ルールー・アムールとはテレビアニメ『HUGっと!プリキュア』の登場人物である。CV:田村ゆかり
元々クレジット上では姓はなく、人物が人物だけに本来なら「ルールー(HUGっと!プリキュア)」という記事名になるのであろうが、丁度いい具合に名字を名乗り始めたのでそれを記事名としたい(前述記事名は本記事へのリダイレクトに)。
概要の分析、完了しました
敵組織であるクライアス社でアルバイトとして働く少女。紫色の髪と服装が特徴で、目はいつも虚ろな状態、表情も淡々というか無機質さを感じさせる。
それもそのはず、実は未来を奪われた人間を管理するためにドクター・トラウムが開発しクライアス社によって製造されたアンドロイド(厳密には女性型なのでガイノイドなのだろうが、とりあえずアンドロイドで進める)であるため、心や感情というものを持ち合わせていない。製造型番が「RUR-9500」なので、恐らく元ネタはカレル・チャペックのSF戯曲「R.U.R.」であろう。
つーても教科書や育児書の高速完全記憶、テニスもこなすどころかボールが破裂するレベルのサービスエースを放ち、男子達から「付き合って下さい」と言われ柱を突く、ハリーを高い高いしたら「他界他界」しそうな勢いで宇宙まで飛ばす、などといった行動で普通疑問に思わないものだろうか。あとアンドロイドゆえ製造日あるいはロールアウト日と言うべきなんだろうが、実は9月23日という誕生日が設定されている。
情報処理能力に長け、与えられた仕事も速やかにこなし、上司であるパップルやチャラリートから仕事を押しつけられても嫌がらずこなす。パシリ同然であるが、それでも着実に仕事をこなすため、上司達からの信頼は厚い。一方であくまで行動規範は会社の為なので、それを守らないのであるなら例え上司であっても逆らうことがある。
出撃する際には専用のUFOに乗って登場。そこからオシマイダーを発注(この時のいわゆる「発注ダンス」はどこかで見た音ゲーっぽい感じ)して戦わせつつ、自らはUFO内にある端末を操作して敵の分析を行う。ただ、アドリブや応用がきかないのか、分析結果にない想定以上の出来事が起こると対応しきれなくなることもある。
そんな彼女もプリキュアたちによるあまりにも想定外の事態が続くことに関心を持ち、ついに野乃家に潜入し(上からの命令かと思ったら有給とってからの独断専行だったようで)、はなの母すみれの記憶を改竄した上で、表向きは外国からの留学生「ルールー・アムール」(アムールという姓はトラウムが開発時よりつけていた)として野乃家にホームステイ、ラヴェニール学園ではなたちと過ごしながら、プリキュア達の調査に乗り出すことになる。
余談だがこの潜入した日の前の晩、はなたちがパジャマパーティーで見ていた映画は『恐怖の訪問者』というホラー映画。ルールーがすみれに近寄るのもこれを意識したホラーチックな演出となっていた。ASDX3部作脚本やまほプリ構成などでお馴染みの村山功氏によるこの絶妙な伏線、本作構成の坪田文氏も絶賛している。
心を得たアンドロイド、決別と友情と、そして
しかし、はなたちと交流することでルールーにも異変が起き始める。野乃家が温かく受け入れてくれたことで徐々に感情が芽生えはじめ、保育士体験中にオシマイダーを襲撃させたが、突如赤ちゃんたちをかばう行動を起こす。さらにキュアえみ〜るもとい愛崎えみるとの偶然の出会い、そして彼女の歌を聴いたことで音楽を知らないルールーにさらなる反応が沸き起こる。ついにはパップルから命令を受けてほまれのプリハートを盗んでも結局は返してしまい、さらに攻撃を察知してエールをかばって身代わりとなる動作を見せる。
こうしたこともあって、エールをかばった事による攻撃を受け機能が停止、クライアス社に回収されてからは修理とともにプリキュアの分析データを残したまま記憶の初期化と書き換えを施された上に戦闘プログラムも組み込まれ、パワードスーツを用いてプリキュア達に攻撃を仕掛ける。しかし、データ分析を必要とした途端、消されたはずの記憶が復活、さらにはアンドロイドゆえ本来持ち合わせないはずの愛や心も得てしまう。直後、これまでのこともあり、得たばかりの心が痛み始め苦悩するが、エールと直接拳を交えた末に彼女が愛情を持って受け止めてくれたことで、改心したルールーはクライアス社と決別し、プリキュア達と共に歩むことになる。
ルールーはすみれの記憶を変えてまではなたちに接触したことに負い目を感じており、すみれの記憶を戻してそのまま去ろうとするが、すみれはそれを知ってもあえて受け入れる。失敗したポトフからうまく復活させたカレーのように「失敗してもやり直せる」と。こうしてルールーは改めて「野乃家の家族の一員」として受け入れられた。
一方で転機を与えたもう一人であるえみるも、ルールーが歌をうまく歌えずシステムエラーを起こした事で彼女がアンドロイドである事を知らされてもなお、最初の出会いから既に大事な親友である事を伝え、「人」でない彼女とともにプリキュアを目指そうと改めて告げる。そしてえみるから最初に聞かされた曲に歌詞をつけた歌を聴き、歌うよう促されることで、いつしか涙を浮かべつつも次第に笑顔になり、「親友」とともにうまく歌えるようになっていった。
※余談だが、このシステムエラー発生時の歌声はまんま未調教のボカロというべき、音程は正確でも抑揚や感情が全くない、機械的なド棒読みでの歌い方である。このような歌い方ができるゆかりんって凄い。もっとも、アニメージュの記事で本人が明かしたところによれば相当苦労したらしく、最初ボカロっぽく歌っても意外と普通に聞こえるため違和感があり、最終的に監督から「音をぶつ切りにして歌ってみて」と助言を受けて歌ってみたことであのような形になったという。
こうした二人が友情を育むことで、えみるは改めてルールーと共にプリキュアを志すようになり、ルールーも「えみると一緒ならばアンドロイドの自分でもなれるのでは」と考えるようになった。そして2人は一緒にプリキュアになることを目指すだが、ここで問題が一つ。ハリーが未来から持ってきたプリハートは4個。既にはなたちが持っているため残るは1個。このままだとプリキュアになれるのは1人だけ。互いに思いやるが上になかなか踏み出せない2人。しかしそんな時にオシマイダーの襲撃。さあやはCMのオーディション、ほまれもスケートの予選会とともに用事で、唯一駆けつけたエールも風邪からの病み上がりで万全とは言えない。それでも奮戦するエールを応援する2人に力が溢れミライクリスタルが現れ、最初はプリハートを譲り合うもやはり一緒に変身したい2人が奇跡を願ったとき、それに答えるかのごとく光り輝く謎の女神が現れ、奇跡が起きる。そしてえみるとルールーは2つに増えたプリハートを手に、共に覚醒する。
ちなみに、クライアス社を離れ、プリキュアになった今でもアンドロイドとしての機能は健在で、プリキュア達の正体を知ってはなたちを公開の場で問い詰めようとしたえみるを取り押さえようと高速で移動する、サーモグラフィーでオシマイダーの体温や買い物に来たおばちゃんの財布の位置を調べるなど内蔵された分析機能を使う、ギター製作時に鋼板だか木板だかを指からのレーザーを使って切り抜く、といった描写が普通に見られる。これには科学部部長のほのか先輩も興味津々。あと一部で心配されていたけど防水処理は施されている模様。それと感情ができて食べることの喜びを知ったためか、食い意地がはるなどアンドロイドなのに腹ぺこ枠と化している。
その一方で前述の修理改修に伴ってか、クライアス社に関する重要機密は消去されており、現在彼女が持ち合わせている情報はハリーと同程度の通り一遍のものしかない。
キュアアムールです
ルールー・アムールが変身するプリキュア。オールスターズ方式で55人目(オールスターズ映画のキュアエコーを含むと56人目)のプリキュアになる。敵少女幹部からの転身はキュアパッション、キュアビート、キュアスカーレットに続いて4人目。そしてシリーズ初のアンドロイドのプリキュアとなった(無生物だったらキュアモフルン(ぬいぐるみ)に次ぐ2人目)。
アムール(Amour)はフランス語で「愛」を意味する。同じ「愛のプリキュア」であるキュアマシェリとは対をなす、紫をメインに赤を取り入れ、フリルがふんだんに用いられた、アイドル風のコスチュームとなっている。髪の長さも伸びただけでなく、紫がかった銀髪へと変化、アップされた後頭部の髪型もハート型になっている。
初期メンバー同様にプリハートを使って個人技を使うほか、マシェリとおそろいの追加戦士恒例専用アイテム「ツインラブギター」を使用、浄化技を放つ際にはネック部分を持ちボディ部を矢のように向けることで「アムールアロー」として用いる。
決め技
- ハート・ダンス
- プリハートを用いた個人技。プリハートのハートパネルを押し、「行きます! フレフレ!ハート・ダンス!」と唱えながら紫色のハートの弾を放つ。マシェリのハート・ソングと同時に放って敵を浄化する。
- アムールロックンロール
- ツインラブギターを用いた個人技。ギターを弾いて無数の小さな紫色のハートを発生させ、「アムールロックンロール!」の掛け声で一気に敵にぶつける。
- ツインラブ・ロックビート
- ツインラブギターを用いたマシェリとアムールによる合体浄化技。アムールと共に「Are You Ready?」「いくのです!」「「届け!私たちの愛の歌!」」とギターを弾き鳴らし、それぞれバズーカとアローにして構え、「心のトゲトゲ!」「ずっきゅん撃ち抜く!」「「ツインラブ・ロックビート!」」といいながら発射し浄化する。そして「愛してる♡」「Thank You!」で締め。
正体判明&中の人がらみについて
実は放送開始前日の2月3日にルールーの発表があった時点で、「彼女はもしや?」と早々に言われていた。というのも、珍しく敵幹部キャラを一斉に発表、その中に少女幹部かつ紹介記事での順番が最初、さらに紫がイメージカラーで担当声優が田村ゆかりとあまりにもわかりやすい要素が並んでいたためである。
そしてこれを裏付けるがごとく、同じ日に発売されたプリハートの玩具の解析が直ちに行われ、内蔵音声によってキュアマシェリとキュアアムールの2人の追加戦士がいることが早々に判明、しかもアムールに関しては表示されるハートの色が紫&明らかに田村の声だと分かる音声であったため、この時点でネタバレ状態ではある物の、ほぼ確定事項となった。
そしてミライパッド発売後には同様の解析によって変身前の名前や変身後の姿、アンドロイドという素性も判明(アンドロイドということに関してはスマホアプリの「プリキュア大辞典」でもバラされていた)、本編のストーリー展開的にも主人公達に接触し、その結果自身にも変化が現れ、激突の後に和解するという恒例のパターンを辿っていき、5月31日に追加戦士の第1弾発表を行い、以降段階的に情報公開を行いながら、6月17日放送の第20話でえみる(マシェリ)と共に同時覚醒という形での登場となった(追加戦士の2人同時投入はシリーズ初、また6月中旬での追加戦士登場は、事前にハニーとフォーチュンの存在がアナウンスされていたハピプリは別として、今の追加戦士投入システムが確立したフレプリ以降だと異例の早さになる)。
ちなみに、田村ゆかりといえば、これまでもアイドル声優として一線を走り続けている存在。最初の事務所&「やまとなでしこ」時代からの長らくの盟友である堀江由衣が『魔法つかいプリキュア!』で十六夜リコ(キュアマジカル)役、この2人を含めたいわゆる声優御三家の一角であり田村とも共演が多く親交もある水樹奈々が『ハートキャッチプリキュア!』で花咲つぼみ(キュアブロッサム)役と、既に2人ともプリキュア声優になっていることから、田村に関してもプリキュア出演待望論があっただけに(ニチアサでは『海賊戦隊ゴーカイジャー』のナビィ役で出演経験はある)、今作で満を持してのプリキュア出演、そしてプリキュア役抜擢となった。さらに秋映画において久々のオールスターズ要素が入り、歴代レギュラープリキュア声優が総出演するため、この3人がプリキュアの場で揃い踏みすることになる。
また、17歳ネタはともかくとして、田村は1976年2月生まれであるため、放送開始時点で直ちに42歳の誕生日を迎え、キュアアムール覚醒時には42歳4ヶ月となる。実はこれまで久川綾が演じた月影ゆり(キュアムーンライト)が初めて登場した時の年齢(41歳3ヶ月、戦線復帰時でも41歳10ヶ月)を上回る記録となっている。
そんな田村、インタビュー記事で明かしているのだが、当初オーディションはえみるで受けていたとのこと。そしてプリキュアのオーディションではよくある「別の役もその場で受ける」ことになり、それがルールーだった。もしも田村がえみるに選ばれ、他の誰かがルールーになっていたら……そう思うと興味深いものがある。
で、本作以外にも様々な作品に出演、キュアアムール初登場の放送当日は自身のFCイベントが開催、さらにアビスパサポ熱が高じてワールドカップのテレビ中継も連日夜遅くまで見ている田村。あまり家族には仕事のことを話さないそうなのだが、多忙な中リアルタイムで放送を見てからなのか、放送後にプリキュアになった旨を母にLINEで報告した……のだが、母もさるもの。「見たよ。毎週見よるよ」と返答。さすがのゆかりんもめちょっく状態だったようだ。
しかしその直後の発言は彼女らしい嘘偽ることのない本心だろう。今後ルールーと、そして大切な相棒や仲間たちとともに、歴代の先輩たちに負けない活躍や演技を見せてくれるはずである。
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https://twitter.com/yukari_tamura/status/1008162497952534528
関連静画発見しました
関連商品確認します
分析完了、キュアアムールの玩具がニコニコ市場で見つかりました。
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- プリキュアの悪役一覧
- プリキュアの一覧
- HUGっと!プリキュア
- クライアス社
- 野乃はな / キュアエール
- 薬師寺さあや / キュアアンジュ
- 輝木ほまれ / キュアエトワール
- 愛崎えみる / キュアマシェリ
- はぐたん
- ハリハム・ハリー
- 歴代シリーズの敵少女幹部からプリキュアになった人物
- 上記以外の歴代少女幹部キャラ
- 十六夜リコ(中の人的に長年の相棒であるとともに、キャラのイメージカラーも紫で共通。せつなも含めて主人公の家に居候しているという共通点も)
- モフルン(ぬいぐるみという無生物が一時的に人の姿を得てプリキュアに変身)
- 緑川なお(歴代屈指の大食いキャラ)
- 桃園ラブ / 相田マナ / 愛乃めぐみ(愛属性繋がり)
- 春日野うらら / 剣崎真琴 / ユニ〔マオ〕(アイドル繋がり)
- メカ少女 / ロボっ娘
- えみルー
- 阿万音鈴羽(中の人とアルバイト、小学生の女の子と仲良し…など、共通点が多い)
- チェイス(ニチアサ作品に登場する、紫がイメージカラーの敵から味方になった機械生命体、ということで彼を連想する人多し)
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