リッカー(Licker)とは
である。本項では3.について記述する。
概要
『バイオハザード2』にて登場したクリーチャーで、本作品のハンター的存在。
Tウイルスによってゾンビと化したラクーンシティの市民は、本能に従って新鮮な肉を求めて喰らいついた。しかし強烈な新陳代謝を補うだけの栄養を摂取出来なかったゾンビはやがて餓死してしまう。その一方で運良く肉を摂取し続けたゾンビは更なる突然変異を起こして「リッカー」となる。
脳は剥き出しとなり、露出した脳髄が眼球の部分までせり出したため視覚は完全に失われた。その代わりに発達した聴力で獲物を見つける。ゾンビとは違って四足歩行で移動、鋭利なものになった爪を活用して壁をも移動する。筋肉組織も剥き出し、ゾンビの頃より力強く発達している。そして刃物のように鋭く長い舌を使い、獲物を串刺しにして仕留める。ラクーンシティ全域に出現したが、何故か殆どの個体は屋内で活動している。
劇中の活躍
バイオハザード2
ハンターがいない『バイオハザード2』におけるハンター的存在。聴力に頼っている設定があるため、立ち止まったり抜き足差し足で進めばリッカーから攻撃されない。当然普通に動けば攻撃される。鋭い爪や舌で攻撃してくるが何より恐ろしいのは時折繰り出す飛び掛かり爪攻撃。もしも残り体力が半分くらいならばほぼ確実に死ぬだろう。そんなリッカーが序盤から、しかも複数で出てくるもんだからたまったもんじゃない。なお研究所には体力が向上したリッカー改なる存在も確認されている。
作中で確認できるファイルでは、9月27日に警察署内で初確認された。舌を使ってRPD署員3人を貫いた他、鋭い爪で1人の首を飛ばしている。この様子を見た別のRPD署員によって「リッカー」の名前が付けられた(ちなみに一般公募で命名された)。リッカーとは「舐めるもの」を意味する。ねじきられた死体は一種のトラウマである。
バイオハザード アウトブレイク
獄炎シナリオのホテルアップルインや、死守シナリオの警察署内で出現。特性は2と同じだか、何故か異様に弱体化されていて、クッソ弱い。本作のリッカーはまるで脅威にならないとまで言われる。
獄炎シナリオのボスクリーチャー「サスペンデッド」はリッカーの亜種であり、人の姿を失わずに変異している。リッカーの上位個体にあたり、伸ばせる舌の長さは通常リッカーの倍。また取り巻きにリッカーを従えており、ボス戦ではリッカーを呼び寄せる。……のだが、サスペンデッドは全く動かない、体力が雑魚敵と大差無い、攻撃範囲が狭すぎる事から最弱ボスと言われる。サスペンデッドとは「吊るす」という意味。
バイオハザード5
『バイオハザード5』において始祖ウイルスを追加投与されることで改良された「リッカーβ」が登場。以前と比べて嗅覚がやや鋭くなったが、あまり頼っていないのか嗅覚は話題に上がらないことが多い。だがもう一つ、「繁殖能力」によって数が爆発的に増えており、文字通り数の暴力でクリス達を追い詰めてくるのが恐ろしい。しかも『2』の頃にはなかった即死攻撃を備えているため(これはパートナーに助けてもらわないと即死確定)、数の暴力も相まって更に恐ろしいことになっている。だが『2』の頃と違い、タイラントのように「心臓が露出している」という弱点が発生しており、ショットガンなどの吹き飛ばせる武器でうまく仰向けにさせることが出来れば速攻で倒せるチャンスとなる。
映画版
映画版のリッカーはアンブレラ社の生物兵器という設定で、ゾンビから変異した存在ではない。地下研究施設ハイブにて1体が保存されており、様々な薬液が流し込まれ暴走を防いでいたが、バイオハザード発生に伴う電力供給停止で薬液も停止。自由になったリッカーは施設内を徘徊した。小説版では何体かゾンビをバラバラにしていたようである。その後、ハイブから1人脱出しようとしたスペンスへと襲い掛かり、その血肉を喰らった(その場面はあまりにもグロいためか地上波ではよく編集が加えられる)。新鮮なDNAを摂取した事でリッカーはさらに凶悪な怪物へと変貌した。
出口に向かって疾走する電車を襲撃し、まず運転手のカプランを殺害。次にアリスとマットに襲い掛かる。この時に鉤爪でマットを負傷させており、彼をTウイルスに感染させる。長い舌を使ってアリスを苦しめるが、舌に鉄の棒を刺されて身動きが取れなくなる。最期は足元を開口され、落下。線路との摩擦熱で炎上し、床を閉める際に舌を切断されて線路上に放置された。小説版においては喋らないものの、しっかりとした思考を持っていた。どうやら戦闘狂のようである。生きて脱出するためにゾンビと戦っているアリスたちを「戦闘が大好きな自分の仲間」と思い込み、その匂いを辿ってアリスたちと戦い、己の戦闘欲を満たそうとしていた。
続編の『2』にも出演しており、教会内で3体が現れた。意図的にアンブレラ社が放ったのかは不明。俊敏な動きで銃弾を軽快に避けてジルたちを苦戦させ、小説版では無名の生存者を真っ二つに引き裂くなどやりたい放題であった。だが途中で現れたアリスには歯が立たず、1体ずつ処理されてしまった。
『バイオハザードV リトリビューション』では改良型の巨大リッカーが登場。新鮮なDNAを摂取すると変異する特性は制御を難しくする問題点であり、初代に登場したリッカーは失敗作の烙印を押されていた。一方、『V』の舞台であるアンブレラ・プライムは巨大化するリッカーの生育に向いており、失敗作としながら量産されていた模様。うち1体が、脱獄したアリスの追撃に投じられた。
ダムネーション
ゲーム版と同じ世界観であるCG映画『ダムネーション』にもリッカーβが登場。こちらはゲーム版5と同じタイプだが、従属種プラーガを投与されガナード化させられており、劇中で支配種プラーガを取り込んだ長老やアレクサンドル・“サーシャ”・コザチェンコによって操られていた。このおかげで「レオンに味方するリッカー達」という、『2』の頃からは想像もできない光景を見ることが出来る。
オペレーションラクーンシティ
道中の雑魚モンスターとして登場。本作では時計塔や市庁舎にも出現する。ウルフパックのフォーアイズの能力で操る事も可能。
バイオハザードRE:2
『2』のリメイク版に相当するRE:2では、よりおぞましい姿となって再登場。原作同様、警察署内に出現する。2当時の強さと恐怖が復活し、プレイヤーを死へと誘う。また作中ではゾンビ犬の死体を貪っており、食性が肉食である事が判明した。かなりの強敵のため、いかに忍び足で進むかが肝要となる。
ちなみに没モンスターの中に、ゾンビからリッカーへ変異しかけている形態がある。
バイオハザードRE:3
原点『3』では登場しなかったリッカーだったが、RE:3ではRE:2同様警察署に出現。カルロス・オリヴェイラとの対戦が実現した。作中ではカルロスの眼前で生き残っていた警官2名を殺害する衝撃的なデビューを飾った。難易度ナイトメアでは警察署を飛び出して病院にも出現。
何気にRE:3は、ハンターとリッカーの両方が登場する珍しい構図となっている。
関連項目
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