リーンホースとは、「機動戦士Vガンダム」に登場する宇宙巡洋艦である。ここでは後継艦のリーンホースJrについても記述する。
概要
リガ・ミリティアに譲渡された巡洋艦。艦長はロベルト・ゴメス。ベスパの最新鋭軍艦に比べると旧式であるのは否めなかった。カイラスギリーを巡る戦いで大破するが、ベスパから鹵獲した戦艦スクイードと合体・魔改造が行われ、戦艦リーンホースJrとして生まれ変わる。といっても作中ではもっぱら引き続きリーンホースと呼ばれていたが。
改装後は艦首に「ビームラム」(ラムは衝角のこと)を装備しているのが特徴。そして最終盤、激戦の末に「覚悟をするとき」がくると、若いクルーたちを退艦させて老人たちによる特攻を行い、敵艦隊を道連れに壮絶な最期を遂げた。この「リーンホース特攻」はガンダムシリーズの中でもトップクラスの名場面と評されることが多い。グルグルのおっさん? 何のことですか?
詳細
艦長は一貫してロベルト・ゴメス大尉。他、リガ・ミリティアの指導者であるジン・ジャハナム(の影武者)が乗り込んでいる。モビルスーツ隊として、シュラク隊の面々などが所属している。
ゴメス艦長は設定によると、かつて地球連邦軍のAAAA隊(フォー・アベンジャーたい)に所属しており、アフリカ戦線でジェムズガンを駆りMSパイロットとして活躍していたとされている。しかし本作で輸送機機長として初登場した頃にはすっかり堕落しており、給料泥棒と陰口を叩かれるやる気のない典型的ダメ軍人と化していた。だがリガ・ミリティアの面々を輸送する中で、シュラク隊の戦死やウッソたち少年が戦う姿を目の当たりにしたことで改心。それまで戦艦の艦長を務めたことはなかったが、指揮官としての才能を開花させ、最期まで艦長としての責を果たすことになる。
リーンホース
主人公ウッソ・エヴィンが所属するレジスタンス組織「リガ・ミリティア」のカミオン隊は、当初ヨーロッパを大型トラック「カミオン」で、その後ゴメス大尉の輸送機に乗り換えて、宇宙への打ち上げ施設のあるジブラルタルへと移動していた。ケイト・ブッシュの尊い犠牲の末にウッソたちは宇宙へ上がる事になり、この際に登場するのがリーンホースである(第16話「リーンホース浮上」)。
リーンホースは本来は地球連邦軍所属のスペース・アーク級巡洋艦(小説版ではアレキサンドリア級巡洋艦)で、リガ・ミリティアに協力的なロンドンデリー駐屯地から派遣された艦であった。スペース・アークは「Vガン」の30年前を描いた「機動戦士ガンダムF91」に練習艦として登場した艦である。一部資料ではクラップ級ともされるが、これはスペース・アークが本来クラップ級を改造して作られた艦であるためと思われる。この時同時にアレキサンドリア級巡洋艦ガウンランドも提供され、カミオン隊はこの二艦に乗り換えて宇宙へ上がった。
だが、スペース・アーク級は30年前、クラップ級は60年前、アレキサンドリア級に至っては65年くらい前に設計された艦であり、ビームシールドを付けるなどして近代化改修こそされていたは言え、どこからどう見ても旧式艦であった。クラップ級と同時期に作られたラー・カイラム級戦艦が、連邦軍の旗艦として未だ使われているという有様である。対するザンスカール帝国の軍隊「ベスパ」は「スクイード」「アマルテア」などの新型軍艦を建造・保持しており、戦力的に劣勢は明らかだった。
そうした中で、強力な主砲「ビッグキャノン」を備えるベスパの宇宙要塞・カイラスギリーの攻略作戦が行われる。リガ・ミリティアはマイクロウェーブを放射することでベスパの軍人たちを腹痛に陥らせて行動不能とする奇策を行い、それに加えて無人のガウンランドを遠隔操作して盾にするといった作戦が功を奏し、見事カイラスギリーを陥落させた。が、その代償は大きく、シュラク隊のジュンコ・ジェンコが戦死、ガウンランドおよびリーンホースも大破してしまう。
リーンホースJr
だが幸いなことにリガ・ミリティアは、カイラスギリーに接舷されていたベスパの最新鋭戦艦「スクイード」1隻を鹵獲することに成功した(スクイードは2隻存在したが、もう一方は脱出して「ダルマシアン」と改名している)。そしてドック艦・ラビアンローズIVに移ると、小破したスクイードの上部に、傷をふさぐようにリーンホースとガウンランド(の使える部分)を乗せるようにした上で様々な魔改造が僅か数日の突貫工事で施され、最新鋭の能力を持ったワンオフの大型戦艦「リーンホースJr」へと生まれ変わった。構造的にはほとんど「スクイードJr」のような気がするがそこは気にしてはいけない。
単独での大気圏突入および離脱が可能であり、火力も高く当然ビームシールド装備。更にそのビームシールド発生装置を収束展開させることで、超巨大ビームサーベルとでも言うべき「ビームラム」を使用可能とした(簡単に言えば、傘を強風でひっくり返すようなイメージだろうか)。ただビームラムを使えば当然ビームシールドは使えないし、ビームラムの長さと普通のメガ粒子砲の射程を比べれば使い勝手は明らかに悪く、使用したのはマケドニアコロニーからの脱出と、最期の特攻の2回だけであった。
ベスパは更なる新造戦艦、バイク戦艦こと「アドラステア」「リシテア」を建造して「モトラッド艦隊」を編成。地上のあらゆるものを巨大タイヤで轢き潰していく狂気の「地球クリーン作戦」の実行に移ったため、リーンホースも地球に降りて戦闘を重ねた。だが、連邦とザンスカールが一時停戦を結んだため、宇宙へと戻る。この停戦の際、ウッソたち一部乗員はホワイトアークに搭乗して地球に残り、ウッソの故郷カサレリアを訪れたりしている。
その後、リガ・ミリティアの指導者である「真のジン・ジャハナム」ことハンゲルグ・エヴィン(ウッソの父)が、ムバラク・スターン提督率いる協力的な連邦艦隊と共に合流し、やがてエンジェル・ハイロゥを巡る最終決戦へと挑むことになる。
特攻
決戦終盤、リーンホースは健闘するも満身創痍の状態となる。ここでジン・ジャハナムとゴメス艦長の決断により、若いクルーたちを脱出させ、老人たちだけでモトラッド艦隊へ特攻することを決断(この際のジン・ジャハナムの姿も非常に印象深い。詳細は当人の項目を参照)。メカニックのロメロとレオニードも(パーツ取りにでも使われていたのか)スクラップ同然となったボロボロのガンイージに乗って出撃し(レ「こ、こんなガタのきている機体じゃ何も出来んぞ!?」ロ「砲台くらいにはなる!」とのこと)艦上でビームライフルを乱射する。そして…
ついにビームラムを稼働させ艦は全速力でアドラステアへと突撃。無数のモビルスーツによって全方位から激しい攻撃を受けながらも前進するリーンホース。ビームライフルの直撃を受けて機体もろとも消し飛ぶロメロとレオニード。そして敵MS・ジャバコがブリッジに取りつきこれを破壊するが、その死の間際にゴメスは「遅かったなァ!!」と叫ぶ。最早ブリッジが破壊されようとも進み続けるリーンホースを止めることは不可能であった。アドラステアの横っ腹に全力のビームラムを突き刺すと、高速で突っ込んできた艦体の大質量という問答無用のエネルギーでリーンホースとアドラステアはともに大爆発。周囲のモトラッド艦隊を巻き込んで壊滅させるという、ガンダムシリーズの戦艦の中でも特に壮絶といえる最期を遂げた。
この一連の「リーンホース特攻」は劇中歌として流れる名曲「いくつもの愛をかさねて」の印象も加わって、数あるガンダムシリーズの中でも屈指の名場面と評価する人は多い。ただ一方で、戦争を始めたのは大人であるのに、そうした責任を持つべき者たちが「特攻」という形で自らの行いを美化、あるいは現実から逃げて死に走っただけで、若者に戦争のツケを押し付けているに過ぎないのでは?などといった批判も強く存在しているのも事実であり、放送から約30年経った今(2022年筆)でもこれは賛否両論である。
特攻の途中でロメロが「長生きしすぎたバチが当たったか!」と叫んでいるが、リーダー格である老人たちが生き残る一方で、シュラク隊のメンバーを始めとした若者たちが次々と死んでいったのは事実である。またリーンホースもダメージを受けた片エンジンを切り離すなど、モトラッド艦隊相手にもう長くは戦えないような状況となりつつあったのもまた事実であり、最期にせめて若者に希望を託しながら責任を持って特攻に賭けたのだろう……というのが筆者個人の素直な感想である。だが、どういった心境でこのシーンを描いたのか、それは富野由悠季監督のみが知ることと言えよう。
ゲームなど
スーパーロボット大戦では基本的に最初から「リーンホースJr」として登場する。「第2次G」ではブライト・ノアの最後の乗機となる。ただスパロボではVガン自体の参戦が少なく、作品によってはスポット参戦止まりだったり、ウッソたちは登場するがリーンホースは出てこなかったりと扱いは微妙。例えば「新」では設定通りラー・カイラムより新しくて強いのだが、途中でブライトのラー・カイラムと交代してゴメス艦長ごと永久離脱してしまう。最強武器ビームラムも、ブライトでは格闘能力が低くそこまで活かせなかったりする。「スパロボ30」ではゴメス艦長に加え、ジン・ジャハナム、オーティス、ロメロ、レオニード、と老人4人がサブパイロットとして同乗(ゴメスを含めて最期に特攻したメンバーである)、ようやく原作通りのメンバーで途中離脱することなく最後まで使えるようになった。
「スパロボα」では一時ブライトが乗るが、この間にEVA対第7使徒イスラフェルのシナリオがある。実はここ、EVAではなくブライト@リーンホースJrでも使徒を倒すことが出来、そうするとミサトさんやブライトさんら一同が驚愕(というかドン引き)するミニイベントと熟練度が入るのはスパロボプレイヤーの間では有名と思われる(ただし一部のフラグが折れる)。
関連動画
関連静画
関連項目
- 機動戦士Vガンダム
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
- リガ・ミリティア
- ジン・ジャハナム
- ロベルト・ゴメス
- ウッソ・エヴィン
- マーベット・フィンガーハット
- オリファー・イノエ
- シュラク隊
- Vガンダム
- V2ガンダム
- ガンイージ
- ガンブラスター
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アカツキ(MS)
- アッザム
- アッシマー
- アドラステア
- アビゴル
- アプサラス(MA)
- アルトロンガンダム
- α・アジール
- アンクシャ
- アーガマ
- R・ジャジャ
- RGM-79
- イフリート(ガンダムシリーズ)
- イモータルジャスティスガンダム
- インパルスガンダム
- インフィニットジャスティスガンダム
- イージスガンダム
- ウイングガンダムゼロ
- ウイングガンダム
- ボール(機動戦士ガンダム)
- エビル・S
- F91
- エンデのガンダム
- カバカーリー
- カラミティガンダム
- ガザC
- ガザD
- ガ・ゾウム
- ガッシャ
- ガブスレイ
- ガルスJ
- ガルバルディα
- ガンイージ
- ガンキャノン
- ガンタンク
- ガンダム
- ガンダム(GQ)
- ガンダムアストレイ ミラージュフレーム
- ガンダムEz-8
- ガンダムエアマスター
- ガンダム・エアリアル
- ガンダムNT-1
- ガンダムエピオン
- ガンダム・キャリバーン
- ガンダムサンドロック
- ガンダム試作1号機
- ガンダム試作2号機
- ガンダム・シュバルゼッテ
- ガンダムシュピーゲル
- ガンダムジェミナス
- ガンダム G-セルフ
- ガンダムディフォルティータ
- ガンダムデスサイズ
- ガンダムデスサイズヘル
- ガンダム・ファラクト
- ガンダムプルトーネ
- ガンダムヘビーアームズ
- ガンダムマックスター
- ガンダムMk-Ⅲ
- ガンダムMk-Ⅱ
- リ・ガズィ
- ガンダム・ルブリス
- ガンダム・ルブリス・ウル
- ガンダム・ルブリス・ジウ
- ガンダム・ルブリス・ソーン
- ガンダムローズ
- ガンドノード
- ガンヴォルヴァ
- ガーベラ・テトラ
- キケロガ
- キュイ(ガンダム)
- キュベレイ
- ギャプラン
- ギャン
- ギャンシュトローム
- ギラ・ズール
- ギラ・ドーガ
- クィン・マンサ
- クシャトリヤ
- Ξガンダム
- クラップ
- MS-01
- クロスボーン・ガンダム
- グスタフ・カール
- グフ
- グレイファントム
- グロムリン
- グワジン
- 軽キャノン
- ケンプファー
- ゲドラフ
- ゲルググ
- ゲルググメナース
- ゲルズゲー
- ゲーマルク
- コンティオ
- ゴッドガンダム
- サイコガンダム
- サザビー
- サラミス
- サーペント(新機動戦記ガンダムW)
- ザウォート
- ザク
- ザクIII
- ザクレロ
- ザクI
- ザムドラーグ
- ザメル
- ザンジバル
- ザンネック
- シェンロンガンダム
- シナンジュ
- シナンジュ・スタイン
- シャイニングガンダム
- シャッコー
- シルヴァ・バレト
- ジェガン
- ジェムズガン
- ジ・O
- ジオング
- ジオン水泳部
- GFreD
- GM(機動戦士ガンダム)
- ジャベリン(ガンダムシリーズ)
- ジュピトリス
- ジン(MS)
- G・キャノン
- GQuuuuuuX
- ギャン(GQ)
- ゲルググ(GQ)
- Gディフェンサー
- ストライクガンダム
- 白雪姫(新機動戦記ガンダムW)
- スペース・アーク
- ズゴック(ガンダムSEED)
- ズサ
- セカンドV
- Ζガンダム
- Ζプラス
- ゾロアット
- エンデのジムII
- ダハック
- ダブデ
- ΖΖガンダム
- ダリルバルデ
- ダーマ(MA)
- チベ
- ディランザ
- ザク・デザートタイプ
- デスティニーガンダム
- デストロイガンダム
- デナン・ゲー
- デナン・ゾン
- デビルガンダム
- デビルガンダム四天王
- デプ・ロッグ
- デミトレーナー
- デュエルガンダム
- デルタプラス
- ガンダム試作3号機
- トーラス(新機動戦記ガンダムW)
- トールギス
- ドダイ
- ドップ
- ドム
- ドムトルーパー
- ドラゴンガンダム
- ドラッツェ
- ドロス
- ドーベン・ウルフ
- ナイチンゲール(MS)
- ナラティブガンダム
- νガンダム
- ネェル・アーガマ
- ネオ・ジオング
- ネモ(機動戦士Zガンダム)
- ノイエ・ジール
- ノーベルガンダム
- ハイザック
- Hi-νガンダム
- ハイペリオンガンダム
- ハインドリー
- ハンブラビ
- ハンマ・ハンマ
- バイアラン
- バウ(ガンダムシリーズ)
- バウンド・ドック
- バスターガンダム
- バビ
- ユニコーンガンダム2号機
- バーザム
- バーミンガム
- パゾク
- パプア
- パラス・アテネ
- 百式
- ヒルドルブ
- ビギナ・ギナ
- ビグ・ザム
- ビグロ
- ビルゴ
- ユニコーンガンダム3号機
- フォビドゥンガンダム
- F90
- フライ・マンタ
- フリーダムガンダム
- ブラウ・ブロ
- ブリッツガンダム
- プロドロス
- プロヴィデンスガンダム
- ヘビーガン
- ベギルベウ
- ペズン・ドワッジ
- ペーネロペー
- ホワイトベース
- ボリノーク・サマーン
- ボルトガンダム
- マスターガンダム
- マゼラアタック
- マゼラン
- マッドアングラー
- マラサイ
- マンダラガンダム
- ミカエリス(機動戦士ガンダム 水星の魔女)
- ミストラル(MA)
- ムサイ
- ムサカ
- ムラサメ
- メタス
- メッサー
- メッサーラ
- モビルワーカー01式
- ヤクト・ドーガ
- ユニコーンガンダム
- ユークリッド(MA)
- ユーコン
- ライジングガンダム
- ライジングフリーダムガンダム
- エルメス(機動戦士ガンダム)
- ラー・カイラム
- ラーディッシュ
- 陸戦型ガンダム
- リゼル
- リック・ディアス
- RFシリーズ
- リーオー
- ル・シーニュ
- レイダーガンダム
- レウルーラ
- レパント
- 61式戦車(機動戦士ガンダム)
- ヴァイエイト&メリクリウス
- ヴァッフ
- ヴァル・ヴァロ
- Vガンダム
- V2ガンダム
▶もっと見る
- 1
- 0pt

