レッドブル・エアレースとは、2003年にピーター・ベゼネイの提案、及びレッドブルの企画で始まったエアレースのワールドシリーズである。
正式名称はRed Bull Air Race World Championship。日本では「空のF1」とも呼ばれる。
2019年の千葉大会をもって終了した。
概要
曲技飛行パイロットのピーター・ベゼネイが提案し、エクストリームスポーツなどのスポンサー活動を行っているエナジードリンクメーカーのレッドブルが企画、2003年に始まり、2005年より正式に開催された。2010年に安全面等を理由に一時休止されたが、ルール変更を行い、2014年に再開した。
最高速度は370km/hに迫り、機体はスラロームなどの機敏な飛行を見せる。他のモータースポーツに無い3次元のレースは欧米を中心にファンが多く、日本でもTV放送され、2015年からは千葉県の幕張においてもレースが行われた。
ルール
- レース出場の資格を得たパイロットのみが参加する。
- 競技用のプロペラ機で、巨大なパイロン型風船障害物(エアゲート)の設置された約5kmのコースを規定の順序と方法で通過、ゴールまでのタイムを競う。
- 各大会での勝者を決めるほか、得られたスコアによりその年の最後的なのワールドチャンピオンが決定される。
ペナルティ
- +1秒
スタートゲートへの進入速度が、200ノット(370km/h)を超えた場合
11Gを越える負荷がかかった場合
スモークが出ない、または薄すぎる場合)
不正確なバーティカルターン - +2秒
ゲートを規定高度より高く、または低く通過した場合
ゲート通過時、機体が水平でなかった場合 - +3秒
パイロンに接触した場合(危険な接近、接触と判断されると失格になる場合もある) - DNF(Did Not Finish)ゴールせず(そのフライトは無効となる)
レーストラックからの逸脱(コースアウト)
12Gを超える負荷がかかった場合
パイロンに3回接触した場合 - DQ(Disqualification)失格(そのラウンドの参加権を失う)
危険な姿勢での飛行
規定高度(10m)より低い飛行
観客上空に進入した(セーフティラインを越えた)場合
ペナルティが著しく多い場合
2014年改訂
- 以前はエンジンやプロペラの改造、選択が認められたが、現在はライカミングサンダーボルトAEIO-540-EXPエンジンとHartzell7690プロペラのみの使用が可能となり、改造も禁止された。機体の性能を出来るだけ同条件にすることで、これまで以上にパイロットの操縦技術がレースに影響することとなった。
- 最大負荷を12Gから10Gまで引き下げ
- 機体を90度傾けて通過するゲートの廃止
- ゲートの高さが20mから25mとなった。またパイロンの形状もゲートが完全な長方形になるよう変更された。
日本人の参戦
曲技飛行パイロットの室屋義秀は、2009年、アジア人初となるデビュー戦で、新人としては異例の6位入賞を果たした。2014年には12名のマスタークラスのパイロットの内の1名にも選抜、2016年には千葉大会にて日本人選手初の優勝を勝ち取るなど、国内におけるエアレースの知名度上昇に一役買っている。
2017年には千葉大会での優勝に続き、インディアナポリスで行われた最終戦で逆転のワールドチャンピオンに輝いた。
これは、佐藤琢磨のインディ500制覇と並んで、広義のモータースポーツという点で見れば2人の日本人が世界的ビッグタイトルを手にした快挙というべきものである。
2019年、最終戦である千葉大会では予選5位、決勝ではROUND OF 14でベン・マーフィに敗退したものの、ファステスト・ルーザーとしてROUND 8、更にFINAL 4まで進出すると、劇的な勝利をおさめた。3度目の母国優勝を果たすとともに、ワールドチャンピオンランキング2位で有終の美を飾った。
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関連項目
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