ラブブ(LABUBU, 中文:拉布布)とは、以下のことを指す。
- 「THE MONSTERS(ザ・モンスターズ)」というブランドIPのキャラクター。
- 新潟を中心に展開しているドラッグストア「くすりのコダマ(現:ココカラファイン)」の、「abubu(アブブ)」とペアになっているマスコットキャラクター。
本記事では主に1. について記述する。
概要
うさぎのような2本の尖った耳を持ち、大きな目とギザ歯を出した大きな口が特徴。公式では「好奇心旺盛で活発な妖精で、サイズは一般的な家猫ほど」と説明されている。
ラブブは2015年に香港出身のアーティスト龍家昇氏が手掛けた「THE MONSTERS」シリーズの物語に登場。このシリーズのキャラクターは「北欧の森を故郷とする遊び好きで小さなエルフの部族」という設定を持っており、これは氏が幼い頃オランダに住み、当時親しんだ北欧の伝承や神話からインスピレーションを得ているとされる。また彼は村上隆が代表取締役を務める「有限会社カイカイキキ」所属アーティストの一人でもある
ことから、多少なり村上の影響を受けているとされる。
2019年頃から中国・北京に拠点を置く会社「POP MART(中文:泡泡玛特)」とパートナーシップが結ばれ、以降同社がTHE MONSTERS関連グッズを独占製造・販売している。ラブブの人形は「ブラインドボックス(箱から中身が見えず確率でレアが入っている、所謂『ガチャ』)」という形で販売され、プレミア価格が付き偽物も登場するくらい世界的にブレイクした(後述を参照)。2024年12月にはLINEヤフー株式会社によって「Yahoo!検索大賞2024のネクストブレイク商品部門」にラブブが選出されている。
2024年以降のブームについて
2024年4月にK-POPアイドルグループ「BLACK PINK」メンバーでタイ出身の「リサ」がラブブのキーホルダーを付けている姿が目撃されたのをきっかけに、主に韓国と東南アジアで注目された。
その後も韓流アイドルや海外セレブ(レディー・ガガやリアーナなど)がこぞって愛用し、「ただのキャラクターグッズ」ではなく「ファッションアイテム」として欧米からも支持を集めた。アメリカでは米中対立激化にも関わらず現地のPOP MART店舗には徹夜の列ができた。イギリスでは行列や混雑、けんかの報告といった混乱が相次ぎ、一時店頭販売を停止する事態になったという。
可愛さと不気味さを兼ね備えた希少なデザイン、ブラインドボックスによるサプライズ感、所持していること自体がステータスとなり、ラブブの需要は急速に高まった。しかしPOP MARTは大量生産をすることなく、意図的に供給を制限することで製品の希少性を高めることに成功した。その反面価格が高騰し転売が横行、偽物も市場に出回る事態となっている。
2025年8月19日、同社は2025年上半期(1~6月)の決算にて、売上高が前年同期の3倍の138億7600万元(約2853億円)、純利益は同4.9倍の46億8200万元(約963億円)に達した旨を発表した。
日本では
日本でのラブブブームは2025年7月頃からとかなり遅れた。主にZ世代に人気でメディアもラブブの世界的なブームを報道、芸能人やインフルエンサー(矢田亜希子、山田涼介、霜降り明星・せいやなど)がラブブを取り上げたり実際に身につけていることが確認されている。8月にはユニクロとコラボ
し、限定Tシャツが販売された。……ここまで見ると「日本でもさぞ人気なのだろう」と思われるかもしれないが、一般的にはそうでもない。それどころか「可愛くない」「何がそんなに良いのか」との声の方が多かったりする。
そもそもポップカルチャーが日常に浸透している日本には「サンリオ」「ポケモン」「ちいかわ」など超有名IPを筆頭にマスコットキャラクターが無数に存在し、既存のキャラクターで満足している者が多くラブブに流れにくい。ラブブにとって日本はあまりにもライバルが多すぎる環境であった。
また日本ではキャラクターに対し表情の豊かさや柔らかい雰囲気など、総じて「親しみやすさ」が求められ、海外発祥だが日本でも人気のミッフィー、スヌーピー、ムーミンはそれに該当していると言える。一方でラブブの「ギザ歯」「不気味な笑顔」「力強い目」は親しみやすさとは正反対の存在で、それが海外では受け入れられやすいが日本では馴染みにくい。もうこれは文化の違いなので致し方ない。更に、
- ガチャ要素のある販売方法は日本ではよく見かけ(「一番くじ」など)、ブラインドボックスも特に目新しさを感じない
- メディアのゴリ推しや芸能人のアピールがかえって意図的に創り出した流行であるように感じる
- 物語でどんな性格で何で活躍したかなど、キャラ自身の情報が出回っておらず共感が得にくい
- 外国人観光客や転売ヤーの買い占めでグッズがすぐ売り切れるため、一般消費者は既に購入を諦めている可能性
- 中国への警戒心
これらも起因し、ラブブ自体の知名度は着実にあがっているものの他国のような爆発的なブームは起きにくい状況である。
関連リンク
公式リンク
- POP MART Official(Japan)
- POP MART JAPAN(@POPMARTJapan)さん / Twitter
- POP MART(@POPMARTGlobal)さん / Twitter
- POP MART - YouTube
ネットニューズなど
- ラブブ - Wikipedia
- 世界のポップカルチャーをリードするポップトイ ブランドのPOP MART、ブランドを代表するIPのLABUBU(ラブブ)がYahoo!検索大賞2024 ネクストブレイク商品部門に選出 | 株式会社POP MART JAPANのプレスリリース
- 人気のぬいぐるみ「ラブブ」巡ってけんか、店頭販売停止に 英 - CNN.co.jp
- なぜ「ラブブ」が人気なのか?|新井一(あらいはじめ)@起業18フォーラム代表
- 中国ポップマート、「LABUBU」人気沸騰で成長加速 上半期の売上高は前年の3倍、純利益は4.9倍に | 「財新」中国Biz&Tech | 東洋経済オンライン
- Character-crazed Japan has little appetite for Labubu - The Japan Times
- みちょぱ、山田涼介、霜降り・せいや…芸能人もハマる“ラブブ”の正体「流されてる人達」「ダサい」批判の声も(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
関連項目
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