ルーン文字 (ルーネ文字) とは、かつてゲルマン語の表記に用いられていた音素文字。
概要
アルファベット配列の最初の6文字を取ってフサルク (fuþark) とも呼ばれる。1世紀頃に成立し、エトルリア文字やラテン文字等を元にして作られたと言われる。主に長い縦線と短い斜線を主体とした字形が多く、初期の頃は木に彫られていたと推測されている。
ドイツのみならず北欧やイギリスにも普及し、地域によって文字の増減や点等による発音の区別表記も行われている。後に7世紀頃からラテン文字が普及し始め、ルーン文字は徐々に使用されなくなった。北欧ではドイツやイギリスよりも長い期間使用され、10~11世紀頃に作られた石碑が多く見つかっている。
ルーン文字は日常生活で使用されていた一方、呪術や占いでも使用され、またルーン文字が登場する小説やゲーム等も作られている。「指輪物語」等の作者として知られるJ・R・R・トールキンが創作したキアス (Cirth) は、ルーン文字を参考にして作られた物である。
古英語で使われていた文字 Ƿ (ウィン) と Þ (ソーン) はそれぞれルーン文字の と を起源としており、Þ は現在でもアイスランド語で使用されている。
ゲルマン共通ルーン文字の一覧
初期のルーン文字で24文字から成る。名称と音価はWikipediaの表記に基づいており、推測による物である。ゲルマン共通ルーン文字の他に、これより文字数の少ない北欧ルーン文字、文字数の多いアングロサクソンルーン文字が存在する。
文字 | 名称 | 音価 | 文字 | 名称 | 音価 | 文字 | 名称 | 音価 | 文字 | 名称 | 音価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
fehu | /f/ | gebō | /ɡ/ | īwaz | /ɪ/ | ehwaz | /e/ | ||||
ūruz | /u/ | wunjō | /w/ | perþ- | /p/ | mannaz | /m/ | ||||
þurisaz | /θ/ | hagalaz | /h/ | algiz | /z/ | laguz | /l/ | ||||
ansuz | /a/ | naudiz | /n/ | sōwilō | /s/ | ingwaz | /ŋ/ | ||||
raidō | /r/ | īsaz | /i/ | tīwaz | /t/ | ōþila | /o/ | ||||
kaunan | /k/ | jēra- | /j/ | berkanan | /b/ | dagaz | /d/ |
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参考文献
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関連項目
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