ロミタス(Lomitas)とは、1988年生まれの元競走馬である。イギリスで生産され、(主に)ドイツで調教された。
概要
父Niniski 母La Colorada 母父Surumuという血統。
父Niniskiはアイリッシュセントレジャー、ロワイヤルオーク賞などを勝利した名ステイヤーである。
母La Coloradaは名前はフランスっぽいがドイツで生産・調教された競走馬で、ガツヴァイラーズアルトポカル(GIII)など計3勝を挙げている。
母父Surumuもドイツ血統で、ドイチェスダービーの優勝馬である。
生産はイギリスとされているが事実上ドイツのオーナーブリーダーのフェアホフ牧場によって生産・所有された競走馬である。
ドイツの競走馬は母親のイニシャルから取るという例のルールに従ってロミタスと名付けられた。ロミタスは2歳から3歳春にかけてリステッド競走など4連勝し、メールミュルヘンスレネン(ドイツ2000ギニー・GII)に出走した。しかしロミタスには実は閉所恐怖症という欠点があった。初の重賞のこのレースでそれが爆発してしまったのだ。ロミタスはゲートに入ると暴れだし、ついには転倒してしまい、発走除外となった。
このままでは次走も危ういと思った陣営はアメリカから「馬と話す男」と呼ばれ伝説になっていたモンティ・ロバーツ氏を招待した。ロバーツ氏はロミタスを世話することによって閉所恐怖症を克服させ、これによってロミタスはドイチェスダービーに間に合うことができた。
ドイチェスダービー(GI)は2着に敗れたが、ベルリン銀行大賞(GI)、バーデン大賞(GI)、オイロパ賞(GI)とGIを3連勝し、この年のドイツ年度代表馬に選ばれた。
しかしその後も順風満帆とはいかず、牧場に「ロミタスを●す」と脅迫状が送られて来たのであった。この年もロミタスはゲルリンク賞(GII)、ハンザ賞(GII)を制し順調に勝ちを重ねていったのであるが、なんとロミタスの餌に毒が盛られたのであった。
このままではロミタスの命が危ない、そう感じた陣営は秘密裏にイギリス経由でアメリカに渡らせることにした。次にロミタスがターフに現れたのは翌年3月のサンタアニタのアローワンス競走であった。ロミタスはこれに勝利し、その後もアメリカで6戦したがシューメーカーBCマイルS(GII)2着が最高で、アメリカで重賞を勝利することはできなかった。
引退後はドイツで種牡馬として活躍し、歴史的名牝の*デインドリームなどを輩出した。
ロミタスは2010年に息を引き取った。2015年にその奇妙な馬生を記録した20分のドキュメンタリー映画が製作された。現在YouTubeで見ることができる。
血統表
Niniski 1976 鹿毛 |
Nijinsky II 1967 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Flaming Page | Bull Page | ||
Flaring Top | |||
Virginia Hills 1971 鹿毛 |
Tom Rolfe | Ribot | |
Pocahontas | |||
Ridin' Easy | Ridan | ||
Easy Eight | |||
La Colorada 1981 栗毛 FNo.9-e |
Surumu 1974 栗毛 |
Literat | Birkhahn |
Lis | |||
Surama | Reliance | ||
Suncourt | |||
La Dorada 1974 鹿毛 |
Kronzeuge | Neckar | |
Kaiserkrone | |||
Love In | Crepello | ||
Tudor Love | |||
競走馬の4代血統表 |
主な産駒
- Silvano (1996年産 牡 母 Spirit of Eagles 母父 Beau's Eagle)
- Belenus (1996年産 牡 母 Beaute 母父 Lord Udo)
- Meridiana(2000年産 牝 母 Monbijou 母父 Dashing Blade)
- Sanagas (2006年産 騸 母 Scota 母父 Marju)
- Shalanaya (2006年産 牝 母 Shalamantika 母父 Nashwan)
- *デインドリーム (2008年産 牝 母 Danedrop 母父 *デインヒル)
- Molly Malone (2008年産 牝 母 Moonlight Melody 母父 Law Society)
- *サロミナ (2009年産 牝 母 Saldentigerin 母父 Tiger Hill)
関連動画
関連コミュニティ
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関連項目
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