ラテン語 (羅:lingua Latina) とはインド・ヨーロッパ語族のイタリック語派に属する言語である。
ローマ帝国やそれを引き継いだ中世ヨーロッパで長らく使われ、ある種西洋文明の「古典」の根幹にあるためそれに携わろうとする者には必須スキルとなる一方[1]、一部ではドイツ語と並ぶ厨二御用達言語として定評がある(まあ文字も簡単だし)。なおバチカン市国ではいまだに公用語として使われているほか、学問の世界ではたびたび用いられるためいまだなお新語が作られており、加えてもともと口語なので死語であるにもかかわらず会話学習もやろうと思えばできる。
歴史
イタリア半島ラティウム地方を発祥とする言語で、元々はラテン人が話す少数言語だった。
しかし地中海全域に領土を拡大した大帝国・ローマ帝国の公用語となって以後、欧州全土に普及した。西ローマ帝国が消滅した後は日常的に話す言語ではなくなったが、欧州の上流社会での嗜みとしてラテン語は学ばれた。
中世ぐらいまではヨーロッパで学問を学ぶ者・聖職者の共通言語として使われていた点も重要である。学位論文はラテン語で記述したものだけが認められていたという。しかしデカルトは「方法序説」をはじめにフランス語で著し、のちにラテン語訳がなされたことに顕著なように、近世に入ったあたりから次第に自国語で論文や書籍が執筆されることが多くなっていった。
ラテン語の分化と影響
現代では、直系に当たるロマンス諸語、いわゆるイタリア語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語などがヨーロッパの国々で話されている。古代ローマの所謂「古典ラテン語」の時代にも、書き言葉と話し言葉の乖離がすでに始まっていたとされており、そうしたラテン語の口語(俗ラテン語と呼ばれる)がローマ帝国の拡大に伴って欧州広域に広がりながら分化し、帝国瓦解によって分化が促進され、現代語の元になったと考えられている。
発音に関してはほぼローマ字読みで読めばよい。現代において、ラテン語を読むときはドイツ式・イタリア式・フランス式の3通りの方法により発音されている。昔はフランス式が主流であったが、今はイタリア式でなされることが多い。ラテン語の発音に関しては、フランス語やスペイン語などに比べて、多少は変化しているものの、イタリア語のほうがより近い。格変化はドイツ語に似ているが、これは決してラテン語がドイツ語に影響を与えたからではなく、もともとは共通の祖先たる印欧祖語(PIE: Proto-Indo-European)から分化したためである。そのためドイツ語だけではなく、古典ギリシア語やサンスクリット語、そしてヒッタイト語においても、格変化・語形成・動詞の活用など様々な分野にまたがって似通っている点が見受けられる。
ちなみに、同じゲルマン語群に属する英語において格変化が消滅しているのは、デーン人侵攻により流入してきた古ノルド語の影響、もしくはノルマン・コンクエストにより流入してきたノルマン・フレンチ(ノルマンディー人のフランス語)の影響によるものと考えられている。
現在のラテン語
今日では英語がヨーロッパはもとより世界の共通言語としての地位に君臨している。
しかし、現在でも、生物の学名や天文学における星座の名前、元素の名前などの学術用語、一部の法律用語、聖歌、EU版「歓喜の歌」など「事情により、どこの国の日常語でもない言語を使う必要があるもの」「歴史的にラテン語を使うもの」では多岐に使われている。後、Wikipediaもラテン語版がある。
日本でも「西洋風の神秘的なイメージを出す」などさまざまな理由で歌曲の歌詞の一部に使われている。関連動画を参照。
ちなみに現在までバチカン市国の公用語となっているが公的な場面にしか使われず、国民は普段イタリア語を話し、警察をやっているスイス人カトリック信徒たちは基本的にそれぞれの母語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)やイタリア語を話している。
難易度
たとえば英語で最も変化の多いbe動詞はbe,am,are,is,was,were,been,beingの8種類、thouに対応する古い形art,wast,wertを含めても11種類である。しかしこれに該当するラテン語のsum動詞はsum、est、sumus、estis…(以下省略) 大体、67種類に活用する。
しかも、このsumですら少ないほうで、一般の動詞に関しては、人称(一人称、二人称、三人称)、法(直接法、接続法、命令法)、態(受動態、能動態)及び六つの時制に対し活用する。故に一つの動詞から137、分詞を含めれば225もの活用形が作られる。ある程度は規則的だが、覚えるまでは絶望的。しかも、かなり不規則なものもある。
名詞も、印欧祖語の具格が奪格に吸収された以外、七つの格を持つ。その内地格(処格)もほぼ奪格に吸収され、大抵の語は持っておらず、呼格も主格とほぼ一緒だが、それでも五つの格を持つ。そして単数・複数を区別するため、一つの単語につき最低十個の曲用を覚えなければならない。
さらに、名詞は男性・女性・中性と三つの文法性(gender)を持ち、これが形容詞の変化にも影響を与える。早い話がこれを知っていないと、形容詞が使えない。
形容詞は大抵が後置修飾である(例:lingua Latina→言語 ラテンの)。当然、名詞によっても変化するので活用の仕方は30以上になる。
逆に、日本語に近い部分は主語の省略があること。日本語もよく主語がどっかへ飛んでいくが、ラテン語も先の動詞の活用のお陰で主語がなくても、文が成り立つ。更に、文の構造もおおよそSOVになっている。もっとも、先ほど述べた格変化と動詞の活用のお陰で、ある程度ごちゃごちゃになっても構わないのだが。
発音では、「RとL」の区別を除けば、母音はa,i,u,e,oだし、子音も大して変わらない。ただし、話者がほとんどいない上、俗ラテン語、ロマンス諸語と分化していく過程で、各国で発音がバラバラになっていったり、国ごとの読みがなされたりしているので、あんまり意味はない。ただ、長短の区別以外は基本ローマ字読みすればいいので楽ではある。が、細かいことを言い出すと、ギリシャ語由来のyの発音どうするだの、中央母音の広狭だの、どの時代にのっとるかだの面倒なことはいくらでもでてくる。
語彙においては、娘言語のロマンス諸語は勿論、建国以前から語彙を受け入れ続けてきた英語ともかなり共通しているものがある他、欧州の言語に多大な影響を与えている。英語にいたってはゲルマン語派のくせして、語彙のおよそ50%相当がラテン語由来である。故に、英語に親しみがあればある程度語彙はクリアできるはず。ただし、取り入れる過程で意味や語形が変化してるかも知れない。例えば、英語のniceはラテン語nesciusに由来するが、ラテン語での意味は「未知の」という意味である。英語hostはhostis「敵」に由来する。また、英語zeroは中世ラテン語zephirumに由来する。
とまあ、このように、非常にめんどい。まあ、更に凄いのもあるが。
チャーチル
チャーチルは幼少期、mensa(日:机)の呼格が理解できず、何故机に向けて話しかけるのか、と教師に聞いたのだが返事は来ず。これがもっとamica(恋人)とかだったら違ったのかもしれないが、おかげでラテン語嫌いになり、0点をたたき出して劣等性のクラスに入ることに。しかし、この低い成績のために陸軍士官学校を薦められ、後に第二次世界大戦を戦い抜く英国首相を生むことと成る。
ザメンホフ
かつて人工言語エスペラントを発明したザメンホフは、古代から受け継がれたラテン語が世界共通語になれると思っていたが、その難しさゆえに「不可能」との 結論に至ったという。彼は代わりに英語から簡易さを学びエスペラントにそれを受け継がせた。
文法
名詞
第1変化名詞 | 第2変化名詞(男) | 第2変化名詞(中) | 第3変化名詞[2] | 第4変化名詞 | 第5変化名詞 | |
---|---|---|---|---|---|---|
単数主格 | stēlla | dominus | verbum | homō | frūctus | diēs |
単数属格 | stēllae | dominī | verbī | hominis | frūctūs | diēī |
単数与格 | stēllae | dominō | verbō | hominī | frūctuī | diēī |
単数対格 | stēllam | dominum | verbum | hominem | frūctum | diem |
単数奪格 | stēlla | dominō | verbō | homine | frūctū | diē |
複数主格 | stēllae | dominī | verba | hominēs | frūctūs | diēs |
複数属格 | stēllārum | dominōrum | verbōrum | hominum | frūctum | diērum |
複数与格 | stēllīs | dominīs | verbīs | hominibus | frūctibus | diēbus |
複数対格 | stēllās | dominōs | verba | hominēs | frūctūs | diēs |
複数奪格 | stēllīs | dominīs | verbīs | hominibus | frūctibus | diēbus |
形容詞
形容詞には女性を第1変化名詞、男性・中性を第2変化名詞と同じ語尾をとる第1・第2変化形容詞と、細かいヴァリエーションはあるが第3変化名詞と同じ語尾をとる第3変化形容詞の大きく2つの種類に分かれる。
動詞
まずラテン語の動詞がどれだけ活用するかを前述した英語のbe動詞にあたるコピュラ動詞であるsumで示してみよう。
直説法 | 現在 | 未完了過去 | 未来 | 完了 | 過去完了 | 未来完了 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人称単数 | sum | eram | erō | fui | fueram | fuerō |
2人称単数 | es | erās | eris | fuisti | fuerās | fueris |
3人称単数 | est | erat | erit | fuit | fuerat | fuerit |
1人称複数 | sumus | erāmus | erimus | fuimus | fuerāmus | fuerimus |
2人称複数 | estis | erātis | eritis | fuistis | fuerātis | fueritis |
3人称複数 | sunt | erant | erunt | fuērunt,、-ēre | fuerant | fuerint |
接続法 | 現在 | 未完了過去 | 完了 | 過去完了 |
---|---|---|---|---|
1人称単数 | sim | essem(forem) | fuerim | fuissem |
2人称単数 | sis | essēs(forēs) | fueris | fuissēs |
3人称単数 | sit | esset(foret) | fuerit | fuisset |
1人称複数 | simus | essēmus | fuerimus | fuissēmus |
2人称複数 | sitis | essētis | fueritis | fuissētis |
3人称複数 | sint | essent(forent) | fuerint | fuissent |
命令法 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
現在2人称 | es | este |
未来2人称 | estō | estōte |
未来3人称 | estō | suntō |
その他 | |
---|---|
不定法現在 | esse |
不定法完了 | fuisse |
不定法未来 | futūrus esse/fore |
現在分詞 | (ēns) |
未来分詞 | futūrus,-a,-um |
動詞にはそれぞれ活用語尾の直前の母音がなにかで4つの活用のパターンに分かれる。
直説法能動態現在形
第1変化動詞 | 第2変化動詞 | 第3変化動詞 | 第3変化動詞B | 第4変化動詞 | |
---|---|---|---|---|---|
不定詞 | amāre | monēre | agere | faciere | audīre |
1人称単数 | amō | moneō | agō | faciō | audiō |
2人称単数 | amās | monēs | agis | facis | audīs |
3人称単数 | amat | monet | agit | facit | audit |
1人称複数 | amāmus | monēmus | agimus | facimus | audīmus |
2人称複数 | amātis | monētis | agitis | facitis | audītis |
3人称複数 | amant | monent | agunt | faciunt | audīunt |
現在分詞[3] | amans | monens | agens | faciens | audiens |
すべての活用形を上げていくと記事が長くなるので、ここから先は第1活用(amāre)を具体例として解説していく。
直説法能動態未完了過去
過去において継続的に行われていた事実について用いる形である(現在幹と活用語尾の間にba/bāを挿入して作る)。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | amābam | amābāmus |
2人称 | amābās | amābātis |
3人称 | amābat | amābant |
直説法能動態未来
読んで字のごとく、未来において現実に行われるであろうことについて用いる形である(第1、第2変化では現在幹と語尾の間におおよそbiを、第3、第4変化では現在幹と語尾の間にa/e/ēを挿入して作る)。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | amābō | amābimus |
2人称 | amābis | amābitis |
3人称 | amābit | amābunt |
未来分詞はおおよそ現在幹に-tūrus/-a/-umをつけて作るが(例:amātūrus,amātūra,amātūrum)、第2変化動詞や第3変化動詞は幹末母音に変化があることも多い。
直説法能動態完了
ラテン語における完了形はそのまま完了した事実を表す以外に、単純な過去の事実を表す時にも用いられる(現在は完了幹[4]に完了形の語尾を、未来と過去はおおよそsumの直説法未来形と未完了過去形を語尾とする)。
現在 | 未来 | 過去 | |
---|---|---|---|
1人称単数 | amāvī | amāverō | amāveram |
2人称単数 | amāvistī | amāveris | amāverās |
3人称単数 | amavit | amāverit | amāverat |
1人称複数 | amāvimus | amāverimus | amāverāmus |
2人称複数 | amāvistis | amāveritis | amāverātis |
3人称複数 | amāvērunt,amāvēre | amaāverint | amāverant |
完了分詞はおおよそ現在幹に-tus/-a/-umをつけて作るが(例:amātus,amāta,amātum)、第2変化動詞や第3変化動詞は幹末母音に変化があることも多い。
また完了分詞の中性単数主格(=対格)は目的分詞(スピーヌム)と呼ばれ、移動を表す動詞と組み合わせて移動の目的などの意味を表すことができる。
直説法受動態
読んで字のごとく受動的な事実を表す時に用いる(途中までは現在形と同じだが、受動態の語尾をつける)。
現在 | 未完了過去 | 未来 | |
---|---|---|---|
1人称単数 | amor | ambar | ambor |
2人称単数 | amāris(amāre) | amābāris | amāberis |
3人称単数 | amātur | amābātur | amābitur |
1人称複数 | amāmur | amābāmur | amābimur |
2人称複数 | amāminī | amābāminī | amābiminī |
3人称複数 | amantur | amabantur | amabuntur |
直説法受動態(完了形)
完了分詞とsumを組み合わせて表す(sumの時制を変化させることで現在完了、未来完了、過去完了を表現できる)。
接続法
接続法とは英語でいう仮定法にあたるもので、話者の意志や願望を表す際に用いる(現在は現在幹と語尾の間にā/ēが、未完了過去はおおよそrēが挿入される)。
能動態現在 | 受動態現在 | 能動態未完了過去 | 受動態未完了過去 | |
---|---|---|---|---|
1人称単数 | amem | amer | amārem | amārer |
2人称単数 | amēs | amēris | amārēs | amārēris |
3人称単数 | amet | amētur | amāret | amārētur |
1人称複数 | amēmus | amēmur | amārēmus | amārēmur |
2人称複数 | amētis | amēminī | amārētis | amārēminī |
3人称複数 | ament | amentur | amārent | amārentur |
接続法(完了形)
読んで字のごとく、接続法を用いるシチュエーションの際の完了形である(能動態の完了形は単数1人称を除けば直説法能動態未来完了と同じ活用であり、能動態過去完了は現在幹と語尾の間にissēが挿入される)。
能動態完了 | 能動態過去完了 | |
---|---|---|
1人称単数 | amāverim | amāvissem |
2人称単数 | amāveris | amāvissēs |
3人称単数 | amāverit | amāvisset |
1人称複数 | amāverimus | amāvissēmus |
2人称複数 | amāveritis | amāvissētis |
3人称複数 | amāverint | amāvissent |
受動態については完了分詞とsumを組み合わせて表す(sumの時制を変化させることで現在完了、過去完了を表現できる)。
命令法
能動態 | 受動態 | |
---|---|---|
現在2人称単数 | amā | amāre |
現在2人称複数 | amāte | amāminī |
未来2人称単数 | amātō | amātor |
未来2人称複数 | amātōte | |
未来3人称単数 | amātō | amātor |
未来3人称複数 | amantō | amantor |
不定法
ラテン語には現在、完了、未来の3時制と能動態受動態の6つの形が存在する(現在の受動態は現在幹+-rī、完了の能動態は完了幹+-isse、受動態は完了分詞+esse、未来の能動態は未来分詞+esse、受動態は目的分詞+īrī)
能動態 | 受動態 | |
---|---|---|
現在 | amāre | amārī |
完了 | amāvisse | amātus,-a,-um esse |
未来 | amāturus,-a,-um esse | amātum īrī |
その他
そのほかの動詞から派生するものとして現在分詞の-nsを-ndumにして作る動名詞(単数の斜格しか存在せず)と、それを第1・第2変化形容詞と同じように活用させて作る動形容詞(例:amandus,amanda,amandum)などがある。
中世ラテン語
上に挙げたものはあくまでもローマ帝国がまだ健在だった古代の規範的な文法である。帝政ローマ末期から次第にさまざまに分化していったが、ローマ帝国の崩壊によってラテン語教育が数百年後のカロリング・ルネッサンスの頃までいったん途切れることで、決定的にバラバラなものとなってしまった。
とはいえ中世の長きにわたってラテン語が存続したのは確かで、学術的にも創作的にも厨二心的にもわりかし重要なものであるのだが、要するにこれまでのルールから脱してみんな好き勝手な使用をするようになった、という類のものであるため、早い話ある文章ではたぶん元の形がああだったのがこのように変化しているが別の文章では・・・と延々と変種を見比べてくということしかできないのである。
一応大体全体的な流れとしては
- 語彙が増えた(当たり前といえば当たり前)
- 文が短く簡単になった
- 動詞が文末ではなく現在の英語のように真ん中に入ることが多くなった
- 格の違いがだんだん曖昧になって前置詞の使用が増えた
- 動名詞や動形容詞に比べて不定詞が使われる場合が多くなった
、といった感じである。
教会ラテン語
主にキリスト教関係で用いられるものだが、その最大の特徴は発音がイタリア式になっているということである(大体イタリア語と同じと考えればいい)。
言語をかじっている人にわかりやすく説明すると有気音がなくなった代わりに後部歯茎音や破擦音が追加された。
母音
基本的にはa / e / i / o / u なのだが長短の区別がなくなった。また二重母音のうちae / oe がæ / œ [e]と一文字になっている。
子音
- cは前舌母音が後ろに来たときはカ行ではなくチャ行
- gは前舌母音が後ろに来たときはガ行ではなくヂャ行
- gnはニャ行
- hは発音されないことも多い
- ngは前舌母音が後ろに来たときは鼻濁音ではなく[ndʒ]
- 母音に挟まれたsは[z]になることも
- scは前舌母音が後ろに来たときはシャ行
- 後ろに母音があるtiはティではなくツィ
- vはワ行[w]ではなくヴァ行[v]
- xcは前舌母音が後ろに来たときはクシュ [kʃ]
- ギリシア語からの借用語であるch、th、ph、rhは[k]、[t]、[f]、[r]
- 同じくギリシア語からの借用語であるyは[i]、zは[dz]
ドイツ式発音
読んで字のごとくドイツで用いられている教会ラテン語の発音。通常のラテン語の発音表記において、日本では古典式かこのドイツ式が優勢。g の発音の保持や æ/œ が e に合流していないことなどから、上述のイタリア式発音と比べると古典ラテン語そのまんまの印象を与える発音である。
特筆すべき点を挙げると
- yは口をすぼめてイを発音する母音[y]
- æ / œは[ɛː] / [øː]
- cは前舌母音が後ろに来たときはカ行ではなく[ts]、なのでcc、sc、xcも[kts]、[sts]、[ksts]
- zも[ts]
- quは[kv]
- 後ろに母音があるtiはイタリア式と同じくティではなくツィ
- vはイタリア式と同じくワ行[w]ではなくヴァ行[v]
関連コミュニティ
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ニコニコ大百科内辞書
内容がラテン語について書かれていないものもある(というかそちらの方が多い)。ラテン文字記事とカナ文字記事がある場合併記する。カナ文字記事のみある場合は、後に括弧でラテン文字表記を補足する。
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H |
I/ J |
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M |
N |
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R |
S |
T |
U/ V/ W |
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関連項目
脚注
- *欧米圏ではラテン語学習が日本の古典に辺り学校教育で行われている
- *はっきり言って語幹のヴァリエーションが多く、ここにあげたのもあくまでも一例である
- *扱いは第3変化形容詞となる
- *完了幹の作り方はそれぞれのパターンがあるが、どの動詞がどのパターンに属するかは個別におぼえる必要がある
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