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ロタウイルスワクチンとはロタウイルス胃腸炎を予防、またはロタウイルス胃腸炎の重症化を予防するためのワクチン(予防接種)である。
概要
そもそもロタウイルスとは胃腸炎を起こすRNAウイルスの一種で、健康な大人が感染しても(既に免疫があるので)軽症であることが多いが、乳幼児に感染すると重症化しやすく激しい下痢や嘔吐、高熱、脱水症状などの症状があらわれる(しかも1週間程度続く)。さらに稀ではあるものの急性脳症や心筋炎、肝炎、急性腎不全、腸重積症などの重大な合併症を起こして死亡することもある危険なウイルスである。
さらにロタウイルスは非常に感染力が強いウイルスであり空気感染もするし、ノロウイルスなどと同様にアルコール消毒も無効であるためワクチンが開発される前までは確実な予防方法が無い手強いウイルスでもあった。
ロタウイルスワクチンは2006年にアメリカ合衆国で開発された。日本では2011年に初めて承認され、2020年からは乳児を対象とした定期接種となった。
このワクチンは他の一般的な予防接種のような注射針のワクチンではなく、甘いシロップのような飲むタイプのワクチン(経口ワクチン)である。また、生ワクチンであり弱毒化させられた生きているロタウイルスを体内に入れるタイプとなっている。
※ちなみにポリオワクチンも昔は生ワクチンかつ経口ワクチンだったが、安全性に問題があった(ポリオワクチンの副作用で稀にポリオを発症することがあった)ため現在は不活化ワクチンかつ注射針タイプのワクチンに変更されている。
注意事項
重大な副作用として腸重積症がある。これは腸と腸が重なって詰まってしまう病気で、すぐに手術等の治療しなければ敗血症などの合併症を起こして死に至ることもある非常に危険な病気である。子供がロタウイルスワクチンを接種した後に泣き叫ぶほどの激しい腹痛や嘔吐、トマトケチャップのような血便(下血)がみられた場合は大至急病院に連れて行くこと!
※ただし一応フォローを加えると腸重積症自体はロタウイルス胃腸炎の合併症として起こることもあるので、ロタウイルスワクチンが特別に危険であるというわけでは無い。
また、既に腸重積症を起こしたことがある子供や先天性消化管障害を持つ子供はロタウイルスワクチンを接種することができない。(腸重積症の発症および再発のリスクが高まるため)
関連項目
親記事
子記事
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兄弟記事
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