ルパン三世 血の刻印~永遠のMermaid~とは、2011年12月3日に放送されたTVスペシャル第22作である。
概要
ルパン三世のTVアニメ化40周年記念作品の側面を持つ本作はルパン三世のアニメとして以下の変更点がある。
- アニメ制作会社がトムス・エンタテイメントからテレコム・アニメ―ションフィルムに変更
- キャラクターデザインが後期テレビスペシャルの平山智から佐藤好春に変更
- 4:3のスタンダートから16:9のワイド、ハイビジョン制作変更
- 販売パッケージにBlu-ray Discの追加
今後新しく作品を迎えるための変更点が大きくあるが本作が一番大きかったのは下記の項目である。
主要声優陣の交代
この作品で銭形警部、峰不二子、石川五ェ門3名のキャスティング変更が行われた。
これは95年のルパン三世の栗田貫一以来16年ぶりの交代劇であり、当時は前任の高齢化が進んでいたので交代に賛成だという意見とオリジナルの声優を尊重して最後まで通すべきだと賛否両論が分かれたが、マスコミ向けの公開収録がニュースで報道されると前任とあまり違和感がないと賛寄りの意見が多くなった。
新任は銭形警部に山寺宏一、峰不二子に沢城みゆき、石川五エ門に浪川大輔である。この変更で、年齢的に一番年下だった栗田が一気に年長の部類になり、最年少が27歳(当時)の沢城で最年長が次元大介の小林清志で79歳(当時)とこの年齢差は話題になったとかならなかったとか。
この声優の交代劇は今後ルパン三世が更に40年続けられるようにという事で心機一転再出発の意味を込められて行っており、前作のTVスペシャルから1年以上かけてオーディションが行われた。唯一小林のみ変更にならなかったのは変更された3人よりナレーション等で声の仕事が多く声質が維持できていたのと、本人が続けたいという強い意志があったためであり、結果としてルパン三世の声優では納谷悟朗を抜いて最長キャストとなった。
また音響監督も長年ルパン三世に携わっていた加藤敏から清水洋史に変更となっている。
作品の評価
作品としては「炎の記憶」以来の現在の日本を舞台となっている。評価点としては佐藤好春がジブリ出身のアニメーターであることからアクションシーンや人物の動きに関しては格段に良くなっており、それを見るだけでもアニメーション的に素晴らしい画面作りとなっている。
賛否両論点は後半になってくると石田彰が演じる敵キャラ氷室のキャラクターが濃く完全に悪い意味でルパン一味の存在感を喰ってしまっている。また副題も血の刻印とあってかゲストヒロインの美沙を筆頭に流血シーンが多い。
シナリオ面も前半は王道な感じで進むのだが、上記通り後半で氷室の悪目立ち振りとルパンとは何か?ルパン一世の置き土産、人魚伝説の謎と言った様々な伏線、謎解き要素をこれでもかと盛り込んでおり一見で把握しきれない情報量が流れてきて視聴する際のエネルギーがすごいという事である。
しかしそれでも当時00年代後半の低質なシナリオを連発していたTVスペシャルと比べると久しぶりに面白いルパン三世だったという声もあり、新しいルパン三世の再出発第一作目としてはまずまずの出だしと言ってもいいくらいには良い作品であったのではないだろうか。
あらすじ
裏社会の顔役・藤堂は、不二子と結託してルパンにとあるオークションに出品される宝石「人魚の鱗」を盗むように脅迫する。複数の事情の元、「人魚の鱗」が売り出されるオークション会場から見事に盗み出したルパンだったが、藤堂は秘書の美沙と共に、参加者の一人で宝石の出品者氷室の策により、彼の用心棒である殺し屋・影浦に殺されてしまった。
盗み出した「人魚の鱗」が偽物だと知ったルパンは、姿を現した不二子から氷室の狙いが八百比丘尼の財宝であることを聞かされ、人魚の鱗と共に財宝の封印を解く第2の鍵「龍鱗石」を盗み出す。
今回の事件より以前にも「人魚の鱗」と「龍鱗石」が盗まれており、当時の持ち主からの記録を調べた結果、盗み出した者が、あの世界中を騒がせた伝説の大泥棒ルパン一世であった。ルパンは次元に秘密を語る。かつて祖父は手にしながら持ち帰らなかったただ一つのお宝があると。その名は「八百比丘尼の財宝」。
ルパンとは一体何なのかと、自問するルパン。はたして、伝説の大盗賊が盗もうとしなかった財宝の正体とは…?
声の出演
スタッフ
原作 : モンキー・パンチ
監督 : 滝口禎一
脚本 : 土屋理敬
絵コンテ : 滝口禎一、友永和秀、横堀久雄
演出 : 富沢信雄
キャラクターデザイン・総作画監督 : 佐藤好春
音楽 : 大野雄二
音響監督 : 清水洋史
アニメーション制作 : テレコム・アニメーションフィルム
製作・著作 : トムス・エンタテインメント
関連動画
関連項目
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