概要
ラ・プロンジェ深海工学会とは、2017年1月15日に3名で設立した日本の一般社団法人である。代表者は浦 環(うら たまき)、拠点は福岡県北九州市若松区・・・の教員宿舎となっている。ラ・プロンジェの綴りは「la plonge」であり、明言はされてないがフランス語の「ダイビング、潜水」と考えられる。
目的は「国民の海洋理解の増進に寄与」であり、深海に関する学術や実践的な技芸に対する考究、今尚困難が伴う海中観測や作業と必要な機器開発、深海だけに限らない海中情報の収集と提供、その他の目的達成に必要な活動を行っている。
法人としての設立は僅か3名でされているが(設立時の代表理事として浦 環、設立時理事として古庄 幸一・小原 敬史の2名)、その他の立ち上げメンバーはそうそうたる企業や研究機関等の方々がいるらしい。
伊58呂50特定プロジェクト
団体の力を入れている活動としては「伊58呂50特定プロジェクト」がある。アメリカ軍により海没処理となり長崎県五島列島沖に沈んでいる24隻の旧大日本帝国海軍潜水艦の中から伊58と呂50の2隻を特定する事を目的としている。
プロジェクトは2017年8月22日から8月26日の4日間、ROVによる調査を実施して特定に至った。
詳細な内容に関してはニコニコ大百科記事 「伊58」特定プロジェクト による。・・・伊58呂50特定プロジェクトなのに大百科記事が「伊58」特定プロジェクトなのは気にしてはいけない。
プロジェクト進捗、実施に至るまで
2017年1月11日 : プロジェクト開始。
2017年1月15日 : 一般社団法人ラ・プロンジェ深海工学会設立。
2017年1月30日 : ブログ上にて寄付のお願い。
2017年3月1日 : ブログ上に「庵浦に係留されている潜水艦群」を掲載。
2017年3月3日 : ブログ上に「大型艦二艦と小型艦一艦」を掲載。
2017年3月13日 : ブログ上に「24艦の形状比較」を掲載。
2017年4月 : 日本テレビより海底地形図の提供を受ける。
2017年4月2日 : ブログ上に「マルチビームソナーで観測された24潜水艦の位置と伊402潜水艦」を掲載。
2017年5月19日~21日 : サイドスキャンソナーによる事前調査 → 株式会社東陽テクニカと株式会社ウィンディネットワークが協力して実施。東陽テクニカが所有する曳航式サイドスキャンソナーCM2(イギリスのC-MAX社製)を使用した。 → 五島列島沖の海底に突き刺さる潜水艦の発見に貢献(東陽テクニカのPDF)
2017年5月21日 : ブログ上に「サイドスキャンソナー調査速報」を掲載。
2017年5月26日 : クラウドファンディング(ACADEMIST)開始 → 支援総額 5,585,320円を達成。ブログ上に「サイドスキャンソナー全艦データ」を掲載。
2017年5月27日 : ブログ上に「サイドスキャンソナーの生データの表示」、「サイドスキャンソナー調査の様子」を掲載。
2017年6月3日 : ブログ上に「連合軍が撮影した潜水艦処分映像集」を掲載。
2017年6月4日 : 再度、ブログ上にて寄付のお願い。
2017年6月7日 : ブログ上にてクラウドファンディングの紹介。
2017年6月8日 : ブログ上に「五島列島沖合に海没処分された潜水艦24艦の調査 講演会」の報告。
2017年7月8日 : 講演会
2017年7月10日 : ブログ上に「T-Shirtsを販売いたします」を掲載。
2017年7月13日 : ブログ上に「海の日の記念サイエンストーク 地球最後のフロンティア『深海』に研究者は何を見る?」を掲載。7月26日に開催される講演会の案内。
2017年8月2日 : ブログ上に「終戦後に海没処分された潜水艦のすべて」を掲載。
2017年8月9日 : ブログ上に「ご寄付いただいた方々」を掲載。
2017年8月21日 : ブログ上に「ROVを使った潜水艦群の調査予定」を掲載。
2017年夏期 : ROV調査、調査日数は4日間を予定(寄付金の集まりによる)。 → 8月22日早朝から遠隔操縦式水中無人機(ROV:Remotely Operated Vehicle)を使用した調査を実施。
2017年8月22日 : ブログ上に「潜水艦の特定に向けての浦環日誌」を掲載。2015年の伊402調査報告から現在までの活動記録が掲載される。2016年2月18日に総合海洋政策本部参与会議終了後に古庄幸一 参与(元第26代海上幕僚長・海将)にプロジェクトの話をしたのが始まりとの事。
プロジェクト実施
- 実施期間 : 2017年8月22日07:00~8月26日08:00
- 使用ROV : 日本サルヴェージ株式会社所有のQuasar 8(最大潜航深度:1,000mのタイプ)、イギリスのSMD(Soil Machine Dynamics Ltd.)社製中型一般作業用ROV「Quasar
」
- 使用船舶 : 日本サルヴェージ株式会社所有の海難救助船「早潮丸」(全長:45.13m、幅:10.0m、深さ:4.3m、総トン数:322t、国際総トン数:497t)
- 情報通信研究機構(NICT)とドワンゴが共同で洋上から96時間の通信実証実験を行う。小型船用アンテナと高速通信衛星「WINDS」を使用して一部始終をニコニコ生放送にて放映した。
プロジェクト実行委員会
伊58特定後の活動予定
- 本音では伊58を引き上げて修復、実物を展示する記念館を作りたいと思っているが、予算見積もると約100億円かかるので非現実として却下した。
- ROVによる調査で得たデータを活かした3Dデータを作成、VR技術により潜水艦群の中を泳ぐバーチャルな記念碑をつくる。
- 有人潜水艇で沈んだ艦船を観にいくツアーを組む。
- 比叡だけは今年末考えてる(アジア太平洋英霊顕彰会との合同調査となる模様)。
- 周防灘に沈んでいるとされる回天の引き上げをできたらと思っている。
伊58特定後の活動履歴
- 2018年6月18日「呂500」探索プロジェクト 詳細は該当ページへ
- 2022年5月25日「アルバコア」探索プロジェクト 詳細は該当ページへ
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
今はまだない。
関連リンク
- ラ・プロンジェ深海工学会公式ブログ
- ラ・プロンジェ深海工学会公式facebook
- 学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」の「海底に突き刺さった潜水艦は伊58か?」
- 浦環Twitter
- 浦環facebook
- Youtube Tamaki Ura
- 東京大学生産技術研究所 海中工学国際研究センター 浦研究所(2013年3月末に終了したが暫定的に残っている)
- 九州工業大学 社会ロボット具現化センター
- 九州工業大学 社会ロボット具現化センター長 浦環教授 URA's Web(動画あり)
- 旭潜水技研
関連項目
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