵団のお目付け役としてレーゼ国軍より派遣され本来は顧問の立ち位置となる。兵団内では参謀、兵站管理、現場指揮、直接戦闘(つまり全部)をこなし、実質サブリーダー的な役割を果たしている。生真面目な性格でその本質はメガネと揶揄われるほどだが、その性格故に銀器姫や他の団員からの信頼も厚い。なお軍からの銀装兵団派遣は左遷かつ殉職扱いであり、派遣の際に二階級特進している。事実アイザック以前に派遣された顧問は二人いたが前線に出されて殉職している。
銀装兵団主席剣士長。「剣狼」の異名を持ちレーゼ王国内のみならず近隣国家含めての最強の剣士。翼の血族第九位階ドルニーアとの戦闘では止めを刺した。銀器姫(当時6歳)が下位竜を討伐した際に出会い、初めて懐いた人物である。以後銀器姫の剣の師となる。なおレオニカが殺された未来の記憶では腕竜ボルギウスに寄生されていた。
銀装兵団剣士長。隣国ガーネス出身の元傭兵。銀器姫の成竜討伐の折に出会い銀器姫に王の資質を見て部下となる。その際の戦闘で右腕をなくしており、以降銀器姫が作成した義手を使っている。
銀装兵団剣士長。元剣士長ユゴ・ロブレスより席を譲られ剣士長には成ったばかり。強さを求めて銀装兵団に入り兵団一才能があると言われている。低身長だが本人曰く成長中。
銀装兵団魔法士長。何故か関西弁。高い魔力を持って生まれた人間は身体に人外の特徴を持つ事がありフーの場合は右腕にある。犯罪活動していたところを銀器姫に捕まり入団させられた。
銀装兵団銃士長。双子の姉妹。目と口に人外の特徴が出ており竜の血を引く者として見世物小屋に出されていたところを銀器姫に拾われる。二人とも明るく元気な印象を受けるが過去の経緯から実際には情緒が育っておらず、人の正しい在り方を学ぶために「活発な少女」を演じている。
第二王女付き教育係。本人曰く猛獣の調教師のようなもので、銀器姫の降嫁と同時に危険手当を含む莫大な報酬が払われる契約なので姫の早い婚姻を願っているとのこと。猛獣(銀器姫)を御せる程の強さを持つ(一部では兵団最強との噂)。飼い殺し兼腫物状態であった幼少の銀器姫に対して生きる方向性を示した人物。周囲から見捨てられていた銀器姫が現在貴人として振舞えているのはナサレナの手腕である。
銀装兵団魔法士。銀器姫の熱狂的ファンで銀器姫を敬愛する会(非公式)会長。ラグナを一目見て自身と同類の陰キャの変態と見抜いた。耳に人外の特徴を持つ。
狩竜人・その他
レーゼ王国の都市ロナベーラで活躍する狩竜人の少女。狩竜人として類い稀な才を持ち神童と呼ばれ、齢12歳ながら都市一番の実績を誇る。「最強」に焦がれており、強き者が道理を通せると考える強さ信者である。狩竜人の道を選んだのも最も強い生物と戦う職業であるため。ラグナとの初対面の際に直感で強くなることを見抜いて狩竜人に誘った。それ以降ラグナと行動を共にしていたが翼の血族による都市襲撃を機に、未来の記憶を知ってレオニカの身を案じたラグナから別れを切り出される。
レーゼ王国の都市ロナベーラで活躍する狩竜人の青年。レオニカに次ぐ都市No2の実力者、かつ国家を股にかけるシャルルーク商会の御曹司。幼少時より多才で優秀だったが、レオニカとの出会いに影響を受け狩竜人の道へ進む。普段捻くれた言動をとるが、一度懐に入れたものは放り出さない面倒見の良い性格をしている。都市ロナベーラ襲撃後は難民を取りまとめて隣国への避難に尽力した。
翼の血族の都市襲撃によりレオニカが亡くなった世界を生き続けた未来のラグナ。レオニカを殺された復讐心と幼い子供を英雄と妄信していた自分の弱さへの後悔から、自殺同然の鍛錬と滅竜を繰り返し続けた。新しい仲間を得ても生き残るのが常に一人となり、幼少時の経験も併せて自分の周囲の人間は全て死ぬ運命にあると悟る。いつしか狩竜人の武器である銀剣と人体の同一化が始まり、それでも戦い続けた果てに完全な人剣一体の融合を果たす。竜を殺す銀気を放つ身体となり滅竜の戦技「銀気闘法」を編み出すが、無類の強さを得た時には守るべきものが何も残っていない状態となっていた。守るべきものがいる過去の自分に守ることができる力を授けるため、未来のクリムゾンの力を借りて自身の命を代償に過去への干渉を行い、目的を果たした。
ユゴ・ロブレス
銀装兵団元剣士長。銀装兵団が国外脱出を決めた際、襲撃された都市に住む家族を探すため兵団を離れた。離団の際、剣士長の座を実力と将来性のあるシンに譲っている。旅の途中で竜と戦うレオニカと出会い共闘する。
テレビアニメ
スタッフ
- 監督:高橋賢
- キャラクターデザイン:青木慎平
- シリーズ構成・脚本:赤尾でこ
- 美術監督:込山明日香(コスモプロジェクト)
- 色彩設計:水野多恵子(スタジオ・ロード)
- 撮影監督:佐藤敦(スタジオシャムロック)
- 3D監督:遠藤誠(Tri-Slash)
- 編集:坪根健太郎(REAL-T)
- 音響監督:郷文裕貴
- 音楽:藤本コウジ(Sus4 Inc)/ササキオサム
- アニメーション制作:SILVER LINK.
主題歌
歌・作曲・編曲:ulma sound junction、作詞:田村ヒサオ・Amon Hayashi
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関連項目
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- 0pt