レールバスとは、乗合自動車の装備・部品を流用した気動車のことである。
概要
量産されている部品を用いることで製造コストを抑えることができるため、閑散路線に導入する気動車はレールバスであることが多い。
日本においては国鉄キハ01系や南部縦貫鉄道のキハ10形が古くは存在し、1980年代では富士重工が開発したLE-carが有名であった。
利点
- 部品にバス関連の部品を使用している為、コストダウンも容易である。特に富士重工は鉄道車両を製造しながらもバス車体を製造しており、そのノウハウをいかんなく発揮する事が出来た。
- 軽量であるため、従来車よりも動力性能の面では上回る事が多い。
欠点
- 機械式時代においては総括運転が出来ないので、2両以上の場合は各々の車両に運転士を乗せる必要があった。但し、液体式になった時代においては問題ではなくなった。
- バスの部品を流用していた為に、耐久性の面では劣る。鉄道はバス以上に走行距離が多く、老朽化の進行は鉄道の基準でいえば、割合に早かった。しかし実際は耐用年数以上に動いているケースが見受けられた。
- 実際の運用に供された際、ラッシュ時における需要が供給を上回るケースが存在し、積み残しが出るケースがあった。とりわけ統括運転のできないキハ01系列では、輸送量の変化に柔軟に対応することができなかった。
- 軽量ゆえに保安装置が反応しないケースが存在した。
第三セクター路線とレールバス
国鉄末期、第三セクターに転換された旧特定地方交通線の各線には、コストの低さと設備一新の目的から、富士重工のLE-carIIシリーズの各車が導入された。それぞれのデザインは似通った部分もあったが、各鉄道ごとの塗装を纏ったレールバスたちは、鉄道新時代の訪れを告げた。
しかしながら、前述の耐久性の問題から、その多くは通常の鉄道車両をベースとした新型車に早々に置き換えられていった。これらの車両には、ミャンマーなど海外に譲渡された車両もある。
特に1991年の信楽高原鐵道列車衝突事故におけるキハ58との正面衝突事故はその契機となり、廃車にこそなったものの、1960年代製で、ある程度車両の形態を保っていたキハ58に対して、平成時代に誕生しながら原形を留めないほどに大破したレールバスの姿は鉄道業界に衝撃を与え、大規模な事故に対しての脆弱性が指摘されるようになり、一気に全国的に採用が見送られるようになり、以降は耐久性などをある程度考慮した、より鉄道車両らしい車両へと回帰してゆくこととなる、
2013年3月末でわたらせ渓谷鐵道のわ89-100形が引退。2024年7月でいすみ鉄道のいすみ200形も引退し、2024年9月現在定期営業運転に用いられている車両はない。(動態保存してるところはある。)
なお阿佐海岸鉄道でマイクロバスベースの道路と線路両方走れる文字通りのレールバスが走っているが本項とは別物
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関連項目
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