『ロケットガール』とは野尻抱介のライトノベル作品、およびそれを原作とするアニメ作品である(あとTRPGのサプリメントルールもあるよ)。文庫版は長らく絶版だったが、2013年11月からハヤカワ文庫JAから再販が始まっている。
概要
ライトノベル(富士見ファンタジア文庫)は全4巻構成。旧1巻は1994年の『月刊ドラゴンマガジン』連載分(イラスト: 山内則康)で、以降は文庫書き下ろし(イラスト: むっちりむうにい)。本作の軸である「今時の小柄な女子高生が全身タイツ同然の恰好で宇宙に行く」という如何にもライトSFラノベな設定に対し、当時の最先端の科学技術を踏まえキッチリと合理的な説明を加えてハードSF寄りの世界観を構築しているのは、後の星雲賞作家の面目躍如といったところ。もちろん、女の子もしっかり可愛い。
ラノベ旧1巻から少し後に、MAGIUSシステムによるTRPG版『ロケットガールRPG』(イラスト: 山内則康)が発売。こちらもゲームデザイナーであった野尻氏によるデザインで、有人宇宙飛行の簡易シミュレータとして各所で高評価を得た。また宇宙で珍しい光景を観ることでもポイントを獲得できたりと、ゲームとしても独特のセンスが光る一作。
その後、野尻氏のSF作家としてのキャリアはもちろんのこと、現実における宇宙開発の状況やスキンタイト宇宙服の開発などがようやくこの小説に追いついてきたこともあってか再評価が進み、約13年間もの時を経た2007年(2月21日~5月17日)、WOWOWにて小説第2巻までのアニメ版(製作: ハピネット)が放映された。
またアニメ放映に先行して前年から新装版ラノベ(全巻イラスト: むっちりむうにい)が各巻リリース。基本的に内容の変更等は無く、イラストはキャラクターデザインがリファインされている。さらに『月刊ドラゴンマガジン』掲載の未単行本化短篇に書き下ろし中篇を加えたラノベ第4巻も発売された。
2013年からハヤカワ文庫にて順次復刊(表紙: 撫荒武吉)。
ストーリー
父親を探しにソロモン諸島のアクシオ島へとやってきた森田ゆかり。彼女は日本の名門女子校、エリス女学院に通う普通の女子高生だった。ところが、ソロモン宇宙協会(SSA)が宇宙飛行士候補だった安川晴行の代わりに、彼女を宇宙飛行士として突如、雇う事になった。その後、父親を発見し、異母兄弟のマツリと遭遇。彼女もまた、宇宙飛行士候補に選ばれ、その後、SSAの有人宇宙飛行へと協力するのであった。
登場人物
- 森田ゆかり (CV: 仙台エリ) - 父親を探すため、ソロモン諸島へと一人旅立った女子高生。安川と遭遇後、那須田と旭川が『体重40kg以下』ということから、何故か宇宙飛行士に選ばれる。スパルタ教育を意地で乗り切った後、最年少の有人宇宙飛行士として、宇宙へと飛び立つ。
- マツリ (CV: 生天目仁美) - アクシオ島に在住する『タリホ族』の酋長(ゆかり父)の娘で、ゆかりとは異母兄弟の関係にある。宇宙飛行士のサブに選ばれた。最初は、ゆかりに距離を置かれていたが、次第に姉妹として認識されるようになる。
- 三浦茜 (CV: 長谷川静香) - エリス女学院では常に校長の横にいたが、ゆかりに誘われ、SSA3人目の宇宙飛行士となる。ただ、重力耐久などで思った以上に結果が出せないなど、難がある。
- 那須田勲 (CV: 菅生隆之) - 宇宙に夢を抱くSSAの所長。SSAを統括し、ゆかりらの面倒を見ている。
- 旭川さつき (CV: 柳沢真由美) - 物凄くドSな医学主任。身長や体重、スリーサイズを一目で当てることが出来る。
- 三原素子 (CV: 豊嶋真千子) - 『酸化』が趣味の化学主任。ロケットの燃料媒体や宇宙服を低コストで作った張本人でもある。
- 木下和也 (CV: 黒田崇矢) - 宇宙基地の主席管制官。不整脈により、宇宙飛行士の夢を断念。スパルタ教育でゆかりを鍛え上げた。
- 安川晴行 (CV: 田中一成) - 元SSA所属宇宙飛行士。SSAを離れてからは、現地のタクシードライバーとなる。
- 黒須俊之 (CV: 立木文彦) - 宇宙基地保安主任。いつでも迷彩服で、銃をぶっ放す癖がある。
- 向井博幸 (CV: 土門仁) - 宇宙基地技術主任。ロケットを製造するまとめ役をやっている。徹夜で開発されられる為、寝不足がち。
- 森田寛 (CV: チョー) - タリホ族酋長で、ゆかりとマツリの実父。毎日『精霊の呪い』をかけたりなど、ゆかりらに迷惑をかけている。
- 森田博子 (CV: 夏樹リオ) - ゆかりの母。ゆかりがハンストを起こした際、急遽ソロモンに渡来した。
- 山崎直子 (CV: 山崎直子) - JAXA宇宙飛行士。ゆかりの初飛行の際、マスコミを通じてゆかりにメッセージを送る。
主題歌
関連動画
関連項目
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