ラチェット(Rachet)とは、『トランスフォーマー』に登場するサイバトロン(オートボット)戦士である。
どこの概要をやられたね?
この名を持つトランスフォーマーは初代のシーズン1から登場しており、看護員(medic)や整備士といった役割でほぼ安定しているという、割と珍しいキャラ。
ファンからは軍医という愛称で親しまれている。
実は看護員という役割がトランスフォーマーでは稀有なためか(他の技術者は発明家や建築家、科学者が多い)、ラチェットという名を持つキャラは一部の例外を除けば、ほぼ全員が看護員という設定になっている。
名前の元ネタは、歯止め付きの片回し式歯車のラチェット(ratchet)と、ジャック・ニコルソン主演のサスペンス映画『カッコーの巣の上で』(One Flew Over the Cacoo's Nest, 1975)に出てくる冷酷な看護婦長ミルドレッド・ラチェッド(Mildred Ratched
)。ラチェッド役のルイーズ・フレッチャーは本作でアカデミー主演女優賞を受賞している。
ここからも判るように、命名者のボブ・ブディアンスキー(Bob Budiansky)は当初ラチェットを女性トランスフォーマーとして構想していたが、当時の男児向け玩具界隈では女性ロボットは売れないというのが常識であったため、玩具メーカーのハズブロ側から却下されたといういわくがあったりする。
なお、後に日本版展開では『超神マスターフォース』の時に救急車に変形する地球人女性ヘッドマスターJr.「救急看護戦士ミネルバ」が誕生し玩具も発売されたが、海外展開では対応するトランステクターのナイトビート(Nightbeat)とヘッドマスターのネビュロス人マズル(Muzzle)は男性であった(しかも私立探偵)。
G1
声: 江原正士(日本語版)、ドン・メシック(英語版。61話「マスカレード」のみ音響監督のウォーリー・バーが代役)。
サイバトロンの看護員。アイアンハイドと同型(ワンボックスカー)の救急車に変形するものの、この2人には特に血縁?等は無いようだ(が、某ランボル&サンストリーカーの双子兄弟よりよっぽど瓜双つである)。
変形後もシルエットこそアイアンハイドに似ているが、色と頭の角ですぐに見分けがつく。
看護員であることから、仲間のピンチにはすぐ駆けつけ、治療を行う………と言っても対象はロボットであるので、やることは修理である。
よって技術者としての側面も持ち、本職の技術者であるホイルジャックの助手として共にダイノボットを開発するなど、新兵器開発にも貢献する……看護員という肩書きはなんだったのか。
結局、発明家キャラとして形成されていったこともあり、シーズン2に入って新キャラクターをピックアップしなくてはいけないという時には、画面からハブられてしまうこともしばしば。
仲間の修理には熱心であり、時にはワガママな患者に対して口が悪くなることもある。
また、危険を顧みず、故障箇所ばかり増やすサイバトロン戦士達には少しうんざりしているようで、愚痴をこぼしたことも…。
曲がりなりとも本業の看護員キャラがラチェットしかいないので、その気苦労は相当のものなのだろう。
ちなみに看護員だが、G1ではやたら前線に出るキャラクターになっている(サイバトロン軍団は直接的な戦力が足りてないうえ、デストロン軍団側に制圧力に優れた兵力が充実してるので仕方ないが)。
しかもキックがやたら強いのが特徴である、お前は仮面ライダーか。
そんなサイバトロンでも稀有の看護員だった彼も、ムービーにてシャトルで地球に向かう最中、突如デストロンに襲われ、善戦するもスタースクリームに撃ち殺されて虚しくも戦死。その役割はビークルモードを同じくするプロテクトボット部隊のファーストエイドに受け継がれることとなる。
マイクロン伝説
サイバトロンの副官であるが、軍での仕事は医療メカニックである……と聞くと正にラチェットだが、海外ではRed Alert(G1アラートど同名)となっている。パートナーマイクロンはフック。
副官としてコンボイを支える縁の下の力持ちで、前線によく出るわけではないものの、サイバトロンを陰ながら支えている。
後半はスーパーモードに進化し、救急車というより山岳救助車のような配色に変わった。
続編のスーパーリンクなどでは登場しなかったが、戦死したわけではない。マイクロンでの出番的には少々空気だったけど……。
実写ムービー
声:浦山迅(日)、フレッド・タタショワ(英、1と3)、ロバート・フォックスワース(英、2とゲーム版)
バンブルビーの呼びかけに応じて地球に降下してきたオートボットの軍医。
温和な顔立ちに見合って優しい性格をしている。
が、少々天然ボケなところがあり、サムのフェロモンを分析して彼が女性とニャンニャンしたがってること(しかもサムが好意を抱く女の前で)口にしてしまったり、仲間のドジを笑いながら自分が一番のドジを踏んだり……。
かわいいオッサンであるが、続編になるにつれてどんどん影が薄くなってしまっているのが玉に瑕。
そんな彼だが、無情にも「ロストエイジ」にて人間とロックダウンにより殺されてしまう……。
アニメイテッド
肩書きは救急医療員。副官的な役割を務める。
オッサンのような顎とちょっと欠けた右の角が特徴。しかも腹はタプンタプンの中年太りである。グレートウォーにも参加した歴戦の勇士。
人当たりは悪いがそれは年寄りの冷や水的なところが多い。それでも日本版はかなりマシになっている。
日本版ではそれに加えて鹿児島弁混じりの独特の口調で喋る。ロックダウンやアーシーとは過去に強い因縁を持つ。
プライム
こちらはストレートにオートボット看護員。アニメイテッド以降定着した気難しい系軍医。しかもこっちは真面目な堅物。
英語版では本当に態度が悪く、人間の技術などを尽く見下していたが、回を重ねるごとにマシになっていく。
日本版ではそれだとまずいということで、アドリブは抑えられているオートボットの中にあって、少しだけおふざけを許されている。態度が温和になるに連れてアドリブも段々抑え気味になっていっている。
軍医としては優秀で、メガトロンに拷問を受け、本当ならもう助からなかったかもしれないバンブルビーを声以外はほぼ完全に修理したり、ボロボロのトランスフォーム・コグを実用に耐えうるまでに修復したり、腕は確か。
緊急時にはプライムに変わり指揮をとるなど、近年よく見られる副官的な位置である。
しかし、日本版展開「トランスフォーマーGo!」ではディセプティコンにとらえられ、ダークエネルゴンを注入され悪と化してしまうのだった……。
静かに関連動画を見ろ、発声回路切っちまうぞ
次からは関連項目のことも考えて記事を作って欲しいもんだね
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