レディス4とは、1983年~2012年にテレビ東京系で放送されていた平日夕方帯の生放送情報番組である。老舗百貨店として知られる三越の一社提供番組。
2012年に番組が大幅リニューアルされ、「L4 YOU!」という番組タイトルに改題されたものの、実質的に同じ番組である。
当記事では「レディス4」の前身となった「東京ホームジョッキー」「リビング4」「リビング2」、後身の「L4 YOU!」も含めて記述する。
概要
生活情報や旅行レポートなどを日替わりで特集する前半パート、三越が厳選した商品を提供するテレビショッピングの中盤パート、前半パートのまとめを行う後半パートの3つに分けられる。
この番組において最も重要とされているのが番組中盤のテレビショッピング。通販業界では「高価な商品でも飛ぶように売れる」ことで知られる脅威のコーナーである。最も有名な逸話として、過去にこのコーナーで商品価格100万円のダイヤモンドを販売したところ見事に完売したという伝説が残っている。
番組スポンサーの三越が主に中高年の富裕層を顧客としている関係で、その層に向けた高級な商品が紹介されることが多い。
テレビ東京系列の他、系列外のネット局も多く存在している。その上、時差ネット局のみならず、系列外同時ネット局もいくつか存在するという、テレビ東京製作の番組では非常に珍しい番組。
歴史
前史
この番組を語る上で、三越とともに外すことができないのが初代司会者の高崎一郎である。
1960年代末、アメリカで始まったばかりのテレビショッピングを日本にも輸入できないかと画策した当時の三越専務(後の社長)・岡田茂が、ニッポン放送でディレクターやディスクジョッキーをしていた高崎一郎に相談を持ちかけた。高崎は海外の放送業界にも精通していた人物であったため起用されたものである。
高崎は日本でもテレビショッピングを始められるよう企画立案から関係省庁との折衝まで行い、1970年にフジテレビで「東京ホームジョッキー」という番組をスタートさせた。
つまり、高崎一郎こそ日本にテレビショッピングを持ち込んだ第一人者なのである。
「東京ホームジョッキー」では、現在の通販では当たり前となった生鮮品の産地直送セールを開催するなど先駆的な試みを行った。 放送当時はまだ家庭用VTRが普及する以前だったために、フジテレビと同じフジサンケイグループから「サンケイリビング新聞」というフリーペーパーが創刊されこれらの商品を紹介するようになった。
「東京ホームジョッキー」は関東ローカル番組としてスタートしたものの、フジテレビ系列局の中にもネットする局が出るようになり、1971年「リビング4」というタイトルに改題された。
「リビング4」の成功に目をつけたフジテレビとフジサンケイグループは、通販会社の「ディノス」を設立し通販ビジネスにも参入。「リビング4」の姉妹番組という位置づけで、1974年に平日昼11時台に「リビング11」という番組を始めた。この「リビング11」が現在の「ノンストップ!」に至るまで続いているフジテレビ平日昼前の情報番組のルーツとなっている。これらの番組に必ず通販コーナーが組み込まれているのはこのため。
「リビング4」は1975年に放送時間を夕方4時から昼2時に移動したため「リビング2」へと改題し、1982年3月まで続いた。
1982年、高崎一郎と二人三脚で番組を育てた三越社長の岡田茂が不公正取引や愛人問題などのスキャンダルにより突如社長を解任されるというクーデターが起きる。この一連の不祥事により三越はテレビショッピングを行う情報番組を休止することなった。
レディス4の開始~高崎一郎降板
1983年5月2日、「リビング2」の後継番組として「レディス4」がスタートする。放送局をフジテレビからテレビ東京に移したものの、司会を高崎一郎に据え、内容的にはほぼそのまま受け継いだ。
時代の変化により他局の裏番組はめまぐるしく変わって行ったが、「レディス4」の雰囲気はまるで変わらなかった。
外交官の息子として生まれ海外生活が長かったことから英語が特技だった高崎一郎の「Good afternoon ladies. This is your program, "Lady's Four".」というタイトルコールにはじまったこの番組は、高崎のトークの話題が太平洋戦争の戦前・戦中のになることも多く、生放送中に時々スタジオの中で鳴った物音がそのまま放送に乗るなどどことなく古臭い感じになっていったものの、高崎一郎が鎮座していた時代は「レディス4」だけ時代が昭和のまま続いていたとも言える。
1990年代以降、高崎一郎が体調を崩すようになり、1991年と2002年には各2ヶ月もの長期に渡り病気療養のため番組を休んだ。2002年の長期休養以降はサブ司会(アシスタント)がコーナー進行を担当するようになる。
2003年2月28日の放送で高崎一郎が番組を降板。翌3月より2代目メイン司会者の柴俊夫へバトンタッチをした。
高崎一郎はレディス4の司会降板と同時に放送界から実質的に引退。2013年8月10日に老衰のため82歳でこの世を去っている。
番組の迷走~番組リニューアル
高崎一郎の降板とともに、番組の古臭い雰囲気を時代に合わせたものにしようという意向から、番組開始以来使用していたタイトルロゴやテーマ曲の変更、高崎時代からのアシスタントを降板させ新出演者への刷新、テレビショッピングコーナーで紹介された商品がインターネットからの注文が可能になるなど、急速にその姿を変えていった。
しかし、あまりに劇的に刷新を図ったため、高崎時代の雰囲気を好んでいた一部の視聴者から大きな反発を生むこととなる。
2006年10月よりメイン司会が柴俊夫から3代目の大島さと子に交代。2008年~2011年には午後の株式ニュース番組と夕方のニュース番組の放送枠と統合されたワイド番組「FINE!」の1パートとして放送されていいた。
L4 YOU!
2012年10月より番組名を「L4 YOU!」に改題し、大幅リニューアル。メイン司会者も大島さと子から4代目の草野満代に交代した。
前半の特集パートも「季節」・「旅行」・「コストパフォーマンス」に特化した内容へシフトしている。
テレビ東京系列局と独立局の系列外ネット局のみ、これまで別番組で放送してきた株式ニュース番組を統合した「L4 YOU!プラス」というパートが2013年4月より追加された。
番組ネット地域の縮小~番組終了
最盛期は全国20局ネットで放送されていたレディス4であったが、2000年代後半より徐々に放送地域を縮小し始め、L4 YOU!時代に入ると15局ネットで放送されていた。
しかし番組ネット地域の縮小はこの後も続き、2016年4月よりテレビ東京系列の番組としては地域限定スポンサードネット枠へ格下げとなった。テレビ北海道、TVQ九州放送の他系列外ネットを行っていた各局への番組ネット打ち切りもこの時点で行われた。
2016年10月改編ではついにテレビ大阪・テレビ愛知・テレビせとうちなどTXN系列局と独立局でのネットも打ち切られ、関東ローカルに降格。全国放送から完全撤退した。
2017年3月、ついに「L4 YOU!」自体も終了する運びとなり、これと同時に三越の一社提供枠も完全終了することとなった。「レディス4」時代から数えて約34年、更にルーツである「東京ディスクジョッキー」から数えると中断期間を挟み約45年半も続いた番組の歴史に幕を閉じる。
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