ランボルギーニ(Lamborghini )とはイタリアの乗用車メーカー、又は農業機械(トラクター)のブランドのこと。
概要
正式名称Automobili Lamborghini S.p.A. (アウトモービリ・ランボルギーニ S.p.A.)。少し前まではNuova Automobili Ferruccio Lamborghini SpA (ヌオーヴァ・アウトモービリ・フェルッチオ・ランボルギーニ SpA)だった。イタリア、ボローニャ県サンターガタ・ボロニェーゼに本社がある。
長年のライバル関係にあるモデナ県・マラネロのフェラーリ本社とは、20km程度の距離しか離れてない。ドイツのフォルクスワーゲングループに1999年から属する。
農業機械の方は、現在ではSAME Deutz-Fahrグループに属するトラクターブランドになっている。商標やロゴに共通性はあるものの、別の会社である。
自動車
農業機械(トラクター)の製造と販売で財を成した創業者フェルッチオ・ランボルギーニは趣味でエキゾチックカーをコレクションするようになるが、彼の欲求を満たせる物が全くなかった。そんな折フェラーリのオーナーにもなるが、当時のフェラーリ車もまたクラッチに欠陥があり、それに悩まされる事になった。フェラーリにクレームをつけ修理の交渉もするが、かのエンツォ・フェラーリに追い返される。自社のトラクターの工場で自力で修理を試みるが、使われていたクラッチが自社のトラクターでも使われている物と全く同じ事に驚愕する。そして彼はなんと修理するだけでなく、理想的な車に改造した。
それと同時にフェラーリ社の高額なパーツ販売をみて、「これは儲かる」と確信を得た事が自動車業界に参入するきっかけだったと言われている。
・・・なんて創業神話がまことしやかに語り継がれているが、実はこれはウソ話である。東洋経済の取材によると、フェルッチオはエンツォに会ったこともないらしい。彼の妻は会ったことがある、と語ってはいるが、それでも極めて丁寧な対応だったという。
エンブレムは通称「暴れ牛」、車種名は一部を除き闘牛の名前が使われている。
ガルウィングドアの代名詞として、最も一般に認知されているのはランボルギーニカウンタック以降のランボルギーニ社製の車である。だが、斜め上に跳ね上げるドアの名称は正確には「バーチカル(垂直)ドア」、「シザースドア」(シザース=鋏)、「ジャックナイフドア」と言う名称が本来の正しい名称である。
創業後の経営は決して安定したものではなく、特にBMWから委託されたM1の生産を巡るゴタゴタによって一度は倒産の憂き目を見ることになる。その後は、フランスの実業家に買われたり、クライスラーの傘下になったり(この頃にV12エンジンを作ってF1にも参戦した)、はたまたインドネシアのメガテックに買われたりと紆余曲折を経ることになった。
結局1999年にフォルクスワーゲングループのアウディ傘下となり、ようやく安定した経営状況となった。これによって開発にもアウディが深く関わるようになって以降、工業製品としての完成度は劇的に向上した。しかし、その代償として往年の”ランボらしさ”、要は「扱いにくい暴れ牛」というアイデンティティが失われ凡百のスポーツカーに成り下がったとして近年の車種を好まないマニアも少なくない。
代表的なモデル(自動車)
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ミウラ
12気筒エンジンを世界初のMRで搭載したスーパーカー。仰向けに寝かせた丸目ライトを起こして起動するリトラクタブルライトの類型「ポップアップヘッドライト」を装備している。名前は伝説の闘牛牧場から取ったもので、開発者や功労者が三浦さんだった訳ではない。 - カウンタック
当該記事参照。 - LM002(チーター)
アメリカ軍の高機動車向けに開発されたものの採用されなかったものを改良して市販したもの。オフローダーにもかかわらずV12エンジンが搭載されておりその走りは推して知るべし。ランボのRV車としてネタ的な知名度は高い。ちなみにチーターとも呼ばれるが、チーターはLM002とはかなり細かい所が違っていたりする(チーターはクライスラー製V8をリアミッドに搭載、LM002はランボルギーニ製V12をフロントに搭載)。 - ディアブロ
カウンタックの後継車種。詳しくは当該記事にて。 - ムルシエラゴ
当該記事参照。 - ガヤルド
当該記事参照。 - レヴェントン
ムルシエラゴをベースにした20台限定モデル。ステルス機をモチーフとしたスタイリングが特徴的。その後ロードスターも限定販売された。 - アヴェンタドール
2011年に発表されたムルシエラゴの後継車種。こんな時代でも相変わらずV12で、700馬力もある。しかも量産(?)車として初のプッシュロッド式サスペンションを採用。ランボ本気出した。エンジンもサスペンションもボディもトランスミッションも完全に新設計である。2012年のジュネーブショーにて、"Aventador J"という、イオタを名乗るワンオフモデルが発表された。その後、ロードスターモデルも追加された。2013年には生誕50年を記念したモデル"LP720-4 50° Aniversario"が100台限定で市販された。 - ウラカン
ガヤルドの後継。エコ全盛の時代の中5.2L V10を採用しガヤルドよりパワーアップする(610ps)も、アイドリングストップシステムの採用などによりエコ な仕様(公称値8.0km/L)になっている。他にガヤルドから進化した点はというと、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)の採用や電子制御の油圧多板クラッチによる4WDシステム、アルミとカーボンのハイブリッドシャシーなどが挙げられる。また、ヴェネーノと同じようなテールランプの光り方をしている。スーパートロフェオというワンメイクレース用モデルやGT3仕様も登場しており、SUPER GT等でその勇姿を拝むことができる。2021年現在はウラカンEVOとなり、スーパートロフェオのポテンシャルをそのままにロードカーとしたSTO(スーパートロフェオ・オモロガータ)も発売。STOはまさに史上最強の「公道を走れる」ランボルギーニである。 - エストーケ
2008年のパリサロンに登場した、4ドアのコンセプトモデル。市販化される可能性は高い…とか思われていたが最近音沙汰がなくて心配だ。インテリアはアヴェンタドールに通じるものである。 -
セスト・エレメント
2010年のパリサロンに登場したコンセプトモデル。セスト・エレメントとは「第六の要素」の意。カーボンファイバーをふんだんに用いて軽量化を図り、4WDでV10というガヤルドと同様な構成ながら999kgと驚異的な車重を誇る。まあでも単位は「イタリアkg」だし眉唾もんだろ。ランボルギーニの目指す未来像を示唆するようなモデルだったが、2011年になって20台限定での市販化が発表された。 - ウルス
2012年の北京モーターショーで発表された、LM002の現代版とも言えるSUV。実質的なエストーケ的ポジション。6年の時を経てようやく市販化が決定した。2021年の今ではランボルギーニの販売を半分占めており、経営上の屋台骨となっている。 - ヴェネーノ
2013年のジュネーブショーにて発表された、ランボルギーニ社生誕50年を記念するモデル。アヴェンタドールがベースで、お値段なんと300万ユーロ(≒3億7000万円)の世界に3台しかない貴重なマシン。名前は20世紀に存在した伝説の闘牛に由来し、スペイン語で「毒」を意味する。デザインが中二病とかガンダムとかサイバーフォーミュラとかいわれるが、徹底的に空力を追求した結果なので仕方ない。テールランプの光り方が従来から変わっているのもポイントである。10月に9台限定のロードスターも発表された。 - エゴイスタ
実寸大ミニ四駆。もとい、ランボルギーニ社生誕50周年のイベント「グランデ・ジロ」の最終日のパーティーでお披露目されたモデル。エゴイスタという名のごとく、ドライバー(というよりパイロット)のために一切の妥協を排除し、快楽主義を極めたという。インテリアは戦闘ヘリのAH-64アパッチをモチーフに航空機をイメージしたという。 - アステリオン
2014年のパリサロンで発表された、ランボルギーニ初のハイブリッドカー。ちなみに同じハイブリッドスーパーカーのポルシェ・918同様、コンセントで充電するプラグインハイブリッド。ウラカンのV10エンジンと3つのモーターにより910馬力を叩き出す。なお、ウラカンがベースのためドアは普通の横開き。肝心の燃費はというと、欧州の計測方法で約25km/Lを誇るという。公式曰く「エコ」なウラカンで8.0km/L、それ以外はエコなんざクソ食らえと言わんばかりの超燃費な事を考えれば間違いなくエコ。 - センテナリオ
創業者フェルッチオの生誕100周年を記念したモデル。アヴェンタドールをベースとしており、6.5L V12エンジンでアヴェンタドールを大幅に上回る770馬力を発揮。また、若干大柄にはなっているものの、55kgの軽量化に成功している。さらに、ポルシェ・911GT3やフェラーリ・F12TdFにも採用されている四輪操舵システムとピレリ謹製の専用タイヤにより、スピードと機敏なコーナリングを両立している。 - シアン
「稲妻の閃光」を意味するネーミング。アヴェンタドールをベースに開発されたハイブリッドスーパーカー。スーパーキャパシタを用いたマイルドハイブリッドだがシステム合計で818馬力に達し、0→100km加速は2.8秒という異次元の性能。クーペモデル、オープンモデル合わせてたった82台限定のスペシャルモデルで価格は3億円。 - カウンタックLPI800-4
シアンのシステムをベースに2021年の現代に蘇ったカウンタック。112台の限定生産。
農業機械
ランボルギーニの創業時の事業であるが、事業分離と売却を経て乗用車とは全く別の会社になった。ロールス・ロイスが、乗用車とタービンエンジンメーカーで別になっているのと同じようなもの。
トラクター製造の始まりは、1948年にフェルッチオ・ランボルギーニが中古のトラックエンジンを流用してトラクターを作ったところから。戦前のイタリアでは輸入制限により国産トラクターしか販売されなかったものの、大型で高価なランディーニ製と、小型軽量だが耐久性に難のあるフィアット製に二極化していた。ランボルギーニは多くの農民に買いやすい値段で、耐久性のあるトラクターを作ろうと思い事業を始めた。このトラクターは成功し、ランボルギーニに冨をもたらすことになる。
1973年にトラクター部門は同業のSAMEに買収される。1995年にはドイツのDeutz-Fahrともグループを作り、現在に至る。
ロゴには乗用車と同じ牛があしらわれているが、こちらはシールドと社名が付かない。
モデル一覧(農業機械)
モデルは同じグループに属するDeutz-FahrやSAMEと共通性を持つ。
- CV
70又は80馬力のもの。キャビンなしで履帯装備の、ヨーロッパにおける乗用管理機クラス。 - RS-RF
70~95馬力のもの。キャビン有りと無しがある、乗用管理機クラス。 - R1
39~51馬力のもの。キャビン有りと無しがある、乗用管理機クラス。 - R2
55~87馬力のもの。これ以後の車種は全てキャビン付。 - R3
82又は96馬力のもの。 - R6
100馬力~185馬力のもの。仕様により100-125、130-185、VRTの三種類に分かれている。
VRTはスペックに異なる点はあるものの、ほぼDeutz-Fahr Agrotron TTVのバッジ違いである。 - R7
213馬力のもの。 - R8
Deutz-Fahr Agrotron Xのランボルギー二版。240~270馬力を担う。
日本での販売
日本では、外資系総合商社コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドの農業部門である株式会社コーンズ・エージーが輸入販売を行っている。上記車種の内、輸入しているのはR6とR8のみである。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
外部リンク
トラクター関係
備考
関連項目
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