ルック車とは、自転車のジャンルの一つで、見た目がマウンテンバイク、ロードバイク、クロスバイクに酷似していて、価格が安い代わりにママチャリ程度の走行性能しかもたない自転車のことである。
まかり間違っても、フランスの高級自転車メーカーの「ルック」の自転車のことをルック車と呼んではいけない。ルックオーナーから袋叩きにされます。
概要
一見するとマウンテンバイクやロードバイクのような見た目をしており、多段ギアや車種によってはディスクブレーキも備えている等、装備も高級そうにも見える。それでいて、ロードバイクの入門車なら10万円ぐらいはかかるところ、その半額以下で買えるとあって願ったりかなったりと思いきや、価格が安いには安いなりの裏がある訳で、まずフレームなどの素材が軽いが高いアルミニウムやカーボン製ではなく、安いが重い鉄製(クロモリですらない)なのでスポーツバイクよりも重量が重い(ロードバイクなら10kg前後が重さの相場であるが、ルック車では15kg以上)、ギアなどの部品がスポーツバイク用ではなくママチャリ用の部品、更には組み立て工程がいい加減などといったことから、ママチャリ程度の走行性能しか持てない、「安かろう悪かろう」の代表商品となっている。
早い話が「見かけ倒し」を自転車的に表現したようなもので、ルック車として公然と売るメーカーもなく、いくらかは主観による。ただし、ある程度の共通する特徴がある。
- 値段が相場よりも安い。(普通のロードバイクなら10万円前後、高級車になると100万は超える)
- 前述したように重量が重い。(ちなみに20kgを超えるような買うのはやめておいたほうがいい。なぜなら、電動アシスト自転車のスポーツタイプの重量が20kg前後なので)
- 販路がネット通販やホームセンター。専門店では売られていない。
- ブランドが自転車界では無名。プロが使わない。
- 現行車なのに、スポーツバイク用で廃れた規格(ステムがアヘッド式ではなく旧来のスレッド式だったり、リアホイールハブのスプロケットの取り付け方法がカセット式ではなくボスフリー式、"自称"ロードバイクなのにデュアルコントロールレバーを用いず、ブレーキレバーが別体式でシフターがSL-A050等の格安シーソー式シフターを用いている、ランドナーでないにもかかわらず"自称"ロードバイクを名乗りながらシフターがWレバーなど)を用いている。
- 本格的なエアロロードバイクでないにもかかわらずやけに高いリム高(見た目が良いからという理由でスポーツ系ルック車にありがち。名門メーカーのマトモな付属品のホイールですら低グレード車でも前後セットで2kgだが、それを大きく超える)。
- どこかで見たような外見。
自転車なので、外見が似通うのは当然といえば当然なのだが、個性的で奇抜なデザインなのがテンプレートになっているのはあからさまにおかしい。これは高い評価を得た自転車をパクりにならないように真似ているからである。
- ブランド名を他者から借りている。
- マウンテンバイクなのに「悪路は走れません」の注意書き
ルック車の表現が生まれたきっかけというのが、国や団体がMTBを「荒れ地も走れるMTB」と「見た目はMTBだが、荒れ地が走れない自転車」に分けたことによる。MTBのルック車制定をきっかけにロードバイクやクロスバイクに波及した訳で、従って「荒れ地走行禁止」のステッカーが張られたMTBはルック車と見ることができる。
何故、そのような区分が生まれたのかといえば、荒れ地を走れないMTBを荒れ地で走らせてみたら、走行中にぶっ壊れる訳で、急坂を降っている途中にぶっ壊れようものなら、どのような惨事が待っているか言うまでもない。このため、ルックMTBをマウンテンバイクのコースに乗り入れてはいけない。
よく、ホームセンターなどに行くと「ハマー」や「ジープ」といった自動車名の書かれた自転車が売られているが、あれは自動車メーカーが自社で製作しているのではなく、単に名前を自転車メーカーに名義貸ししているだけである。その品質は推して知るべしといったところだろう。(ただし、自動車メーカーを関したブランドが全てダメではないところが難しいところ。たとえば、プジョーは自転車ブランドとしても有名であり、BMWは自社で自転車を製作している。あと、フェラーリとコルゴナのコンビは高い評価を受けているが、100万以上はするといわれている)
ルック車の問題点
自転車に対する向き合い方も人それぞれであり、レースやツーリングならいざしらず、街乗りに使うなら充分だと思える。が、コスト削減のために低質でなおかつ規格が違う部品を使っているため、壊れやすく、直しにいっても適当なパーツが見あたらない事態に陥ってしまう。
それ以上に増して深刻なのは、組み立て精度が雑になる傾向があるということで乗り心地がスポーツバイクに劣るのもここに起因している。それどころか、最悪のケースでは普通に走行しているだけで自重に耐えかねてぶっ壊れるという事態もあるので、ルック車を買わないほうが理由はここにある。その意味ではルック車の折り畳み機構も危険だといえる。
通販サイトにおけるメーカーの素性
ア○ゾンなどの通販サイトで自転車を検索してみれば、多種多様なブランドを見ることになる。どのようなメーカーなのか分かりにくいので、適当に上げてみた。
電動自転車の注意点
通販サイトで電動自転車を検索してみれば、様々な商品がヒットするが、よく調べもしないうちに通販サイトで電動自転車は買わないほうがいい。電力という動力を併用しているので、様々な規制が加えられているからである。
日本の法律では電動自転車にこのような規制が加えられている。
- 自動は不可。あくまで自分の力が漕がなくてはいけない。
- 電気の力が借りられるのは時速24kmまで(ただし、人力で24km以上を出してはいけないという意味ではないという事に留意。例えばロードバイクの平均的な時速は30kmになる)
- 人力につき、アシスト出来るのは2倍まで。
この条件を守った自転車は「駆動補助機付き自転車」とされ、自転車として乗れるが、その約束事から破った自転車、ペダルを漕がなくも自走する、電動アシストで25km以上出せる自転車は「ぺダル付電動自転車」となり「原動機付自転車」としての扱いになる。法的には自転車ではなく、スクーターとしての扱いになり、従って免許を取り、自転車にナンバーやウィンカーなどの装備をして、バイクの法規を守らなければ公道を走ることができない。さもなくば、私有地しか走れないことになる。なお、これらの能力を有した自転車の電力を封印して、人力だけで動かしたとしても法的には「ぺダル付自転車」に変わらない。
つまり、通販で売られている電動自転車にはこれらの問題がある。
モーターとしての性能がだめだめなのはともかく、下二つはダメダメだといってもいい。
バイクとは違って、見た目は普通の自転車と変わらないので、普通に買って乗っても問題はないという見方もあるが、トラブルが起きた時に厄介なことなる。たとえば、故障が起きても自転車屋から修理を拒否され、万が一、人身事故を起こせば大変なことになるのは言うまでもない。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 1
- 0pt