レイン(小説作品)とは、アルファポリスより刊行されている小説作品である。著者は吉野匠。
概要
元々はネット小説であり、「雨の日に生まれたレイン」というタイトルで2000年から公開されていた。人気作だったため、2005年に「レイン」と改題した上で書籍化された。
さらに2009年4月には文庫版が、同年5月にはコミックブレイド(出版:マッグガーデン)からコミック版が連載、発売された。
最初の書籍化のイラストはMID、文庫版のイラストは風間雷太、漫画版は住川惠がそれぞれ担当した。
大陸ミュールゲニア―― 長く続いた平和な時代も今まさに終わりを告げようとしていた。北の大国ザーマインの脅威に直面し、滅亡の危機にある小国サンクワール。やがて……戦士と王女は出会い、歴史が動きはじめる!剣と魔法の最強戦士ファンタジー!
(公式サイトより引用)
登場人物
サンクワール王国
メイン
- レイン…本小説の主人公。豪放磊落な性格で常勝不敗が売りのサンクワールの上将軍。25歳。もともとは傭兵であったが、先代サンクワール王により招聘された。黒髪黒眼でいつも黒服を着ているのが特徴。遠隔攻撃や剣筋を伸縮したりできる魔剣、傾国の剣を帯剣し、コートクレアス城を居城とする。ミュールゲニアで唯一のドラゴンスレイヤー。そのため、25歳でも肉体年齢は古龍(ドラゴン)を倒した当時の18歳で永遠に停止。
- シェルファ・アイラス・サンクワール…サンクワールの王女。本小説のヒロイン。金髪碧眼の絶世の美女。先代王の方針により、ガルフォート城から一歩も外に出ることができなかった。(いわゆる、軟禁状態に)12歳の時に、城庭で偶然会ったレインに電撃的に恋に落ちる。先代王がザーマインに敗戦してからは、ザーマインに差し出さんとする城の追っ手から自力で振り切り、レインを頼ってコートクレアス城に落ち延びた。
- ラルファス・ジュリアード・サンクワール(ジェルヴェール)…サンクワールの上将軍。レインの大親友。建国五家の一角の当主であり、サンクワールの筆頭貴族。姓はジェルウェールだが、長年の活躍により、先代王からサンクワール姓を名乗ることを許された。また、貴族にしては珍しく、庶民からの人望がとても厚い。これは、誠実で高潔な性格が功を奏したため。
レイン麾下
- レルバイニ・リヒテル・ムーア…通称レニ。24歳。レインの副官で、傭兵時代からの部下。性格はかなり臆病だが、二刀流を剣技としており、いざという時に本来の力を発揮する。母が没落貴族だった。
- セノア・アメリア・エスターハート…建国五家の一角の当主で、レインの副官。20歳。根は素直で優しい。いつも、何かにつけてレインに文句を言っているが、密かにレインに思いを寄せている。かなりの乙女趣味。
- ギュンター・ヴァロア…元々はレインと敵対していたらしいが、対決で敗れ後に臣従。以降「股肱の臣」として尽くしている。サンクワールの中で唯一貴族以外で姓を名乗っている。無愛想で、黒ずくめ。いつも慇懃かつ渋い顔をしている(しかし、シェルファに対しては稀に一瞬だけ笑顔を見せることがある)。サンドイッチが好物。自らの主人であるレイン以外には一々頭を下げたりせず、シェルファとレインに対する態度はラルファスと正反対であるが、口調は誰に対しても敬語である。レインの命令は絶対服従のようで、長にもかかわらず自ら間諜として行動したり、看板を立てるなどの命令もこなしている。レインとは過去に、お互い隠し事はしないと約束をしている。黒い刀身に赤いオーラの魔剣を持っている。レニよりも剣技は上。工作や諜報に関わる部隊や魔法部隊の長。レインが付近に居ない時シェルファを影で護衛している。レインの命なのかは不明だが、登場人物の悩みを多々解決している。
- ガサラム…55歳。かつてはファヌージュの騎士団の隊長だったが、引退後は警備隊隊長になる。その後レインと出会い斬り合いになり、危うく死に掛けたことをきっかけに警備隊を引退(歳が歳なのでクビになった)。後にレインの副官となる。根っからの親父肌。剣技も立つが戦慣れしていて場の空気を読むのが上手い。レイン曰く「お買い得な親父」。また、傾国の剣がある遺跡の場所をレインに教えたのは彼である。
- ユーリ…黒髪薄緑眼の少女で、16歳。元はザーマインの間諜であったが、レインの誘いにより、レイン傘下に寝返ることに。レイン直属の準騎士となった。セルフィーの親友。稀にレインから「出歯亀」と呼ばれる。(漫画版より)
- セルフィー…原作2巻から登場。騎士志願の貧乏少女。17歳。父親が警備隊所属の騎士であったが、無能な貴族に汚名を着せられ、殺害されたため、ほとんどの帰属を忌み嫌っている。レインが行った騎士採用試験で見事採用され、レイン直属の準騎士となる。始めは人を殺めることに抵抗があったが、レインやギュンターの助言により、徐々に戦いに慣れていく。レインの優しさに触れ恋をする。
- ミラン…レインに仕える誠実な性格の正騎士。19歳。レインのおかげで騎士見習いから一気に五人隊長に。位を上げてくれたレインに言葉に尽くせないほど感激し恩義を感じている。部下に任せればよい嫌なことも自分から進んでやっている。ゴースト騒動の際にゴーストに出会ったり、シェルファの護衛をしていたが皆と同様に記憶を消されている。武闘会でもシェルファの護衛についていたが、実は幻視の術を使ったレインだった。今や城内外で伝説化している“悲惨なMの話”の発端者。
ラルファス麾下
- グエン…ラルファスの副官。35歳。斧使い。ラルファスのことを「大将」と呼ぶ。レインのことも「レイン将軍」ではなく、「レインの大将」などと呼んでいる。山賊顔の出で立ちをしているがとても優しい。力自慢だが、以前レインに腕相撲で勝負しあっけなく負けている。
- ナイゼル…ラルファスの副官。見かけは華奢な美少年。一時レインに対する危惧から彼に対して不信感を抱いていたが、ラルファスに諭されてからはある程度解消されたようである。戦場では知将を担当。
(以降は3巻以降に登場するため、ネタバレを考慮し、一部を除いて白反転させる)
その他
- ギレス…元サンクワールの上将軍。ガノアと共にザーマインに寝返るが、裏切りを知って駆けつけたラルファスに殺害された。
- ダグラス・サンクワール(ダグラス王)…シェルファの父でもあり、サンクワールの国王。ザーマイン戦でギレスとガノアの裏切りに遭い、ガノアに殺害された。
サフィール勢
- サフィール・ダルマナック・フォスティール…原作2巻、サンクワール内乱編で登場。元サンクワールの上将軍。ザーマイン戦で行方不明になっていた。ダグラス王の遺言書を持ってガルフォート城に帰還して、その遺言書をもって王になろうとしたが、レインとラルファスに反発されサンクワールは内乱状態になった。その後。内乱に介入してきたシャンドリス軍にサフィールは戦いを仕掛けるも惨敗。グレートアーク城(サフィールの居城)に逃げ延びる。その際、自らの傲慢な態度を改め、ルディックが驚く程に人柄が変わった(和解を求めに来たレインも驚く程)。その後、レインとラルファスの混成軍に一掃された際に自らの望みによりレインとの一騎打ちによって死亡。因みに遺言書は本物であったようだ。
- ルディック…サフィールの副官。42歳。元はサフィールの同僚貴族の部下でサフィールから見れば陪臣だったが、軍を統率するにあたりサフィールが直臣として引き抜いた。引き抜かれるまでは子爵で100人隊長だったが、直臣に取り立てられた際に1000人隊長の将軍職に抜擢された。サンクワール貴族にしては珍しく戦術眼に優れており、一流の将帥。軍を指揮するにあたり、爵位が低く軽く見られがちと不満を持っていたところ、サフィールによって伯爵位へ引き上げられた。抜擢当初は嬉しく思い家族にも喜ばれていたが、サフィールや反王女派に対し失望し不満を抱いていたが、シャンドリスに敗れたサフィールが今までの傲慢な態度を改めたことにより、再び固い忠誠を誓う。グレートアーク城にて、サフィール一派がレインとラルファスの混成軍によってほぼ壊滅した時点で、レイン軍に突入し殉死した。
シャンドリス
- フォルニーア・ルシーダ・シャンドリス…シャンドリスの皇帝。23歳。勝気な性格。妖艶な美貌を持つ。妾腹の子だが、政変の末に王位に着く。通称「フォル様」。ジョウに恋愛感情を持っていることをほのめかす発言を幾度かしている。
- ジョウ・ランベルグ…シャンドリスの大将軍。母親が魔人だったため半魔人。かなりの美形。自らが直接指揮する戦いでは敗北を記録したことがなく、「不敗の神将」と呼ばれている。その正体はかつての魔人との戦争の英雄、ジョウ・ジェルヴェール。ちなみにラルファスとは遠い末裔に当たる。白い魔剣というか刀を持っている。十年前レインと会っている。
- セイル…ジュンナの兄(原作では血縁関係はないというような記述があるが、漫画版で記載されている相関図には彼女は「義妹」と明記有り)。23歳。魔法剣士。シャンドリスの将軍。青い魔剣を持っている。レインに捕まったジュンナを助けようとするが返り討ちにあいレインの捕虜になる。
- ジュンナ…セイルの妹(義妹)。17歳。レインに魔法で奇襲をかけるも敗北して捕虜になる。経験不足であるもののその力は過去最高の魔法使いの一人といえ、本編中で初めてレインのアンチ・マジック・フィールド(未強化)をぶち抜いている(のでその気になれば古龍に手傷を負わすことくらいは出来る)。セイルによると、キレるといつも以上の魔力を持つので実力は未知数。言葉の語尾に「…じゃないよぅ」とか「はあぃ」とかやたらに「ぃ」とか「ぅ」をつけて話す。
- ザルツ…シャンドリスの将軍。ジュンナのことが好き。シャンドリスのサンクワール侵攻時にレインとの一騎打ちにより敗れる。
- シング…シャンドリスの将軍。フォルニーアによると「かなりの腕前」らしいが、サンクワールの内乱に介入した際にレインにあっさりやられて捕虜になる。
関連動画
レイン(小説作品)に関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
関連コミュニティ
関連項目
- 3
- 0pt