レンズフィルターとは、スチルカメラやビデオカメラ、望遠鏡などのレンズの前後や間に装着してなんらかの効果を得るためのフィルター。
概要
レンズフィルターはその効果によって様々な種類があり、その形態もさまざまなものがあり。素材としてもガラスやプラスチック、ゼラチンなどを基材にしてフィルターの効果を生み出す成分を混ぜ合わせたものなどがある。
我々が一般的にカメラ用などとしてよく見るのは、ネジを切った丸い金属枠にガラス製のフィルターがはめ込まれていて、それをカメラのレンズの前にねじ込むタイプだろう。このタイプは規格統一されており、フィルター径(レンズの前面にはΦ○○mmなどと書かれてたりする)さえ同じならばどのメーカーでも装着できることが多い。装着するレンズに対してフィルターが大きい場合は、ステップダウンリングを用いて装着するという方法もとられる。
その他、明るい望遠レンズなどのようにレンズの前に装着するには、とんでもなく大きな径のフィルターが必要になってしまう物には、レンズの間に入れる差し込み型と呼ばれるようなものが用いられたり、映像撮影など様々なレンズや機材に様々なフィルターをとっかえひっかえ利用する分野では、レンズの前にフィルターを装着できるホルダーやフードなど装着して、汎用性の高い角形フィルターをそこに差し込んで使ったりする。
カメラのデジタル化などにより後処理で同様の効果を得られることも増えたため、使われることの少なくなったフィルターも多いが、デジタルであろうと依然必要なフィルターも存在している。
光や熱によって変質して効果が減ったり、色が変わったり、あるいはただでさえレンズの代わりに傷などを負いやすい所で使われるため、フィルター(特にPLフィルターや保護フィルター)は消耗品として扱われる。
主なフィルターの種類
NDフィルター
NDはNeutural Densityの略で、減光フィルターなどとも呼ばれる。色などを極力変えずに、明るさだけを減らすためのフィルターで、ND2と書かれていれば光を1/2(絞り一段分)に、ND4ならば1/4(絞り二段分)、ND8ならば1/8(絞り三段分)、ND16ならば…といった具合である。一般的に使われる数値は前述のものあたりまでだろうが、長時間露光での撮影などに使われるND400やら、日食などで太陽に向けるためのND10000などといったより濃い特殊なものもある。また、後述のPLフィルターなどを2枚重ねることで回して角度を変えると減光率の変わる可変NDフィルターなどというものもある。
フィルムそのものを交換しないと感度が変更できないフィルムカメラから、センサーの感度をある程度設定できるようになったデジタルカメラに移り変わっても依然として広く使われている。
晴れた屋外などで、絞りを開けて被写界深度の浅い写真を撮りたいが、最低感度でシャッタースピード最速でもまだ明るいといった状況や、動体を撮るために流し撮りなどでスピード感を付けたい、被写体が静止して見えるのは嫌、でも絞りすぎによる小絞りボケも嫌だといったときなどに使われたりする。
また、動画の分野においてシャッタースピードは適度に被写体ぶれを起こしてパラパラ感を減らすため、フレームレートが24fpsならば1/48、30fpsならば1/60、60fpsならば1/120が最適などとされ、室内から明るい外に出たからといってフレームレートを撮影中にいじるのは違和感のもとになるので禁じ手とされてることもあり、NDフィルターは非常に多用されていて、業務用機などでは3枚くらいカメラに内蔵されていてスイッチで切り替えられるようになってたりするものも多い。
PLフィルター
PLはPoralized Lightの略で、日本語で偏光フィルターとも呼ばれる。偏光膜で光の特定の偏光成分だけを通すことによって、水面やガラスなどの光の反射が取り除かれたり、空気中の塵による反射が取り除かれて空が青く見えるようになるなどといった色の変化がある。これを好んでほとんど付けっぱなしで使うという人も結構居る。ニコニコ動画では車載動画でフロントガラスの映り込みなどを抑制するために使う人が多いだろうか。近年のデジタルカメラなどではオートフォーカス機構などに偏光板が入っているため、通常の偏光フィルターを通して出てきた直線偏光成分の光だけでは上手くそれらの機構が働かなくなることがあるため、デジタルカメラやビデオカメラ用には円偏光成分に変換した光が出てくるC-PLフィルター(Circular Poralized Light Filter、円偏光フィルター)が一般的になっている。仕組みからして当然だが光の一部をカットするため暗くなるというデメリットがある。
保護フィルター(プロテクター)
レンズを保護するためにレンズの前に装着する素通しのフィルター。ただし素通しと行っても間に余計なガラスが入ることには変わりないため、これに反射してフレアやゴーストが発生するといったこともある。もちろん、各メーカーはそのような光学的なデメリットを減らすため、拭いたりしても傷を付きにくくするために表面にコーティング(例えばMCと書かれていれば多層コーティングの意味)を施すなどの工夫を凝らしている。
関連動画
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関連コミュニティ
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関連項目
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