概要
地球の周回軌道に乗っている小惑星を地球連邦軍が軍事基地化し、宇宙要塞にした。
前身はスペースコロニー建造用の資源にするためアステロイドベルトから持ってきた小惑星「ジュノー」であった。宇宙世紀0045年、月軌道に乗ったジュノーはルナツーへと改名された。0060年、連邦軍の軍備増強計画の一環でルナツーの要塞化工事が始まった。こうして連邦軍唯一の宇宙要塞が誕生した。0070年12月、サイド7建造の目的で移動。地球を挟んで月の反対側に位置し、地球から見て月の裏側に存在するサイド3から最も離れた拠点となった。
一年戦争では
一年戦争では、連邦軍唯一の宇宙拠点として機能。宇宙艦隊の本拠地として多数のサラミスやマゼランが集結していた。開戦劈頭の0079年1月5日、ジオン軍のブリティッシュ作戦により奪取されたコロニーを阻止するため、ティアンム艦隊がルナツーより出撃している。しかし公国軍ダニガン中将率いる護衛艦隊との戦闘で、艦隊戦力の70%を喪失する大打撃をこうむった。この大敗により、連邦軍艦隊はルナツーに閉じこもるようになった。一方、レビル大将率いる艦隊がルナツーに入港。さらに各方面から増援が送られ、ルナツーの残存艦艇と合わせて戦力は膨れ上がった。内訳はマゼラン級48隻、サラミス級163隻、小型武装艦艇118隻、補助艦艇84隻である。この膨大な戦力はジオン軍も脅威に感じていたようで、一計を案じる事になる。
ルナツーに逼塞する連邦軍艦隊を誘引するため、ジオン軍は「第二次ブリティッシュ作戦」を敢行するとの偽情報を流し、これを信じた連邦軍はルナツーからの出撃を決意した。1月14日、レビル大将率いる艦隊が出撃。サイド5・ルウム宙域に先着し待ち伏せを行う。翌15日、ルウム戦役が生起。この一大会戦で連邦軍宇宙艦隊の50%が壊滅(マゼラン級36隻とサラミス級139隻が沈没、その他はほぼ全滅)。一気に制宙権を喪失するという壊滅的被害を受けた。戦力が手薄になったルナツーはジオン軍を恐れ、事なかれ主義が蔓延。要塞に引きこもり続けた。対するジオン軍も、ルナツーの戦略的価値は低いとして放置。攻略作戦が実施される事は無かった。ちなみにV作戦の本拠地にサイド7が選ばれたのは、近隣にルナツーが存在しているからだったと言われている。
3月1日より、ジオン軍の大規模な地球降下作戦が始まる。損害から立ち直っていないルナツーは、サラミス級3隻を妨害に送り込むのが精一杯だった。やっとの思いで派遣したサラミス級3隻は、ジオン軍の護衛艦隊に迎撃され、1隻を喪失。降下作戦に影響を及ぼすことは全く無かった。同時期、崩壊した宇宙軍を建て直すため、連邦軍はルナツーの再建に注力し始める。
長らく忘れ去られた基地だったが、9月16日にシーマ・ガラハウ中佐率いる海兵隊の襲撃を受ける。しかし作戦を指揮するアサクラ大佐がギレン派であり、キシリア配下の海兵隊を嫌っていたため指揮を放棄。制圧するには至らず、海兵隊は撤退している。9月20日、シャア率いるジオン軍に追われたホワイトベースが逃げ込む形で寄港。基地司令のワッケイン少佐は、無用な攻撃を招くホワイトベースを厄介者扱いした。またシャアの破壊工作によってマゼラン1隻を喪失する被害を受けたが、陥落には至らなかった。戦闘後の22日、ジャブローを目指してホワイトベースが出港。ワッケイン少佐は静かに見送り、護衛としてリード中尉のサラミス級「マダガスカル」を付けた。
相変わらず事なかれ主義により、ルナツーは過小評価され続けた。オデッサからの資源を満載したパプア級輸送艦が、最短ルートを通るべく護衛無しでルナツーの近辺を通っていたようである。要するに舐められていた訳だが、ルナツー側もボール3機編成のオハイオ小隊を派遣。襲撃する作戦は行っていた。艦艇によるパトロールも実施し、グラナダ基地に威力偵察を行った。しかし9月下旬に黒い三連星と遭遇。マゼラン級1隻が撃沈され、サラミス級2隻も大破させられる痛手を負った。10月6日、ルナツー所属のコバイユ小隊が、アイナ・サハリンの駆る高機動型ザクと会敵。隊長を含む2機のジムが撃墜され、サンダース機のみ生還したが損傷でスクラップ同然になってしまった。10月15日、ジャブローで一次生産されたジム6機を搭載し、輸送船団がルナツーに向けて出港。ところが道中でジョニー・ライデン少佐率いるMS隊に襲撃されている。
11月9日、連邦軍のオデッサ作戦が成功。敗北したジオン軍の一部が、HLVで地球軌道上に敗走してきた。これを好機と捉えたルナツーから、敗残兵狩り部隊が出撃。この時には既にモビルスーツが配備されていたらしく、サラミスとボール以外にもジムが参戦している。敗残兵狩り部隊はHLVを次々に破壊し戦果を重ねていったが、救援に来た第603技術試験隊のヅダによってボールは壊滅。投入したジム6機も全滅と、これまた手痛い損害を受けている。加えてジオン軍の本隊が先に到着してしまったため、敗残兵狩りも半ばで諦めなければならなかった。
戦争末期、大勢が連邦軍に傾くと大反攻作戦の拠点としてルナツーが重要視される。ジャブローで建造されたサラミスやマゼラン、各部隊の集結地になった他、ルナツー工廠でもジムやボールの大量生産が行われた。12月2日21時にはティアンム中将率いる第二連合艦隊がルナツーを目指して出発している。戦備を整え、再建された宇宙艦隊は12月22日にルナツーを出撃。ジオン軍を追い詰める一助となった。無事ルナツーは陥落する事なく終戦を迎えた。
『逆襲のシャア』でのルナツー
第二次ネオ・ジオン抗争時、連邦との和平交渉によってシャア率いるネオ・ジオン軍の武装解除が行われる場所にルナツーが選ばれる。しかし、それはシャアの策略であり、ネオ・ジオン軍は油断していたルナツーを奇襲、これを占領した。
ネオ・ジオン軍はルナツー内に保管されていた核兵器を手に入れ、それを使ってアクシズ落とし作戦を発動させる。
『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』でのルナツー
宇宙戦国時代においては連邦軍の力は大幅に弱体化しており、ルナツーの維持もできなくなっている。
すでに資源は取りつくされたと思われていたが、その後に新たな鉱脈が発見され、微々たるものではあるが資源の採掘が行われ、サイド7から居住コロニー1基が持ってこられている。
作中では狂人でありながら圧倒的なカリスマを併せ持つ「首切り王」と、彼に従う武装勢力に占領されており、作品のターニングポイントとなる出来事の舞台となった。
関連項目
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