曖昧さ回避
本稿ではアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』に登場するモビルスーツ(MS)「MS-09 リック・ドム」について記述する。
『機動戦士ガンダム』で登場したオリジナルの『MS-09R リック・ドム』については『ドム』の記事を参照されたい。
概要
リック・ドム RICK DOM |
|
---|---|
開発 | ジオン公国軍 |
型式番号 | MS-09 |
固定武装 | 拡散メガ粒子砲 電磁ハーケン |
オプション武装 | ジャイアント・バズ ヒート・サーベル×2 |
パイロット | ガイア オルテガ シャリア・ブル トクワン |
ジオン公国軍が開発した陸戦用重モビルスーツ「ドム」に、宇宙で運用する為の改修を加えた機体。
足裏には多数のスラスターが内蔵され、より宇宙戦闘用としての側面が強調されている。また、背部には稼動式の大推力スラスターユニットを搭載しており、これを足元へ展開する事で3つの推進ユニットを集約した高機動形態へと移行できる(詳細は後述)。
元々の一年戦争(ジオン独立戦争)に於けるリック・ドムは、ゲルググが配備されるまでの繋ぎとして配備された機体だったものの、ゲルググ開発遅延の影響もあって、結果的にザクと共にジオン宇宙軍の中核を成し、事実上の戦争終盤における主力MSという立場に収まっていた。
一方、GQ世界ではゲルググ(GQ)の生産が前倒しになったようなので、軍内での立ち位置はまた違うものになっていた可能性がある。
なお、形式番号はオリジナルの「MS-09R」ではなく、素のドムと同じ「MS-09」のまま。
デザインの話
大まかなラフデザインはGQuuuuuuXメインデザイナーの山下いくとが担当。それを基に射尾卓弥が全体のまとめを行い、カラー3D班による最終調整を経て完成した。
ザク(GQ)やゲルググ(GQ)とは違い、オリジナルのリック・ドムから劇的な変化はない。せいぜい背中にスラスターユニットが追加され、その接続スペースを確保するために後腰のスカートアーマーが左右分割された程度である。
……が、このスラスターユニットとは「ドムの脚」。誇張抜きで2本ある本来の脚部と同じデザインである。『-Beginning-』でのチラ見えではわからないが、その後の紹介画像で「これどう見ても脚だよな」という見解がガノタ間で定着し、どのような動きを見せてくれるのか、注目が集まっていた。一部では「MAV戦用に三連星のドムを一機ばらして改造したんじゃないか」という、いかにもそれっぽい考察も出ていた。
先述の高機動形態では、3つの同型スラスターユニットが綺麗な三角形を描き、宇宙戦闘機やモビルアーマー的なシルエットを形成する。また、それぞれのユニットを散らし、腰を落とすような体勢の「三脚ホバリングメカ」にもなり、コロニー外壁に沿った滑らかな機動を披露している。
射尾氏曰く背部ユニットのクリアランスと可動域確保にはかなり苦労したとのこと。また、脚裏のカウルが薄っぺらくなっているが、これは無重力運用を考慮してあえてそうしたもの。設地時にはこのカウルではなく、スラスターノズル周りのフレームが下がって機体を支えるようになっている。
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地上戦仕様ドムの設定は公開されていないため、果たしてこの背部ユニットはリック・ドム専用なのか、それとも地球でも三脚移動をしていたのか、気になるところである。
武装
- 拡散メガ粒子砲
左胸部に搭載。破壊力はほとんどなく、主に目くらまし用に用いる。 - 電磁ハーケン
オリジナルには存在しない腕部内蔵式の有線武器。グフ・カスタムのヒートワイヤーに近い武装で、敵機に巻き付けて電流を流し、パイロットに直接ダメージを与えるという中々にエグイ機能を持つ。その細さからは想像できないほど頑丈で、巻き付けたまま敵機を振り回せる。
作中では複数機で同時使用していたことから、ハンブラビの海ヘビを思い起こした視聴者もいた模様。 - ジャイアント・バズ
主兵装。ザク・バズーカよりもさらに大型のロケットランチャー。至近距離でシールドに弾かれた弾体は起爆せず飛んで行ってしまったが、自爆防止の安全装置が働いたのか、それとも粗悪品の弾体を掴まされたのだろうか。 - ヒート・サーベル
赤熱化した刀身で敵を溶断する近接武器。背中に斜め掛けしていたオリジナルから1本増加し、両肩寄りの位置に計2本を搭載。赤熱時の刀身色はオリジナルのライトブルーやイエローではなく、ライトグリーン。
各種バリエーション
一般機
初期のシャリア・ブルの愛機。第二次ソロモン会戦においてはトクワンも搭乗している。
オリジナルのドムは黒・紫を基調としたカラーリングだったが、こちらはザクやゲルググと同じ、緑を基調としたカラーリングになっている[1]。
ガイア / オルテガ機
元「黒い三連星」のメンバー・ガイアとオルテガが所有する機体。オリジナル同様の紫と黒をベースとしたカラーリング[2]だが、ジークアクスにおいては彼ら専用の識別色になっている。
戦後、マ・クベに軍を追い出された2人がどのようにして本機を入手したのかは不明。2人はクラン「バイナリーズ(連星)」としてクランバトルに参加していたが、予想以上に維持費がかかっていたため、そろそろ切り上げて正式な傭兵に鞍替えしようとしていたようだ。
作中では第5話「ニャアンはキラキラを知らない」にて、ポメラニアンズの対戦相手として登場。GQuuuuuuXのパイロットが明らかに素人であり、赤いガンダムも妙に動きが悪い。GQuuuuuuXを電磁ハーケンで嬲り、戦場の厳しさを教える2人だったが、GQuuuuuuXのパイロットが「キラキラ」に目覚め状況は一変。高機動形態に移行し、ジェットストリームアタックで勝負を決めようとするが……。
ガンダムを踏み台にして傭兵の拍付けをする算段の連星たちが、逆にGQuuuuuuXの踏み台にされるとは何たる皮肉であろうか。
余談
- ゲルググ(GQ)同様、HGのガンプラは登場回放送の翌日に詳細が発表された。第4話に登場したゲルググ2機が新商品A・Bに該当していた為、登場順から新商品C(仮)ではないかと思われていたが、9月発売予定の新商品E(仮)であることが判明した。
- 黒い三連星の残る一人、マッシュはガイア達よりも早くに軍を退役し、とあるコロニーの市長に就任している。「まともなセリフもないまま真っ先に退場」という点では初代ガンダムと同じだが、こちらでは3人の中で一番の勝ち組になったのもまた皮肉と言えよう。こいつもこいつで秘書との不倫をすっぽ抜かれているが。
- 『機動戦士ガンダム』で黒い三連星が搭乗していたのは陸戦仕様のドム。一応『Gジェネ』や『スパロボシリーズ』ではリック・ドムⅡやドライセンといった、宇宙戦対応のドム系に搭乗させることも可能。
- 往年のガノタであれば、ジオン大好き漫画家の徳光康之が創作した究極のネタモビルスーツ「リック・ドムⅢ」を思い出した人も多いだろう。詳細は各自検索してもらうとして(徳光先生のX(Twitter)は18歳未満閲覧禁止なので注意)として、徳光先生がまさかの予言者となったことにジオニスト達は沸いた。
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関連項目
- 機動戦士Gundam GQuuuuuuX
- MS-09ドム / MS-09Rリック・ドム - 『機動戦士ガンダム』に登場するデザインの原案
- 黒い三連星
- モビルスーツ / ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
脚注
- *余談だが、『機動戦士ガンダム0080』や『機動戦士ガンダム0083』に登場した「リック・ドムⅡ」は、通常型は紫系、コロニー内戦闘仕様は緑系で塗装されている。
- *ちなみに元々のドムの塗装については、ガンプラの説明書インストや一部設定資料では「黒い三連星のパーソナルカラーが、後の標準カラーリングとなった」と紹介しているものがある。ただ、この設定見解は公式でも確定していないらしく、別書籍では「もともとこのカラーで決まっていた」と記載されるなど、結構なブレがある。
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