レガレイラ(Regaleira)とは、2021年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2023年:ホープフルステークス(GⅠ)
2024年:有馬記念(GⅠ)
2025年:エリザベス女王杯(GⅠ)、オールカマー(GⅡ)
概要
父スワーヴリチャード、母ロカ、母父*ハービンジャーという血統。
父は2018年の大阪杯と2019年のジャパンカップを勝ったGⅠ2勝のハーツクライ産駒。2023年にデビューした初年度産駒が2歳戦で驚くほどの好成績を挙げ、200万円だった種付け料が2024年から一気に1500万円に爆上げして話題となっている。レガレイラもその初年度産駒の1頭。
母は6戦1勝に終わったが、2014年の阪神JFで1番人気に支持され(8着)、クイーンC3着、忘れな草賞では二冠牝馬ミッキークイーンの2着など惜しいレースを続けたあと、重度のノド鳴りで引退した未完の素質馬。レガレイラは第4仔で、第2仔には2022年菊花賞4着のドゥラドーレスがいる。
母父は2010年のキングジョージを大差勝ちした輸入種牡馬で、ディアドラ、ペルシアンナイト、ノームコア、ブラストワンピース、ナミュールなどを送り出した。母父としての代表産駒にはベラジオオペラやメイケイエールがいる。
3代母*ウインドインハーヘアは言わずと知れたディープインパクトの母。
2021年4月12日、ノーザンファームで誕生。オーナーはおなじみ一口馬主クラブのサンデーレーシング。75万円×40口(=3000万円)で募集された。
馬名の由来は「ポルトガル中西部の都市シントラにある宮殿。母名より連想」。1995年に「シントラの文化的景観」の一部として世界遺産に登録されている宮殿。母の馬名はポルトガルのロカ岬からである。
シントラの宮殿
2歳(2023年)
イクイノックスでおなじみ、美浦の木村哲也厩舎に入厩。2023年7月9日、函館・芝1800mの新馬戦でクリストフ・ルメールを鞍上にデビューする。ソダシ・ママコチャの弟の白毛馬カルパなどが出走する中、1.4倍の1番人気に支持されると、レースは中団から進め、直線で逃げ粘った5番人気セットアップを断然の上がり最速34秒3の末脚で並ぶ間もなく差し切り1馬身半差の快勝デビューを飾った。
セットアップはその後次走で勝ち上がるとGⅢ札幌2歳Sを逃げ切ったため、それをあっさりと差し切ったレガレイラの評価も高まった。
というわけで次走のアイビーステークス(L)でも1.5倍の断然人気。6頭立ての小頭数となったレースは、2番人気ダノンエアズロックの後ろで進め、上がり3F最速32秒7の末脚を繰り出したが、4番人気ホウオウプロサンゲが1000m63秒1のスローで逃げたことで前にいたダノンエアズロックにも上がり最速タイの脚を使われてしまっては届くはずもなく、逃げ粘ったホウオウプロサンゲも捕らえきれず3着。ルメールは「こちらも伸びてはいますが、勝ち馬は強過ぎました。この馬も能力がありますし、2000mも問題ありません」とのコメント。
さて、牝馬なので2歳チャンピオン決定戦を目指すなら普通は阪神JFに向かうところだが、陣営が選んだのはなんと牡馬相手のホープフルステークス(GⅠ)。2017年のGⅠ昇格以降牝馬の参戦は初年度の2頭だけ、最高着順は5着である。前身のラジオたんぱ杯3歳S、ラジオNIKKEI杯2歳S時代を含めても、牡馬混合戦になって以降牝馬の勝ち馬は1頭もいない。
しかし初戦と前走で見せた末脚や、鞍上ルメールということもあり人気を集め、前日2番人気だったサウジアラビアRC勝ち馬ゴンバデカーブースが感冒で出走取消になったこともあり、最終的には京都2歳S勝ち馬シンエンペラーと人気を分け合う格好となり、3.1倍の同オッズで1番人気となった。
スタートではゲート内でよそ見をしていた瞬間にゲートが開いたこともあって出負けしてしまい後方から。しかしルメールは冷静に後ろで折り合いを付けて進めると、4コーナーで前が膨らんでばらける中、直線で大外に進路を確保するとエンジン点火。猛然と追い込むと、先行策から抜け出し押し切りを図るシンエンペラーをあっという間に捕まえ、断然の上がり最速35秒0の末脚で並ぶ間もなく差し切り、食い下がるシンエンペラーを寄せ付けず完勝。
1984年のグレード制導入以降、朝日杯3歳S・朝日杯FSや阪神3歳Sを含めても2歳牡馬牝馬GⅠを牝馬が勝利したのは史上初。グレード制以前の1980年朝日杯3歳Sを勝ったオークス馬テンモンまで遡らないと出てこない快挙だった。言うまでもなくスワーヴリチャード産駒はGⅠ初制覇で、前述の種付け料爆上げにも箔と裏付けがつくことになった。ちなみになぜかほとんど話題になっていないが、勝ちタイム2:00.2はキラーアビリティのタイムを0.4秒更新した堂々のレースレコードである。
3歳(2024年)
陣営は早くも来年の皐月賞参戦の可能性が高いと表明、後に直行で挑む事も発表。鞍上はドバイで落馬負傷したルメールから、前週の桜花賞でアスコリピチェーノに騎乗した北村宏司に乗り替わりとなった。
牝馬の皐月賞出走は2017年のファンディーナ以来となる(グレード制導入の84年以降では4頭目の参戦になり、もし制覇した場合グレード制導入後は初の快挙、歴代で見ても76年ぶり3頭目の快挙となる)。その後はオークスに向かう予定だが、仮に日本ダービーに参戦すれば2021年サトノレイナス以来となる(グレード制導入の84年以降では5頭目になり、制覇した場合はウオッカ以来の史上4頭目)。
初の2歳"王者"に輝いた少女レガレイラは、ウオッカ以来の牡馬クラシック牝馬制覇という夢に挑むこととなった。だが、その皐月賞は2歳中距離王者の彼女をもってしても厳しいレースとなってしまった。
彼女は後方からのレースとなった。そして、先頭で大逃げを打ったメイショウタバルの1000m通過タイムは57秒5。これがどれくらいやばいかというと、ロゴタイプが勝った皐月賞(1分58秒0)で、逃げたコパノリチャード(13着)がこれまで最速だったわけだが、その時のタイムが58秒0。それよりも0秒5も速いのだ。大逃げしてるといっても、パンサラッサの天皇賞(秋)などのように大きく離れているわけでもない。ということは、つまり、前も後ろもハイペースということだ。このようなペースでは当然消耗戦になる。後方からエコロヴァルツとともに上がり600m最速の33秒9で追い込むも、中山の直線は短いわけで届くわけもなく、5着のシンエンペラーにクビ差届かない6着となった。だが、これまでの中山競馬場芝2000mのレコードは、2015年中山金杯のラブリーデイの1分57秒8。彼女の出した1分57秒6は、いくら勝ち馬に0秒5も遅れたからといっても、旧レコードを上回る恐ろしいスピードであった。ただ、グレード制導入後に彼女を上回る着順で皐月賞を走った牝馬は(といっても皐月賞をグレード制導入後に走った牝馬は彼女含めて4頭しかいないが)ダンスダンスダンス(1991年、5着。勝ち馬はトウカイテイオー)しかいないわけで、2歳王者としての意地を見せた形である。
最も速い馬が勝つという格言通り、超スピードレースとなった皐月賞を落とすこととなった彼女は、次走はどこへ向かうのだろうかと皆が気になっていたが、牡馬クラシック三冠路線を続行し、日本ダービーへ向かった。ドバイで負傷したルメールはNHKマイルカップ開催週から騎乗再開して、ダービー前週のオークスを制し早くも勢いを取り戻した。秋には凱旋門賞挑戦を表明しているレガレイラ、サトノレイナス以来の牝馬によるダービー挑戦は果たしてといったところだったが、最初の1000mが62秒2では鋭い末脚を武器とする彼女には出番はなかった。早めまくりで先頭に取り付いたシンエンペラーが3着に入った少し後ろで上がり最速33.2秒を出すも5着まで。
秋初戦は秋華賞トライアルであるローズステークスに出走。キャリア中初の牝馬限定戦という事も相まって1倍台の圧倒的一番人気になるもこれまた初になった稍重でのレース、1000m通過が1分のやや平均ペース4コーナーでも最後尾であり最終直線で上がり最速の末脚誇るも5着。結局秋華賞への優先出走は得られずじまい。
そんな訳で収得賞金なら選出される見込みの秋華賞には出走せず、次走は古馬との対決となるエリザベス女王杯に進む事になった。本番では手綱を取ったルメールが同厩のチェルヴィニアに乗るため、乗り替わりが発生するならレガレイラと使い分けた方が良い、という陣営の事情もあるものと推測された。
予定通り出走したエリザベス女王杯はチェルヴィニアがJCへ向かい不在のため1.9倍の断然人気に支持されたが、直線で他馬とぶつかり末脚を発揮しきれず2戦連続の5着。ルメールは「いい騎乗ができなかった。ごめんなさい」と謝罪の言葉を口にした。
陣営は有馬記念への転戦を表明。賞金的には登録除外ラインだったがファン投票で13位となり出走権を手にした。相手は絶対的本命ドウデュースが直前で回避となってしまったが、それでも同期のダービー馬ダノンデサイルと菊花賞馬アーバンシック、同年の大阪杯勝ち馬ベラジオオペラに春のグランプリホースブローザホーンなどGⅠ馬9頭が集結する豪華メンバー。その中にあってもファンは潜在能力を見捨てず、レガレイラは4番人気の支持を集めた。
ルメールがアーバンシックを選択したため戸崎圭太と初コンビ。4枠8番から好スタートを切り首尾よく先行馬を見る5,6番手の絶好位を手に入れる。前はダービー馬ダノンデサイルがハナを切り62秒9の超スローペースを刻み、出遅れから盛り返したアーバンシックも6~7番手の内ラチ沿いを追走。馬群は終始固まったまま流れていく。
3コーナーでポジションを押し上げながら一度インに潜り、4コーナーから仕掛けて3番手で直線に入る。中団から外を回って飛んできたシャフリヤールと叩き合いながら末脚を伸ばし、ゴール前で逃げ粘るダノンデサイルを撃墜。シャフリヤールとのデッドヒートなおも続きもつれるようにゴール板を通過。写真判定の結果レガレイラにハナ差で軍配が上がった。
牝馬の有馬記念勝利はクロノジェネシス以来4年ぶり8例目。1960年のスターロツチ以来64年ぶり2頭目の3歳牝馬によるグランプリ制覇という快挙を成し遂げた。戸崎圭太は2014年にジェンティルドンナを引退Vに導いて以来10年ぶりの有馬2勝目。
有馬記念後、右前脚第1指骨剥離骨折が判明し、骨片摘出手術を受けた。
4歳(2025年)
年明け、退院し放牧したのち、復帰戦は宝塚記念。単勝4.9倍の2番人気に支持されたレースでは、大外枠からポジションを取ったが、稍重の緩い馬場が合わなかったのか脚が溜まらず、ユタカマジックに導かれたメイショウタバルの逃げ切りを遠くで観る11着に終わった。
凱旋門賞にも予備登録していたが見送り、次走はオールカマー。後方からレースを進めていき、後ろに兄のドゥラドーレスがついていく形に。兄とともに上がっていき、兄が早仕掛け。兄が先頭をとらえんとするところを難なく差し切り、そのまま1と1/4馬身差つけて57kgでも危なげなく勝利した。きょうだいでJRAの重賞をワンツーで飾ったのは、平地では1984年以降初めてである[1]。
次走には前年敗れたエリザベス女王杯を選択。有馬記念勝利馬の参戦は史上初となった。出走馬のうちGⅠ勝利馬は本馬と近走不振のステレンボッシュの2頭のみであり、実績優位の本馬は単勝2.3倍の断然人気に支持された。
ゲートは五分に出たがすぐに控え、前走同様中団外からの競馬。秋華賞2着のエリカエクスプレスが作る1000m59秒9の淀みないペースに全馬ポジションを保って追走する落ち着いた流れとなる。
4コーナーで戸崎が追い始め、直線に入ると上がり最速タイの34秒2という別格の伸びで先行馬を次々抜き去る。早め先頭の秋華賞3着馬パラディレーヌも悠々とかわし、一瞬で1馬身3/4差をつける完勝。GⅠ3勝目を挙げ、前年5着の雪辱を果たした。
鞍上の戸崎圭太はエリザベス女王杯初勝利。「跨がった瞬間状態のよさを感じた。最後もしっかり反応してくれた」と上機嫌でコメントし、最後は「ベリーベリーホース!」と自身の名言?でインタビューを締めた。
管理調教師の木村哲也もエリザベス女王杯初勝利、馬主のサンデーレーシングは2022年ジェラルディーナから同競走4連覇、出走機会6連勝[2]を達成した。
この後は前年同様に暮れの大一番、有馬記念へ向かう。リスグラシューやダイワスカーレットといった名牝が成しえなかった、史上初の牝馬による有馬記念連覇が懸かる一戦。ラストランを迎えるジャスティンパレスら強豪牡馬を打ち破り歴史に名を刻めるかと期待されたが、戸崎はダノンデサイルを選んだためルメールに戻す形に。ミステリーウェイがハナを切る中、後方2番手でレースを進める形に。途中でメイショウタバルが先頭に立ち、上がり最速タイで追い込むも、もっと前で上がり最速たたき出したミュージアムマイルに届くわけがなく、前を走るコスモキュランダやダノンデサイルにも届かず4着。なお5着には日本ダービー以来の対戦となるサンライズジパングがいた。シンエンペラーは14着に沈んだが。
とはいえ、秋の芝路線での活躍が評価され、JRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞した。
血統表
| スワーヴリチャード 2014 栗毛 |
ハーツクライ 2001 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| アイリッシュダンス | *トニービン | ||
| *ビューパーダンス | |||
| *ピラミマ 2005 黒鹿毛 |
Unbridled's Song | Unbridled | |
| Trolley Song | |||
| *キャリアコレクション | General Meeting | ||
| River of Stars | |||
| ロカ 2012 鹿毛 FNo.2-f |
*ハービンジャー 2006 鹿毛 |
Dansili | *デインヒル |
| Hasili | |||
| Penang Pearl | Bering | ||
| Guapa | |||
| ランズエッジ 2006 鹿毛 |
ダンスインザダーク | *サンデーサイレンス | |
| *ダンシングキイ | |||
| *ウインドインハーヘア | Alzao | ||
| Burghclere |
クロス:*サンデーサイレンス 3×4(18.75%)、Lyphard 5×5(6.25%)
同世代の桜花賞馬ステレンボッシュはレガレイラの母ロカの半妹ブルークランズの仔、同世代の菊花賞馬アーバンシックはロカの全妹エッジースタイルの仔で、それぞれレガレイラのいとこにあたる。
関連動画
関連静画
関連リンク
関連項目
脚注
- *平地では、と書いてる通り障害では実例があり、2001年の中山大障害でユウフヨウホウがゴーカイに勝っている(どちらも母ユウミロク)
- *2019,2020年にラッキーライラックが連覇。2021年は所有馬の出走がなかった。
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アスコリピチェーノ
- アドマイヤテラ
- アマンテビアンコ
- アンモシエラ
- アーバンシック
- エトヴプレ
- カランダガン
- カルパナ
- ガビーズシスター
- オベイユアマスター(競走馬)
- シュトラウス(競走馬)
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- サントノーレ
- サンライズジパング
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- シンエンペラー
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- ジャンタルマンタル
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- ステレンボッシュ
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- ダノンデサイル
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