ルヴァンスレーヴ(Le Vent Se Leve)とは、2015年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
美浦・萩原清厩舎所属、白老町・社台コーポレーション白老ファーム生産
馬主はGⅠレーシング(白老、追分ファーム中心のクラブ、ペルシアンナイトとか)
主な勝ち鞍
2017年全日本2歳優駿(JpnⅠ)
2018年ジャパンダートダービー(JpnⅠ)、南部杯(JpnⅠ)、チャンピオンズカップ(GⅠ)
2017年ユニコーンS(GⅢ)
生い立ち
父シンボリクリスエス、母マエストラーレ、母父ネオユニヴァースという血統。
父親のシンボリクリスエスは非サンデー系の中核として活躍していたが、本馬が産まれた当時には人気が落ちつつありむしろ母父としての活躍が目立ち始めていた。母親のマエストラーレは現役時代にダートで4勝を挙げ準オープンまで昇格している。
牝系は社台グループ伝統の名牝系ファンシミン系であり、4代母に重賞5勝を挙げ繁殖牝馬としても活躍したダイナフェアリーがいる。ニコニコ的にはリアルダビスタ企画で繁殖牝馬に選ばれたシュシュブリーズが同一牝系出身で、祖母オータムブリーズが共通しているいとこ同士である。
オルフェーヴルやジャスタウェイが産まれた白老ファームにて誕生。マエストラーレの第二仔でダートっぽい血統からか1口60万、総額2400万とクラブでの募集額は控えめになった。
「風立ちぬ」
2歳
8月の新潟開催でデビューし、ダート1800mが選択。ミルコ・デムーロ鞍上で1番人気で出走。スタートでいきなり出遅れたものの向正面で一気に押し上げて3コーナー先頭に立つと、直線で後続を引き離し2着ビッグスモーキーに対し7馬身差をつけて圧勝する鮮烈なデビューを飾る。
次戦に選択されたプラタナス賞でも道中中段待機から徐々に押し上げて4コーナー先団、デムーロがちょんちょんと追い出すと先に抜け出していたソリストサンダーを楽々交わし、1分36秒2の2歳レコードタイムで快勝。
こうなるともう全日本2歳優駿の主役に抜擢されるのは当然で、前走重賞勝ちのドンフォルティスやハヤブサマカオーを抑えて単勝1.8倍の一番人気に推される。スタート直後に進路が阻まれる不利を受け後方から進める。しかしデムーロとルヴァンスレーヴは慌てず騒がず。外から徐々にポジションを上げて直線半ばで先頭に立つと後続を引き離し、追い込むドンフォルティスを1馬身押さえ込み3連勝でGⅠ競走制覇を飾る。
3歳
これまでに見せたパフォーマンスから海外挑戦も取り沙汰されたが、4月の伏竜Sから始動。
同日にデムーロがスワーヴリチャードの大阪杯の為に阪神競馬場へ行ったため(勝った)、内田博幸に乗り替わった。しかし直線一気の末脚を繰り出すも逃げ粘るドンフォルティスを捉えきれず2着と初黒星を喫する。
ジャパンダートダービーを見据えてユニコーンSへ出走。鞍上はデムーロに戻った。若干人気が落ちたが1番人気に推されたこのレースでは中団から好位の外目へスーッと上がると直線では他馬を引き離すばかり。2着に3馬身半突き放し、「やっぱりルヴァンスレーヴ強いわ」と再認識させた。
夏の大一番、ジャパンダートダービーでも1番人気。スタートはあまり良くないが後方で泰然と構え、徐々に位置を挙げて直線入口を大外に持ち出す。7頭横一列の大外から明らかに他馬とは違う脚を繰り出し、2着オメガパフュームに1馬身半差で勝利し3歳ダート王者に堂々戴冠する。
その後夏を休養に充て、秋シーズンはマイルチャンピオンシップ南部杯から始動。
初の古馬との対決となったが、南部杯に至るまでオメガパフュームやグリムなど本馬が圧倒した同級生達が古馬混合重賞を勝利し、「今年の3歳ダート馬は強い」という認識が広まり、GⅠ競走4勝のゴールドドリームと差の無い2番人気に推された。五分のスタートから6番手付近を確保し、その後ろにゴールドドリームがピッタリとマークする展開。直線では残り200mで力強く抜け出すとゴールドドリームの急追を1馬身半差に押さえ込むという堂々たる競馬。南部杯初となる3歳馬による優勝を成し遂げた。
ダート界頂点の座を見据えチャンピオンズカップへ出走。戦前は本馬とゴールドドリーム、JBCクラシックを制したケイティブレイブの三つ巴という見方が大勢を占めたが、ゴールドドリームが出走投票前に右前肢跛行の為回避を決定。結局は本馬が1.9倍の圧倒的一番人気に推された。
珍しく良いスタートから2~3番手を確保、紅一点アンジュデジールが逃げる中それを見つつ追走。手応え良く4コーナーを回ると残り200mでアンジュデジールを交わし後は後続を突き放し続ける。2番手から上がり2位の脚を使われたら後方の馬達にはどうしようもない。
結果、最内強襲してきたウェスタールンドに2馬身半差を付け圧勝、3歳馬による同レース優勝はJCダート時代である2006年のアロンダイト以来となる12年ぶり、また3歳での古馬混合GⅠ2勝はタイキシャトル、シンボリクリスエスに並ぶ快挙である。
年が明けてJRA賞が発表され、276票中274票という圧倒的得票を得て最優秀ダートホースに選ばれた(残りはケイティブレイブとノンコノユメ)。最優秀3歳牡馬は有馬記念を制したブラストワンピースが持って行ったが、それでも第3位の69票が投じられた。
G1レーシング関係者はフェブラリーSからのドバイ挑戦を息巻いていたが、チャンピオンズカップ後間もなくして軽度の繋靱帯炎を発症し、次走予定は白紙となった。
4歳~5歳
当初帝王賞からの復帰を予定していたが左前脚に不安が生じこれを回避。結果4歳シーズンを丸々休養に充てることとなった。同期のオメガパフューム、従兄弟のチュウワウィザードがGⅠ馬になった中、休養は続いた。
復帰戦は前走から1年5ヶ月振りとなる船橋競馬場のかしわ記念。怪物の復帰戦という事でモズアスコットに次ぐ2番人気に推され、レースではスローで逃げるワイドファラオを突っつく形となったが直線で沈み、7頭立ての5着となった。
その後帝王賞へ出走。前走比14kg減で臨み、4番人気に推されたものの直線で伸びが無く10着に敗れた。
その後追分ファームリリーバレー(追分ファーム所有の育成場)にて調整が進められていたものの、8月17日にG1サラブレッドクラブのホームページにて引退が発表された。
種牡馬として
引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。初年度の種付け料は150万円で、国内の種牡馬で最多となる223頭に種付けを行った。翌年も196頭の牝馬を集め、2023年の種付け料は300万円に増額。産駒がデビューすらしていないのに種付け料が倍増した。
血統表
*シンボリクリスエス 1999 黒鹿毛 |
Kris S. 1977 黒鹿毛 |
Roberto | Hail to Reason |
Bramalea | |||
Sharp Queen | Princequillo | ||
Bridgework | |||
Tee Kay 1991 黒鹿毛 |
Gold Meridian | Seattle Slew | |
Queen Louie | |||
Tri Argo | Tri Jet | ||
Hail Proudly | |||
マエストラーレ 2006 鹿毛 FNo.9-f |
ネオユニヴァース 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ポインテッドパス | Kris | ||
Silken Way | |||
オータムブリーズ 1998 鹿毛 |
*ティンバーカントリー | Woodman | |
Fall Aspen | |||
セプテンバーソング | *リアルシャダイ | ||
ダイナフェアリー |
クロス:Roberto 3×5(15.63%)、Hail to Reason 4×5(9.38%)
主な近親
・アイアンテーラー(叔母):クイーン賞
・チュウワウィザード(従兄弟):JBCクラシック、川崎記念
他、ローゼンカバリーやアドマイヤマックス、ラインクラフト、ソングオブウインドなど
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関連項目
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