ルパン三世 (キャラクター)とは、モンキー・パンチの漫画作品およびそれを原作とするアニメ『ルパン三世』シリーズに登場する主人公である。
アニメ版のキャスト:山田康雄(1stシリーズ~1994年TVSP)→栗田貫一(1995年劇場版~)
実写版のキャスト:目黒祐樹(1974年版),小栗旬(2014年版)
概要
身長:179cm 体重:63kg(これらは現在の公式サイトでの設定)。国籍、年齢、出身地、共に不明。出自はフランス人と日本人の混血である。
怪盗アルセーヌ・ルパンの孫。長いもみあげに猿面、ネクタイとロングジャケットが特徴である。(ジャケットの色は緑・赤・ピンクとTVシリーズや映画によって異なる)。特技は変装、変声、そして脱緊縛を道具なしでこなす。性格は女たらしの三枚目で、どこか憎めない存在だが、抜け目のない狡猾さもある(性格については後述する)。Part6によると実の母親の顔を見た事は無いようだ(代わりにアルセーヌが教育係として派遣したトモエが彼の母親代わりとなる)。また、Part2で描かれたルパンの駆け出しの頃は髪型をリーゼントにしていた模様(50、51、54話参照)。
狙った獲物を必ず奪う神出鬼没の大泥棒。次元大介、石川五ェ門、峰不二子を仲間に、由緒ある宝を標的に、厳重な警備を掻い潜ってそれらを盗み出す。
銭形警部とは永遠の好敵手であり、東西京北大学の先輩と後輩でもある(原作のみの設定)。ルパンにとって唯一苦手とする人物であるが、失敗しても執念深く追い続ける行動力には感服しており、逆に銭形が窮地に陥った時は手助けをすることもある。
愛用する拳銃はワルサーP38で、射撃の腕前は次元に引けを取らない。
愛車はベンツSSK、フィアット500、アルファロメオ・グランスポルト・クアトロルオーテ等様々な自動車を乗りこなしている。
性格
世間一般に知られているのは、三枚目で愛嬌があり、時に義賊のように弱い立場の物の金品は盗らず、不要な殺人を犯さない性格である。
しかし原作では一転してハードボイルドに描かれていて、暴力や殺人をもいとわない、性行為も容赦なく行う性格になっている。実際、TVアニメの第1シリーズ前半や2014年制作の実写映画では原作の性格を採用しているが、前者では視聴率の低迷、後者では前述の性格付けがあまりにも根付いたこともあって、いずれも不評を買っている。Part6ではキービジュアルでその片鱗が垣間見られ、改めて原作に基づいたルパンのキャラクターが掘り下げられる模様。
愛嬌のある三枚目になったのはアニメでのテコ入れの結果であり、宮崎駿らAプロダクション(シンエイ動画のルーツ)のアニメーターによる派手なアクションも伴って大きな転換点を迎えた。
とはいえ、アニメの人気のきっかけになったのは、ハードボイルドなルパンという大人へのあこがれを抱いた当時の子供達からであったのは皮肉なことである。
また、長いもみあげに猿面というおなじみの顔だが、実はこの顔や普段の声色、更には身長や体重ですら巧妙に作られた変装であり、真の素顔は誰にも判らないとのこと(しかも、この事実を見破っているのは銭形だけである)。不二子ですらその素顔を見たのはアニメPart5最終話であった。
信じられないという方は、初期の原作を読むことをおすすめする。
髪型
「ルパン三世は元々長髪だったが描くのに手間がかかるため短髪になった」という逸話がある。
作者のモンキー・パンチは当時人気だったビートルズにあやかって長髪姿のルパンを描き始めたが、長髪では髪の毛の細かい描写をしなければならない故に時間がかかり、初連載の締め切りが迫っていることに気づいて慌てたパンチは急遽短髪に変更、長髪で描いた部分は修正液で消して直したという。パンチ曰く「長髪を描くのに1コマで5分かかるのに対し、短髪では30秒しかかからないため、1話分約20ページトータルで行くと1時間ぐらいは短縮できる」とコメントしている。
因みに、パンチは他のキャラクターを描く際に次元は長髪姿のルパンに髭と帽子を加える、銭形警部はルパンの顎を変形させるなど、造形的に手間を省く工夫がされている。
配役の変遷
パイロットフィルムでは広川太一郎(TVサイズ版)と野沢那智(シネマスコープサイズ版)が担当しており、TVシリーズでも当初この二人のどちらかが起用される予定であったが、いずれも多忙のため出演が難しく、おおすみ正秋(TV第1シリーズの演出)が様々な舞台を回った結果、山田康雄が抜擢された。
おおすみは1stシリーズのルパンを“しらけ世代の人物で、祖父の数多くの財産を継いでも大邸宅に住んでも金や物にアクセクせず、退屈しのぎに物を盗み、敵対する相手に対して場合によっては手にかけることもためらわない”とイメージしており、舞台上での山田が時折見せるニヒルな演技を見て「ルパンがここにいる!」と自分がイメージしてるルパン像に似合ってたと語っている。また、役作りのためにルパンの原作漫画を読んでいた山田もおおすみに「ルパンやる?」と打診されたところ「やる!」と2つ返事で快諾したという。
1987年末に一部劇場で公開され、1988年にOVAとして発売された「風魔一族の陰謀」では古川登志夫が担当してたが、キャスト変更を知らされなかった山田の怒りとファンからの大規模な抗議投稿もあって1989年から毎年恒例テレビスペシャルでは山田に戻された。
(なお、古川は批判されることを懸念して当初断るつもりであったが、マネージャーの後押しによって渋りながら引き受け、案の定OVA発売後に批判の手紙が寄せられたという。)
しかしファンからハマリ役として親しまれてきた山田が1995年3月19日に亡くなり、それ以降は山田と親交があり、ルパンのものまねをレパートリーにしていたものまねタレントの栗田貫一が映画「くたばれ!ノストラダムス」で代役を経て、同年8月に放送されたテレビスペシャル「ハリマオの財宝を追え!!」から正式なルパン役として就任し、現在に至る。
余談だが、古川はルパンを演じる以前にpart3の50話でゲスト出演しており、野沢も劇場版、TVスペシャル、OVA作品でいずれも敵役として山田ルパンと栗田ルパンと対決したこともある。
関連動画
関連項目
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