ロキノンとは、ロック系の月刊雑誌「ROCKIN'ON」または「ROCKIN'ON JAPAN」の略称である。1986年発刊。
概要
主に殆どテレビに出ない純粋なロックアーティストのインタビューを数多く掲載している。
また、この雑誌に良く出るようなアーティスト・バンドは総称として「ロキノン系」と呼ばれ、そのアーティストを好んで聴く人は「ロキノン厨」と呼ばれる。
現在における「ロキノン系」は、狭義では94年に「ROCKIN'ON JAPAN」が誌面をリニューアルしてから主に扱う、UKロックやUSオルタナの流れを汲んだバンド群を指すが、広義ではインディーズから頭角を現したグループ、ロックフェスに出演するアーティスト全般(例外あり)を総括して「ロキノン系」とする風潮もある。前者では所謂下北系ロックバンドが中心となるのに対し、後者では一般的なロックバンドはもとより、HIP HOP、ポストロック、プログレやノイズバンドなど、大型フェスや不特定の音楽雑誌には出るが、ジャンル的にロキノン本誌には馴染みが薄いアーティストまでも含まれる。これは90年代後半以降、ロックフェスの浸透やインディーズバンドの台頭などが起こったため、従来メジャーシーンにいたTVをはじめとする芸能メディアを積極的に活用しLIVEで大量動員を行うアーティストと、あくまでフェス・ライブ、雑誌・ラジオといった媒体を中心に活動するアーティストとを二分するための単語として、ネットを中心に広まった。
80年代後半~90年代初頭のバンドブーム期、一時的にヒットチャートと繋がったインディーズ・ライブハウス出身といった背景を持つバンドは、90年代後半以降からチャートの一角を定期的に占めるようになった。
当時、姉妹誌の創刊などもあって影響力を増し、業界におけるそういったバンドの共通したムードを象徴する存在にあったのが、雑誌「ROCKIN'ON JAPAN」だったことから発生した単語だと思われる。
尚、現在の「ROCKIN'ON JAPAN」の路線は初代編集長渋谷陽一、二代目編集長山崎洋一郎時代に徐々に固められていった。
ただし、上記のような出自のアーティストでもHR/HM系やヴィジュアル系バンドは「ロキノン系」という言葉が登場した90年代後半頃には独自の固定層を既に形成していたため住み分けが行われ、結果、ロキノン系と呼称されることはない(今の「ロキノン系」に当たるファン層は当時は漠然と”コアなロックファン”のように認識されていた)
これは(リスナー側から一方的に発生した「ロキノン系」という呼称・特徴とは別に)実際にバンド側が参加する各々のフェスの顔ぶれなどにおいても顕著で、ファン形成の中心となる雑誌とともに基本的にマーケットの住み分けがなされている。海外でのオルタナ・グランジブームがもともとMTVやLAメタルのカウンターであったことも影響していると思われる。
しかし、メタル、ヴィジュアル系バンドも誌面リニューアル前のROCKIN'ON JAPANでは頻繁に扱われており(主に市川哲史在籍時)現在でも稀に誌面に登場することがあるため、その境界線は曖昧である。avexのユニットやビーイング系バンドとも一定の距離感を保っている。
ロキノン系という呼称に関してはROCKIN'ON及びROCKIN'ON JAPANに掲載されるようなバンドやアーティストが好きという純粋なアイコンとして肯定的に使われる一方で 、ロックフェス特有のファンのノリや、2万字インタビューに見られるROCKIN'ON特有の感性重視な視点、一部ファンに見られる選民思想などを一括りにして腐す否定的な(ロキノン厨等)用いられ方もする。
しかし、雑誌ROCKIN'ON JAPANを読んだことがないがそこに載っているようなバンドが好きという層もいれば、ある時代までのロキノンは好きだった層や類似誌やバンドそのものは好むが上記2万字インタビューに代表されるロキノンの雰囲気は苦手な層など、一口にロキノン系といっても必ずしも雑誌ROCKIN'ON JAPANがその中心にある訳ではない。故に「ROCKIN'ON JAPANに掲載されるようなアーティスト」を好む、そのファン層もまた様々である。
ともすればコアな音楽シーン全般を一括りにしてしまう漠然としたカテゴリであるため「ロキノン系」という呼称に否定的な意見を抱く音楽ファンもまた多い
ROCKIN'ON JAPAN本誌も従来の紙面の雰囲気とは異なる、所謂j-POPシーンに属するアーティストを突発的に取り上げる事例もあって(上記V系の例と同じくその時々の編集長のカラーによって左右される部分も強い)その定義について未だに議論が尽きないカテゴリである。
ロキノン系バンド / アーティストの例
注意:上記を参照していただきたいのだが、現状ここに挙げられているアーティストは、大まかに分けて2つの基準によって選出されている。
①雑誌「ROCKIN'ON JAPAN」に取り上げられる、その関連イベントに出ている、など
②ある一定の音楽性的、曲風的な特長から
例えば、①の基準によれば、the pillowsや相対性理論などはロキノン系には入らないであろう。しかしこれらは曲風として他のロキノン系と呼ばれるアーティストと近しいものがあり、②の基準によりロキノン系として挙げられている。
また、②の基準で考える者の中には、電気グルーヴやDRAGON ASH、Perfumeなどが入っていることに違和感を持つ者もいるだろう。
今後このページをどうしていくかも含め、掲示板を参照のこと。
なお、以下では、「the」は除いて五十音順に並べてある。
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関連項目
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