ルーク・スカイウォーカーとは、ハリウッド映画『スター・ウォーズ』シリーズの登場人物である。EP4~EP6の主人公。EP7,8にも登場する。
演:マーク・ハミル
概要
アナキン・スカイウォーカーとパドメ・アミダラの息子であり、レイア・オーガナの双子の兄にあたる。アナキン同様高いフォースの力を秘めており、短期間の修行で爆発的に力を高め、ジェダイとして成長していった。性格はアナキンと同じく気が短く短慮な部分もあるが、父親よりもやわらかい印象で、仲間思いで温厚である。
活躍
エピソードⅣ 新たなる希望
辺境の砂漠の惑星「タトゥイーン」で水分農業を営むオーウェン・ラーズとベル・ホワイトスン夫妻の義理の甥。機械いじりとスピーダーの操縦が得意であり、宇宙に飛び出して戦闘機パイロットになることを夢見ていたが不本意ながらもタトゥイーンに留まっていた。
ある日、ルークはC-3POとR2-D2の2体のドロイドを購入した。R2にはレイアからのオビ=ワン・ケノービへのメッセージが挿入されていた。その夜、R2はメッセージを届けるため単身ラーズ家を脱走し、翌朝、追いかけたルークと3POがR2を発見するがサンドピープルの襲撃に遭う。この危機を救ったのがオビ=ワンだった。オビ=ワンはルークの父がジェダイだったことを語り、ルークにともに帝国を倒そうと持ちかける。当初は拒否したルークだったが、ラーズ家が帝国軍に殺されたことを切っ掛けに反乱軍に加わることを決意する。
ハン・ソロとチューバッカを雇ってレイアを助けるため惑星「オルデラン」へと向かうルーク達。しかし、オルデランはデス・スターによって木っ端微塵に破壊されており、ミレニアム・ファルコン号もデス・スター内に捕らえられてしまう。ファルコン号の隠し倉庫で敵部隊をやり過ごし、デス・スター内に潜入することになったルークとソロはなんとかレイアを救出。しかし、道中でオビ=ワンがダース・ベイダーに殺される場面を目撃してしまう。それを見たルークはショックを受けるが、霊体となったオビ=ワンの声がルークに走れと告げ、ルークはファルコン号に乗り込み、デス・スターから脱出、反乱同盟軍に加わった。
デス・スター攻防戦「ヤヴィンの戦い」ではXウィングに搭乗、長年の夢を叶える。友軍が次々と撃墜される中、ソロの助けとフォースの導きによってプロトン魚雷を直径わずか2mの排熱口に命中させ、デス・スターを破壊することに成功した。
エピソードⅤ 帝国の逆襲
ルークはフォースの導きによって忘れられた惑星「ホス」を見つけ出し、反乱同盟軍の基地とする。しかし、この基地もベイダーに見つけられてしまい、帝国軍の大軍が差し向けられてしまう。強力なシールドで守られたホスに対して、帝国軍は地上軍を送り込み、ホスの戦いが勃発する。ルークはスノースピーダーで帝国軍のAT-ATウォーカー部隊を翻弄し、味方の脱出の時間稼ぎをした後に自らも脱出、オビ=ワンの師匠であるというジェダイ・マスターヨーダが待つという惑星「ダゴバ」へと向かう。
ジャングルに覆われた惑星ダゴバではXウィングを誤って沼の上に着陸させてしまい、発進できなくなってしまう。ヨーダを探すルークは身長1メートルに満たないエイリアンに出会い、翻弄されてしまうが、彼こそが探し求めていたジェダイ・マスターヨーダだった。説教臭く、過酷な修行を課すヨーダに幾度と無く反発するが、幻覚で見たダークサイドに堕ちた者の末路やXウィングすら持ち上げるフォースの力などヨーダの実力を目の当たりにしたルークは、ヨーダを偉大なるジェダイ・マスターと認め、修行に打ち込むようになる。
ソロとレイア達の危機を感じたルークはヨーダとオビ=ワンの制止を振り切り惑星「ベスピン」へと急行する。ベスピンの「クラウド・シティ」に着いたルークを待ち受けていたのは仲間ではなくベイダーだった。ベイダーとの一騎打ちとなり、ルークは善戦するものの格の違いを見せ付けられ敗北。右手首を切り落とされて、排気シャフトの連絡橋に追い詰められてしまう。そこでベイダーから、自分こそがルークの実の父親だという衝撃の事実を告げられてしまう。
必死にベイダーの言葉を否定するルークだったが、フォースは無情にもそれを事実と告げていた。絶望から絶叫するルークをベイダーはダークサイドに誘惑するが、ルークは死を選び飛び降りてしまう。間一髪のところで仲間達が駆けつけ救出、無事に脱出することに成功する。
エピソードⅥ ジェダイの帰還
クラウドシティでの敗北の後、ルークは1年間独自の修行を続け、心身ともにジェダイとして成長していた。ソロを捕らえていたジャバ・ザ・ハットとその一味をジェダイ流の降伏勧告の後に壊滅させ、ソロを救出したルークはダゴバへと向かう。
ダゴバでヨーダの死を看取った後、オビ=ワンから父アナキンの真実とレイアが自分の妹だということを知らされる。ルークはクラウドシティでの対決に敗れたルークを殺さず、手を差し伸べて自分の下に来いと言ったベイダーの事を思い返し、父にはまだ善の心が残っているのではないかという希望を持ち、運命と戦い父を暗黒面から救う決意をする。
森林衛星「エンドア」の軌道上では、帝国軍の新兵器第2デス・スターが建造中で、皇帝がそれを視察するという情報が反乱軍にもたらされた。皇帝を倒す絶好の機会と見た反乱軍は第2デス・スター攻撃作戦を実行に移し、反乱軍に帰還したルークは父を救う決意を胸に秘め、シールド破壊を目的とした地上部隊へレイア、ソロと共に参加する。
ベイダーがすぐ近くにいると感じ取ったルークはレイア達にシールド破壊任務を任せ、ベイダーの元へ赴き、第2デス・スターに鎮座する皇帝パルパティーン(ダース・シディアス)と対面する。シスの誘惑を拒絶するルークに皇帝はデス・スター破壊・皇帝抹殺作戦「エンドアの戦い」の真実を語る。全ては皇帝が仕掛けた周到な罠であり、反乱軍に勝ち目は無かったのである。苦戦し追い詰められていく仲間達を感じたルークは皇帝の挑発に負け、ついにライトセーバーを手に取り皇帝に襲いかかってしまう。すかさずベイダーも剣を抜き、再び父子の運命の決闘が始まった。
ベイダーを圧倒するルークだったが、希望を捨てず父への説得を繰り返すが、ベイダーは拒絶し戦うよう攻撃を繰り返す。その中でベイダーは自分に娘が居ること、その娘がレイアだということをフォースで感じ取る。ベイダーのレイアを人質に取った挑発にブチ切れたルークは怒りにまかせた、ベイダー以上の凄まじい攻撃を見せ、ついにベイダーの右手首を切り落とし戦いに勝利する。ルークが怒りに飲まれたと見た皇帝はルークにベイダーを殺すように言う。かつてアナキンにドゥークー伯爵を殺させ、ダークサイドへと近づけさせた手口である。しかし、ルークは切り落とした父の腕が自分と同じ機械の義手であったのを目撃する。その瞬間ルークは父と自分がいかに似た存在であるのか、そして父もまた悲しい運命の犠牲者であった事に気付く。ルークは自らの精神が暗黒面に入りかけている事を認知し、しだいに落ち着きを取り戻していく。
ルークはライトセーバーを投げ捨て、「自分はジェダイだ、かつて父がそうだったように」と宣言。ついにダークサイドを克服した。ルークをダークサイドに取り込めないと知った皇帝はフォース・ライトニングでルークを殺そうとする。自らの息子にジェダイとしての強い意志を見、その息子の父に助けを求める声にベイダーの心は動いた。ライトサイドに帰還したベイダーは皇帝を葬り、シスを滅ぼしフォースのバランスを取り戻した。「クローン戦争」以来続いた銀河の戦乱はこれによって終止符が打たれ、ベイダーはフォースの暗黒面に囚われた「シスの暗黒卿」から、「偉大なるジェダイの騎士」アナキン・スカイウォーカーへと帰還する。
ルークは最期を悟った父アナキンの願いでマスクを取り、最初で最後となる素顔での親子の対面を果たした(霊体を除く)。自らの目で息子の顔を見れたアナキンは満足そうに息を引き取った。ルークは父の亡骸と共にデス・スターを脱出、直後にデス・スターは大爆発し、反乱同盟軍は大勝利を収めた。
エンドアに到着したルークは悲しみに打ちひしがれながらも父の亡骸を火葬した。戦勝会に加わったルークを待っていたのは仲間達の歓迎と霊体となったオビ=ワン・ヨーダ・アナキンの姿だった。ようやく勝利を実感したルークは仲間と共に銀河に平和が訪れたことに喜ぶのだった。
何故ダークサイドに堕ちなかったのか
ルークの衣装の色はシリーズが進むごとに白(EP4)→灰色(EP5)→黒(EP6)と変わっていく。これはルークが徐々にフォースの暗黒面に近づいていることを暗示しており、父アナキンも同様に変わっていっている。また、ルークはEP5で右手が義手になり、EP6で右手に黒い手袋をはめている。これもアナキンと同じである。しかし、結末は正反対であり、シスに堕ちたアナキンとは違い、ルークは最後までダークサイドに屈せず父を救い出すことにも成功した。
奴隷として抑圧されて暮らしてきたアナキンと比べ、普通の農家において善良な養父母に育てられるという西部劇的で不自由ない家庭環境だった。その為、性格は愛する人・力への執着が強い父親と比べると温厚で、心が激情や憎悪といった負の方向へ進む要素が少なかった。
ルークはレイア・オーガナやハン・ソロをはじめとする多くの友人・仲間に恵まれていた。アナキンは閉鎖的なジェダイ騎士団で暮らしてきたため、悩みや心情を吐露出来る仲間があまり居なかった。
アナキンはダークサイドに繋がる悩みを抱いていても頼りになる助言はされず、結果ジェダイへの不信感を募らせることになっていた。ルークの場合は父親の轍を踏ませまいとする師の全力のバックアップ(霊体になってまで)続けられ、ルークを立派なジェダイへと導いてくれた。
これらの違いがルークとアナキンの命運を分けたのかもしれない。
続3部作(ディズニー3部作)でのルーク
2015年12月公開のエピソードⅦ『フォースの覚醒』から始まる続三部作でも登場する。演者はエピソードⅥに引き続きマーク・ハミル。
予告映像ではルークがスカイウォーカーの血を引くと思われる何者か(ルークの子供か、あるいはレイアの子供か)にスカイウォーカー家が受け継いでいるフォースの強さを語っている。
エピソードⅦ フォースの覚醒
『フォースの覚醒』は一人の戦闘機パイロットが行方不明になったルークの捜索をしているところから始まる。
一体何故ルークが姿をくらませたのかは、劇中で他のキャラクターたちによって語られる。
それによると、エンドアの戦いの数年後、反乱軍から生まれた新共和国が銀河帝国相手に勝利をおさめ、ルークはジェダイ騎士団の再建に手を付けた。しかし、ジェダイ騎士団の再建は暗黒面のフォースの使い手スノークに誑かされたルークの弟子のひとり「カイロ・レン」により頓挫する。カイロ・レンによりルークの弟子たちは皆殺しにされ、ルークはただ一人生き残ったが、カイロ・レンやスノークと戦うことなく、姿を消してしまった。
劇中では行方不明のルークを探して、帝国軍の後継組織「ファースト・オーダー」とそれに対抗すべくレイアが結成した私兵組織「レジスタンス」がルークの隠れ場所への地図を巡って争うのが主な流れとなる。
エピソードⅧ 最後のジェダイ
「素晴らしい。すべて間違っている」
ルーク・スカイウォーカー
エピソードⅧの副題『最後のジェダイ』とはすなわちルークの事を指すとされ、今作では彼が隠遁するに至った悲惨なエピソードとルークの最後の戦いが語られることになる。
前作ラストで新主人公レイの前に姿を現し、かつて自分が使っていたライトセーバーを手渡されたルーク。しかし、ルークはそのライトセーバーを放り投げ、レイに全く興味を示そうとしなかった。ルークは既にジェダイと言う存在に対して失望しており、新しいジェダイを育てる気など全くなかったのである。
レイのねばりやR2-D2の投影した過去のレイアの立体映像などをきっかけにルークはレイの指導を始めるものの、その修行内容はどうにもパッとしない。
何故ならルークはかつて自分の弟子として育てていたベン・ソロに対して、その奥にあるダークサイドの存在を感じ取り、それが発露する前に殺してしまおうとしていたのである。一時の気の迷いとはいえその行動はベンの心に大きな傷を残し、結果的にダークサイドにのめり込むきっかけとなってしまった。そしてエピソード7で語られた弟子の皆殺しへとつながるのである。
そのような経験を経たルークにとってジェダイは、自分も含めて、もはや銀河に不要なものとしか思えなくなり、新しいジェダイを育てることなく自分が死ぬことでジェダイの教えを永遠に銀河から消し去ろうとしていたのである。これらの事情を知ったレイが失望し、仲間を助けるためにルークのもとを立ち去ったのを機にルークはジェダイの教えがかかれたテキストを焼き払おうとするが、本当にこれで良いのかと躊躇してしまう。
その時、霊体のヨーダが現れ、惜しげもなくジェダイのテキストを焼き払った。そしてルークへ師としての役割を伝えたことでルークは目が覚めた。
ルークは絶体絶命の危機にあったレイアのもとに駆けつけ、かつての自分のせいでダークサイドに落ちることになったカイロ・レンに対峙する。ヨーダから伝えられた最後の使命を果たすために…。
エピソードⅧのルークの評価について
ベン・ソロを殺そうとしたことについて、賛否両論が飛び交っている。その中でも特に大きいのが、かつて「父の中には正しい心が残っている」と信じてヴェイダーを殺そうとしなかったルークが、気の迷いとはいえダークサイドを内包していた甥を殺そうとしたことは矛盾していないかということである。
それ以外の点でも、最終的にレイアの危機に駆けつける活躍を見せてくれたものの、それ以外のルークの行動のほとんどは旧三部作でのヒーローから大きくかけ離れた姿であり、見るものを驚愕させた。
エピソードⅨ スカイウォーカーの夜明け
前作ラストでフォースと一つになったルークであるが、本作では霊体として登場する。
自らの出自に絶望し、かつてルークが隠遁していた星に隠れようとしたレイを叱咤した。
その際、投げ捨てられたライトセイバーを掴み取り、「ジェダイの武器には敬意を払え」と前作で自分がやった事へのブーメランとなる発言もしているが、そこは前作で更生したと前向きに受け取るべきだろう。
そして、エピソード7で登場したまま放置されていた水底のXウィングを復活させ、レイに最終決戦場となる星への導きを与えた。また、レイにレイアがかつて使っていたライトセイバーを与えている。
レジェンズ(スピンオフ作品)での活躍
エピソードⅦ~Ⅸの公開が決まり、小説に代表されるスピンオフ作品はそのほとんどがレジェンズと呼ばれるパラレルワールド扱いとなった。
しかし、このレジェンズ作品は実に長く展開されており、ルークが登場する作品に限っても全て繋げれば作中時間でエピソードⅥから三十年以上が経過している。ルークが活躍する時代は大まかに「新共和国」「ニュー・ジェダイ・オーダー」「レガシー」の三つに分けることができる。
新共和国時代
エピソード6のエンドアの戦いで銀河皇帝を倒し、銀河の首都惑星コルサントを奪った反乱軍が樹立した新共和国が舞台となる。
ルークは帝国の残党との戦いや銀河の各地で起こる戦争に巻き込まれながらも、フォースに恵まれた若者たちを集め新しいジェダイ騎士団を作り上げている。また、復活した銀河皇帝との対決や、古代のシス卿の亡霊と戦ったりとダークサイドとの戦いも続いている。
レイアとソロはエピソードⅥ後、数年で正式に結婚しているが、ルークには長くそのような話はなった。何度か女性といい雰囲気になることはあったのだが、そのたびに死別したりフォース関連で別れる運命になったりとソロとレイアが三人の子供に恵まれたのと対照的に40近くまで独身を通している。
最終的にルークが結婚相手として選んだのはかつて「皇帝の手」と呼ばれた元皇帝直属の女暗殺者 マラ・ジェイドだった。
ニュー・ジェダイ・オーダー時代
新共和国が残存帝国軍と和平を結び、銀河に平和が戻ったのもつかの間、外宇宙からの侵略者ユージャン・ヴォングによって銀河の半分が征服され、コルサントも陥落し新共和国が崩壊するという激動の時代が舞台。
ルークはフォースを一切感じ取れないユージャン・ヴォングという種族との戦いに巻き込まれていくが、同時にジェダイと戦争の関係について深い悩みも抱えることになる。また、マラとの間に息子のベン・スカイウォーカーも生まれ、父親にもなっている。
ユージャン・ヴォングとの戦争は最終的にルークが敵の最高君主シムラを倒すことによって終結した。
レガシー時代
ユージャン・ヴォングとの戦争が終結し、新共和国と残存帝国軍その他を統合した新政府として銀河自由同盟が結成された時代。しかし、その平和も長くは続かず第二次銀河大戦と呼ばれる大戦争が勃発することになる。
ルークはユージャン・ヴォングとの戦いで変質してしまったジェダイ騎士団を再編し"グランド・マスター”を名乗るようになる。しかし、第二次銀河大戦が勃発すると甥のジェイセン・ソロがダークサイドに転向し、シス卿ダース・カイダスを名乗り、ルークの妻であるマラを殺害するという事件が発生してしまう。ルークはこの新たなシス卿に対抗するためにジェダイ連合を組織する。
第二次銀河大戦後、ジェダイと銀河同盟の関係は悪化。ルークはジェダイの長の座を追われ、息子と共に放浪の旅に出る。その旅の中で失われたシスの部族など新たな発見をし、のちにグランド・マスターへと復帰した。
関連動画
関連項目
- スター・ウォーズ
- スターウォーズの関連項目一覧
- マーク・ハミル
- ライトセーバー
- 主人公/前作主人公
- SF
- スペースオペラ
- ヒーロー
- ブラ=サガリ
- レイア・オーガナ
- ダース・ヴェイダー(アナキン・スカイウォーカー)
- ハン・ソロ
- オビ=ワン・ケノービ
- カイロ・レン
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