ルッカとは、
- Lucca - イタリアのトスカーナ地方にある都市。古くから栄え、その周辺がルッカ共和国、ルッカ公国としてこの都市を中心とした国家となっていた時期もある。現在もその周辺はルッカ県として、トスカーナ州の一地方区分となっている。
- ルッカ - RPG『クロノ・トリガー』およびその続編『クロノ・クロス』に登場するキャラクター。
- ルッカ - 漫画『悪魔狩り』に登場するキャラクター。
- ルッカ - アニメ『機動戦士ガンダムAGE』に登場するキャラクター。
概要
スクウェアが1995年に発売したスーパーファミコン用RPG『クロノ・トリガー』に登場するキャラクター。
同作品は様々な時代を行き来するストーリーだが、主人公「クロノ」が暮らす現代(A.D.1000年)に生きる、大きな眼鏡がトレードマークの女の子。クロノの幼馴染で、発明を得意としている。
容姿は紫のボブカットにヘルメットをかぶった眼鏡っ子。鳥山明デザインつながりで『Dr.スランプ』の「則巻アラレ」や「ドラゴンボール」のブルマを思い浮かべる人も多いはず。「ルッカ」はあくまでデフォルトネームで変更することもできるので、「アラレ」などと名付けてみた人も居るかもしれない。
割と冷静な性格だが、投獄されたクロノを助けるために単身で刑務所に突入して助けに来るなど、熱い心も持っている。自分の発明を自画自賛するときには「オーッホッホッホ!」といった高笑いをすることもある。酒癖が悪いという一面も……。
年齢は、インターネット上ではWikipediaをはじめとして「19歳」としているウェブサイトが多い。その割にその出典を記載していないところがほとんどだが、どうやらゲーム雑誌「Vジャンプ」に掲載された情報が元らしい。ただし、これを「初期設定」として紹介しているウェブサイトもあるため、最終的な設定でも本当に19歳なのかは不明。上記のように飲酒するシーンがあるので、あまり明確にするのはまずいのかもしれない。
家族にはルッカと同じく発明家兼鍛冶屋の父親のタバン、足が不自由な母親ララがいる。ララの名前のつづりは「LALA」。決して「RARA」ではない。
クロノとは幼馴染であるが、『クロノ・トリガー』はクロノとヒロイン的なキャラクター「マール」とのボーイ・ミーツ・ガールのストーリーが主になっているフシがあり(メインエンディングでクロノとマールが抱き合って空を飛ぶ、クロノとマールの結婚を示唆する描写がある、など)、そのためかクロノとルッカの間での恋愛的な心情描写はほとんどない。
しかし、作中のとあるイベントをとある条件下でクリアした場合にのみ、「実はクロノに思いを寄せているがそれを表に出していないだけ」ともとれる台詞をこぼす。詳しくは下記「『クロノ・トリガー』のストーリー上でのルッカ」を参照。
『クロノ・トリガー』の続編『クロノ・クロス』でも登場し、クロノ・トリガーでの冒険の後にルッカが何をしていたのかも描かれ、「ルッカ・アシュティア」という苗字も設定された。しかしそこで描かれた物語は明るいものではなかった(後述)。
『クロノ・トリガー』のストーリー上でのルッカ
クロノやルッカが暮らす国「ガルディア王国」の千年祭の催し物として、二足歩行ロボット「ゴンザレス」や、一対になっている2つのポッドの片方からもう片方へテレポートできる機械「テレポッド」を出品している。
この「ゴンザレス」は本人(?)だけで簡単な会話や戦闘をこなす自律ロボットであり、戦いを挑んで倒すと、千年祭内のアトラクションで使えるポイント「シルバーポイント」を15ポイントもらえる。ゴンザレスは続編『クロノ・クロス』にも登場するが……。
もう一つの出品である「テレポッド」はルッカとタバンが観客らの前で実演しており、実際にクロノをテレポートさせてその場を沸かせた。だがその次にマールをテレポートさせる実演中、マールのペンダントがテレポッドと共鳴して現代と中世をつなぐ「ゲート」が出現。マールがそれに飲まれて行方不明になってしまった。これが、『クロノ・トリガー』の時をかける物語の始まりとなる。
クロノがマールを追いかけて中世(A.D.600年)に行くと、ルッカもゲートを安定させる新発明「ゲートホルダー」を完成させたうえで二人を追いかける。そこで出会ったカエルの顔をした剣士「カエル」には、生来のカエル嫌いもあって当初は恐怖感を示す。
現代に戻ってクロノが王女誘拐の罪で刑務所に入れられると、その救出に動く。クロノが自力で脱走してしまうと刑務所の出口で合流するが、牢屋の中で時間を経過させるとルッカが牢屋にまで助けに来てくれる。
脱走後に王国兵に追い詰められてやむなく飛び込んだゲートで辿り着いた先の未来(A.D.2300年)では、故障して動かなくなっているロボットを発見。そしてルッカは遥か未来の技術で作られているこのロボットの修理を難なくこなすという離れ業を見せる。(まあ、二足歩行自律戦闘ロボとかテレポートマシンとかを作っている時点で既に間違いなくすごいのだが)
その際、マールの「修理したら他のロボット達のようにこちらを襲って来るのでは?」という危惧に対して、ルッカは「そうしないように直すの」「ロボットは自分たちの意思で襲ってきているのではない。人間がロボットたちの心をそのように作っただけ」と返答した。これに対してマールは「ルッカにはロボットの気持ちがわかるんだね」と評した。
その後、この修理されたロボットは「ロボ」と名付けられ、仲間としてクロノ達に同行。ルッカとロボとは深いきずなで繋がれる。
未来の世界からゲートで移動した先では、「時の最果て」というどこの時代にも属さない特殊な空間に迷い込む。そこにいた「戦いの神」を名乗る存在「スペッキオ」はクロノや仲間たちに魔法の力を目覚めさせるが、ルッカは「火」の属性に目覚め、火炎を操る魔法を使えるようになった。
その後、クロノは戦いの中で敵の放った光に包まれ、消し飛ばされてしまう。そんな彼の運命を変えるためにルッカを含む彼の仲間たちは時間を移動して手段を探し、彼を復活させる。このクロノ復活イベントの際に「ルッカがパーティーにいて」「マールがパーティにいない」という条件を満たしていた場合、クロノに対するルッカの本当の想いの一端を吐露してくれる(この記事の「関連動画」の「プレイヤーを悶絶させた名シーン」にある動画をご覧になるか、実際プレイしてお確かめください)。
クロノ・トリガーには「マルチイベント」が複数ある。これはクリアしなくてもエンディングに到達できる、クリアするかどうかの判断はプレイヤーに委ねられているイベントである(実は上記のクロノ復活イベントもマルチイベントであり、復活させなくてもクリアできる)。これらのマルチイベントにも、ルッカが目立つイベントがいくつかある。
「太陽石」に関わるイベントでランダムダメージを与える銃「ミラクルショット」を開発する。「緑の夢」イベントではロボからアクセサリー「緑の夢」を贈られるが、それ以上にあら? スカートのすそがはさまっちゃったわがプレイヤーのトラウマとなる。ルッカの過去に関わり、彼女が発明を得意とするようになった理由となる出来事なのだが……。詳細は「あら? スカートのすそがはさまっちゃったわ」の記事を参照。
ゲーム中の性能
キャラ性能の話となるとトンと話題に上がらなくなる彼女だが(笑)、爆弾などの発明品や火属性の魔法を操るかなり攻撃重視のキャラクターである。
特技名 | 消費MP | 必要技P | 効果 |
火炎放射 | 1 | 10 | 直線状の敵に火属性の魔法攻撃 |
催眠音波 | 1 | 60 | 敵全体をスリープ状態にする |
★ファイア | 2 | イベント | 火属性の単体攻撃魔法 |
ナパームボム | 3 | 160 | 円範囲の敵に火属性の魔法攻撃 |
★プロテクト | 6 | 250 | 敵からの物理攻撃のダメージを1/3カット |
★ファイガ | 8 | 400 | 火属性の全体攻撃魔法 |
メガトンボム | 15 | 600 | 円範囲の敵に火属性の魔法攻撃 |
★フレア | 20 | 1000 | 火属性の強力な全体攻撃魔法 |
武器は銃(ガン)を使用し、その場から銃弾を発射して攻撃する。また近距離且つクリティカルでない場合はハンマーで敵をブン殴る動作をするがダメージは同じ。攻撃をはずすと「うっそーん!」みたいなポーズをとる。クリティカル率はそこそこあるものの、とにかく攻撃力が低く、その癖に銃の店売りの値段がやたら高い為、銃そのものを買い与えられなったりして「たたかう」(通常攻撃)には全く期待出来ない。ダメージにムラが出来るが、高ダメージの期待値が高い最終武器”ミラクルショット”を手に入れてようやく「たたかう」を使うに堪えるようになる。
防御面では体力が低く、物理攻撃に対する耐性はそれほどではないものの、火属性攻撃に対する耐性を持った防具を父親から贈られるため、生まれつき火属性に耐性を持っていることもあり、火属性を多用する相手には有利になる。魔法防御もトップクラスの数値。
技は大半が火属性の魔法攻撃というかなり尖ったラインナップ。一応自身の体力の低さを補うために、相手を眠らせたり、物理ダメを軽減する手段も持っているが、基本的には攻撃重視。その攻撃力は1人であっても全キャラ中トップクラスであり、連携を活用することでその火力はさらに伸びるという恐ろしいキャラである。
その攻撃力の高さゆえか欠点も多い。まず上記にある通り「たたかう」が弱いことが一つ。それに加えて技は火属性の魔法攻撃ばかりのため、火属性や魔法攻撃に耐性のある敵には手も足も出ないことがある。連携を使えば冥属性も使用可能だが冥属性が有利に働く場面は少ない。また素早さは鋼鉄のロボットと同じくらい鈍足であり、序盤に手に入るスピードベルトが手放せない。また回復技を一切持たないので、パーティ構成には注意が必要(特に終盤まで固定メンバーのクロノも回復手段を持たないので注意)
ただ、魔法攻撃に強い相手にはミラクルショットや連携を使用することでフォロー可能だし、火属性を無効化する相手は意外と少ない。火属性はほぼルッカの専売特権のため、火属性が有利になる相手が多い中盤戦では非常に頼りになる。終盤は回復なぞ度外視してメガトンボム、ラインボム、ダブルボム、火炎竜巻、炎3段蹴り、ファイガタックル、反作用ボム2、3、ダークエターナル、フレア、オメガフレア、カエルフレア等、超火力の技、連携でゴリゴリ押していくのがベスト。どうしても回復したけりゃラストエリクサーを使えばいいじゃない!オーッホッホッホ!
『クロノ・クロス』において
1999年にプレイステーション用ソフトとして発売された『クロノ・クロス』は『クロノ・トリガー』の続編である。
本作メインキャラクターの「キッド」は「ルッカに育てられた」という設定であり、前作キャラクターの中ではルッカはかなりストーリーに絡む立場となっている。しかし、幸福な運命を辿ったとは言えない。
彼女は前作での冒険(A.D.1000年の出来事)の後に自宅で孤児院を開いており、A.D.1005年にガルディア王国が滅亡してクロノやマールが居なくなってしまっても、キッドら孤児たちを守りつつ暮らしていた。
一方、前作でラヴォスが倒されたことで滅亡が回避され繁栄を続けた未来世界では、「凍てついた炎」という恐るべき力を秘めた謎の石を利用して「時間」を制御することを目指す研究センター「クロノポリス」が設立されていた。
だがA.D.2400年、実験中に「凍てついた炎」が暴走して次元を引き裂く「タイム・クラッシュ」という大事故が起こり、「凍てついた炎」を内包したままにクロノポリスは遥かな過去であるB.C.10000年に飛ばされた。
この事態に対して「クロノポリス」のメーンコンピューター「フェイト」は、タイムパラドックスが起こらぬよう自らの知る歴史へと誘導していくことを決める。そしてクロノ・ポリスを外界から隔離して隠蔽しつつ、世界の人々に暗示をかけて行動をコントロールすることで歴史を密かに操っていった。
「凍てついた炎」の力を利用して人々の運命を思うままに操作していく「フェイト」は、長い年月を経るにつれて徐々に狂気を帯び始める。
しかしA.D.1006年に起きたある出来事をきっかけに、フェイトの中に古くから存在していた秘匿回路が発動し、フェイトに反乱を起こした。「クロノポリス」の前身となる時間研究室を設立した初代責任者「ガッシュ」が、「11世紀の科学者ルッカ・アシュティア博士」の思想を元にした回路「プロメテウス」を密かにフェイトの前身「マザーブレイン」に組み込んでいたのだ。
これ以後、フェイトはプロメテウスに阻まれ「凍てついた炎」にアクセスできなくなってしまう。
そしてA.D.1010年、ルッカを利用してプロメテウスを排除しようとしたフェイトの意を受けた者たちが、彼女が居る孤児院を襲撃。孤児院は燃え落ち、ルッカは拉致された(この時、ゴンザレスも破壊されている)。
……A.D.1020年、クロノ・クロスの物語での「現代」には、ルッカは存在しない。
『ゼノギアス』において
1997年のスクウェアのゲームソフト『ゼノギアス』にもルッカが少しだけゲスト出演している。『クロノ・トリガー』と一部の制作スタッフが共通していることによる、お遊び要素だと思われる。
ゼノギアスの最初の村「ラハン村」には「なんでも相談屋」という家屋があり、その中ではいろんな人がゲームシステムに関する様々な内容を説明してくれる(ファイナルファンタジーシリーズにおける「初心者の館」に相当)。
そして、セーブに関する説明をしてくれるのがルッカである。話しかけると、メッセージウィンドウの流れが読みづらいほど早口で、一気にまくしたてるようにセーブについて説明してくる(よく読めば、最後には「シルバード2号の設計にかかりたいのになぜ自分がこんな説明をしなくちゃならないの」という不満までこぼしている)。
だが、その後にはちゃんと通常のスピードで説明してくれる。その説明を自画自賛して、上記の「オーッホッホッホ!」といった高笑いも見せてくれる……しかし説明の後、「28G」のお金を彼女に強制徴収されてしまう。
ちなみに「説明を聞いたが、28G未満の金額しか持っていなかったとき」用の台詞もしっかり用意されている。その場合は彼女に借金することになる。
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