レイストーム(RAY STORM)とは、タイトーが発売したアーケードゲームである。
概要
1996年に発売された縦スクロール型シューティングゲーム。レイシリーズの第2作目で、前作の基本システムを殆ど継承し、幾つかの追加要素を入れ、グラフィックやBGMの質を向上させた。
全編がポリゴンによる3Dで描写されているのが本ゲーム最大の特徴で、キャラクターの高度差や画面の奥行きがリアルに表現されたため、当時のシューティングゲームの中でも一際高いビジュアル演出を誇っていた。
その反面、後方俯瞰視点のため操作感覚に癖がある、3Dによる擬似2Dのため敵機や敵弾が見にくい―といった問題が生じている。
また、ロックオンレーザーの仕様変更、スペシャルアタックの追加、タイプが大きく異なる2機のプレイヤー機の登場などの新要素でゲーム性に大きく深みを増している。
先述の操作感覚や視認性、エクステンドが無い、ノーミスでのランク上昇が激しい等の問題点はあるものの、欠点を補って余りある魅力を携えた名作である。
余談だが、同時期にタイトーで発売され、同じく3Dポリゴンを使用したGダライアスとはよく比較されやすい。
2009年に於いてもXbox360/PS3での本作HD版、PSPでのダライアス新作という発表によりレイシリーズとダライアスシリーズは据置機HDリメイクと携帯機新作という面白い対比で見られている。
ストーリー
A.D.2219、人類が恒星間航行を実用化して100年余の時が流れていた…。
地球は宇宙開拓の時代を経てオリオン腕全域まで勢力を延ばし、20を越える植民惑星を抱える恒星間国家の主星として繁栄していた。
次第に増えていく植民惑星を統治するために、地球は地球/太陽系連合軍を設立し、植民惑星を厳しい軍政下に置いた。
こういった体制に反発する急進的植民惑星諸国は、宇宙開拓の最重要拠点である「セシリア」を中心とした「セシリア連合」を成立、地球からの解放を求め立ち上がった。
セシリア連合軍により、地球は僅か24時間で降伏する。地球が陥落して24時間後、「セシリア連合」は地球に居住する人々を他の惑星に強制移民させた後、地球を破壊すると宣言。地球と、地球寄りの植民惑星の反発を武力で鎮圧すると、地球破壊の為に全艦隊を集結した。
この事態を予測していたかのように、バルカ機関は、セシリア星系でサルベージされたオーバーテクノロジーを基に開発中の「R-GRAY」全13機によって、「セシリア制圧作戦」-OPERATION "RAYSTORM"を発動する。
ゲームシステム
ロックオンレーザー
ゲーム開始前に、オートモードかマニュアルモードのどちらかを選択することができる。
オートモードでは、ショット中に自動的にレーザーが発射される。
マニュアルモードでは、前作と同じくショットとレーザーを使い分ける。
前作は自機と同じ高度の敵にロックオンできなかったが、今回は全ての敵にロックオンできるようになった。
また、耐久力の高い敵に最大ロック数までロックをかけてレーザーを発射すると、攻撃力の高い「ハイパーレーザー」で攻撃できる。通常よりも攻撃力が上がっている他、周囲の敵を巻き込んで倒すと高得点を獲得できる。
スペシャルアタック
いわゆる緊急回避用のボンバー。エネルギーゲージが満タンの時に使用可能。
前方に大爆発を起こし、敵に大ダメージを与える。使用中自機は無敵状態になる。
エネルギーゲージはロックオンレーザーで敵を破壊することで溜めることができる。
プレイヤー機
- R-GRAY1
- 前作のプレイヤー機「X-LAY」をベースにした機体。外見や性能も「X-LAY」とよく似ている。
ショットは前作とは少し違い、前方だけでなく斜めにも攻撃できる広範囲攻撃タイプのショットになっている。
最大ロック数は8箇所。初代である前作には未登場ではあるが、本シリーズ作品を代表するシューティングゲームの戦闘機として知られている。 - R-GRAY2
- 新たに追加されたオリジナル機体。ショットは前方集中攻撃タイプの直進レーザーで、横に移動すると残像が発生する。ロックオンレーザーは1度に1本のみ発射される稲妻で、ロックオンした順番に攻撃していく。
R-GRAY1と比較するとあまり効率良く敵を破壊できないが、発射後にロックオンすれば続けて攻撃が可能で、そのため、得点稼ぎに向いている。最大ロック数は16箇所。 - R-GRAY0
- PS版の13機モード及びSS版で使用できる機体で、設定上はR-GRAYシリーズのプロトタイプにあたる。
ハイパーレーザー、スペシャルアタック未搭載で、ショットはR-GRAY1のような広範囲攻撃は出来ないが得点倍率が高い。
レイストームHDでは流用だったデザインが前作のX-LAY似のものにリデザインされ、性能の再調整で速度と火力に優れる機体となっている。 - R-GEAR
- レイストームHDで新たに追加された機体。レイフォース1.5とも呼ばれた幻の作品「R-GEAR」の名を冠す。
ホーミングショット、遠隔攻撃兵器GEARという特有の装備からR-GRAYシリーズとはゲーム性が異なる。
GEARは最大ロック数無制限という特徴をもつが、使用中は独自の「ロックオンゲージ」を消費する為、永続的な使用は勿論不可能。 ゲージは不使用時に自動回復するシステムとなっており、一風変わった溜め撃ちとも言える。
機種毎の差異
- アーケード版
- オリジナル。テクスチャやBGMなどハード性能の関係からPS版では完全再現出来なかった部分が存在する。
- PS版
- アーケード版を忠実に移植。エクストラモードと13機モードというオリジナルモードが追加されている。
ハード性能上の制約はあるものの移植度は非常に高く、エクストラモードのアレンジBGM“NEU TANZ(ノイタンツ)”も評価が高い。
ゲームアーカイブスとしてDL販売されており、PSPでもプレイ可能である。 PS2ではテクスチャマッピング補完、PS3ではアップコンバート(正確にはデインターレースとアップスケール処理を含む)による画質向上が図れる。 - SIMPLE1500シリーズ Vol.75 THEダブルシューティング(PS)
- 本作と続編「レイクライシス」をカップリングにしたタイトル。ノイタンツミックスなどが収録されていない。
- SS版
- 前作のSS版タイトルを引き継ぐ形でタイトルが「レイヤーセクションII」となっている。
半透明処理のメッシュ処理への変更、処理落ちがPS版より増えている、といった点からPS版と比べて移植度満足度が低い。
但しR-GRAY0が通常選択可能で、エンディングも他版と異なる。 - PS2版
- 「タイトーメモリーズ 下巻」にPS版のアーケードモードが収録されている。
- PC版
- PS版の移植。Windows XP対応。現在はGダライアスとのパックになっている。
高解像度表示に対応しているものの、テクスチャはPS版ベースの為、解像度が上がっても綺麗さはそれなり。
最近のグラフィックボードやドライバでは動作しないという最大の欠点がある。 - Xbox360/PS3版
- HD解像度に対応したリファイン版。Xbox LIVE及びPlayStaion Networkでのダウンロード専売タイトル。Xbox LIVEアーケード版(1200MSP、必要容量407.81MB)が2010年5月5日に、PlayStation Network版(1500円、必要容量367MB、日本のみ配信)が同6日に配信された。
エクストラモード、13機モードも収録されている他、新機体R-GEARが追加されている。
またR-GRAY0はデザインと性能が調整された。
画面が16:9のワイド解像度(720p)対応になったものの、横に引き伸ばした形になっており、
円が楕円になるなどのデザイン面での弊害が出てしまっ ている。
また表示設定の項目も無い為、4:3アスペクト比でプレイするにはSD解像度で映像出力する、Xbox360の出力解像度を 1280x1024に する、といったユーザーによる対症療法しかない模様。
関連動画
公式チャンネル/関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
- タイトー公式 RAYSTORM HD
- Xbox.com XBLA RAYSTORM HD
- ソースネクスト Gダライアス+レイストーム PACK
- 株式会社タイトー|アプリ・コンソール|RAYSTORM
- レイズアーケードクロノロジー | 株式会社タイトー
- ZUNTATA OFFICIAL SITE "Z-Field" ※関連アルバムを各種配信サイトで配信中。
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