ロックマンX7とはロックマンXシリーズ第7作目のアクションゲームである。PS2で発売されている。
2018年より「ロックマンX アニバーサリーコレクションvol.2」にて収録されており、こちらでも遊べる。
概要
既存の横スクロール2D操作に加え、新たに3D操作アクションや新主人公を導入、最初にエックスが使えない等シリーズ随一の大冒険となった作品である。主要キャラやボスキャラの声優に大御所声優の面々を起用した豪華な作品でもある。
ストーリー
- 21XX年 -
荒廃した地上はレプリロイド達の活躍によって順調に復興を遂げていた。
しかしその影でイレギュラーによる犯罪も激増しつつあった。イレギュラーを取り締まる公式組織「イレギュラーハンター」
そこで活躍を続けてきたエックスは力で押さえつけるやり方に疑問を感じ、
平和的解決の道を求め第一線から退いてしまう。「なぜレプリロイド同士傷つけあうんだ。俺はもう戦いたくない…」
エックスが抜け弱体化したイレギュラーハンターに代わり、
非合法にイレギュラーを倒す自警集団「レッドアラート」が活動を始める。
リーダー・レッド率いる「レッドアラート」は一般レプリロイドからも一目置かれるまでになっていた。ある日彼らの中心的存在として活躍してきた一人の少年レプリロイドが自らの運命を変える為
レッドアラートを抜ける事を決意する。そして今…新たな戦いが幕を上げる。
(ロックマンX7 オープニングより)
主題歌
キャラクター
- エックス (CV:森久保祥太郎)
- 本シリーズの主人公だが、本作ではストーリーの最初から使う事はできず、途中参戦となる。
前作で預かっていたセイバーは手放し、バスターを中心とした本来のスタイルに戻っている。 - ゼロ (CV:置鮎龍太郎)
エックスの先輩ハンターであり、本作では新人のアクセルと共に戦う。
再びバスターを封印し、セイバーに加えて他にもいくつかの武器を手にする。 - アクセル (CV:高山みなみ)
本作からの新主人公である。
拳銃「アクセルバレット」を始めとした銃器類にコピー能力「Aトランス」を駆使して、古巣レッドアラートに応戦する。 - シグナス (CV:鈴置洋孝)
イレギュラーハンター総指揮官を務める。
自身の貫禄は増したが、イレギュラーハンターの弱体化と犯罪の激増に頭を悩ませている。 - エイリア (CV:笠原留美)
イレギュラーハンターのオペレーターを務める。ステージ各所でナビを聞く事ができる。
敵のDNA情報に関するナビゲートをしてくれたら、アクセルでその敵に変身できるヒントでもある。 - レッド (CV:大塚明夫)
自警集団「レッドアラート」のリーダー。
アクセルを引き戻すためにイレギュラーハンターにハンター対決を挑む。 - シグマ (CV:麦人)
本シリーズお馴染みのラスボス、中盤の回想シーンから顔も隠さずに登場する。
一応、正体は不明であり、アクセルを利用するためレッドアラートに近付いている。
今作の最終戦は何気に、第2形態でミスしても第1形態からやり直しにならず第2形態から再スタートさせてくれる親切設計になった。 - ギャング達
プロローグでのみ登場する、アクセルを紹介するためのやられ役である。
ムービーシーンの大半を占めるためオープニング曲中で多用されたが、決して重要キャラクターではない。
ボスキャラクター
- 狂乱の炎纏いし戦士 フレイム・ハイエナード
ハイエナ型レプリロイド。イレギュラー化が完全に進行しており、うなされるように襲い掛かってくる。
戦闘はマグマの上を移動する巨大なガゼル型メカの上に乗り込まないとそもそも始まらないが、分身を発生させ集団戦法をとってきたり、ガゼルメカからミサイルが撃ち出されたりと攻撃が苛烈。 - 無垢な暴れん坊 バニシング・ガンガルン
カンガルー型レプリロイド。
思考、体格共にお子様であり、母カンガルーを模した専用ライドアーマーに乗って登場する。 - 踊る暗殺者 トルネード・デボニオン
タマネギ型レプリロイド。
寒いギャグを連発する軽いキャラだが、ストーリー後半参戦のエックスには自身の異常を訴えてくる。 - 蒼海からの追跡者 スプラッシュ・ウオフライ
テッポウウオ+トビウオ型レプリロイド。ひねくれた性格でアクセルとは激しく挑発し合う。
アクセルに「卑怯者」と呼ばれる性格の通り、水中へ逃げると必ずプレイヤーの背後から浮上してくる癖があるのでこれを逆利用して、画面手前を向きカメラ目線で待機して浮上したところを着地狩りし続けてハメる事も可能。 - 深緑の豪腕鉄人 ソルジャー・ストンコング
ゴリラ型レプリロイド。
哲人と呼ばれ、武人としても達観しており、レッドへの忠義のために戦う。 - 黒翼の好敵手 ウィンド・カラスティング
カラス型レプリロイド。
アクセルとは良きライバルであったようでツーカーぶりを垣間見せる。 - 電子迷宮の管理者 スナイプ・アリクイック
アリクイ型レプリロイド。アクセルに「じいさん」と呼ばれるほどの老人な人格だが、優れた情報処理能力を持ち、エックスやゼロについても何か知っているような口振りである。
戦闘では円柱を横倒しにしたような舞台で、裏側へ逃げられるとこちらの攻撃がほぼ届かなくなったり、スナイプミサイルやロックオンが効かないファンネル型オプションを展開して攻撃するなど老獪な戦法を見せる。 - 驀進熱血漢 ヘルライド・イノブスキー
イノシシ型レプリロイド。
走り屋らしくチームに拘りを持っており、レッドアラートを抜けたアクセルを人一倍許せずにいる。
エックスで会話すると、前作で「オールドロボット」と呼ばれていた理由が何となくわかるシュールな会話を繰り広げる。
追加要素・変更点
2DX3D Multi Dimensional Battle
ポリゴン描写、3D操作ステージ導入、また2D操作ステージでも奥行、手前から敵が出現するようになった。
この従来の2D操作と新たな3D操作が混在し、ステージ中に柔軟に切り替わるのが2DX3Dである。
2DX3DはTraditional 2D Action MIX All New 3D Action の略であり中央の文字は×ではなくXである。
画面右上には常にアイコンが表示されており、ステージ中2Dと3Dの切り替わりを教えてくれる。
ロックオン
3D操作は2D操作と比較し、横では前後2方向から全方位360度、高さでは俯瞰視点のため、敵を狙うのが難しい。
そこで完全オートロックオンが導入され、敵を狙うアクションがほぼ不要となった。
プレイヤーチェンジ
GBC版ロックマンXシリーズから、ステージ中での主人公同士のプレイヤーチェンジが本作より輸入されている。
ただし次回作ロックマンX8にあるような各種の連携機能はまだ無く、片方が力尽きるとそのまま残機を1失う。
アクセル(新主人公)
- アクセルバレット(銃器類)
アクセルの基本武器であり、チャージはできないが、唯一ローリング中にも撃てる取り回しの良さがある。
また特定のボスから銃器類を入手する事ができる。
ダブルバレットはアクセルバレットと同じ通常弾を用いるが二丁拳銃で倍の連射数を持つ。
レイガンは連射数に劣るが敵や障害物を貫通し、射程にも優れる。
Gランチャーは連射数、射程共に最低だが、それを補って有り余る高い攻撃力を誇る。 - Aトランス
コピーショットという特殊な攻撃で特定のザコ敵を撃破すると、DNAコアというアイテムを残す。
これを入手することでコピー能力を発揮。
メカニロイドなら簡単な特殊能力を、レプリロイドなら姿形と性能をコピーして利用する事ができる。
またその延長線上か、ボスの撃破によりエックスと同じ特殊武器を使用する事もできる。 - ローリング・ホバリング
ローリングはダッシュから前転し、無敵時間を得て攻撃を回避する事ができる。
またローリング中は全方位にロックオン可能で、後方、奥行、手前にアクセルバレットを撃ち込む事ができる。
ホバリングはジャンプ頂点高度を維持、そのままエアダッシュ以上の距離を水平飛行できる。
エックス
- 復帰について
今作ではエックスが、前作の復活のハンターよろしく一定条件を満たしてからの途中参戦となる。
具体的には64人(4ステージ分)レスキュー完了するか、または8ボス全員撃破のいずれかが必要である。なので最速で進めるならば8ボスを4体撃破した時点でエックスが戦線復帰してくれる。
ある程度ストーリーデモの進行も必至であるため、エックスと一部ボスの会話ではそれを前提としたものもある。 - アーマー
ダブルアーマー制及びプログラム収集制は廃止。
『X4』までと同様で1つのアーマーの4パーツを入手したカプセルで装着する従来形式に戻った。ただし入手するにはエックスを操作してカプセルまでたどり着く必要がある。
また本作ではアルティメットアーマー等の隠し要素は無い。- ヘッドパーツ
周辺にあるアイテムを自身のもとへ吸引する事ができる。3Dアクション化に合わせたような性能だが、距離が遠すぎると引き寄せてくれない。 - アームパーツ
今作でも、特殊武器のタメ撃ちが使用可能になる。過去作とは異なり、チャージショットの性能は強化されず据え置きだが十分強力。 - ボディパーツ
被ダメージ軽減、及びギガアタック(ギガクラッシュ)の解放は過去作と同様の性能だが、今作ではボディパーツを入手すると強力なダメージを喰らってものけぞりダウンしなくなる、という地味だが強力な特性がある。ただしステージ各所に配置されている、赤い音波を出しながらクルクル回転しているレーザートラップだけはボディパーツを装備していても被弾したら必ずダウンしてしまうので落下死の危険がある場所では確実に回避しなくてはならない。 - フットパーツ
グライド飛行が可能になり、エアダッシュ以上に長い距離を滑空して移動できる。一部のステージをショートカットする事も可能になるが、アクセルのホバー飛行とは操作が異なるので咄嗟の場面で操作ミスしやすい点に注意。
- ヘッドパーツ
- エアダッシュ
今作に至りついにエアダッシュがノーマルエックスに標準搭載となった。これは次回作のX8でも同様。
特殊武器
今作ではアクセルとエックスが使用可能な特殊武器。アクセルは専用武器で、エックスはチャージショットなどで何とかなってしまう場面が多いものの、使いどころによっては活躍できるものが多い。
総じて3D化に合わせられた性能になっている。
- ガイアシールド
正面に石製の盾を発生させる。前作のガードシェルのような性能で、防げる攻撃も多いのでシールドとしても有能な武器だがさらに、こちらは盾自体にも攻撃力があるのが特徴。攻撃力は弱いが。3Dステージの場合は横や背後からの攻撃には無力なので2Dステージで大いに活躍できる。
チャージすると、巨大な岩の塊をエックスの前後に精製してぶつける。発生から攻撃まで若干のタイムラグがある点に注意。 - ボルトルネード
竜巻を発生させ、前方へ発射する。発射直後は自身の周囲に竜巻が留まるので敵に囲まれてもまとめて返り討ちにでき、多段ヒットするので大半のザコ敵がこれ一発で蹴散らせるうえ、これが弱点でもないボスが相手でも効率良くダメージを与えられる。今作はこれがあればなんとかなる、というプレイヤーもいるほど。
チャージすると、バリアのように小さな複数のシールドをエックスの周囲へ立体展開。攻撃力、防御機能ともに期待できるほどではないが、一枚はがれるごとにライフ回復が出るという歴代の武器でもかなりユニークな性能を持つ。 - スプラッシュレーザー
水鉄砲のようなエネルギーを発射する。見た目以上に火力が高いのが長所だが、射程距離が短めで燃費も良くないのでエネルギー切れに注意。
チャージすると、前作のメテオレインのような等身大の水の弾を20発連射する。射程も改善されており安定した攻撃性能を誇るため、ステージ道中でも強敵戦でも使いどころを選ばない。 - サークルブレイズ
着弾すると広範囲に爆炎が広がる火炎弾を撃つ。3Dステージ向けともいえるが、射程が短めでなおかつ火力が低めなので細かい敵を蹴散らすのに使うのが良いか。
チャージすると、爆発の範囲と火力が向上し見た目も派手に。エアフォースなど敵が密集しているステージでは強力だが、射程距離が短めなのは変わってない点に気を付けたい。 - ムービンホイール
地上を疾走する車輪型の弾を発射する。『X2』のスピンホイールと良く似ているが、火力が低め。横幅も狭いため3Dステージでは当たりにくいのも泣き所だが、2Dステージだと一転してかなり活躍できる。
チャージすると、挙動が違う3発のホイールをまとめて撃ち出す。 - スナイプミサイル
ロックオンした敵を追尾するミサイルを射出する。弾速が早く火力も高めだが、弾の速さが仇になって敵をちゃんと追尾してくれない場面も多いのでしっかりホーミングさせるにはある程度離れて撃つなど位置取りも肝心。『X1』のホーミングトーピードとは違いこちらは敵に着弾しても貫通してそのまま飛んでいく。スナイプの名の通り何気に射程もかなり長く、レッドやシグマとの戦闘では思わぬ活躍を見せる利点も。
チャージすると、やや小さめのスナイプミサイルを3発同時に発射する。何気に通常版と燃費がほぼ同じなので、アームパーツを手に入れたらエックスはチャージ版を撃った方が効率が良い。 - ウインドカッター
風の刃を飛ばして攻撃する。今作のブーメラン枠。敵にヒットせず手元に戻ってくればエネルギーも還元されるが、他の武器や攻撃で代替えが効くため相対的に出番がなくなりがちなのが悲しい。軌道上にいる細かい敵をまとめて攻撃してくれる利点はあるが。
チャージすると、ウインドカッターを8発同時に発射。見た目はレーザーを8方向へ一斉発射するかのようで派手だが、1発の火力が低くボス戦では無敵時間に阻まれて結局見かけ倒しになりがち。 - エクスプロージョン
前方に爆発波動を放つ。攻撃範囲も射程もかなり狭いが、威力は歴代の特殊武器と比較しても凄まじく強力で、ボス戦で撃てばこれが弱点ではないボス相手でもごっそりとライフを削り切る。ただし燃費の悪さも歴代で最悪級であり、武器エネルギーが無強化だとなんと1発撃っただけで打ち止めになってしまう。
チャージすると、エックスの前後左右頭上、全方位にエクスプロージョンを撃つ。敵に囲まれても安心、というよりそもそも囲まれる状況がほとんど無いうえこちらを包囲してくるような細かい敵はボルトルネードで何とかなるのでこれを使うまでもない場面が多い。なお燃費の悪さもさらに上がり、初期状態の武器エネルギーではタメ撃ちしても不発に終わる。
ゼロ
- ゼットセイバー(武器類)
ゼロの基本武器であり、ポリゴン描写に対応するためか剣捌きが大幅に変更されゆったりとした速度になった。
基本は三段斬りだが、後述の強化システムに対応しコンボ数が最大七段と倍以上に増える。
ダッシュ斬りも最初から使え、ついにエアダッシュ斬りも会得している。
またゼロもアクセル同様、特定のボスから武器類を入手する事ができる。
Dグレイブは三段斬りだがゼットセイバーよりさらに遅く、代わりにリーチと攻撃力に優れている。
Vハンガーは五段斬りで素早く、代わりにリーチと攻撃力に劣る。
今作よりゼロの通常攻撃には敵弾の反射能力が付与されており、間接的に遠距離攻撃が可能となっている。 - ゼットバスター
詳細は不明だが再び使用できなくなった。
強化システム・周回制
- 強化チップ
前作同様のレスキューにおいて、要救護者からの提供物から強化パーツが無くなり、強化チップに変わっている。
これをキャラクターが持つPOWER、SPEED、SPECIALの三つの要素に割り振って強化を行う。
項目にはそれぞれ4段階あり、強化の内容はキャラクターによって異なる。
ちなみに取り外す事はできず、また全員の全強化には最短でも2周が必要となる。 - 周回制について
本作では周回制が採用されており、2周目以降では「強化チップの装着」「エックスの参戦」が引き継がれる。
これによりエックスを最初から強化したり、引き継がれないライフアップ、エナジーアップを振り直してプレイできる。
バグ・小ネタ
- 最終決戦直前でシグマと対峙する場面で、ゼロの髪があらぬ位置にズレて表示される事がある。
- エックスの攻撃は発射直前にチャージ開始受付時間があり、その間ジャンプや着地、被弾があると攻撃は中止される。
これは既にチャージしていても行われ、その間に同様の事が起きればチャージごと消えてしまう。 - ダッシュ壁蹴りをするとジャンプ頂点で失速し、これを続けても壁を登る事は困難である。
- 何らかのアクション中に武器チェンジを行うとアクションが解除されてしまう。
ただしジャンプ及びゼロのダブルジャンプのみ上昇力は残る。
共に上昇し始めは少しだけ速度が速いため、ジャンプ入力に合わせて武器チェンジを行うと僅かに高く飛べる。
エアダッシュ、エックスのグライド、アクセルのホバー及びローリング中は簡易武器チェンジの右スティックにご注意。 - エアダッシュ発動、ゼロのダブルジャンプ発動の判定復活は壁に触れた瞬間であるのに対し、
エックスのグライド発動の判定復活は床に着地する必要があり、壁蹴り中に一度でも暴発していると出せない。
アクセルのホバーは発動自体が床からのみとなっている。 - パッケージ裏の最上部に大きくアピールされている2DX3Dだが、
実際にステージ中の切り替えがあるのはOPステージの一回のみである。 - 一部におけるアクセルの「ウ○コ」の呼称は、単なる卑下ではなく、
とあるファンが「後頭部からウ○コ噴き出してるように見える」と漏らした事に端を発する、容姿からの表現である。 - Aトランスには同じ体格の相手にしか変身できない設定があり、ストーリー上で極めて丁寧に解説されるも、
同体格のボスが存在するためボスに変身しない根拠として成立しておらず、
また外伝ロックマンXコマンドミッションにおいてAトランスの体格縛りはあっさり無視されており、
次回作ロックマンX8ではアクセルの特殊武器も銃器類中心に変更され、また出生の秘密もあっさり周知されている。
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関連項目
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