レジオネラ(Legionella)はレジオネラ属菌の総称。河川や湖水、温泉や土壌などの自然界に生息する60種類以上の細菌。主に特定の基準値以上のレジオネラで汚染された環境からの感染によってレジオネラ症を生じ、ポンティアック熱、レジオネラ肺炎(在郷軍人症)といった病型を伴う。
感染による症状
感染症としては基本的に予後の良い一過性の風邪であるポンティアック熱が主であり、「たいした菌じゃない」とする意見も見られるが[1]、比較的肺炎に移行しやすい性質を持ち、肺が感染することによって、2~10日の潜伏期間の後に重症の肺炎(レジオネラ肺炎、在郷軍人症)を引き起こす。レジオネラ肺炎の症状には、意識レベルの低下や幻覚、手足の震えなどの中枢神経系の症状や、下痢を伴うことも特徴で、急速に進行して命に関わる場合がある。
肺炎流行地域の場合、原因の1割弱がレジオネラ系の可能性があると言われており、肺炎を引き起こした場合、治療を適切に行われなかった時の致死率は最大で3割にも及ぶため、決して油断していい感染症ではない。基本的に重症化する前の早期発見であれば抗生剤の投与で回復するが、それでも致死率が高いのは、ワクチンや特効薬が無いのも影響している。
感染リスク
レジオネラ属菌はいわゆる常在菌の一種であり、抵抗力の落ちている人を除けば感染してもほぼ不顕現で、感染症を引き起こすことは稀。人同士による接触感染も基本的には起こらないため、集団感染もめったに起こらない。ただし他の常在菌と同様、レジオネラが基準値を超えるような大量発生する環境に曝された場合は当然、感染症を引き起こすリスクが上昇する。
感染原因の例としては、レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルの吸入、あるいはレジオネラ属菌に汚染された水や土壌からの粉塵の吸引・誤嚥など。温泉などの浴槽では、適切に水の入れ替えや洗浄がされていないと細菌による「ぬめり」が生じ、感染リスクが高まる。
外部リンク
脚注
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