レディパールとは紫部唯氏のサイト、「万泊後宴」にて公開されていたフリーゲームである。
概要
ジャンルはRPG。現在サイトは閉鎖されているため、公式サイトからの入手は不可能となっている。
戦闘はオーソドックスなものを採用している。魅力的なキャラクターが織りなす繊細な物語が本作品の特徴。したがって、ゲーム全体を俯瞰してみるとキャラクターの生き生きとした描写に重点が置かれている。個性的なキャラクターが織りなす独特の世界観は、このゲームのRPGらしい魅力の一つといえるだろう。
また、システムとは直接関係ないが、全体的に他のゲームのオマージュ、パロディが多い。
ストーリー
「八宝珠物語」という伝承がある。その伝承に登場する「八宝珠」、通称レディパールには八女神の絶大な力が込められているとされている。そんなレディパールの美しさと絶大な力に魅せられた者はいたが、誰もその在り処を突き止めることはなかった。
オークショングループ・アリスの敏腕オークショニア、「イドリー」もそんなレディパールを探求する者の一人だった。イドリーがエリア、クーの二人と共にとある遺跡を探索するところから本編はスタートする。そして探索先の遺跡で魔術師ウリックと修道女セイラと出会う。この出会いがきっかけでイドリーは「八宝珠物語」の核心へと迫っていくことになる。
システム
- ASE(another sight event) 本編の間に時折挿入される会話形式のイベント。ストーリーの本筋とはそれほど関係ないものの、世界観やキャラクターを掘り下げたいのであれば見ていて損はない。主に別れた他の仲間や敵が今どうしているか、が描写される。
- 食材集め いわゆるメ○ル集め。世界各地に散在する希少な食材をローヌのユリという人物に譲渡することで景品を獲得することができる。
- 調合 冒険中に入手したアイテムを、とある錬金術師に渡すことで冒険に役立つアイテムを調合することができる。
- 物々交換 特定のアイテムを冒険中で出会う人々と交換していくシステム。いわゆるわらしべ長者。
- 空き部屋の冒険 アリス寮の二階の端で物置と化した空き部屋。そこを訪れることで様々なイベントが発生する。冒険を経て仲間が増えるごとにイベントが追加される。
登場人物
冒険に参加するキャラクターは全部で九人。その内八人が女性、内四人がなんらかの格闘技を身につけている。
イドリー
本作品の主人公。上記のとおり凄腕のオークショニアであり、長い修行で培った非凡な目利きを誇る。さらに作中では近隣諸国で五指に入るほどの修復技術も持っているようだ。「レディパール」を求めて各地の遺跡を転々としているが、その切っ掛けは物語当初では語られない。本編以前の話ではガモフという画家に師事を乞い、そこで三年間修行した後、パリの学院に入学した。後述のサフランとは幼馴染であり、エルザとは兄弟弟子という間柄。
無鉄砲で珍妙な言動が多いクーに対しては軽くあしらうだけで会話に付き合わないことも多いが、クーのことを軽くみている訳ではなくその能力には絶大な信頼を寄せている。感情的に振る舞うタイプの人間ではないが、仲間の心情に気を配れる、人間味あふれる人物である。
戦闘では学院時代にとある画商から教わった拳闘――いわゆるボクシングを駆使して戦う。凄まじい強打から多彩なコンビネーションまで、多彩な技術を使いこなす。フットワークで鍛えた強靭な足腰はちょっとやそっとの攻撃ではバランスを崩さない。また飛行しているモンスターを手刀で叩き落とすなど空手のエッセンスもほのかに混じっている。
作中を通し、なにかと飲むシーンが多いが好物は酒ではなくミルクティー。朝が弱い。しない主義。
見た目も年齢も正真正銘の少女だが、冒険家という特異な経歴を持つガンマンである。性格は快活でやや好戦的。暴走気味で面倒事には嬉々として自ら飛び込んでいく。こうした破天荒な性格から公式のキャラクター紹介では暴走少女と呼ばれていた。324の特技を持つとされ、読唇術やピッキングやジャグリングなど、あらゆる方面の技術を習得した正真正銘の芸達者。かつては父と各地を旅していたが、父とは途中で別れ、一人で色々な場所を冒険した後アリスローヌに「何でも係」として落ち着いた。権力者から死刑宣告を受けたり、拳法家の元で技の鍛錬に励んだりと少女にして波乱万丈の人生を歩んでいる。いくつもの危機を潜り抜けてきたためか勘が鋭く、彼女の前では隠し事が通用しない。また、各地の伝承にも博識である。
会話においてボケることが常態化しているため、仲間からは呆れられたりあしらわれたりする場面が多い。むしろ真面目に応対されるとかえってクーのほうが動揺してしまう。物語の中盤では母親や父親のことをしんみりと述懐する場面があり、かつてのクーが今とはまた違った性格だったことがほのめかされている。
戦闘では銃器、拳法、魔法を使いその芸達者ぶりを如何なく発揮する。後半は優秀な回復魔法を覚えるため、サポートとしてもその存在感を主張するだろう。
1000の異名を持ち(自称)、頭の中では108人の何かが幻想水滸伝某RPGよろしく壮大な物語を展開している。ローヌではよく木にぶら下がる美少女、などと認知されているようだ。ちなみに彼女にもリコンで共に修行した兄弟弟子がいる。
アリスローヌの雑用係で、イドリーのお目付け役として冒険に同行している。本作品のストーリーテラーでもある。クーと違って特筆すべき非凡な特技もこれといってない、いわゆる普通のか弱い少女である。
ステータスもそうしたキャラクターを反映しているのかとても低い。故に戦闘では他のキャラクターに比べて弱い。彼女を戦闘要員としてではなく、あくまでも防衛の対象として参戦させ、彼女に気を配りながら戦うのが熟練プレイヤーの嗜みとされている[要出典]。
将来は花屋になりたいらしい。
本作品の準主役ともいえる魔法使いの少女。ウリックという魔術師を追って各地を旅して回っている。メンバーの中では際立って感情を表に出す場面が多い。他人とは距離を置く性格で、自分の事情に他人を巻き込むことを避けたがる。作中で仲間に諭されながら自身の欠点や葛藤に向き合っていく姿勢はまさに主人公といえるだろう。
精霊と契約しており、強力な魔法を使用することが可能。反面、総合的な体力はかなり低く、自分の魔法で吹っ飛びそうになるほど体が弱い。とあるイベントで少しだけ防御力が上昇するものの、焼け石に水。戦闘では攻撃の性能は秀でているものの、打たれ弱さが際立つ形となっている。
ちなみに怒りが頂点に達すると、味方であっても魔法の使用は躊躇わない。
魔物を探知する「烈光」を携えた熱血少女。少女にして勧善懲悪を地で行く正義のヒーローでもある。壁に当たってもかまわず突き進む真っ直ぐな性格を持ち、その強い信念は道中で出会ったある人物に強い衝撃を与えた。世直しのためにリコン共和国から遥々世直しのためにやって来た。五十年前に戦争を終結に導いた「江南の風」の栄光を心に宿し、免許皆伝への道を突き進む。
戦闘では主に五百年の歴史を持つ山紫水流拳法を駆使して闘う。烈光を抜くことで横文字がカッコイイ、ヒーロー技も使用することができる。消費MPが高い技を多くもつため、燃費は悪い。その代り単体への攻撃力は高く、全員の攻撃力を上昇させる優秀なサポートスキルも習得している。
「ヒーローは勇気を尊ぶ その心は美徳を求め その拳は弱気を助け その蹴りは強きをくじく その優しさは正しき者を守り その怒りは悪しき者を滅ぼす」
智子
御国という地方から彩芽を追ってやってきた巫女。町で行き倒れているところをリーネに助けられた。巫覡の家系で退魔や祈祷を生業としているが、その傍ら剣術の修行にも励んでいる。よって巫女であると同時に侍で、なかなかの難剣である。
故郷とは違う大陸の環境にひどく難儀しており、白米を使用しない食文化を艱難辛苦の思いで耐え忍んでいる。黒髪が当たり前の御国にいたためか、ハイカラな髪の色を見ただけでも眩暈を起こしてしまう。
戦闘ではその優れた剣術で敵を両断する。全体攻撃の威力が高く、モーションも短いので効率的な経験値稼ぎが期待できるだろう。
彩芽
ばばむさい口調の少女。しかしその正体は御国陰陽寮三代目当主という肩書を持った齢300年の老婆(?)である。御国で結界を張るという重要な役目を担っているが、見聞を広めるためにこっそりと抜け出して大陸までやってきた。300歳という年齢のため、人生観は仙人的な領域に達しており、長寿の人間だけが持つ孤独とも積極的に向き合っている。体は少女のままらしく、酒に酔うと少々腑抜けた顔になってしまう。悪代官
戦闘では薙刀、式神、法術などを用いて戦う。体力は決して高くないものの強力な補助魔法を使えるため、属性攻撃が主体の敵を相手取った時には非常に頼もしい。
王女アデリーンに仕える少し柄の悪い女性。父との軋轢が原因で故郷を飛び出し、その後王女に拾われた。以降王女の身辺警護として王宮に厄介になっている。少々口が悪いものの、目上の人間には敬語で話すなど礼儀はわきまえているようだ。クーをあしらうどころか、強烈な脅し文句で威圧すらする。仲が悪いのかと言えばそうでもなく、リンやクーとは旅先でよく食べ物談義に花を咲かせたり、三人で結託してとある計画を練ったり、むしろ気は合うようだ。
御国の出身ということもあってか、主に那覇手や首里手といった実践性で有名な沖縄空手を使用する。またレスリングベースの関節技まで習得している。オーバードライブによって自分の攻撃力を劇的に高めることが可能。その身体から放たれる爆発的一撃はまさに必殺。沖縄空手の名に恥じない攻撃力といえる。ヨガで培った回復技も優秀な武器の一つ。
ミラノ
マザーリーフの自警団で、パーティー唯一の男性。エリアとは幼馴染で、普段は文通で情報を交換している。とある一件で一行と共闘して以来、乗りかかった船とばかりに冒険に参加することとなった。太陽のようなさわやかスマイルが魅力の一つ。
戦闘では剣技に属性を乗せて攻撃する。少々物足りない感はあるものの、本作最強の武器グラムドリングを装備できる。
コルレオーネ一家
旅先でよく出会う冒険者の一団。どこかの四人組を髣髴とさせる。
ジョウン
西方では名の知れた一家の長女。荒々しい性格が特徴で、大抵のもめ事や障害は引き金と拳で解決しようとする。一家を有名にするという目的のためには手段を選ばない性質で、イドリー達とはよく衝突する。ライバル関係の中にあってイドリー達の実力は認めている。竹を割ったような性格で、物分りはわりといい。常に強気の姿勢でいるが、妹の涙には弱い。昔に起きたある出来事が原因でこのような逞しい性格に育った。
キャシー
ジョウンの妹。ジョウンに比べて性格はかなり大人しく、姉には一見従順である。しかしながら物事に対する鋭い視点を持ち、時折姉をぐうの音もでない正論で指摘する。また不測の事態では物事を冷ややかに受け止めることもある。戦いになれば自家製発破の爆発物をぶん投げてくる。
ジャド
長身の銃を携えた青年。ジョウンのボディガードのような役割で、ジョウンの出鱈目な冒険に付き合わされている。元々は鳥撃ちが得意な牧童だった。
アリスローヌ、エルメスローヌのスタッフ達
アリスローヌの支配人で、イドリーとは幼馴染にあたる。イドリーを最も古くから知る人物で、イドリーが修行に出た後にパリで再開した。その縁が今も続いている。何かとせわしなく、どこか抜けた性格で、イドリーからは貫録がないと言われているが支配人としてはうまくやっているようである。 仕事をほったらかして旅に出るイドリーに理解をよせ、文句をたれながらもイドリーの旅を応援している。イドリーが旅立つ前に渡した路銀よりも、イドリーを風呂に誘った時の賞金のほうが高額だった。
エルメスローヌの支配人。イドリーとは師を同じくする。エルメスローヌとアリスローヌは商売敵の間柄だが、顧客層が微妙に違いアリスローヌが美術や秘法を取り扱うの対し、エルメスローヌは服飾や書籍を主に扱っている。加えて、支配人同士が学友であることから、関係は良好である。
アリスローヌのスタッフ。御国の出身で、実家は小さな骨董品屋を営んでいるらしい。その経歴を買われ、アリスローヌでは東洋美術を担当している。入社してからまだ日は浅いらしいが、最近はようやくアリスローヌの仕事に馴染んできた。
アリスローヌのスタッフ。西洋美術担当。石碑の文字を解読はしないまでも、その文字がどういったものであるかは見抜いて見せた。
アリスローヌ唯一の男性スタッフ(たぶん)。ミザリィは姉にあたる。
メシエ
アリスローヌのスタッフ。修復を担当し、趣味程度ならば絵画もこなせる、アリスローヌ期待の新人である。
どこか眠たげな双眸で、大人しい印象が漂っている。イドリーお風呂誘導イベントにちゃっかり参加していた。
その他のキャラクター
物語序盤でイドリーが出会うことになる謎の魔術師。強大な魔力を持ち、イドリー達の行く手を阻む。彼女と出会ったことでイドリーは八宝珠物語の真実へと迫っていく。
ウリックと行動を共にする謎の人物。伝承や伝聞など、歴史の至る所に登場する。その目撃談は、ウォルスがあらゆる混沌の中心にいたことを示唆している。ローブを纏った怪しげな出で立ちだが、それは仮初の姿らしく、本当の姿は明らかになっていない。御国に現れた時は赤髪の剣士の姿だっという。
掴みどころのない不敵な笑みを常に浮かべており、危険な香りが絶えないウォルスだが、人間を憎んでいるわけではなく、むしろ好いている節がある。人と契約してその魂を得ることが至上の目的。
ポーチュラカ神殿で誘拐された修道僧。ある資質を買われてウリックに同行している。強制的に連れ去られたが、不本意というわけではない。利用されていると知りつつも自ら望んでウリックと行動を共にしている。
タリム
イドリー達の前に立ちふさがる謎の子供。子供らしからぬ高圧的な態度で、なおかつ手荒い挨拶を仕掛けてくる。もともとは心優しい少年だったらしいが、あることがきっかけでこのような人間になってしまった。ちなみにある人物の養子である。
ミザリィ
イドリーがパリで出会うことになる女性。その情報力をイドリーも当てにしている。クーをまるで酸素のように無視した。
アデリーン
イドリーがパリにいた時に知り合った王女。その立場のためか、性格は大人びており、自分の欲求よりも他者の都合を優先させることのできる人物である。
アリエナ
物語序盤に登場する修道女。つまみ食いの常習犯だったりヨーヨーが得意だったりと修道女らしからぬ個性的な人物である。どこかズレた敬語が特徴的。
「まけたー」
「かったー」
「あいこだー」
フォワ
ビエンヌ修道院の修道女。物語序盤で遺跡について教えてくれる。涼しげな視線が印象的。
アシナイ
遺跡の奥で調査に没頭する学者。人の名前を覚えるのがとても苦手らしい。
ローヌの喫茶店でウェイトレスをしている女性。同店でバイトをしているクーの扱いには慣れている様子。旅先で手に入れた食材を彼女に渡すとスタンプがたまり、得点に応じて景品と交換してくれる。
ヴァンデンファーマシーという薬局を営んでいる。放浪癖があり、イドリーがパリに旅立つのと時を同じくして旅に出てしまう。イドリー達とは旅先でよく出会い回復アイテムを売ってくれる。
ローヌの東端にアトリエを構える錬金術師兼爆弾魔。何かと爆発物を錬成してしまう。材料さえ渡せば後学のためにと無料で調合を引き受けてくれる。
材料名などはアトリエシリーズのオマージュと思われる。っていうかルミネのアトリエって自称してるし。
曲芸をして旅をするピエロ族。ネコ、犬、ニワトリ、ネズミ、四匹のお供を連れている。もし、お供が主人とはぐれている所を見かけたら名前を呼んであげよう。
関連動画
関連項目
- 2
- 0pt