リンゴ(林檎)とは落葉広葉樹の一種、または食用となるその果実のことである。
りんごの名をもつその他キャラクターに関しては「リンゴの名を持つ人物」の項目を参照。
概要
【分類】バラ目バラ科リンゴ属
【学名】Malus pumila
※学名はシノニムが多く、品種によっても異なるので一例を挙げた。
(学名の由来)Malus→ラテン語古名から/pumila→低い・小さい
【和名】セイヨウリンゴ
白に近い薄桃色の、可憐な5弁の花を晩春につける。桜と同じバラ科なので、桜の花と似ているが、リンゴの花の方が骨太な印象である。葉も桜より分厚い。青森県の県の花。
ウンシュウミカンに次いで2番目の栽培面積と生産量を誇る果樹である。そして温暖な気候を好むミカンに対し、冷涼な気候を好む典型的な作物である。
休眠期と成熟期に冷涼で降雨の少ない場所(これが重要!雨が多いと病害の元になる)を好むので、高原や北の地方で多く栽培される。また、寒暖差が大きく水はけが良い方が栽培に適しているので、山の斜面に産地が作られる。だが、梨ほどではないにしろ、強風による落果は大きな問題であり、また落果しなくとも葉擦れなどによって商品価値が下がるリスクが高い。そのため、樹木を矮化したり、枝を剪定してぶらぶらと揺れるようにしたり、防風ネットを張ったりして工夫をしている(ただ、生食より加工品への利用が多い果樹でもあるため、落果したりんごもすぐに拾えばジュースやリンゴ酢、ジャムなどの加工品に使えるので、廃棄しない農家も多く、また葉擦れなどは、わけあり品として直売所や通販などで販売することが多い)。
青森県が生産量日本一で、全国シェアの約6割を誇る(圧倒的ではないか、我が県は)。品種はふじが5割を占め、王林、ジョナゴールド、つがると続く。特に岩木山東麓の津軽平野が日本一のリンゴ栽培密集地帯である。弘前市は生産量が日本一のapple town。弘前市+岩木町+相馬村というりんご産地同士が合併したために、この弘前市だけで長野県に迫る生産量を誇るほど。そんなわけで、りんごを使った洋菓子産業も発達し、アップルパイが市の名物となっている。板柳町は歴史の長いりんご産地で、かつてはりんごの集散地(板柳駅から貨物列車でりんごを積み出していた)としても栄え、今日もりんごワーク研究所が置かれているなど重要な産地である。青森市浪岡地区(旧浪岡町)もりんご栽培が盛んであり、県産りんご発祥地といわれ、弘前市に次ぐ大産地である(なみおかアップルヒルという道の駅も)。平川市もりんごの名産地で、特に旧平賀町域にあたる広船地区では広船りんごとして知られ、ブランド品となっている。毎年りんごまつりが行われる黒石市、果肉まで赤いりんごで知られる五所川原市、ふじりんご発祥地といわれる藤崎町、鶴田町、大鰐町など万トン単位の出荷量を誇る自治体が集まっており、まさにりんご一色である。一方、県東部の南部地方ではりんご産地は少ないが、南部町(フルーツの町として知られる旧名川町でも盛んだった)、三戸町では南部りんごと呼ばれるりんごが作られており、市場評価が高い。
長野県が第2位で、こちらも全国的に有名であり、北は飯綱から南は飯田まで幅広く産地が分布する。シェアは全国の2割で、両県で8割近くに迫る。西日本では昔、青森りんごがあまり入荷されなかった背景もあって信州りんごの方がメジャーだった。長野市は篠ノ井地区を中心に盛んで、市内で一番生産量が多い。松本市は旧梓川村で盛んで、安曇野りんごという名で人気がある。他にも中野市、須坂市、安曇野市(旧三郷村)、飯綱町(旧三水村)、山ノ内町などが主産地。ふじ、つがるといった有名品種のほかにも、シナノスイート、シナノゴールド、秋映など晩秋に収穫を迎える品種も人気を集めている。
両県以外では、山形県(フルーツ王国で名高い東根市、朝日町などが有名)・岩手県(本州りんご栽培の発祥である盛岡市や江刺りんごで有名な奥州市など)・福島県(福島市、須賀川市など)・北海道(ニッカ工場がある余市町、七飯町など)・秋田県(旧増田町と旧平鹿町擁する横手市など)・群馬県(沼田市やみなかみ町(旧月夜野町))などがりんごの主産地となっているが、青森が横綱レベル、長野が大関レベルなのに対し、後の主産地が前頭程度だといえば、いかに両県が盛んか想像できるだろう。あとは幕下レベルで宮城県、栃木県、茨城県、富山県、岐阜県、広島県、山口県…と小規模な産地が続く。
東北と群馬、長野を除くとあとは小規模な産地が点在。宮城県登米市、茨城県大子町(奥久慈りんご)、栃木県矢板市、富山県魚津市(加積りんご)、岐阜県高山市久々野町(旧久々野町、飛驒りんご)、庄原市(旧高野町の高野りんごや旧東城町の小奴可りんご)、山口県阿東町(徳佐りんご。日本最西端、日本最南端のりんご産地とも)など別に知らなくても困らないぐらいにマニアックな産地がある。
このようにりんごは寒冷な県での生産が盛んなので、温暖な気候を好むみかんとは相対的な分布となる。よって、りんごとみかんの双方盛んな、毎年農業統計をとっている(といってもりんご1,000㌧程度なので、盛んとは言えるかどうかは微妙…)県はというと、温暖な瀬戸内地方と寒冷な中国山地を抱える広島県だけである(厳密には山口県もだが、山口県のりんごは隔年)。そして、この広島県と山口県が経済的な南限とされている(個人農家レベルなら宮崎が南端)。
M・シエウェルシイは和名をシンキョウヤヘイカ(新疆野苹果)というが、栽培リンゴの祖先種とされ、形質は極めて変化に富む。その原産地は中央アジアといわれており、そこに含まれるカザフスタン最大の都市「アルマ・アタ」(現在はアルマティに改名)はカザフ語で「リンゴがたくさん生る街」を意味するといわれる。
果実
しゃくっとした瑞々しい歯ごたえが特徴の果物。赤・黄緑・黄色のものがあり、黄緑色のものは特に青りんごという。生食のほか、焼いてみたり(焼きリンゴ)、ジュース・ジャムなどに加工したり、りんご飴やアップルパイなどの料理に使ったりする。発酵させるとシードルという酒になり、それを蒸留したブランデーの一種がカルヴァドスである。
果実にはビタミンが豊富で、"An apple a day keeps the doctor away.(1日1個のリンゴが医者を遠ざける)"という諺があるように、1日1個食べると健康にいいとされる。特に皮付近に栄養が多いので、皮をむかずに食べるのが好ましい。青森県では半分に切っただけの物が「おかず」として給食に出る地域がある。
部分的に皮を残した「うさぎりんご」と呼ばれる飾り切りの手法がある。長時間空気にさらしているとポリフェノールの酸化により茶色に変色してしまうので、塩水かレモン水につけるとよい。たまにリンゴがしょっぱいのは塩水につけているせいである。砂糖水でも変色を防げる。
白樺花粉アレルギー持ちの人には、 生で食べると唇・口腔粘膜・喉の内側が痒くなる症状がでることがあり、これが いわゆる口腔アレルギー症候群と呼ばれるアレルギー症状である。 加熱すると症状が出にくくなるので、 どうしても食べたい場合は加熱するとよろしい。
育成方法
花が咲いた後は「花摘み」をし、梅の大きさほどの実がついたら「摘果」を行う。
果実に袋をかける有袋栽培とかけない無袋栽培があるが、袋を使わない品種は名称の頭に「サン」がつく。無袋栽培の品種は、見栄えは悪いが味は甘い。袋は新聞紙や二重袋が使用され、途中で1枚引き抜く場合もある。
おしりまで赤くするために、畑に銀色のシートを敷く。日光がよくあたるように葉を摘む「摘葉」を行う。摘葉を行わない「葉とらずリンゴ」というものもある。
品種
よく見かける品種は「ふじ」・「つがる」・「ジョナゴールド」・「紅玉」あたりだろうか。最も多く生産されているのは「ふじ」である。「世界一」は最大の品種で、弘前駅のホームには巨大なこの品種のりんごの置物が置かれている。最近では高級りんごとして「トキ」が徐々に出回りつつある。
水気の多い品種や酸味の強い品種など、かなり差があり、個人の好みはもちろん、使用目的によって使う品種は変わってくる。特に「紅玉」は酸味と香りが強く、製菓によく使われる。
種付近に蜂蜜色の「蜜」がたまる品種があり、甘いので好まれる。これは、ざっくばらんに説明すると、葉から送られてきたソルビトールが果肉の細胞に入りきらずあふれて溜まったものである。蜜が多ければより甘いが、多すぎると日持ちが悪くなり、腐敗臭を発するので、よいことばかりではない。蜜の存在を知らずに腐っていると判断する人がいるのが残念である。「つがる」・「ゴールデンデリシャス」・「シナノゴールド」は蜜ができにくく、保存に向いている。
直射日光にたっぷり当てて育てたものに蜜が入りやすい。特に「ふじ」は蜜が入りやすい。おしりまで赤いものに蜜が入っているといわれているが、それは収穫時期が遅いほうが蜜が入りやすいからだと思う。現在はアルミシートや着色促進剤を使用するためあまりアテにならない。
保存
腐るほどある大量のリンゴの保存方法については各家庭、毎年頭を悩ませる問題であるが、とりあえず煮てしまって嵩を減らすことが多い。この時、白ワインで煮るとおいしい。煮たリンゴは職場に持っていって他の人に押し付ける。これが定石である。しかしその場合、リンゴ農家を身内に持つ別の人たちから、同じように煮たリンゴを押し付けられる可能性があるので危険である。
その他豆知識
- 熟成するにつれて、他の植物を熟成させるはたらきがある植物ホルモンの一種・エチレンを多く発生することはよく知られている。リンゴとバナナを一緒に袋に入れておくと悲惨なことになる。
- イギリスの物理学者ニュートンは庭の木から落ちるリンゴを見て万有引力の法則に気づいたといわれるが、史実ではないとされる。
- スイスの伝説上の英雄・ウィリアムテルが息子の頭の上にリンゴを乗せて見事に打ち抜いたという話は世界的に有名。
- 旧約聖書に登場するアダムとイヴが食べた禁断の実がリンゴだといわれることが多いが、聖書が書かれた当時食用のリンゴはなかったので誤りである。
- 上に関連して、喉頭隆起(いわゆるのどぼとけ)をキリスト教圏ではアダムの林檎という。イブの食べた木の実は乳房になったというのに…、アダムが喉に詰まらせなかったら男にはどんな魅惑的な器官が生じていたのだろうか?
- 中国語では「苹果」といい、苹の字が平和の「平」に通じるので縁起物として好まれている。
- ニューヨークの著名な愛称に「ビッグアップル」がある。その語源については本当に様々な説があるが、売春婦のことを「アップル」と呼んだことに由来するともいわれる。
- リンゴから見つかった「リンゴ酸(malic acid)」という有機化合物がある。高校の生物の授業で「NADP-マリックエンザイム(ME)」を習った時、ハンドパワーの人が真っ先に頭に浮かんだ人がいるかもしれないが、マリックとはリンゴ属の学名"Malus"から来たものである。
- 切るのが面倒で丸ごとかじる人がいるが、実際には切る手間隙を差し引いてもきちんと切って形を整えた方が食すには効率が良い。
- えるしっているか しにがみは りんごしかたべない。
リンゴを使った食品の記事
- アップルパイ - リンゴを包んだパイ。
- シャイニーアップルジュース - 青森県民のソウルドリンク。
- 焼きリンゴ - リンゴを焼いたもの。
- りんご飴 - 棒をさしたリンゴを飴でコーティングしたお菓子。
- 冷凍リンゴ - リンゴを凍らせたもの。
リンゴの名を持つ人物
実在の人物 - ニコニコ動画関係
- 青りんご - MAD動画などを製作している動画投稿者。
- 青森のリンゴの魔術師 - 動画投稿者。リンゴを使った作品を投稿している。
- ぁぉりんご - ゲーム実況プレイヤー。
- 毛リンゴ - ゲーム実況プレイヤー。「ドラゴンクエストモンスターズ1.2を実況してみた。」シリーズの作者。
- 椿りんご - 「歌ってみた」の歌い手。
- ばかりんごP - 「がくっぽいど」の楽曲を発表しているVOCALOIDプロデューサー。
- 姫りんご - 「歌ってみた」の歌い手。主に女性声優の楽曲を歌っている。
- 腐林檎 - 「踊ってみた」の踊り手。
- 紅林檎 - 「演奏してみた」のピアノ奏者。
- りんご(歌い手) - 「歌ってみた」の歌い手。女性。
- りんご(生放送主) - 生放送主。女性。
- 林檎(VOCALOIDプロデューサー) - ニコニコ動画で動画を発表しているVOCALOIDプロデューサー。
- りんごP - アイドルマスターのプロデューサー。
- 林檎酸 - 「歌ってみた」の歌い手兼「演奏してみた」のフルート奏者。女性。
- 林檎酢(踊り手) - 「踊ってみた」の踊り手。
- リンゴギターの人 - 「素人がギターを作って弾いてみた」等の動画投稿者。
- 林檎亭 - 「歌ってみた」の歌い手。
- りんごのひと - ニコニコ動画で「実機演奏させてみた」シリーズを発表している動画投稿者。
実在の人物 - その他
架空の人物・動物
- 鮎貝りんご - 山形鉄道フラワー長井線の鉄道むすめ。
- あんどうりんご - ゲーム『ぷよぷよ7』の登場人物。
- 荻野目苹果 - アニメ『輪るピングドラム』の登場人物。
- 鹿沼りんご - ゲーム『ステーションメモリーズ!』に登場するでんこ。
- 木ノ下りんご - アニメ『おとぎ銃士 赤ずきん』の登場人物。
- 月宮林檎 - ゲーム及びアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪』の登場人物。
- 星宮りんご - アニメ『アイカツ!』の登場人物。
- リンゴ - ゲーム『キミキス』の祇条深月が飼っているドーベルマン。
- 鈴瑚 - ゲーム『東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom.』の登場人物。
- リンゴォ・ロードアゲイン - 漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第7部「スティール・ボール・ラン」の登場人物。
- りんごちゃん - 漫画及びアニメ『男子高校生の日常』の登場人物。あだ名であり本名は不明。
- りんごろう - ゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』の登場人物、辻野あかりが持参しているりんごのマスコットキャラクター。
リンゴに関連する楽曲
- アダムの林檎 - 聖飢魔IIの小教典(楽曲)。
- ガラスの林檎 - 松田聖子の14枚目のシングル。オリコン1位を獲得した。
- たべるんごのうた - ゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』の登場人物「辻野あかり」をイメージして作られた二次創作楽曲。
- トキメキは赤くて甘い - ゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』の登場人物「辻野あかり」の歌唱するオリジナルソロ楽曲。
- ぴこまりんご飴☆ - Sound Horizonの楽曲。
- リンゴ追分 - 美空ひばりの代表曲の一つ。
- 林檎殺人事件 - 郷ひろみと樹木希林のデュエット曲。
- リンゴジュース - SMAPの楽曲。作詞・作曲はスガシカオ
- リンゴ・ジュース - 上記の楽曲のスガシカオによるセルフカバー。アニメ「ハチミツとクローバーII」の挿入歌。
- リンゴの唄 - 並木路子の楽曲。作詞はサトウハチロー。
- リンゴの森の子猫たち - アニメ『スプーンおばさん』のED曲。
- リンゴ日和 - ROCKY CHACKの楽曲。アニメ『狼と香辛料』のED曲。
- Bad Apple!! - 同人ゲーム『東方幻想郷』三面BGM。
- Bad Apple!! feat. nomico - 上記BGMをアレンジしてヴォーカルを付けた同人楽曲。
- RIN!RIN!りんごたん☆ - VIPオリジナルキャラクター「りんごたん」のテーマソング。
リンゴに関するその他の記事
関連動画
関連項目
りんご関連項目一覧 | |
リンゴ - りんご - 林檎 - アップル - Apple |
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