リヤカーとは、金属製フレームと板で構成されたある意味最強の装輪式多目的人力運搬車である。
概要
呼称は「リヤカー」又は「リアカー」。発祥はなんと日本である。詳細な歴史等は調べて頂くとして、1920年代、海外から輸入され始めたサイドカーの概念と、それまで日本の主な運搬用具であった大八車の概念を融合させて作られたそうな。
内燃機関を搭載した運搬車両がまだ高価だった時期、人力で多くの荷物を運ぶことができ、また大八車と較べて重心が安定していて、木材組みの大八車のように職人の手入れは必要が無く、小さな町工場規模で生産可能なリヤカーはその利便性と安価さにより普及した。後にバイクや三輪車などの動力車両の低価格化によりシェアは減じていくものの、今でもその利便性と安価さは評価され、農村や工事現場、工場などで使われ続けている。
当初の普及理由はさておき、農村では耕うん機を動力車として後部に乗る改造を施したリヤカーなどが、軽トラなどの普及以後も使われている。また、バイクを始めとする発動機と組み合わせた車両の姿もある。法律上の分類は軽車両で、発動機での牽引時はその付随車両扱い。制限速度は25km/hまで。尚、メーカーにもよるが、自転車での牽引も想定した移動販売用車両もリヤカーとして分類・販売している。
自衛隊での運用
そして、リヤカーと言えば自衛隊。たぶん日本で一番リヤカーを使ってる組織。
装備も運ぶ、糧食も運ぶ、機材も運ぶ、刈った草やゴミも運ぶ、砲弾も運ぶ、人も運ぶと多用途に用いられる半正式装備(M1A1運搬車を除く)としてお馴染みである。
使用されるリヤカーの種類は豊富で、かなり古いものから、折り畳み式の新型、隊員がホームセンターで材料買ってきて作ったような手作り感あふれるものまで様々なものが使用されている。
さらに、北部方面隊では冬になるとタイヤに釘をぶっ差してスパイクタイヤにするらしい。スタッドレス無いんかな?
燃料いらずで、構造も簡素、戦車のように超信地旋回まで可能なリヤカーを超高機動車と呼んだ隊員もいるとか…
専用に納入している業者は居ないので、民生品を(部隊内費用又は隊員カンパで購入し)手作業でODカラー又は迷彩に塗り、凝った部隊では手製のナンバーや桜紋を入れたりしている。…ホントだよ?
また、海上自衛隊、航空自衛隊でも使用されており、海上自衛隊では狭い艦内でスペースを有効活用するため、従来の鉄製大型のリヤカーではなく、新型のアルミ製折り畳み式のリヤカーが調達されている。
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