ランボー(rambo)とは、1982年のアメリカのシルベスター・スタローン主演のアクション映画である。またその続編や主人公ジョン・ランボーのこと。
概要
ランボーは『ロッキー』シリーズと並び、シルベスター・スタローンの代表作である。
ランボーは『First Blood』という小説が原作の映画であり、「First Blood」とは最初に血を流すという意味で、派生して「先手、初弾命中」などの意味を持つ軍事用語である。またこの単語は「どちらが先にしかけたか」ということで小説や映画第一作では重要な場面で使われている。
シリーズ
ランボー (原題:First Blood)
かつての戦友のもとを訪れたベトナム戦争帰還兵ジョン・ランボー。しかし、戦友はすでに戦争の後遺症のガンで死去したと知らされ、失意の中訪れた町ホリデー・ランドでは保安官に邪険に扱われ追い出されてしまう。納得のいかないランボーは町に戻ろうとするも、彼を危険とみなした保安官により半ば強引な形で逮捕されてしまう。取り調べの最中、髭剃りのナイフを顔に向けられた瞬間、ベトナム時代の記憶がフラッシュバックし本能そのままに保安官たちを打ちのめして奪われたナイフを取り返して逃走、そのまま山にたてこもる。
シリーズ第1作。アクション映画ではあるが、「ベトナム戦争によってアメリカの負った傷」というテーマが根底に流れる反戦映画でもあり、それ以降のシリーズとは毛色が異なる。2作目の後にこの作品を観て衝撃を受けた視聴者も多いのではなかろうか。それまで敵を倒すための戦闘マシンと化していたランボーが元上官のトラウトマン大佐にせきを切ったようにベトナム帰還兵の自身の苦悩をぶちまけるラストは映画史に残る名シーンとして知られている。また、1作目には原作小説があり、その作中のラストではランボーはトラウトマンに射殺されており、映画でも当初は同じ結末を迎える予定だったが、関係者への試写会の時点でこのラストに否定的な意見が多かったことや、2作目製作のプランがあったことから公開されたものへと変更されている。
ランボー/怒りの脱出 (原題:Rambo: First Blood Part II)
1作目の事件の罪により服役していたランボーのもとをトラウトマンが訪れた。彼はランボーがベトナムでの米軍の秘密作戦に協力すれば恩赦で自由の身になれると提案してくる。提案に応じたランボーはかつての戦場に再び赴く。現地の司令官の知らされた作戦内容は「捕虜になっている米兵の写真を撮ってくるだけ」というものだった。不本意ながらも作戦に応じたランボーだったが・・・
シリーズ第2作。スタローンと共に脚本を担当したジェームズ・キャメロンによるド派手なアクションや爆破シーン満載の内容となっており、前作とは打って変わって娯楽性の高い作品内容となっている。それまでにはなかったスペクタクルなアクションシーンは業界に革命を起こし、以後数年間所謂「ドンパチアクションもの」が大量に製作されることとなる。一般にイメージされる「ランボーといえばマッチョな男が銃火器を駆使して敵を打ちのめすアクション映画」はこの作品が形成したといっていいだろう。しかし、前作にあったメッセージ性などが失われていると評価され1985年度のゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)の最低作品賞を受賞してしまった(ちなみにスタローンは同年に公開された『ロッキー4/炎の友情』とこの作品でラジー賞の主要部門を総なめしてしまい、以後ラジー賞の常連となってしまう)。
ランボー3/怒りのアフガン (原題:Rambo III)
自分の過去を捨てタイのバンコクで暮らしていたランボーのもとを再びトラウトマンが訪れる。その目的は「アフガニスタンに自分と共に潜入して現地の村人に武器を支給する手助けをして欲しい」というものだった。しかしランボーはそれを固辞する。数日後、トラウトマンが作戦中にソ連軍に捕らえられてしまったと伝え聞く。ランボーは米軍からのわずかな援助と現地の村人の協力を得てトラウトマンの救出を試みる。
シリーズ第3作。さらにアクションの要素が強まり、「101分の本編で108人が死亡する」という内容から、「最も暴力的な映画」としてこの年のギネスブックに認定されている。おりしも公開時はソ連のアフガニスタンからの撤退による米ソの和平ムードの最中でありそのソ連と激しい戦闘を繰り広げる今作は各方面から批判を受け、興行収入も2作目を下回った。スタローン本人も「公開から半年間は決して楽しい時間ではなかった」と当時を回想している。またこの作品でもスタローンはラジー賞の最低主演男優賞を受賞した。
ランボー/最後の戦場 (原題:Rambo)
タイで水先案内人をしていたランボー。そこにアメリカからやってきたNGOメンバーが現地のカレン族を救済するために紛争地帯のミャンマーに案内してくれと頼んでくる。最初は断ったランボーだったがメンバーの一人のサラという女性の熱心な説得を受けて彼らをミャンマーに案内する。しかし、NGOメンバーが村を訪れている最中にミャンマー軍が村を襲撃。村人は惨殺され、かろうじて生き残った数人のNGOメンバーも捕らえられてしまう。タイの米国大使館から事の知らせを受けたランボーは大使館が雇った傭兵と共にミャンマーに赴く。
前作から20年の時を経て公開されたシリーズ第4作。この作品は肉体の破壊などのグロテスクなシーンがCGにより鮮明に描写されており、日本では『ランボー』シリーズとして初めてR-15指定を受けた。ただ、「残酷な描写にすることでミャンマーで起こっていることの真実を描きたかった」とこのシリーズにおいて初めて監督も務めたスタローンが語るように、「争い・暴力が絶えず横行するようになってしまったこの世の中をランボーならどうやって生きていくか?」というテーマがあり、テイストとしては1作目に近いものとなっている。また前述した1作目の没になったラストシーンがランボーの回想という形で一瞬だけ登場する。
ランボー/ラストブラッド (原題:Rambo: Last Blood)
故郷アメリカの田舎で隠遁生活を送るランボー。だが、彼の知人の娘がメキシコの麻薬カルテルに誘拐された事から、彼は再び戦場に立とうとしていた…
「ランボー」というタイトルについて
映画1作目の英題は原作小説と同じく『First Blood』である。しかし比較的昔からよく見られる誤解として、「このランボーというタイトルは日本の配給を手掛けた東宝東和によって付けられた邦題であり、このタイトルが大ヒットのきっかけとなり、後にシルベスタスタローン本人もその恩義に感謝状を贈っている」というものがありWikipediaや一部評論家などもこの説をある時期まで掲載していたが、これは全くの誤解である。
IMDbなどのデータベースを調べれば分かるとおり、原題のFirst Blood(と、その直訳)はアメリカやイギリス、オーストラリアなどの「英語圏」とソビエトやデンマークなど一部に限られており、過半数は公開時点から「Rambo」というタイトルがつけられていた。現に日本より先に公開された非英語圏のブラジルやイタリアでは当初からRamboとなっており、日本のヒットがきっかけになったわけではない。
この誤解の尾ひれとなった東宝東和に贈られた「感謝状」はファンのサイトで実物が確認できる。公開当時にバッティングしたETというビッグタイトルがあるにも関わらず、精力的なマーケティングを成功させたことに関する内容のものであり、タイトルの改変に関しては何もふれられていない。この感謝状を贈った時点では、ランボー2はまだFirst Blood2というタイトルであることは感謝状にも併記されており、「日本のヒットを受け改題したことについての感謝」というのは全くの誤解である
ニコニコ動画では
ニコニコ動画においては、1作目のラストシーンを中心に嘘字幕を入れたシリーズが人気。
また釣り動画にも使われている。(例:エッチな動画だよ→なんだランボーかよおお!)
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