ロバート・ジョン・オーマン(ヘブライ語名:ישראל אומן、英語名:Robert John Aumann、
概要
戦争は合理的か? 残念ながら答えはイエスである(ロバート・オーマン)
ゲーム理論の応用、特に戦争における相互交渉をゲーム理論で分析した科学者である。
オーマンは科学者でありながら同時に敬虔なユダヤ教徒でもあった。
オーマンの生まれ
裕福なユダヤ人一家の生まれであり、ナチの弾圧から逃れてアメリカ、ニューヨークへ。その時に資産の殆どを失っている。その後、教会で本人曰く「非常に多岐に渡る教育を受けた」そうな。
それからMITに進学し博士号を得た後、プリンストン大学行きゲーム理論の大御所、ジョン・ナッシュと出会う。それから大学を出たオーマンはベル研究所に勤めることになるが、勤務を決めた直後にエレサレムに行かねばならぬと目覚めイスラエルに行くことになった。後に彼はこの時の自分の心境をゲーム理論で喩え色々な場所で吹聴した。
戦争とゲーム理論
オーマンと同時受賞のトーマス・シュリングは独立に研究を行ってきたものの、その研究課題はほぼ同じであり、選考委員が説明した受賞理由は「紛争と協力についての我々の理解をゲーム理論解析によって促進した業績に対して」であった。
多くの例が示すように紛争と戦争は人間の相互作用の中でもきわめて大きな分野を示している。オーマンによればこうした分野を合理的視点で研究することは人間の行動が「情報を与えられた上での最良の利益」に適っているかどうかを問いただすことであり、それが「合理的な行動の正しい」意味である。
オーマンの数学
数学者でもあるーマンは主に「無限回繰り返しゲーム」の理論的分析を行いこれはノーベル賞受賞にも繋がった。しかしオーマンは他のゲーム理論研究者が用いる数学的形式はあまり気にしないスタンスをとっていた。
オーマンの念頭には同時受賞のシュリングと異なり、余り経済学を表に出さなかった。オーマンは高校で数学の授業をとったものの、二週間で逃げ出したと後に語っている。
オーマンとユダヤ教
「経済学者であり数学者であり、なおかつ宗教家」と言われる程の敬虔なユダヤ教徒であり、ユダヤ人の伝統的なスカルキャップ(頭にのせる薄い帽子状のもの)を常に身につけノーベル賞の受賞式でもそのままであった。
1990年、オーマンはイスラエルの国立ヘブライ大学合理性研究センターの設立者のひとりとなった。これはゲーム理論を研究する為の学際的な研究所であるが、一方で合理性に肩入れしながら、他方できわめて非合理的にも深く宗教的であるという不可解な場所である。しかしオーマンにとって両者は対立するものではなかった。オーマンはそのことに関してこう述べている。
「宗教と科学は大きく異なっている。宗教の中心部分は我々が現実世界をモデル化するやり方についてのものではない。宗教は経験——主に感情的かつ審美的なーーである。科学においては世界を考える為にある種の方法を用いるが、宗教では世界の見方が異なっている。これら2つは対立することなく隣り合わせで共存するものだ」
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関連項目
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