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概要
一般的にラブドールは、シリコン製或いはTPE製、また2000年代前半頃まで出回っていたソフビ製等、一定のクォリティを満たした合成樹脂を使用した人形を指すことが多い。ぬい製(ぬいぐるみ)や空気嫁(エアードール)もカテゴリに入る場合もあるが、ラブドールとは別のジャンルになる事が多く、そこまでを含める場合はダッチワイフ(現在では侮蔑語とされる事もあるので注意)というカテゴリになる。
金属骨格を合成樹脂で覆い、取り外しが可能な頭部を装着したもので、これに人間が使用するものと同様のウィッグや服を着せる事が可能である。頭部は視点変更が可能で、高額なものになるとあんなことが可能なように口内が造形されている物が多い。局部は固定或いはホールとの取り外しの選択式であることが多い。
肌や目の色、ボディの大きさ、顔の種類などをオーダーし好みを個別に注文する事が可能で、自分の思いのままの異性を楽しむ事が可能なのだ。自立骨格や指の骨格、植毛はオプションである事が多い。
また納品の際メイクを無料でサービスしてくれるメーカーもあることから分かるように、現実と同じ化粧を施したり付け爪やまつ毛を装着する事も勿論可能である。
メンテナンスは専用のパウダーやベビーパウダーを使用したり、お風呂や濡れタオルによる洗浄によって肌の手入れをする事が必要だが、毎日行うような必要はなく、素材によって方法も異なる(後述)。
また樹脂の為破損したり裂けてしまう、変色する等のトラブルに対しても、高級ラブドールの場合は専用の処置キットが付属している場合もあり、修理を受け付けていたりもする。
一般的に出回っているステレオタイプなラブドールの印象は「オリエント工業」「モテない金持ちの代名詞」などといった侮蔑的偏見的なものであるが、2007年頃を境に素材の改良や業者の多様化、海外メーカーの参入もあって非常に精巧かつ安価なものも登場するなど、近年は商品の進化が目覚ましい。
近年はアニメタイプのヘッドをオーダーできるメーカーもあり、参考画像をメールで知らせるとその通りに作ってくれる業者まである。
かつては業界にアニメタイプのヘッドが存在せず、2000年代までは等身大アニメフィギュアを多数手掛けていたペーパームーン社や、オリエント工業の姉妹ブランドであるファンタスティックが販売していたソフビ製の商品があるくらいであった(ファンタスティックの商品は一部のオリエント工業の製品とは互換性があった)。しかし現在は一部のメーカーでジャンルの一つとして定着している辺り、技術の進歩というのは凄いものである。
最近では海外のメーカーからあえぎ声が出る物まで登場するなど、短期間での進化が目覚ましく「今のタイミングで買っていいものかどうか…」「買った後に凄まじい造形の最新作が出た」等で悩むドーラーも多い。高い買い物なので焦りは禁物なのだ。
相場は大体送料込みで25万円~100万円程度である。特にフルシリコンの高級商品などは70万円~オプション込々でほとんどの場合100万円に達するといっていい。10万円を切るような低価格な海外製TPEドールもあるがこれらは概ね粗悪且つ危険な代物である為注意を要する(後述)。
素材の種類
一口にラブドールといっても素材によって保管方法、メンテナンス性、価格等仕様は大きく異なる。
現在出回っているのは概ね以下の2種となっている。
シリコン
黎明期から知られている素材。高級ラブドールの代名詞。
現時点では最も高度な造形が可能な素材で、肌が程よく"柔固い"為、本物の筋肉のような触り心地がある。またシリコンは後述のTPEと異なりベタつく(オイルブリード)ことも少ない為、少々の埃が付着してもくっつきにくく、肌のメンテが他と比べて容易であるという利点もある。
また造形力が高い為、コンセプトに基づいた様々な種類の肉体表現が可能である。特に現時点では腹筋背筋がバキバキに割れていたりするドールについては概ねシリコンの専売特許と言ってもよく、欧米のドールは現在もこの素材のシェアが高い傾向にある。
欠点は価格が高価である事や、一から製作する場合納期が比較的長い事、そして重量が重めである事が挙げられる。
但し高級ラブドールは国内メーカーではローンを組んで購入できるメーカーも存在する。重量が重めであることはしばしば問題として挙げられがちで、商品の取説には転倒による怪我への注意書きがしばしば強調されているが、高級ラブドールは価格的に購買層に高齢者が多い事も影響しているとみられる。
その他、胸や尻など軟らかい一部の部位は仕様を高額なものに変更する必要があり、オプション仕様込みでない場合はやや硬めの胸や尻になってしまう為注意が必要で、そういった仕様を確認する為に購入前ショールームへ足を運ぶ人も多い(後述)。
またシリコン製は新品開封時にのみ、ほんのり程度だが独特の薬品系の臭いがする場合があるが、これは数ヶ月も経てば匂いが抜けて無臭になっていく為過剰に気にする必要はない。
有名なメーカーは国内ではオリエント工業や4woodsが知られており、海外では米国のリアルドール社等が有名である。
オリエント工業はボディの種類を割り切った実用重視で高年齢層に配慮した仕様であるのに対し、4woodsはギャル系のようなビジュアル重視の仕様を盛り込んでいるなどメーカーによって商品は大きく異なる。欧米のメーカーは当然外国の人種を模した物であるため日本でのシェアは低いが、日本語の通販サイトがあり直接輸出販売を行っているメーカーも存在する。
シリコンは後述のTPEとは異なり製造方法に高度な技術を要し、それらが各社独自のものであることからコピー製品が出回りにくいという利点もある。故にTPEと比べメーカーを絞る事は比較的容易であると言える。
TPE(エラストマー)
2010年代以降に中国や台湾のメーカーを中心に発達し、アジア圏を中心に定着しつつある素材。
シリコンと比べかなり柔らかく、胸や尻をシリコンのように仕様変更する必要はほぼ無い。また素材がシリコンより軽く柔軟性で勝る上に、内部の構造も単純で済む為低価格を実現している。また新品時の臭いもほぼ無い。
特に軽い上に柔らかいというのは非常に扱いやすく、初心者の入門用としても十分お勧めできる素材である。
欠点としては、柔らかすぎる為固い物に押し付けていると容易に後が残る事(ただし一定時間放置すれば大概の場合元に戻る)、オイルブリードが激しい為ベタつきがちな為マメなメンテナンスが必要な事(オナホールやシリコンバストの仕様とほぼ同じ)、それに関連して濃い色の衣服(ポリウレタン製を除く)を着せると簡単に肌に色移りしてしまう事、シリコンと比べて造形力が低い事が挙げられる。
柔軟性は高いが骨格はその限りではない為、指骨格などは骨折しがちである。更にシリコンの場合は自立がデフォルトである製品もあるがTPEは柔らかすぎる為、自立骨格は概ねオプション仕様であり、足裏に自立用のボルトが露出してしまう。
造形力にも限界がある為大きめの体の表現力や顔の種類等はシリコン製に劣りがちである。その為アジア人的な体型をはじめとした中~小型のボディに適した素材であるといえる。
近年アニメヘッドをジャンルとして取り入れているのは大体この素材のドールである。
なお、粗悪かつ危険なコピー品が出回っている事が多いのがこのタイプである(後述)。
価格は15万円~30万円程度のものが多い。
その他
1980年代に主流だったラテックス製や、1990年代に登場したソフトビニール製などがあるが、近年は国内のメーカーからはほぼ販売されていない。
これらの素材はシリコンよりも安価(15万円前後)であることから1990年代までは一定の需要があったものの、質感は固いゴムっぽさがあり、2000年代に同価格帯のぬい系が登場すると抱き心地に劣るとしてシェアを徐々に失っていき、2010年代にはTPEの台頭もあってほぼ見かけなくなった。
主な用途
ラブドールは女性タイプのものが大半であり、一般的にはあんなことやこんなこと用として男性のドーラーに愛されている。しかし欧米を中心に男性タイプのラブドールも販売されていたり、女性タイプを女性のドーラーが購入したりという例も見られる。
特に純粋にグラビア撮影に勤しむドーラーは男女問わず存在し、凄まじいセットや衣装を用いた個人撮影がSNS上でバズる光景もしばしば見られる(メーカーや有志のファンが写真を募ったりする例もある)。
ラブドールを必要とするドーラーの心理としては、相手に配慮するといった対人恋愛そのものに疲れてしまった(ドール>婚活)とか、妻に先立たれたとか、自分に自信がない為に潔くという理由で購入するケース等が知られるが、購入理由に関しては一概には言えず本当に様々なものがある。
生活基盤によって世間体を気にしなければならない境遇である人などは購入が難しい、或いは購入する意味が分からないといった事が挙げられるが、そうした問題もなく、むしろ「自分の人生設計において最適な選択がラブドールである」といえる人間は存在するし、それは全く恥じる事ではない。
ラブドールは人間では無いが故に、それ自体が人によってメリットデメリットにも成り得るのであり、ある意味ではコンプライアンスやトラブルに関わるリスクが一切無いという点においては、他人との性交渉より優れている面も存在する。勿論子供を作る事は出来ないのだが、それも人によってはメリットとなる。
健全な性生活や恋愛感情といった一般的な価値観は誰しもが当てはまる訳ではない。
ラブドールは間違いなくマイノリティな存在ではある。しかしその一方で間違いなく世の中に一定のシェアを持つ社会的に意義のある商品であることには違いなく、卑猥であるとか規制するべきだという議論については不毛だと異を唱える人も多い。
ラブドールの取引
基本的には通販だが、国内メーカーや台湾など海外の一部のメーカー及び代理店は関東や関西にショールームを持っている事がある。実際に肌の感覚や造形を確かめる上では重要かつ貴重な場所であり、値段もバカにならない代物の為、興味があって尻込みしている人は恥ずかしがらず行って確かめる事をお勧めする。ショールームで直接注文を受け付けている所もある。
通販業者はメーカー直販、代理店になるが、国内のものはほぼほぼメーカー直販である。国内である為、購入後何年経ってからでも何かあった時の相談等のサポートを受られるのが強み。
近年人気の台湾や中国のメーカーは代理店になるが、この場合はHPの情報がしっかりとしているか等でかなりの差があり、サポートの対応が大分違う等ある様なので注意を要する。一例としては、輸入代理店であっても日本向けのSNS使って情報発信している業者もある為、そういったメーカーは概ね評価されている傾向にある。
販売形態は通常は完全オーダーメイドで、納期は3ヶ月~半年程であり、海外発送ではその点も考慮に入れるべきである。だが国内メーカーであってもオリエント工業や4woodsなどの高級ラブドールメーカーは製作期間に時間を要している為半年程かかる商品もある。その為単純にボディやバストが大きい物やオプションを多数オーダーしている場合は長くなると考えた方が良いだろう。
また多くのメーカーでは即納ドールと称した、オーダーができない代わりに納期ほぼ無い商品も販売されている。これらの多くはメーカーが試作した物やショールーム展示用に製作した未使用のものである。
オークションなどでは中古での販売もあるが、正規のメーカーが販売しているリペアボディなどの一部を除き粗悪なものが多い。安価ではあるが、ラブドールはその性質上余程懐に余裕のある人でなければすぐ手放すような代物ではなく、得体の知れない訳ありな商品は購入しない事が望ましい。
きちんとした輸入代理店にはHPに英文の「正規品販売業者証書」が掲載されており、これを目安にするのも良いだろう。
また前述したように、amazonでは最近10万円を切るようなTPEドールが販売されているが、一説によればこれは「中国で一度何かから溶かした得体の知れないリサイクル合成樹脂を用いており、人体に危険な化学物質が使用されている」といった、粗悪なコピー商品であるという情報もある。
これはとある代理店による情報であり真偽のほどは定かではないが、ラブドールは直接肌が接する代物であるだけに「安さには恐ろしいカラクリがある」ということは少なくとも承知するべきであり、酷い物では骨格が全く入っていなかったという情報まである。価格も大事だが、購入の際は品質にも十分目を向けるべきである。
関連動画
なんと2chに独立板が
http://nasu.bbspink.com/lovedoll/
関連項目
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